次郎さん……(泣)
最後はとても穏やかとはいえない様相だったな。
無念だっただろうなぁ。
この時代、薬や食料が足りていれば治っただろう病もきっと多かったはず。
のぶ(今田美桜)に見守られて次郎(中島歩)が息を引き取る。初七日が過ぎ、朝田家に顔を出したのぶに、蘭子(河合優実)は塞ぎ込んでいたら次郎さんが悲しむと言ってそっと抱きしめる。その帰り、のぶが御免与駅で電車を待っていると……(62話)
あらすじ は 公式サイトより引用
空襲の焼け野原でひとり佇むのぶ(今田美桜)の前に、嵩(北村匠海)が現れて再会を果たす。釜次(吉田鋼太郎)から事情を聞いたという嵩に、のぶは教師を辞めたことを話し、子どもたちに取り返しのつかないことをしてしまったと後悔を口にする。自分は生きていていいのだろうかと涙を流すのぶに、死んでいい命なんてひとつも無いと、静かに語りかける嵩…(63話)
連続テレビ小説「あんぱん」第13週「サラバ 涙」第62・63話感想

感想
簡単感想で。
次郎さんとの別れ
義母と共に病院へ駆けつけると、次郎さんはすでに昏睡状態だった。
次郎さん!次郎さん!
何度も呼び掛けると、次郎さんはうわごとのように
のぶ……
と名を呼んで息を引き取った。
泣きわめいたり叫んだりすることなく、呆然と夫の死を受け止める のぶが印象的。
実家では家族が気遣ってくれたが、のぶの気持ちは晴れなかった。
これから先のことなんて考えられない。
戦中教育を行ってしまった後悔も、次郎さんがついていてくれたら少しずつ癒えていくはずだった。
泥沼の底に沈んだようなのぶの悲しみが伝わる。
そんな中、御免与駅でのぶは幼馴染とすれ違う。
お互い気づかず、言葉を交わすことはなかったけれど……。
嵩の帰還
のぶが御免与を出たのと同時に駅に降り立ったのは嵩だった。
大陸からこんなに早く帰ってこられたのはラッキーだったのでは。
迎え出てくれた千代子さんに嵩は敬礼して挨拶を……。
柳井伍長…ただいま帰還いたしました。
親代わりに向かってこんな挨拶する人、きっと珍しいよね。
やっぱり嵩って何だかずれている。
嵩はここで千尋の戦死を知る。
戦地で飢えて死にそうになった時…。
夢に父さんが出てきたんです。
そう。
嵩さんはお父さんが守ってくれたがやね。
何でだろう…。
父さん。
僕なんかよりずっと優秀な…。
千尋を守ってくれればよかったのに。
生きて帰ってくるのは僕じゃなくて……千尋ならよかったのに。
千代子さんは我が子が帰ってきたかのように嵩の帰りを喜んでくれたのに、この言いよう。
第一の挨拶は「柳井伍長」だし、おばさんだって多くを失って苦しんでいるのに労わることもなく、自分が死ねばよかったとかネガティブな発言の繰り返し……。
痛々しい……。
のぶとの再会
のぶと嵩は4年ぶりに再会する。
無事にお帰りになったがですね。
ご苦労さまでございました。
と他人行儀に挨拶するところは、人妻として一線ある感じで良かったわ。
嵩…。
うち、教師を辞めたが。
子供らあに…もう向き合えんなってしもうた。
うちは子供らあに取り返しのつかんことをしてしもうたがや。
あの子らあの自由な心を塗り潰してあの子ら
あの大切な家族を死なせて…。
うち…生きちょってえいがやろうか。
次郎さんが居ない今、もうこんなことを泣きながら語れるのは嵩だけなのだろう。
のぶちゃん。
死んでいい命なんて…一つもない。
と答える嵩。
普段ネガティブなことばかり言っているけれど、のぶに対してはこういうことが言えるんだ……。
正しい戦争なんか…あるわけがないんだ。
そんなのまやかしだよ。
それ、どこかの大統領にも言ってやってほしいよね。
だから…正義なんか信じちゃいけないんだ。
そんなもの簡単にひっくり返るんだから。
でも、もし…逆転しない正義があるとしたら…。
全ての人を喜ばせる正義。
僕はそれを見つけたい。
千尋のためにそうすることしか僕にはできないと思って…。
何年かかっても何十年かかってもみんなを喜ばせたいんだ。
そう思ったら…うん、生きる希望が湧いた。
絶望なんかしてられないって。
だから生きるんだ。
千尋の分もみんなの分も。
のぶちゃんも生きてくれ。
次郎さんの分ものぶちゃんが大好きな子供たちのためにも。
そういうようなことを、一度でも千代子さんにも言ってあげてほしい。
これから千代子さんの生活は誰が支えるのか、考えたら本当に切ない。
千代子さんのことはともかく。
のぶと嵩のストーリーはここから。
史実のモデルの やなせたかし夫妻は幼馴染ではなく、出会いは戦後。
千尋という弟は実在するけれど、奥さんを好きだったという話は当然なく、なんでこんな話を作ったんだろうって思うと……そこは本当に要らなかったと個人的には思うのだった。
これから先の話はある程度、史実も混ぜていくのかなぁ。
戦争はずっと引きずっていくのだろうけれど、困った人やつらい人に「顔を分けてあげる」正義のキャラクターを作る日が楽しみ。
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あんぱん キャストとスタッフ
キャスト
若松(朝田)のぶ – 今田美桜(子役期 : 永瀬ゆずな)
柳井嵩 – 北村匠海(子役期 : 木村優来)
朝田結太郎 – 加瀬亮
朝田羽多子 – 江口のりこ
朝田蘭子- 河合優実
朝田メイコ – 原菜乃華
朝田釜次 – 吉田鋼太郎
朝田くら – 浅田美代子
原豪- 細田佳央太
柳井登美子 – 松嶋菜々子
柳井清 – 二宮和也
柳井千尋 – 中沢元紀
宇戸しん – 瞳水ひまり
柳井千代子 – 戸田菜穂
柳井寛 – 竹野内豊
若松次郎 – 中島歩
若松節子 – 神野三鈴
辛島健太郎 – 高橋文哉
小川うさ子 – 志田彩良
田川岩男 – 濱尾ノリタカ(子役期:笹本旭)
今野康太 – 櫻井健人(子役期:中村羽叶)
山下実美 – ソニン
黒井雪子 – 瀧内公美
座間晴斗 – 山寺宏一
貴島勝夫 – 市川知宏
屋村草吉 – 阿部サダヲ
八木信之介 – 妻夫木聡
神野万蔵- 奥野瑛太
馬場力 – 板橋駿谷
目黒新 – 日高由起刀
島仙吉 – 横田栄司
粕谷将暉 – 田中俊介
東海林明 – 津田健次郎
小田琴子 – 鳴海唯
岩清水信司 – 倉悠貴
いせたくや – 大森元貴
語り – 林田理沙
あんぱん スタッフ
◆放送期間 : 2025年3月31日 ~ 2025年9月 日(予定)(全130回)
◆制作 : NHK(AK)
◆平均視聴率 : %
- 脚本 – 中園ミホ
- 音楽 – 井筒昭雄
- 主題歌 – RADWIMPS「賜物」
- 制作統括 – 倉崎憲
- プロデューサー – 中村周祐、舩田遼介、川口俊介
- 演出 – 柳川強、橋爪紳一朗、野口雄大、佐原裕貴、尾崎達哉
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