NHK大河ドラマ【いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)】第18回「愛の夢」感想


東海道駅伝を成功させた四三(中村勘九郎)はますます駅伝にのめりこみ、五輪開催の見通しのたたない悔しさをぶつける。二階堂トクヨ(寺島しのぶ)がイギリスから女性が自由に体を動かせるチュニックを持ち帰ると、身重のスヤやシマ(杉咲花)が目を輝かせる。同じく長旅から帰ってきた孝蔵(森山未來)は、美川(勝地涼)と小梅(橋本愛)の起こしたトラブルに巻き込まれていた。清さん(峯田和伸)が一肌脱ぐがー
(あらすじは Yahoo!テレビより引用)

  2019年大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」感想

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いだてん~東京オリムピック噺(ばなし) 第18回 「愛の夢」

孝蔵→美川←四三

以前から孝蔵と四三は少しずつリンクしてはいるけれども、今回も繋がる出来事があった。

長旅から東京へ帰ってきた孝蔵は、ヤクザに追われる身になっていた。

俺が何かしたのかい?

 

何もしてないんだけどね……。

小梅だよ。銘酒屋の。苦みばしった女。
小梅のやつな、変な野郎と駆け落ちしたんだよ。

 『いだてん』第18回感想 大正美人

 

清さんが言うことには……

その「変な野郎」が美川であった。

ヤクザ・徳重の思われ人になっていた小梅は、誰と付き合ってるのだと責められて思わず、

朝太だよ、朝太。三遊亭朝太って売れない芸人。あたしゃ朝太にホレてんのさ!

と口走り……。

濡れ衣着せられた孝蔵は追われる身になったのだ。

そして、濡れ衣着せた美川の方は、かくまってくれと四三の所へやってきた。

 『いだてん』第18回感想 繋がる

 

俺はほとんど外ば走っとって家におらんけん、こん部屋好きに使ってよか。

こういう人をかくまったせいで、自分が危険な目に遭う可能性もあるわけだけれども、そういう方向には頭の回らない人の良い四三。

 

そして、清さんに止められて、今は自分の方が逃げ回る役を請け負う事になってしまった孝蔵である。

私なら、美川を差し出して自分が助かるけど(笑)人情厚い時代だねぃ……。

駅伝オタク

さて。日本初の駅伝を成功させた四三の勢いは止まらず。

もう日本中を走らなきゃ気が済まないかのように地図に足袋足スタンプを押しながら走り続けていた。

足袋スタンプはカワイイけどね……スヤさんが東京に出て来た時にはもうほぼ日本中にスタンプがついてる始末。
 『いだてん』第18回感想 駅伝オタク

身重の身体で四三に会いに来たというのに。

肝心の夫は居ない。
居るのはなぜか全部髪クネ男・美川一人。

 

数日前、秋葉という弟子が訪ねてきましてね。

その弟子とこの夏、下関から東京まで1200kmを走る計画を立て、夜遅くまで練習しております。ご覧なさいこの足跡を。

そのかたわら、著書「ランニング」の出版記念講演会で全国行脚。その間、僕はお留守番。ここで横になってます。

 

こぎゃんこつ、美川さんに言うてよかろか?

何ば考えとっとでしょうね、あん人は!もともとが普通の結婚じゃなかけん、負い目のあるでしょうが、こぎゃんひた隠しにせんでも。大家さんしか知らんとですよ?うちらんこつ。ほかにゃ誰にも言うとらんですよ。子どもの生まれるとですよ!?もうすぐ臨月だけん不安でしかたなかです!

美川に言ってもしょうがなかばってん「夏は必ず帰る」って手紙ばよこしたとですよ?

美川に言ってもしょうがなかばってん、考えてしまうばい。あん人はマラソンばするためにうちと一緒になったとだろか?マラソンばやめたらうちは……こん子はどぎゃんなっと!?

美川に言ってもしょうがなかばってん、本人には聞かれんけん。

ねえ、美川さん、どぎゃん思います?

もうほとんど美川呼び捨てで思いのたけをぶつけるスヤさん……。

(美川は呼び捨てでいいと思う)

四三が結婚を隠していたわけ

隠していたわけではなかったんだね。

四三の日記を勝手に読み、スヤさんに差し出す美川である。

 

「二月七日。スヤの夢ば見る。」

「やはりオリムピックは開かれたのだ。おるは金メダルを獲り、その祝勝会か何かだろうか。」

「嘉納先生、岸先生、武田先生、可児先生、永井先生、高師のみんな、野口君、一緒にベルリンオリンピックを走った選手たち……」

四三はみんなから祝われて、ドイツ語でスピーチをしていた。

金メダルの輝き。
共に闘ってきたあの仲間たち。先生たち。満面の笑顔。

そんな中、スヤさんは白いドレスを着て会場入りする。

「我、晴れてスヤを皆に紹介し、大いに祝福を受ける。」
 『いだてん』第18回感想 妄想祝勝会

 

行けなかったベルリン。取れなかった金メダル。走れなかったマラソン。

叶わなかった夢の妄想の中にスヤさんは取りこまれてしまっていた。

みんなに紹介する機会は、ベルリンの中止と共に失われてしまったんだね……。

 

「目が覚めて思う。この夢をいつか叶えん。スヤと生まれてくる子のために。」

 

スヤさんは一人、笑顔で帰って行った。

そして、大正8年。元気な男子を出産する。

「大正8年4月28日。スヤは無事、男の子を出産。大正の『正』に明治の『明』で正明と命名す。」

女子スポーツ

今回は「女子」にスポットが当たる回。

走り出したシマ。走り出す女子スポーツ。

「女の走りは見苦しい」と評価され、「健やかな子を産むための身体」と評され、女は「体育」などやらないとされていた時代。

 

あの肋木・永井の愛弟子であった二階堂トクヨは、イギリス留学ですっかり女子体育を見直す先進的な女性へと変貌していた。

まぁ、留学して体育を学ぼうというくらいだから、元々頭は柔らかいんだもんね。

 

和装には七つの罪がある。

胸は襟で十文字に締めつけられる。

腰は袴でひもまみれ。

そのくせ、あんどん包みのだらしない下半身。

家事をやれば袖が水浸し。

たすきを掛ければ猫背になる。

腕を上げれば脇が丸見え!

極め付けはこの帯! 
腹を締めつけられるから深い呼吸ができない。

だから日本の婦人は若くしてバタバタ死ぬんです!

 

「イギリスの名門キングスフィールド体操専門学校に学んだ彼女は、チュニックを奨励」

そして、永井先生に向かって、考えの古さを叫ぶのだった。

永井先生。 
私は永井先生の「学校体操教授要目」に感銘を受け、スウェーデン体操こそ体育の神髄だと信じてまいりました。

しかしそれは誤りでした。

3年間のイギリス留学……。
永井先生の教えがいかに偏った旧態依然の女性の体の特性を無視したものかと。

メイポールダンスに巻かれる永井せんせー。
  『いだてん』第18回感想 メイポールダンスとチュニック

英国仕込みのメイポールダンスを盆踊りとは、クレージー!あなたはもう古い!

軽やかに舞い、軽やかに走れるスタイルで。

帯を解くシマちゃんのシーンに夜明けを感じたわ……。

けれども、それでも、まだまだ女性の体育は「子を産む」体育なのだった。

イギリスの優雅なダンスも、可児先生がアメリカで学んできた「骨盤がバ~ン!臀部がデ~ン!」の女子体育も。

夜が明けてはまた日が沈む。
そんな感じかねぇ。

 

それでも、

播磨屋さんの足袋は四三の要望でついにゴム底が着いた足袋シューズへと進化し……

決してシルクレイでもないし陸王でもありません。
 『いだてん』第18回感想 陸王

 

治五郎先生の元へは、8年ぶりのオリンピック開催の知らせが届くのだった。

8年は長すぎたね……。

このドラマについてひと言ふた事書きたい方はぜひどうぞ。

https://dramarevue.cinemarev.net/revue/idaten/

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※キャスト

金栗四三 … 中村勘九郎
田畑政治 … 阿部サダヲ

嘉納治五郎 … 役所広司

永井道明 … 杉本哲太
大森兵蔵 … 竹野内豊
大森安仁子 … シャーロット・ケイト・フォックス

野口源三郎 … 永山絢斗
黒坂辛作 … ピエール瀧
可児徳 … 古舘寛治
田島錦治 … ベンガル
内田定槌 … 井上肇
岸清一 … 岩松了
武田千代三郎 … 永島敏行
二階堂トクヨ … 寺島しのぶ

春野スヤ … 綾瀬はるか
池部幾江 … 大竹しのぶ
金栗実次 … 中村獅童
金栗信彦 … 田口トモロヲ
金栗シエ … 宮崎美子
金栗スマ … 大方斐紗子
春野先生 … 佐戸井けん太
美川秀信 … 勝地涼
池部重行 … 髙橋洋

三島弥彦 … 生田斗真
シマ … 杉咲花
三島弥太郎 … 小澤征悦
三島和歌子 … 白石加代子
吉岡信敬 … 満島真之介
中沢臨川 … 近藤公園
押川春浪 … 武井壮
本庄 … 山本美月

美濃部孝蔵 … 森山未來
橘家圓喬 … 松尾スズキ
万朝 … 柄本時生
小梅 … 橋本愛
清さん … 峯田和伸

平沢和重 … 星野源
岩田幸彰 … 松坂桃李

東龍太郎 … 松重豊

古今亭志ん生 … ビートたけし
おりん … 池波志乃
美津子 … 小泉今日子
五りん … 神木隆之介

知恵 … 川栄李奈
今松 … 荒川良々

大隈重信 … 平泉成
田畑うら … 根岸季衣

慶 … 深沢敦
村田富江 … 黒島結菜
村田大作 … 板尾創路
人見絹枝 … 菅原小春
高石勝男 … 斎藤工
大横田勉 … 林遣都
野田一雄 … 三浦貴大
鶴田義行 … 大東駿介
前畑秀子 … 上白石萌歌
松沢一鶴 … 皆川猿時
河西三省 … トータス松本

噺 … ビートたけし

※スタッフ

脚本 … 宮藤官九郎
原作 …
音楽 … 大友良英
題字 … 横尾忠則
制作統括 … 訓覇圭、清水拓哉
プロデューサー … 岡本伸三、吉岡和彦
演出 … 井上剛、西村武五郎、一木正恵、大根仁
時代考証 … 古川隆久
スポーツ史考証 … 真田久、大林太朗
落語・江戸ことば指導 … 古今亭菊之丞

【いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)】
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コメント

  1. 大河ドラマ「いだてん」 #18  「愛の夢」

    四三、あちこち走っているようです。 そして、スヤは懐妊。 四三の足袋はひもで結ぶものになったようです。

  2. いだてん 第18回「愛の夢」

    大河ドラマ『いだてん』のお時間です。 BSを録画にて鑑賞。 第18回「愛の夢」 あらすじ・・・・・・・

  3. 大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』第18回

    「愛の夢」内容東海道駅伝を成功させた四三(中村勘九郎)は、その後も駅伝等のレースに出場。全国を走り回る中、スヤ(綾瀬はるか)の妊娠のしらせを受ける。一方、東京に戻ってきた孝蔵(森山未來)は、清さん(峯田和伸)から、信じられない話を聞く。孝蔵が追われているという。サッパリ意味が分からない孝蔵。すると、清さんは、小梅(橋本愛)に起きた出来事を話し始める。そのころ、四三たちに憧れたシマ(杉咲花)は…

  4. NHK大河ドラマ「いだてん」第18回「愛の夢」

    リストの名曲、愛の夢!三つの夜想曲の第三番はきっと誰でも聞いたはず!名前を知らなくても、ああ~~って思うはずの毎度おなじみのド定番! 何が愛の夢かって、スヤ様ご懐妊!麗しのスモックチュニック!美川君の恋路の蹉跌!どれもこれも愛の夢!そして我らが主人公、金栗四三君に新たなマラソン愛の夢が~~!

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