1940年のオリンピック招致をめぐり互いに激しく争う東京とローマ。治五郎(役所広司)は田畑(阿部サダヲ)らをイタリアの独裁者ムッソリーニとの直談判に派遣するが、ムッソリーニとの会見直前、IOC委員・副島道正(塚本晋也)が急病で倒れてしまう。招致の命運がかかったIOCオスロ総会は、他国の政府首脳に働きかけようとした日本の動きをめぐって大紛糾。絶対絶命の状況下で、治五郎は逆転の秘策を思いつく。
(あらすじは Yahoo!テレビより引用)
いだてん~東京オリムピック噺(ばなし) 第33回 「仁義なき戦い」
譲ってもらうっていうのはどうだろう?
誰に?何を?
ムッソリーニに。オリンピックを。
ということで。
それが実現に向かって行っちゃう凄さが嘉納治五郎の言葉力である。
もっとも、当人はそう発言した途端にギックリ腰。(…ではないことが、後々分かるんだけど)
予告では脳溢血のように見えたので……とりあえず、脳や心臓ではないということで良かった。
だって、まだ時間はあるもの。
150まで生きられなくても、まだ時間は……。
ムッソリーニに会いに行く
嘉納さんがそんなことになってしまい、
「1934年12月14日。新米IOC委員の副島道正伯爵がイタリアの首都・ローマに向けて旅立ちます。」
日本は到底駄目だと思います。
ムッソリーニは既にスタジアムを造ってローマ開催を決定的に導こうとしているのに対し、東京は全く手遅れだ。
会えるか会えないか分らないムッソリーニに会うために ひと月もかけてローマへ行くことに全く気が進まない副島伯爵。
しかし、手筈は整っていた。
イタリア大使・杉村陽太郎がムッソリーニに会えるよう、渡りをつけていたのである。
自分が編纂した「日本」を贈呈するために同行することになった まーちゃん。
会社は記者としての同行を認めてくれる。優しいなぁ。
陽気な独裁者
1935年1月14日。
まーちゃんが一緒に来た事に眉をしかめる杉村さん。
ムッソリーニは気分屋で、陽気な独裁者と呼ばれています。
陽気な独裁者?
機嫌さえよければあと4年ぐらいは待ってくれる可能性は十分にある。 頑張りましょう。
しかし、会談直前に副島伯爵はインフルエンザと肺炎のため入院。
痛い注射を何本も打って、ナースに「ガバッタネ」と褒められる……。
片や日本でこの話を聞き、起き上がろうとする治五郎先生。
なんとギックリ腰ではなくて脊椎損傷だったそうで。
安静にしているより他にどうしようもない。
そうこうしている内に2週間経ち。
ようやく30分の外出許可を貰った副島伯爵は、ムッソリーニと会談。
驚くほどアッサリと、ローマは下りる、TOKYOに譲ると言ってもらえるのだった。
「あの日会っていたら譲っていなかっただろう。」
「日本のサムライスピリットが私の心を動かした。」
と言うムッソリーニ。
副島伯爵、倒れたかいがあったね……。
しかし話は通っていなかった
1935年2月。
体調すぐれない副島伯爵と まーちゃんをローマへ残し、1人、オスロのIOC総会へ出席する杉村陽太郎。
ここではローマはもう候補地から下りているはずだから、東京とヘルシンキの一騎打ちになる予定だった。
しかし、イタリア代表のボナコッサ伯爵はにこやかにローマをアピール。
「話が違う」と憤った杉村さんは、ムッソリーニとの密約について口に出してしまい、総会みんなの反感を買ってしまうのだった。
ボナコッサ伯爵は日本とムッソリーニの密約を知っていた。
独裁者の国・イタリアでも、スポーツ精神を汚すことは許されないと怒鳴られる。
会長アンリ・ド・バイエ=ラトゥール氏に「なぜ嘉納治五郎が来ないのか。治五郎がいればこんなことにならなかった。」と言われる始末……。
駆けつけたまーちゃんに愚痴る杉村である。
総会に出席して思い知ったよ。
日本への一票は嘉納治五郎への一票だったんだよ。
誰もが言う。
「カノーはどうした?」「ジゴローはなぜ来ない?」「ムッシュ・カノーは偉大なサムライだ」ってな。
うん……俺も見ました。
ロサンゼルスの選手村で、嘉納さんの背負い投げ、長蛇の列が出来てました。
嘉納さんの英語なんて酷いもんだぞ。
けど……あのたどたどしさがいいのかも知れんな……。
俺は、イタリア語も英語もフランス語もできるが、人望がない。嘉納治五郎には、なれん。
「彼ならこんなことにはならなかった」って言ってもね……そもそもムッソリーニに譲って貰おうと言い出したのはジゴロ―ですけどね……。
ああ、でも、杉村さんのこの気持ち、分かるわぁ。
「あの人には絶対になれない」と思い知らされる気持ち、辛いよね。
しかし、治五郎には誰だってなれない。
あんなに口先で大きいことばかり言って、それが毎回感動シーンみたいになっちゃう人、誰も敵わないよねぇ(笑)
YOU東京に呼んじゃいなよ
イタリアで注射300本打った副島さんと まーちゃんが帰国して悔しい報告をすると、
これは極論だがね。
東京に呼んだらどうだろう?
と、サラッと言い出すジゴロ―。
ラトゥールをですか?
うん。 謝りついでに東京を視察してもらうんだよ。
至れり尽くせりのおもてなしで接待するんだよ。
あ~……。
「あ~」って何だよ。
何か治五郎っぽいな~と思いまして。
治五郎っぽいって何だ。
治五郎だよ、私は。
怒らせちゃったの。こちらの杉村の陽ちゃんが。
この期に及んで、「遊びにおいでよ」なんて図々しく言えるもんですか。ねえ?
もう出しちゃったよ、手紙。
ラトゥールに。
図々しいな~。
しかし、まぁ。図々しいもの勝ちってこともある……。
「親愛なるラトゥール伯爵。
貴殿を日本にお招きしたい。」
「いかに東京が、オリンピックに相応しいか、いかにオリンピックを待ち望んでいるか、その目でご覧頂きたい。」
これを読んで、ラトゥール、本当に日本に来ちゃうのだった。
世界は大いに企む
……と、ここまでは純粋にオリンピックは平和の祭典。スポーツのお祭り。だから政治なんて関係ない。
と思いたい、まーちゃんと国民のお話である。
話を聞いた河野くんは言う。
それだけじゃないだろう。何か裏がある。
裏?
ほかの要因がラトゥールを動かしたと言うのかね?
ヒトラーだよ。
国際連盟脱退以降、日本とドイツが接近しているのは知ってるだろう。
ヒトラーがラトゥールに圧力をかけ、東京支持を要求し、日本に恩を売ったんじゃないかね?
ローマが降りたのも、しかりだ。
同じ軍国主義の国として、日本に貸しを作るのは得策だとムッソリーニは考えて……。
そう。
こんな時代だもの。
オリンピックひとつにしても、国取りのために世界は動いている。
お国のためにはなりませんな。
しかし、若い者には励みになります。
日本の若者が世界の舞台で、飛んだり跳ねたり泳いだりして、西洋人を打ち負かす。
その姿を見て、俺も私も彼らのように頑張ろうと立ち上がる。
国のためじゃない。
若い者のためにやるんです。
まーちゃんは、かつて高橋是清にそう言った。
オリンピックはただの祭りだと言った。
けれども、ここでも言っているのよね。
「日本の若者が世界の舞台で、飛んだり跳ねたり泳いだりして、西洋人を打ち負かす。その姿を見て、俺も私も彼らのように頑張ろうと立ち上がる。」
これがまさに、すでに国を挙げての「お国のため」の洗脳。
多くの若者が、この後、俺も私も彼らのように西洋人を打ち負かせるのだと、そう勘違いするのよね。
オリンピックが夢だと語る、四三の弟子・小松くん。
東京にオリンピックの来る年オレは21で、ちょうど金栗先生がストックホルムば走った年です!
その21の年。
若くて脚力の優れた彼らは、一体、どこを走らされているだろう。
そう考えると、ただただ悲しい。
令和のオリンピック。
東京は猛暑だから止めろ止めた方がいいと人は言う。
それ以上に、今、この大河を見ていて、東京にそんなにオリンピックを呼びたい意味を考える。
オリンピックを呼ぶのは、国力を見せつけるため。
そして国家高揚のため。
純粋にスポーツの祭りを楽しむ まーちゃんには、外からこの仕組みを見つめて戸惑っている。
視聴者と同じ目線で見てくれているこの主人公が、次第に無口になって行くのが辛い。
美川、生きてた!!
時代とも世間とも無関係に生きているように見える美川が生きてた。
そして、彼のターゲットは満州らしい。
また、わざわざ巻き込まれに行くのね~~……。
※キャスト
田畑政治 … 阿部サダヲ
金栗四三 … 中村勘九郎
高石勝男 … 斎藤工
大横田勉 … 林遣都
野田一雄 … 三浦貴大
鶴田義行 … 大東駿介
河野一郎 … 桐谷健太
松澤初穂 … 木竜麻生
前畑秀子 … 上白石萌歌
酒井菊枝 … 麻生久美子
マリー … 薬師丸ひろ子
松沢一鶴 … 皆川猿時
河西三省 … トータス松本
慶 … 深沢敦
平沢和重 … 星野源
岩田幸彰 … 松坂桃李
北原秀雄 … 岩井秀人
東龍太郎 … 松重豊
古今亭志ん生 … ビートたけし
美濃部孝蔵 … 森山未來
おりん … 池波志乃
美津子 … 小泉今日子
五りん … 神木隆之介
知恵 … 川栄李奈
今松 … 荒川良々
万朝 … 柄本時生
大隈重信 … 平泉成
田畑うら … 根岸季衣
小松勝 … 仲野太賀
嘉納治五郎 … 役所広司
岸清一 … 岩松了
野口源三郎 … 永山絢斗
副島道正 … 塚本晋也
杉村陽太郎 … 加藤雅也
牛塚虎太郎 … きたろう
川島正次郎 … 浅野忠信
黒坂辛作 … ピエール瀧→三宅弘城
可児徳 … 古舘寛治
田島錦治 … ベンガル
内田定槌 … 井上肇
永井道明 … 杉本哲太
大森兵蔵 … 竹野内豊
大森安仁子 … シャーロット・ケイト・フォックス
武田千代三郎 … 永島敏行
二階堂トクヨ … 寺島しのぶ
春野スヤ … 綾瀬はるか
池部幾江 … 大竹しのぶ
金栗実次 … 中村獅童
金栗信彦 … 田口トモロヲ
金栗シエ … 宮崎美子
金栗スマ … 大方斐紗子
春野先生 … 佐戸井けん太
美川秀信 … 勝地涼
池部重行 … 髙橋洋
三島弥彦 … 生田斗真
シマ … 杉咲花
三島弥太郎 … 小澤征悦
三島和歌子 … 白石加代子
吉岡信敬 … 満島真之介
中沢臨川 … 近藤公園
押川春浪 … 武井壮
本庄 … 山本美月
橘家圓喬 … 松尾スズキ
小梅 … 橋本愛
清さん … 峯田和伸
村田富江 … 黒島結菜
村田大作 … 板尾創路
人見絹枝 … 菅原小春
犬養毅 … 塩見三省
高橋是清 … 萩原健一
噺 … ビートたけし
※スタッフ
脚本 … 宮藤官九郎
原作 …
音楽 … 大友良英
題字 … 横尾忠則
制作統括 … 訓覇圭、清水拓哉
プロデューサー … 岡本伸三、吉岡和彦
演出 … 井上剛、西村武五郎、一木正恵、大根仁、桑野智宏
時代考証 … 古川隆久
スポーツ史考証 … 真田久、大林太朗
落語・江戸ことば指導 … 古今亭菊之丞
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【いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)】
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コメント
巨炎さん
>やはり第二部は色々な選手にスポットが当たるし、
主人公が政治や社会情勢に上手く絡んでいくので大河らしい。
近代大河は世界史も入って来るので面白いですよね~!実際の映像の入れ方もとても上手い。
>イタリア市民から見たら日本人の方が悪役ですね。
たしかに(笑)
大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』第33回
「仁義なき戦い」内容東京へのオリンピック招致のため、嘉納治五郎(役所広司)はイタリアから譲ってもらおうと、杉村陽太郎(加藤雅也)大使のツテで、IOC委員の副島道正(塚本晋也)らをイタリアに派遣することを決める。田畑(阿部サダヲ)も記者として同行を許可される。だがイタリア首相ムッソリーニとの会談直前、副島が倒れてしまう。2週間後、治療の甲斐あって、回復した副島がムッソリーニと会談。副島の申し出…
やはり第二部は色々な選手にスポットが当たるし、
主人公が政治や社会情勢に上手く絡んでいくので大河らしい。
片や四三は再登場しても何時でも何処でも走っているだけ(笑。
イタリア市民から見たら日本人の方が悪役ですね。