NHK大河ドラマ【いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)】第21回「櫻の園」感想

1920年、アントワープオリンピックでメダルを逃した四三(中村勘九郎)は失意の内にヨーロッパを旅し、第1次大戦の傷跡が生々しいベルリンを訪れていた。そこで四三が目にしたのは戦災に負けずにたくましくスポーツを楽しむ女性たちだった。その姿に大いに刺激を受ける四三。帰国するとスヤ(綾瀬はるか)から引退して熊本に帰るよう頼まれるが、その胸には日本に女子スポーツを根付かせるという固い決意が生まれていた。
(あらすじは Yahoo!テレビより引用)

  2019年大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」感想

いだてん~東京オリムピック噺(ばなし) 第21回 「櫻の園」


今回は女子スポーツの発展に貢献する四三の話……

自分自身が金にならなくても、とにかく走り続けていないと気が済まない人たいね。

ドイツの女性たち


大正9年。アントワープで金を取れなかった四三は、ここで走っていれば金が取れていたかも知れないベルリンに傷心旅行していた。

そして、そこでやり投げを、マラソンを、球技を……身軽なスタイルで楽しむ女性たちを見るのだった。

言葉が通じなくても、身振り手振りと片言英語で繋がる。人柄だねぇ……そして笑顔だねぇ。
 『いだてん』第21回感想 ベルリンの女性たち


日本に戻った四三は、まずシマちゃんにその体験を伝える。

いやいやいや、俺もたまがったばい。
敗戦国ドイツのベルリンの広場で女子が体育ばしよる。

赤子ばおぶったまんまボールば追いかける母親もおった。

母は強か。 
おなごは強か。
不屈の闘志もこっから生まれる。

ドイツは立ち直る。
女子はもう立ち直っとる。

そう……女子ばい。
おなごの番たい。シマちゃん。

えっ?

おなごの体育ば俺はやる!


四三がシマちゃんに真っ先に伝えたのは、女子オリンピック出場の後押しをしてあげたかったから。

だが、シマちゃんには何と婚約者が居た。

結婚も仕事も、ましてやスポーツも……という時代ではないので。

すでにそんな事は考えられないらしいシマちゃん。


奥様にはもうお会いになられました?

四三よ……誰よりも先に会わなきゃ駄目なんじゃ~~。

やっと同居


世の中は四三が居ない間にまた変わっていた。

シマちゃんに婚約者が出来、播磨屋は「ハリマヤ製作所」になっていた。もう足袋屋でもないし、ただのシューズ屋でもないのね……。

これはある意味、四三のおかげ。

そして小僧さんも大きくなっていた。

当然……自分の息子も大きくなっていた。

悔いのなかですか?

うん。 
俺ももう30だけん……吹っ切れた。引退たい。

4年後のパリは後輩に託すばい。

スヤに……金メダルば見せられんかったばってんが。


では熊本に帰りましょうと言うスヤさんに、恐る恐る今後の計画を打ち明ける四三。

女子が体育に関心ば持ち、実践すっと、体ん丈夫か子の生まれる。なっ?人は健康に、国は豊かになるったい。

ふ~ん。

うん。
それを……嘉納先生に相談ばしたら東京の……


竹早の第二高女で教えてみろと。

竹早で革命を起こしてみたまえ。


当然、怒るスヤさんである。

4年置きにこぎゃん話ばしとるばってん、4年に一遍だけ言わせてくれんですか?

一緒に暮らせる日ば夢みて、それば心ん支えに日々生きとります。

マラソンの金栗、駅伝の金栗、次は女子スポーツの金栗ですか。

池部なのに!



怒りながら熊本へ戻る荷造りするスヤさんをやっと引き留める四三。

お義母さんには俺から話すけん。
お前は側におってくれ。

東京で一緒に暮らそう。

『いだてん』第21回感想 一緒に暮らそう


そうだよ。
綾瀬はるかを大事にしてね

ってか、スヤさんだってとつけむにゃあ心の広か女子ですたい。

しかし、まぁ……お母さんがちょっと可哀想。スヤさんと暮らすのが生きがいだろうに。

女の園


竹早第二高女は現在の都立竹早高等学校にあたる。

この時代は教職員が女子師範学校と兼務しており、だからシマちゃんもここの先生なのだった。戦前は東京の名門女子高の一つである。(戦後わりと早い段階から共学になっている)


さて……この時代の名門女子高ということは、お家柄の良いお嬢様が集まっているわけで、四三がどんなにスポーツの素晴らしさを説いても当然乗っては来ない。

日の丸を胸に着けた半袖半ズボンの体操服で校庭で待ち構えていても、誰も放課後体育に参加してくれない。

テニスを教えに来ている永井先生は香水を振りかければいいと言うけれども、そういうことじゃないよね……。生徒たちから「あぶさん(アブノーマル)」と呼ばれる始末。

可児先生の「骨盤がバ~ン 臀部がデ~ン」みたいな授業をやっちゃった結果、徒党を組んで代表がクレーム付けに来る。
『いだてん』第21回感想 桜の園


しかし、四三も上手かった。

いっちょんだけ先生の頼みば聞いてくれんかね?
いっぺんだけ投げてくれ。

嫌よ、ばかばかしい!

し~っ。みんなが見とるばい。なっ?シマちゃん先生も見とる。なっ?このまま諸君が教室に戻ったら、俺の面目が丸潰れたい。頼む 形だけでよか。1投ずつでよかけん。



結局、やってみて楽しかったらさ……みんな夢中になるのよね。友達に負けたくない気持ちも芽生えるし。
 『いだてん』第21回感想 やり投げ


汗かく気持ち良さ、うっぷん晴らす気持ち良さ、褒められる気持ち良さ……。

生徒たちがスポーツにハマり、女子としてのカッコ良さに目覚め、男子と対等に渡り合えるものを知る……。

着物はスポーツの邪魔である事にも納得し、体操服が出来るのにも時間がかからなかった。

そして、ハリマヤ製作所がまた儲かるのだった。
 『いだてん』第21回感想 T女子体操服

そして夢は続く



韋駄天は女子スポーツ浸透の入り口に立った。

治五郎先生は神宮競技場の再開にこぎつける。

知ってるぞ……こういうミニチュア、どこかの北三陸の鉄道事務所でも見たぞ……。
 『いだてん』第21回感想 ミニチュアオリムピック


陸上だけではなく。
日本泳法では勝てない水泳チームのクロール練習も始まった。
『いだてん』第21回感想 クロール


もう6月。
いだてんも後半に入るのよね。

後半は水泳のまーちゃんターンだから、四三の活躍もそろそろ終わり。寂しいな。

前半を見て来て、たくさんの物事が歴史の中では試行錯誤なのだということが伝わった。

生活様式ももちろん、スポーツも。

体力作りから、走法、泳法、女子の立ち位置、教育、競技を「観る」「楽しむ」という根本的な価値観。


結婚によって仕事をあきらめること、スポーツをあきらめること、夢をあらめること……

そんな必要はないのだと。

結婚して子どもを産んだ人は出場できないものですか?

オリンピックですか?

あっ……無理か。

無理ではないけど。

だったら、出ましょうよ…うん。子ども連れて応援に行きます。

やめなくていいんですか?

えっ?
ああ……やめてくれって言うと思ってました?

続けて下さい。 
仕事も……走るのも。
結婚のために何も犠牲にしてほしくないんです。



増野さんの言葉に泣けてしまった。

女子が飯炊きや子守りのためではなく、幸せになるための結婚。
『いだてん』第21回感想 おめでとう


シマちゃん、最高だね。おめでとう。

三島家でお手伝いしていたあの頃から、ずいぶん年月が経ったように思えてしまう。

この、見守ってきた感覚が、確かに歴史を見続けてきた目なのね。

本当に、すごいドラマだ。

このドラマについてひと言ふた事書きたい方はぜひどうぞ。

NHK大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』◆放送期間 : 2019年1月6日 ~◆平均視聴率 : %◆脚本 : 宮藤官九郎◆原作 : ◆主演 : 中村勘九郎、阿部サダヲ◆出演 : 綾瀬はるか,生田斗真,星野源,松坂桃李,山本美月,竹野内豊,役所広司…


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※キャスト

金栗四三 … 中村勘九郎
田畑政治 … 阿部サダヲ

嘉納治五郎 … 役所広司

永井道明 … 杉本哲太
大森兵蔵 … 竹野内豊
大森安仁子 … シャーロット・ケイト・フォックス

野口源三郎 … 永山絢斗
黒坂辛作 … ピエール瀧
可児徳 … 古舘寛治
田島錦治 … ベンガル
内田定槌 … 井上肇
岸清一 … 岩松了
武田千代三郎 … 永島敏行
二階堂トクヨ … 寺島しのぶ

春野スヤ … 綾瀬はるか
池部幾江 … 大竹しのぶ
金栗実次 … 中村獅童
金栗信彦 … 田口トモロヲ
金栗シエ … 宮崎美子
金栗スマ … 大方斐紗子
春野先生 … 佐戸井けん太
美川秀信 … 勝地涼
池部重行 … 髙橋洋

三島弥彦 … 生田斗真
シマ … 杉咲花
三島弥太郎 … 小澤征悦
三島和歌子 … 白石加代子
吉岡信敬 … 満島真之介
中沢臨川 … 近藤公園
押川春浪 … 武井壮
本庄 … 山本美月

美濃部孝蔵 … 森山未來
橘家圓喬 … 松尾スズキ
万朝 … 柄本時生
小梅 … 橋本愛
清さん … 峯田和伸

平沢和重 … 星野源
岩田幸彰 … 松坂桃李

東龍太郎 … 松重豊

古今亭志ん生 … ビートたけし
おりん … 池波志乃
美津子 … 小泉今日子
五りん … 神木隆之介

知恵 … 川栄李奈
今松 … 荒川良々

大隈重信 … 平泉成
田畑うら … 根岸季衣

慶 … 深沢敦
村田富江 … 黒島結菜
村田大作 … 板尾創路
人見絹枝 … 菅原小春
高石勝男 … 斎藤工
大横田勉 … 林遣都
野田一雄 … 三浦貴大
鶴田義行 … 大東駿介
前畑秀子 … 上白石萌歌
松沢一鶴 … 皆川猿時
河西三省 … トータス松本


噺 … ビートたけし

※スタッフ

脚本 … 宮藤官九郎
原作 …
音楽 … 大友良英
題字 … 横尾忠則
制作統括 … 訓覇圭、清水拓哉
プロデューサー … 岡本伸三、吉岡和彦
演出 … 井上剛、西村武五郎、一木正恵、大根仁
時代考証 … 古川隆久
スポーツ史考証 … 真田久、大林太朗
落語・江戸ことば指導 … 古今亭菊之丞









【いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)】
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コメント

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2件のコメント

  • くう
    2019年6月7日 2:07 AM

    千菊丸さん

    >女性アスリートが活躍しているのは金栗さんのお陰ですね

    本当にそうですね!この時代の人たちが日本に持ち込んで教育したんですね!本当によく分るドラマだ。

  • 千菊丸
    2019年6月3日 6:06 AM

    女性アスリートが活躍しているのは金栗さんのお陰ですね。
    最後のコーナーには澤穂希さんがでていて、女の癖にとか言われても、女にはできない事をできないに変えたいとインタビューでおっしゃっていたのが印象深かったです。

3件のトラックバック

  • みはいる・BのB
    2019年6月3日

    いだてん 第21回「櫻の園」

    大河ドラマ『いだてん』のお時間です。 BSを録画にて鑑賞。 第21回「櫻の園」 あらすじ・・・・・・・

  • レベル999のFC部屋
    2019年6月3日

    大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』第21回

    「櫻の園」内容大正9年、アントワープオリンピックでメダルを逃し、失意の四三(中村勘九郎)は、日本に帰らず、ヨーロッパを旅していた。戦いの傷が残るベルリンに立ち寄った時、スポーツを楽しむ女性たちと出会う。日本に帰ってきた四三は、シマ(杉咲花)や嘉納治五郎(役所広司)に、出会った女性たちのことを話をし、日本に女子スポーツを根付かせていくことを決意を伝える。一方でスヤ(綾瀬はるか)から、熊本に帰っ…

  • 真田のよもやま話
    2019年6月3日

    NHK大河ドラマ「いだてん」第21回「櫻の園」

    チェーホフの四大戯曲…いやいや、これからいだてんの舞台は女子高になる噂からして、吉田秋生様の方の櫻の園でしょうなああ~。 んで、おなごの王に俺はなる…じゃなかった!おなごの体育ば俺はやる!予告編で堂々と宣言してましたねえ、四三先生!いろいろ障害だらけになりそうだけど、大丈夫何とかなるって!ニューヘアスタイルだって見慣れれば慣れるって