NHK大河ドラマ【いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)】第41回「おれについてこい!」感想

平沢和重(星野源)の名スピーチで1964年の東京オリンピックが開催決定。田畑(阿部サダヲ)を事務総長に組織委員会が発足する。顧問として大物政治家の川島正次郎(浅野忠信)が参加。川島は東龍太郎(松重豊)が当選した都知事選で田畑と対立した因縁があった。メダルを獲れる競技を正式種目に取り入れようと考えた田畑は、河西昌枝(安藤サクラ)キャプテンが率いる大阪の女子バレーボールチームに注目する。ー
(あらすじは Yahoo!テレビより引用)

  2019年大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」感想

いだてん~東京オリムピック噺(ばなし) 第41回 「おれについてこい!」


大河ドラマ「いだてん」は10月1日にすべての収録を終了しています。

徳井義実さん演じる
日本女子バレーボールの大松博文監督を描くシーンについては

編集などでできるだけ配慮して放送いたします。



から始まった本日の「いだてん」である。

スタッフの話によると本日の「いだてん」は実質1分縮小されているらしい。どこだか知らんけど(笑)


「日本人は「不謹慎だ」と言いすぎる」

というセリフがあったのは先週の第40回。

「世の中」に対する過ぎた配慮を省いた決断、拍手するわ。

徳井くんがテレビ画面に出てきて誰が傷つくというのだろう。そもそもそんな人間はとっくに「いだてん」を見てないでしょ。史上最低視聴率らしいのだから。

ずっと見てきた視聴者に対する配慮のある第41回だった。さすがじゃんね~~。

委員会は政治家に食われる


昭和34年。まーちゃん、組織委員会事務総長に就任。東京オリンピックの総責任者になる。

「渉外担当に「岩ちん」こと岩田幸彰。
式典担当は盟友 ・松澤一鶴。」


見知ったメンバー。
まーちゃんの喋りも絶好調。

「ここがオリンピック準備の最前線。田畑政治、黄金時代の到来です!」

「ところが、オリンピックに一枚噛もうとする政治家が乗り遅れまいと殺到したのです。」

25人で運営するはずだった委員会に我が物顔で乗り込んでくる政治家たち。

特にクセモノ。川島正次郎幹事長。

「川島正次郎。政界のナンバー2として岸、池田、佐藤首相の3代にわたって君臨したキングメーカー。その辣腕ぶりから付いたあだ名は「政界の寝業師」」
大河ドラマ『いだてん』第41回感想 川島@浅野忠信

いやな予感漂う冒頭……。

東洋の魔女


委員会の初めの会議は競技種目の決定。

大阪に女子バレーの凄いのがいると聞いて、早速視察に向かうメンバー。

脱税で謹慎という方向で話題になった徳井義実演じる大松博文監督が率いる日紡貝塚の実業団女子バレーチーム。『アタックナンバー1』(知ってる知らんかな……)を思い出すスパルタっぷり。

一体、どんなに削られてるのかと思ったけれども、クランクアップしてるのにもう削れないよね~~。むしろ申し訳ないと思ったら削らない方向で行くべきだもんね。

しかし、OPにもしっかりクレジット。他の役者さんと一緒のシーンだけじゃなく単独アップもしっかり放映。

令和から見たらパワハラセクハラの塊のようなキャラをシレッと演じる徳井くん。今回は話題になっていたからこれ目当てで視聴率が上がっちゃうかもね(笑)
大河ドラマ『いだてん』第41回感想 徳井くん、ちゃんとかなり出てた(笑)

立て! 死んでも立て!
立って死ね!

アホか、お前ら! 何をしとんねや、アホ。

いいね~……昔のまーちゃんみたいだ。

こんなだったか!?
俺はこんなひどくないだろう!


口調が柔らかいからパワーがあるように聞こえないけれど、中身は結構酷かったじゃんねーー。

とにかく、水泳、体操、重量挙げ、陸上……以外にバレーボールがリストに加わった。

宣伝活動


オリンピックを国内外に盛り上げるための演出も必要になって来る。2019年の今もやっているようなことが当時も行われた。

東京五輪独自のシンボルマークを公募して、新進気鋭のデザイナー・亀倉雄策に依頼。

記録撮影はあの黒澤明監督。建築デザインは世界的に有名な丹下健三が。

そして、聖火リレーを走るために熊本からお馴染みのあの人も上京……。
大河ドラマ『いだてん』第41回感想 東京五輪準備


しかし、実は国民にはそれほど盛り上がっていなかった。時代は安保闘争の真っただ中……。

岩ちんがローマオリンピックを視察。

国民と世界を盛り上げ、予算的にどう折り合いをつけていくかヒントを得るために出発する。

俺のオリンピック


川島正次郎幹事長は、政治家を目の敵にするまーちゃんを警戒した。まーちゃんはオリンピックを食い物にする政治家を嫌った。

戦時中は政治家や軍人が口出ししては壊していくのを何も出来ずに見ているしかなかった。今はそんな時代では無いはずだ。

それでも、金を持てる者は強い。
何かと金の力で口出しして来る。

二言目には金。金。金!あんたら選手のこと何にも分かってないね!俺のオリンピック、持ってこい。

貴様のオリンピックではない!

いいか田畑。はき違えるなよ。

これは日本のオリンピックだ。「国民の」と言ってもいい。

変わるんだよ、日本は。このオリンピックで。

諸君らのようなスポーツ関係者だけで勝手に盛り上がるようなら、金輪際、政府は手を引く。そのつもりでいたまえ!

大河ドラマ『いだてん』第41回感想 国民のオリンピックだ


まーちゃんは拍手しながら応える。

「国民のオリンピック」とおっしゃいましたな。

大いに結構! 
大賛成! 
ハハハハ…。

だったら渋滞、なんとかしてくれよ。国民の生活、もっと豊かにしてくれよ。

国民の一人一人がさ、「俺のオリンピック」だって思えるように盛り上げてくれよ、先生方!

功名心で組織委員会に名を連ね、記者が集まる公開討論にしか顔を出さん。そんな役立たずの役人や政治家は出てってくれ。

大河ドラマ『いだてん』第41回感想 政治家は出て行け


金は無きゃ開催できない。開催地のための地域民対策は必要だ。地域の住民は税金を使われ、工事で迷惑かけられ、さまざまな規制を掛けられる。オリンピックに議員は必要だ。そこは協力し合うべきところ。

政治家は本当は不要ではないし、オリンピックを長年体験してきた体育関係者の意見は絶対必要だ。

彼らに学ぶ心が無く、ただ口出しだけして来るからこういうことになる。委員会のみんなが「俺のオリンピック」だと思っているから争いが絶えないのよね。


2019年現在も、こんな事になっているじゃん……。「開催地の」マラソン問題になっちゃっているじゃん。TOKYOオリンピックは日本のオリンピックじゃないらしい。先日、ちょうどそう思っていたところ。

時代は繰り返し、ちっとも学ばない。一体誰のためのオリンピックなのか。

名もなき選手のための選手村


まーちゃんがオリンピックを体験して、何よりも誰よりも実感していることがある。

誰よりも。何よりも。
選手村のこと。

選手村は、東京近郊に点在する米軍キャンプのいずれかを返還してもらうという案でまとまっていた。

委員会が出した候補地は、米軍から打診された埼玉県朝霞。

朝霞?どこだそれ。

その地図には載ってないですね。埼玉なんで。競技場から25kmなんで……。

もういいわ!遠いわ!
トゥーファーだよ。 トゥーファー!


disられる朝霞よ……

まぁ、でも写真を見たら本当に何もなくてビックリしたけどね。当時、こんなだったんだ……朝霞、ってよく分かった。
 大河ドラマ『いだてん』第41回感想 朝霞キャンプ

現在ではここは自衛隊の駐屯地になっていて、2020年のオリンピックでは射撃の会場になる予定。もちろん周辺の道路は整備されて近隣の桜の名所になっている。(最寄駅「東武東上線 朝霞駅」からはちょっと遠目)


まーちゃんが、競技場まで1時間かかる朝霞に反対するのには理由がある。

1時間を5分にするのが開催国としての矜持だよ。

スタジアムの興奮が冷めない距離でないと駄目なんだ!

ロスの選手村は最高だった。
さっきまで戦ってた選手同士が芝生に寝っ転がって、レコードかけて、踊って、オレンジ食い過ぎて、腹壊して……フフッ…嘉納さんに白人がぶん投げられて。みんなヘラヘラ笑ってたよ。混沌だよ。カオスだよ!

選手の記憶に刻まれるのは選手村で過ごした時間なんだ。



知ってるよ、それ。

この大河の中で何度も見て来たよ。

大河ドラマ『いだてん』第41回感想 選手村


四三と弥彦が初めてストックホルムに行った時は選手村の環境も悪かった。それでも、そこで多くの異国の仲間と出会った。ラザロと出会った。そして選手みんなでラザロを送った。

ロスでは日本人は差別されていた。けれども、競技終了後にはどの国の選手も日本泳法の披露を喜んでくれた。人種関わりなく、みんなで同じプールに飛び込んだ。

日本の選手が異国の選手と握手し、抱き合い、笑顔を交わす姿を私たちは何度も何度も見てきた。自分の思い出のように。


アベベは凄いけどね。
名もなき予選で敗退する選手ですら、生涯自慢できるような大会にしたい。

共産主義、資本主義、先進国、途上国、黒人、白人、黄色人種、ぐっちゃぐちゃに混ざり合ってさ、純粋にスポーツだけで勝負するんだ。終わったら選手村でたたえ合うんだよ!

そういうオリンピックを東京でやりたい。

あくまで俺は代々木にこだわる。
代々木でなきゃ駄目なんだ!

大河ドラマ『いだてん』第41回感想 誇れる選手村を


この思いだよ。
オリンピックは選手のためのオリンピックだ。

彼らの記憶に「あのオリンピックに行ったんだ」と誇りに思えるオリンピックを。

それは、その時そこに居たまーちゃんにしか再現できない思い。


そういうオリンピック、2020年は目指してますか

と、誰かに向かって叫びたくなる。

そういう大河。

その場に居なかった人たちが口出しできることじゃないというその思いは、この大河を見ていない多数の視聴者が誰彼を映すなと口出しすることじゃないだろ、というこの思いとリンクする。


このドラマについてひと言ふた事書きたい方はぜひどうぞ。

NHK大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』◆放送期間 : 2019年1月6日 ~◆平均視聴率 : %◆脚本 : 宮藤官九郎◆原作 : ◆主演 : 中村勘九郎、阿部サダヲ◆出演 : 綾瀬はるか,生田斗真,星野源,松坂桃李,山本美月,竹野内豊,役所広司…


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※キャスト

田畑政治 … 阿部サダヲ
金栗四三 … 中村勘九郎

高石勝男 … 斎藤工
大横田勉 … 林遣都
野田一雄 … 三浦貴大
鶴田義行 … 大東駿介
河野一郎 … 桐谷健太
松澤初穂 … 木竜麻生
前畑秀子 … 上白石萌歌

酒井菊枝 … 麻生久美子
マリー … 薬師丸ひろ子

松沢一鶴 … 皆川猿時
河西三省 … トータス松本
慶 … 深沢敦

平沢和重 … 星野源
岩田幸彰 … 松坂桃李
北原秀雄 … 岩井秀人
東龍太郎 … 松重豊

古今亭志ん生 … ビートたけし
美濃部孝蔵 … 森山未來
おりん … 池波志乃
美津子 … 小泉今日子
五りん … 神木隆之介

知恵 … 川栄李奈
今松 … 荒川良々
万朝 … 柄本時生

大隈重信 … 平泉成
田畑うら … 根岸季衣
小松勝 … 仲野太賀

嘉納治五郎 … 役所広司

岸清一 … 岩松了
野口源三郎 … 永山絢斗
副島道正 … 塚本晋也
杉村陽太郎 … 加藤雅也
牛塚虎太郎 … きたろう
川島正次郎 … 浅野忠信

黒坂辛作 … ピエール瀧→三宅弘城
可児徳 … 古舘寛治
田島錦治 … ベンガル
内田定槌 … 井上肇
永井道明 … 杉本哲太
大森兵蔵 … 竹野内豊
大森安仁子 … シャーロット・ケイト・フォックス

武田千代三郎 … 永島敏行
二階堂トクヨ … 寺島しのぶ

春野スヤ … 綾瀬はるか
池部幾江 … 大竹しのぶ
金栗実次 … 中村獅童
金栗信彦 … 田口トモロヲ
金栗シエ … 宮崎美子
金栗スマ … 大方斐紗子
春野先生 … 佐戸井けん太
美川秀信 … 勝地涼
池部重行 … 髙橋洋

三島弥彦 … 生田斗真
シマ … 杉咲花
三島弥太郎 … 小澤征悦
三島和歌子 … 白石加代子
吉岡信敬 … 満島真之介
中沢臨川 … 近藤公園
押川春浪 … 武井壮
本庄 … 山本美月

橘家圓喬 … 松尾スズキ
小梅 … 橋本愛
清さん … 峯田和伸

村田富江 … 黒島結菜
村田大作 … 板尾創路
人見絹枝 … 菅原小春

犬養毅 … 塩見三省

高橋是清 … 萩原健一


噺 … ビートたけし

※スタッフ

脚本 … 宮藤官九郎
原作 …
音楽 … 大友良英
題字 … 横尾忠則
制作統括 … 訓覇圭、清水拓哉
プロデューサー … 岡本伸三、吉岡和彦
演出 … 井上剛、西村武五郎、一木正恵、大根仁、桑野智宏
時代考証 … 古川隆久
スポーツ史考証 … 真田久、大林太朗
落語・江戸ことば指導 … 古今亭菊之丞









【いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)】
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  1. くう より:

    巨炎さん
    >浅野さんの役作りが最高ですね

    素晴らしいですねぇ。Twitterではご本人も「憎らしい役をありがとう」とツイートしていらして嬉しくなりました。

    >まーちゃんも勿論、国民の事を考えているとは言い難いが
    まーちゃんが受け持つ領分でも無いよな…。

    まーちゃんも以前は政治家・高橋是清さんに金を出させ、治五郎先生に「金を出したから口も出す」と啖呵を切っていたのにね(笑)

    たくさんの経験を積んで今は「国民のため」ではなく「選手のため」の、まーちゃん。何のためでもない政治家よりは遥かに志があると言えましょう^^

  2. 巨炎 より:

    浅野さんの役作りが最高ですね。
    こういう曲者の政治家が絡んでこそドラマは盛り上がる。

    まーちゃんも若い頃は自分達が勝つ事しか考えていなかったが、
    (死後の方が頭が上がらなくなった)治五郎先生の思想を受け継ぎましたね。
    自分達の利権優先の癖に国民の意見を代表しているようなエライさんへの切り替えし。

    まーちゃんも勿論、国民の事を考えているとは言い難いが
    まーちゃんが受け持つ領分でも無いよな…。

  3. 大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』第41回

    「おれについてこい!」内容昭和34年、平沢和重(星野源)のスピーチで、ついに、1964年東京オリンピックが決定した。早速、田畑(阿部サダヲ)を事務総長に、自民党幹事長の川島正次郎(浅野忠信)を顧問に、会長には元大蔵大臣・津島寿一(井上順)が就任し、組織委員会が発足する。だが、いきなり選手村の場所で、紛糾する。そして田畑は、メダルを取れる競技を正式種目にしようと考え、“鬼の大松”こと大松博文(…