四三(中村勘九郎)が出場したパリオリンピックの報告会で「負けには意味がない」と息巻く若者が現れる。田畑政治(阿部サダヲ)である。30歳で死ぬと予言された彼は、自分が生きている間に日本水泳を世界レベルに引き上げようと血気盛ん。就職して新聞記者となり、大物政治家・高橋是清(萩原健一)にも接触。加納治五郎(役所広司)や岸清一(岩松了)も驚く馬力で水泳のオリンピック制覇に向けまい進する。
(あらすじは Yahoo!テレビより引用)
いだてん~東京オリムピック噺(ばなし) 第25回 「時代は変る」
第2部が始まったわけです。
主人公は陸の金栗四三から水の田畑政治へバトンタッチ。
と言っても話は1924年のパリオリンピック前後から始まるので、四三が消えてしまうわけではないのだった。
とにかく……
クドカン作品味溢れる初回だった。
ま、ファンにとってはご馳走です。
第1部は何だかんだでキャストのせいもあって、クドカンラマにしては普通に面白い普通の歴史もの大河ドラマだったと思うんだよ、私は。
第2部は何だかんだでキャストのせいもあって……クドカンドラマだよ、間違いなく(笑)
田畑政治の人物紹介的初回
OPも新バージョン。
画はほぼ水模様。
今まで日本を走り抜けていた四三は天から見守る形に。
「阿部サダヲ」のトップクレジット、ちょっと感動しちゃった……。
関東大震災後……
こんな時にという反対を押し切って、体協はパリオリンピックの予選を行った。
そして、四三は34歳で3度目のオリンピックに出場したのだった。
そして、その頃。
「韋駄天がパリオリンピックへ向けて猛練習を始めた頃、東京帝大、今の東大を卒業したまーちゃんは、朝日新聞社の面接を受けます」
口述面接で、機関銃のように水泳について喋り倒す男・まーちゃん。
一つ、聞いていいかね?
何ですか?
もう時間過ぎてますけど。
ハハハ…。
君の友達や仲間がいい選手なのはよく分かった。
さすが!頭いい。
…で、君は何なの?
…何なんでしょう?
散々、水泳について語っておいて、希望の部署は「政治部」。
でも、夢は、日本の水泳を世界レベルに引き上げることなのだった。
大らかな時代の賢い社長はこの騒々しい男を採用し、まーちゃんは希望通り政治部へ配属される。
でも、政治記事の仕事では手柄立てられず、水泳の事だと熱くなる。
社内には金栗の弟子、駅伝ランナーの河野がおり、水泳対陸上で対立する始末。
パリは勝てる!
大ベテランの金栗四三先生はじめ……。
金栗!?
このおっさん、まだ走ってんの?
断れよ、みっともない!
30半ばのおっさんが、今更勝てる!?勝てないよ~!!
私ら視聴者はその「おっさん」に泣かされ、応援しながら、半年ここまで来たんですけどーー!?(爆)
我らがおっさん・四三はパリオリンピックも棄権となり、成績は出なかった。
それでも、ありがとう……お疲れ様……と涙ぐみたいところを……
何だ?今の、おい!
大きな声で読み上げた割には大した記録じゃないよ。
おい、体協!もう我慢ならん。
体協の陸上びいきは目に余るものがある。
出場選手8名?
多すぎるじゃんね!
しかも何?長距離走は全員棄権?
何?何してたの?
のんきにパリ観光かね?
嘉納治五郎名誉会長の引責辞任を求める!
あれがトップにおる限り、日本は勝てん!
老害め。
なにが「逆らわずして勝つ」だ。
逆らってでも勝て、バカ野郎め。
やい、ジジイ!
嘉納治五郎に伝えろ。
水泳は体協から独立する。
援助も受けん代わりに指図も受けんとな!
……と治五郎先生本人に向かって言い、掴みかかって背負い投げされる……というそそっかしさと弱さ(笑)
実際に田畑政治とは「うるさい」と言われるしゃべりの韋駄天だったそうで。
セリフの量、多い(笑)
光文事件
1926年(大正15年)12月25日。
大正天皇がお隠れになり、「大正」の次の元号をすっぱ抜こうとして、日日新聞が誤報を出してしまう事件が起こる。
「明治」から「大正」に変わった時に、その情報をバーでいち早く掴んだという編集局長・緒方竹虎の話を信じ、ドブ臭せぇバー・ローズに通う まーちゃん……ドブ臭せぇママはマリーさん。薬師丸ひろ子に向かって失礼すぎる~~。
まーちゃんは、ここで日日が号外を出した「光文」を知った。
が、編集局長の判断は、
どのみち、1着は逃した。
うちは正確さで勝負する。
裏が取れるまで元号に関する記事は出さん。
結果、朝日は誤報をださずに済んだのだった。
新元号は、当然「昭和」。
当時の新聞社の仕事の熱さも見応えある。
クドカンキャスト
冒頭にも書いたけれども、キャストがやはり圧倒的にクドカン感あるのよね。
サダヲが主人公で、桐谷くんがいて、猿時さんがいて薬師丸さんがいて神木くんがいて源ちゃんがいて……ってなったら、クドカン作品2本以上撮れるじゃんね(笑)
「タイガー&ドラゴン」か「木更津キャッツアイ」か……。
贅沢すぎる、お祭り感が凄いわ!!
火焔太鼓
まーちゃんは、口だけではなく、いや、口が達者だからこそ、様々実行していく。
アントワープオリンピックに、また金が出せない体協。
これは極論だがね、初心にかえったらどうだろう?
初心に?
それは個人負担という意味ですか?
うん。
金栗君や三島君のように、誰の援助も受けずに自腹で参加した方が、かえって身軽でいいんじゃないか?
治五郎先生……それは、物も言いようすぎる~~。
「自由」で「気軽」で「初心」で、選手に負担を与えたじゃん。詭弁癖が変わらない……。
明治・大正・昭和……時代をまたいで僕らはいつも金がない!
そんな金のない体協に、まーちゃんは金を持ってきたのだった。
孝蔵の「火焔太鼓」とこれを掛けたシーンは圧巻だったな。
国から水連に補助金が出たんですよ。
ただ、ちょっと頂き過ぎちゃったんで、お裾分けに来ました。
はい。
うわっ!
おっ。
水連と陸連で6:4でどうです?
「いいかい?50両ずつ見せてやるからな。これが小判で50両だ!」
はい5000円。ああ…。
はい1万円。
み、み、み…水くれ。
俺もそこで水飲んだ。フフッ。水ちょうだ~い!
「水ちょうだ~い!」
「太鼓。儲かったね」
3万円!
「当たり前だ。太鼓儲かった」
4万円!
「これからお前さん」
5万円!
「音の出るもんに限るよ」「当たり前だい」
半鐘はいけないよ!
おジャンになっちゃいますからね。
「いや…早いって!」
あるところに商売の下手な甚兵衛という男がおりまして、ある日、また売れそうもない太鼓を仕入れて来る。しかし、お殿様がその音をたいそう気に入り、城へ持って来いと言う。
甚兵衛の女房は、そんなものが売れるわけがないから、城に行ったら木にでも括りつけられるんじゃないかと悪口言う始末。ところが、この太鼓は火焔太鼓というお宝で、お殿様は三百両で買って下さる。
女房が信用しないので、持って帰ってきた小判を目の前に積み上げていく甚兵衛。で「次は何を仕入れようか。また音が鳴る物がいいねぇ」という話になり、「火の見櫓の半鐘がいい」と言う甚兵衛。
サゲは女房のひと言「半鐘はいけないよ。おジャンになるから。」
(火事が消し止められた時に半鐘をジャンと一回鳴らすので、せっかくの幸運が終いになってしまうよ、というような意味のオチ)
というお話でござんす。
「タイガー&ドラゴン」思い出す。
サダヲの噺の見事さと森山未来の噺の見事さ。
萩原健一の高橋是清
ショーケンさんの遺作にもなったこのドラマである。
「若者の未来に金を」に乗ってくれたらしい、高橋是清。
伏せた目を見開いただけで、見入る迫力の演技。
凄みだわ。
騒がしくて慌ただしくて、そして前向きで熱い時代。
第2部も、本当に楽しい。
素敵な大河だ!
※キャスト
田畑政治 … 阿部サダヲ
金栗四三 … 中村勘九郎
高石勝男 … 斎藤工
大横田勉 … 林遣都
野田一雄 … 三浦貴大
鶴田義行 … 大東駿介
河野一郎 … 桐谷健太
松澤初穂 … 木竜麻生
前畑秀子 … 上白石萌歌
マリー … 薬師丸ひろ子
松沢一鶴 … 皆川猿時
河西三省 … トータス松本
慶 … 深沢敦
平沢和重 … 星野源
岩田幸彰 … 松坂桃李
北原秀雄 … 岩井秀人
東龍太郎 … 松重豊
古今亭志ん生 … ビートたけし
美濃部孝蔵 … 森山未來
おりん … 池波志乃
美津子 … 小泉今日子
五りん … 神木隆之介
知恵 … 川栄李奈
今松 … 荒川良々
万朝 … 柄本時生
大隈重信 … 平泉成
田畑うら … 根岸季衣
嘉納治五郎 … 役所広司
永井道明 … 杉本哲太
大森兵蔵 … 竹野内豊
大森安仁子 … シャーロット・ケイト・フォックス
野口源三郎 … 永山絢斗
黒坂辛作 … ピエール瀧→三宅弘城
可児徳 … 古舘寛治
田島錦治 … ベンガル
内田定槌 … 井上肇
岸清一 … 岩松了
武田千代三郎 … 永島敏行
二階堂トクヨ … 寺島しのぶ
春野スヤ … 綾瀬はるか
池部幾江 … 大竹しのぶ
金栗実次 … 中村獅童
金栗信彦 … 田口トモロヲ
金栗シエ … 宮崎美子
金栗スマ … 大方斐紗子
春野先生 … 佐戸井けん太
美川秀信 … 勝地涼
池部重行 … 髙橋洋
三島弥彦 … 生田斗真
シマ … 杉咲花
三島弥太郎 … 小澤征悦
三島和歌子 … 白石加代子
吉岡信敬 … 満島真之介
中沢臨川 … 近藤公園
押川春浪 … 武井壮
本庄 … 山本美月
橘家圓喬 … 松尾スズキ
小梅 … 橋本愛
清さん … 峯田和伸
村田富江 … 黒島結菜
村田大作 … 板尾創路
人見絹枝 … 菅原小春
噺 … ビートたけし
※スタッフ
脚本 … 宮藤官九郎
原作 …
音楽 … 大友良英
題字 … 横尾忠則
制作統括 … 訓覇圭、清水拓哉
プロデューサー … 岡本伸三、吉岡和彦
演出 … 井上剛、西村武五郎、一木正恵、大根仁
時代考証 … 古川隆久
スポーツ史考証 … 真田久、大林太朗
落語・江戸ことば指導 … 古今亭菊之丞
|
|
|
|
【いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)】
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25
コメント
-d-さん
レスが遅くてスイマセンーー!
祭りのような第二部初回でした(笑)
>阿部サダヲの騒々しさと森山未來の切れの良さを軸にスピード感が心地いい!
曲者揃いの脇役がめちゃ楽しいです。
森山未來くんはだんだんとたけしに融合されて行っちゃうんですね。昨日の回ではもう五りんに交替している感じで寂しかったです。(その分、サダヲの喋りが落語のようだ(笑))
>ショーケンさんはシャイでナイーブな役処の多い方でしたが
是清役 一瞬で凄みと品格のインパクトあり 素晴らしい!
老政治家の迫力と、晩年のベテラン俳優の迫力ですね。素晴らしかった!
時代背景も変化して行く中、舌がコロコロ回るまーちゃんがどう動いていくのか楽しみな第二部です。
主人公が記者になったおかげで社会情勢や時代がよりスムーズに入ってきました。
主人公を中心に活気があるのもイイ。
ただ主役が煩すぎるのはクドカン脚本で阿部ちゃんのせいなのか
一応、設定は20代なせいなのかは良く解りません(汗。
そして治五郎先生すら凌ぐ圧倒的存在感のショーケン!
さすが永遠の不良中年。「大いにやるべし」な説得力に満ちている。
関東大震災以降、大河らしさも出ているのに加え
ショーケンの遺作と言う事で7月は視聴率が結構、盛り返しそう。
むしろ8月以降が心配?
大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』第25回
「時代は変る」内容震災の復興が続く中、嘉納治五郎(役所広司)は、オリンピックに出場するための予選会を開催した。そして。。。。引退していたハズの金栗四三(中村勘九郎)が。。。。大正13年。大学を卒業した田畑政治(阿部サダヲ)は、朝日新聞社の入社面接にやって来ていた。水泳が大好きで、面接官の政治部長の緒方竹虎(リリー・フランキー)が呆れるほど、熱弁を振るう政治。夢は日本の水泳を世界レベルに。。と…
大河ドラマ「いだてん」 #25 「時代は変わる」
第2部開始でオープニングも変わりましたね。 主役も交代です。
≻第2部は何だかんだでキャストのせいもあって……クドカンドラマだよ
ですよねー 1部は明治大正のせいかゆったりした性格の人が多かった
2部は昭和、しかも新聞社のムンムン煙草と男臭い職場
阿部サダヲの騒々しさと森山未來の切れの良さを軸にスピード感が心地いい!
曲者揃いの脇役がめちゃ楽しいです。
(バロン西のキャストも興味津々だったけど水連中心だから無いかな~)
ショーケンさんはシャイでナイーブな役処の多い方でしたが
是清役 一瞬で凄みと品格のインパクトあり 素晴らしい!
残念ながら遺作となりましたがもっと観たい俳優でした。
これからオリンピックと戦争という超難問に向かいますが
どうクドカン見せてくれるのか期待してます!!
いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)「時代は変る」
新章になっても、クドカン節はあいかわらず、というより、ますますパワーアップしてました。オープニングも新しくなりました。前半の主役。四三(中村勘九郎)は、まだ活躍してて、34歳で3度目のオリンピックに出場でも、それを後半の主役、田畑政治(阿部サダヲ)「まだ、あのオッサン出てたのか」と、オッサン扱いするのが可笑しいです。前半が四三を通じて、陸上関係を紹介したのに対し、後半は、水泳関係を紹介する、みたいですね。田端は、幼少期、身体が弱かったものの、帝大に進学し、新聞社の「政治部」に就職した模様。エネルギッ…
NHK大河ドラマ「いだてん」第25回「時代は変わる」
大河の途中で主人公交代。これまで親子の継承とかならございましたけどおお。いやあ、どうなんでしょうこの趣向…金でも銀でもないような~。んで本日のタイトル「時代は変わる」これはきっとボブディラン♪泳がなければ沈んじゃう時代は変わっているんだよ♪ってな歌詞でしたね。まさに日本の水泳黎明期にして泥沼大戦争開戦間近にして、泳がなければ溺れるっちゅう切羽詰まった緊張感が思いやられてしまいますねええ~。