NHK大河ドラマ【いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)】第6回「お江戸日本橋」感想


予選会での四三(中村勘九郎)と弥彦(生田斗真)の快走に喜ぶ治五郎(役所広司)だったがオリンピックへの派遣費用が莫大で頭を抱える。さらに四三は負ければ腹切りかと恐縮し、弥彦は帝大後の進路を考えたいと出場を断る。そんな二人に治五郎は「黎明の鐘」になれと熱弁。その頃、若き日の志ん生である孝蔵(森山未來)も師匠・橘家円喬(松尾スズキ)に落語は足で覚えるものだと教わり東京の中心・日本橋界隈(わい)をひた走る
(あらすじは Yahoo!テレビより引用)

  2019年大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」感想

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いだてん~東京オリムピック噺(ばなし) 第6回 「お江戸日本橋」

お金がない!

金栗君君こそ世界に通用する韋駄天だ!

 

オリムピック予選会が終わり、日本に優秀な選手がいる事に目を輝かせる治五郎先生たち。

しかし、財政はひっ迫していた。
なんせ文部省は「体育祭りごとき」に金を出してくれない。

旅費と一ヶ月の滞在期間で1人千円。
選手が5人いれば5千円。
これは「可児さんの給料の7~8年分」らしい。

明治の相場を平成の今と比較するというのは難しいことなのだけど、

明治43年の公務員の給料(55円)で比較すると、1000円は330万円ほど。

米10キロ(1.1円)で比較すると、1000円は359万円ほど。

つまり大金である。
格安飛行機もないしね。

連れていける選手は1人、という結果になってしまった。

そうなると、当然、世界レコードの持ち主である四三……ということになる。

 

しかし、あの計測は誤りだという大森夫妻。

見たまえ! 
彼はもう出る気満々だぞ。

オリンピックに向けて日々トレーニングしてるんだよ。

言えるか?
金がないから連れていけないと、彼に。

私には言えない!
何としてもどんな手段を使っても、彼をストックホルムに連れていく!

改良された陸王

しかし、当の四三は実は こはぜ屋(違)のアトランティス(違)が改良してくれた陸王(違)を試しているだけだった。

ついに出来上がったシルクレイ装着「陸王」
 『いだてん』第6回 感想 陸王の完成

 

新しい相棒を手に入れて喜び溢れる四三くん。

行かない

ならば三島君には自費で行ってもらおう。
出せるだろう、三島君は。
金持ちなんだから。

そのかわり金栗君の分は体協でどこかから借りて用立てよう。

彼を呼んできたまえ。

まぁ……貧しい家には奨学金、って建前なら現代だって通用するもんね。(金持ちには社会に貢献するという金持ちの役割りがあるし~~((笑))

とにかく。

四三にはきちんとオリンピック滞在費が出ることになり。

治五郎先生は心からの喜びを四三に伝えるのである。日本がやっと世界にスポーツで出ていくことになる、初めての1人なんだもん。これは、感動するシーン……

のはず。

今日来てもらったのは他でもないオリンピックの件だがね。

はい。

晴れて日本を代表してストックホルム大会に金栗四三君を派遣することが決まったよ。

スウェーデンは遠いが、精いっぱい闘ってきてくれたまえ!

行ってくれるな?

 

行きとうなかです!

何度要請しても「行かない」を繰り返す四三。
ついに怒鳴ってしまう治五郎先生。

負けたら……切腹ですか!?

ああっ!
それだけはお許し下さい!

金栗君!聞きたまえ……。

ひゃあ!あっ、あっ、あっ…。
羽田では幸運にも勝つこつができました。
ばってん、国際大会など無理です!
自信のなかです!

行けば勝ちたか~って思うし、また勝たんと期待ばしてくれる国民が許してくれんでしょう。

生きて帰れんとです!

 

土下座までし始めて取りつくシマもなし。

「オリンピック選出」が国の代表だということは、「初めて」にして理解できていたらしい四三。

「戦って来い」と言われれば思い起こすのは戦のこと。

まだ幕末から40年しか経っていない。
四三は西南戦争の地で育った。

戦って負けたら生きて帰れないのが当然……。まだまだそういう頭の時代。

 

全く、がっかりだ!
もうがっかりだ!

憧れの治五郎先生の期待に添えず、悲しみの四三。

「金持ち」も戦わない

短距離・三島弥彦である。

三島の方は「金持ちなんだから自費で行ってくれ」どころの騒ぎではなく、そもそも「行かない」のだった。

だって反対されている次男坊だもんね。

今年は帝国大学の卒業年です。
たかがかけっこごときで学校を休んでいたら落第してしまいます。

かけっこじゃない! 
短距離走、100m・200m・400m、3競技の代表として……。

 

文部省のお偉いさんからも釘を刺されましたので。

 

こんなの坊っちゃんの本音じゃないことを知っている家政婦は見た。
 『いだてん』第6回 感想 家政婦は見た

辞退の危機

せっかく日本が参加できるというのに、マラソンは尻込みし、短距離は行かないと言う。

あんなに大喜びした「韋駄天」と、共にスポーツを盛り上げてきたと思っていた天狗に裏切られ、気の毒な嘉納天狗。

 

この人は、金は使うべきところにきちんと使うべきと心得ている人。

辛亥革命によって国へ帰ると言う清国の留学生たちに自費で学費を立て替えた。

 

戻ってはならん!
今戻れば必ずや君たちの身に危険が及ぶ。
君たちは祖国の未来のために私のもとに留学してきた。
それを忘れてはいかん。

君たちはよくやっている!
羽田予選の会場設営の折、泥まみれになって……みんな、よく働いてくれた!

金は私が出す。
諸君は何にも心配するな。 
いいな!?

感動してしまったなぁ。

その借金、生涯返せなかったとしても、「必要な借金は返さなくてもいい」だよ。まさに。

 

このスケールの大きさで、先生は四三にも言うのだった。

 

我が国の運動競技は欧米各国に比べ、後れを取ってる。

マラソンにこそその新しい活路があるというのが体協の総意だ。

学生が先頭に立って国民の体育熱をあおるんだ。
日本人とて世界に通用するんだと奮い立たせるんだ。

ばってん…。

負けても切腹はせんでいい。 
勝ってこいというのではない。
最善を尽くしてくれればいいんだ。

 『いだてん』第6回 感想 治五郎先生

 

かの、勝海舟先生が日米修好通商条約を結ぶに際しアメリカに渡った時、日本人の使者はちょんまげに羽織袴腰には刀をぶっ差してた。そりゃあ、山猿と笑われただろう。

たかだか50年前の話だよ。

何事も最初はつらい。 自信もなかろう。

しかし、誰かがその任を負わねば革新の時は来ない。

スポーツもしかり、ここで誰かが捨て石となり礎にならなければ次の機会は4年後にしかやって来ないんだ。

金栗君、日本のスポーツ界のために黎明の鐘となってくれたまえ!

君しかおらんのだよ。

四三の瞳から涙が一筋流れる。

やっと口から言葉が出た。

行きます。

ところで自費で

これはあくまでも「提案」なんだが、あの、君が出すっていうのはどうかな?

いや、我が体協が支弁するという前提だったが、考えてみればそれが君を追い込んでるのではないかね?

君が君の金でストックホルムに行って思う存分走るのであれば、勝とうが負けようが君の勝手。

気楽なもんだ。
国を背負うだの負けたら切腹だのと頭を悩ませることはない。

レースに集中できる。 違うかね?

 

モノは言いよう。である。

治五郎先生にも、こういう節約((笑))が出来たのね。

「四三のため」は半分本気半分節約(爆)

 

もちろん。
四三は本気でこの提案によって気楽になった。

そして、久々。
1年ぶりに実家に手紙を書いたのである。

 

さあ……

出るかな。
叩いても出ない気がするけれど。

 

今回は明治のお江戸日本橋を走る四三と、昭和の東京オリンピックを待つ田畑たちとの不思議な交錯があった。

思いは同じ。オリンピック。

 

そして、もう一つ。

『いだてん』第6回 感想 志ん生すれ違い

同じく夢へ向かう2人のすれ違いもあった。

 

本作の日本橋はファンタジック。

こういうマジックがまた気持ちいい。

このドラマについてひと言ふた事書きたい方はぜひどうぞ。

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※キャスト

金栗四三 … 中村勘九郎
田畑政治 … 阿部サダヲ

嘉納治五郎 … 役所広司

永井道明 … 杉本哲太
大森兵蔵 … 竹野内豊
大森安仁子 … シャーロット・ケイト・フォックス

野口源三郎 … 永山絢斗
黒坂辛作 … ピエール瀧
可児徳 … 古舘寛治
田島錦治 … ベンガル
内田定槌 … 井上肇
岸清一 … 岩松了
武田千代三郎 … 永島敏行

春野スヤ … 綾瀬はるか
池部幾江 … 大竹しのぶ
金栗実次 … 中村獅童
金栗信彦 … 田口トモロヲ
金栗シエ … 宮崎美子
金栗スマ … 大方斐紗子
春野先生 … 佐戸井けん太
美川秀信 … 勝地涼
池部重行 … 髙橋洋

三島弥彦 … 生田斗真
シマ … 杉咲花
三島弥太郎 … 小澤征悦
三島和歌子 … 白石加代子
吉岡信敬 … 満島真之介
中沢臨川 … 近藤公園
押川春浪 … 武井壮
本庄 … 山本美月

美濃部孝蔵 … 森山未來
橘家圓喬 … 松尾スズキ
万朝 … 柄本時生
小梅 … 橋本愛
清さん … 峯田和伸

平沢和重 … 星野源
岩田幸彰 … 松坂桃李

東龍太郎 … 松重豊

古今亭志ん生 … ビートたけし
おりん … 池波志乃
美津子 … 小泉今日子
五りん … 神木隆之介

知恵 … 川栄李奈
今松 … 荒川良々

大隈重信 … 平泉成
田畑うら … 根岸季衣

噺 … ビートたけし

※スタッフ

脚本 … 宮藤官九郎
原作 …
音楽 … 大友良英
題字 … 横尾忠則
制作統括 … 訓覇圭、清水拓哉
プロデューサー … 岡本伸三、吉岡和彦
演出 … 井上剛、西村武五郎、一木正恵、大根仁
時代考証 … 古川隆久
スポーツ史考証 … 真田久、大林太朗
落語・江戸ことば指導 … 古今亭菊之丞

【いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)】
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コメント

  1. NHK大河ドラマ「いだてん」第6回「お江戸日本橋」

    お江戸日本橋七つ立ち~…って、こちゃへこちゃへ~って奴ですよねえ。いったいどなたが初上り?四三君は東京に来る途中京都も通ったと思うんですけど、途中下車をする余裕はなかったでしょうねええ~。

  2. いだてん 第06回「お江戸日本橋」

    大河ドラマ『いだてん』のお時間です。 BSを録画にて鑑賞。 第6回「お江戸日本橋」 あらすじ・・・・・・・

  3. 大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』第6回

    「お江戸日本橋」内容羽田の予選会で世界記録を出した四三(中村勘九郎)が、ちょっとした一言で、“播磨屋”の辛作(ピエール瀧)を怒らせてしまう。後日、予選会で一緒だった清さん(峯田和伸)の仲立ちで、四三は辛作に謝罪。すると辛作は、笑顔で、新しい足袋を提供してくれる。丈夫にしておいたと。そのころ嘉納治五郎(役所広司)は、頭を抱えていた。可児(古舘寛治)の話で、予選会で莫大な金がかかっただけでなく。…

  4. 大河ドラマ「いだてん」 #06  「お江戸日本橋」

    羽田運動場の運動会で一等となった四三。 いよいよオリンピックか? と思いきやまだまだ紆余曲折があるようです。

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