NHK大河ドラマ【いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)】第16回「ベルリンの壁」感想

1914年、教員になる道を捨て、ランナーとしてベルリンオリンピックを目指し始めた四三(中村勘九郎)。野口(永山絢斗)ら後輩と、より過酷な状況でも走り続ける修行に励む。

その頃、旅興行の師匠に一座を追い出された孝蔵(森山未來)は、宿代を払えず捕まってしまう。獄中で偶然目にしたのは円喬(松尾スズキ)死去の記事。牢名主に芸を見せろと挑発され、孝蔵は円喬に教わった噺(はなし)を渾(こん)身の力で披露する。
(あらすじは Yahoo!テレビより引用)

  2019年大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」感想

いだてん~東京オリムピック噺(ばなし) 第16回 「ベルリンの壁」


四三と三島がストックホルムに参加することで、「日本」だけではなく「アジア」がオリンピックに加わった。スポーツの輪は、「五輪」になったのだ。

スポーツの新しい時代が開けようとしていたその時、世界の輪は逆に閉じようとしていた。

とかく、何事もままならぬ……。そういう回。

プロマラソン選手の道


ベルリンオリンピックまで2年半、職には就かずランナーとしてのみ生活することにした四三。

卒業して教員にもならなければ当然寮は出るわけで。

下宿として世話になるのは、あの播磨屋さんの家。

(顔が変った気がするのは、あなたの気のせいです)
『いだてん』第16回感想 播磨屋さん


近頃は高師だけじゃなく、明治や早稲田の学生もわざわざ買いに来るんだよ。

売れちゃってんだよ、金栗四三のマラソン足袋!

内心複雑だよ。
足袋は和服で畳の上で履くもんだってのによ。


複雑だと言っても売れるのは助かるよね~~。

改良もしてもらえるし、本当にいい下宿だ。


向かいの家には、なんと三島家で働いていたシマちゃんが下宿。

三島家から暇を貰って東京女子師範学校を目指して勉強しているのだそうな。

こんな可愛い子が向かいに住んでいたら恋が生まれてしまいそうだよね……。
 『いだてん』第16回感想 シマちゃん


金栗さんや弥彦お坊ちゃまのお姿を見て私も何かやりたくなって。

と治五郎先生に語るシマちゃん。

弥彦が「時代が変わればな」と言っていた「時代」はそこまで来ているように見えた。


OPも変ったよねぇ……
はるかちゃんにバレーといったら『おっぱいバレー』……。
 『いだてん』第16回感想 OPのはるかちゃん

しかし戦争は奪っていく



二階堂トクヨがイギリス留学から帰国し、体協の会議。治五郎先生はさっさとベルリン選考会の話をしたい。

その議論には全く意味を感じないのですが。

何?

先生方は今日の世界情勢をご存じないのでしょうか?欧州で今、何が起こっているのか。

戦況は刻一刻と変化しながら欧州全土に広がり、その犠牲者は過去最大といわれています。

はっきり申し上げます。
今、欧州はオリンピックなど開催できる状況ではない!

ましてドイツは敵国。
選手の身に何かあったら……。


トクヨが言っているのは、いわゆる第一次世界大戦のこと。

1914年6月。オーストリア領のサラエボで大公と妻が暗殺される事件が勃発。まさにヨーロッパはオリンピックどころではなくなっていた。


関係ない!
政治とスポーツは別だ。オリンピックは平和の祭典。
4年に一度の相互理解の場なんだよ。

たとえ戦時中でも殺し合いの最中でもスタジアムは聖域だ!汚されてたまるか!



治五郎先生、青い……。

気持ちはとてもよく分る。
戦地から遠く離れた日本には戦場の緊張感はない。

スポーツに全て捧げる治五郎先生にとってはスポーツは全ての憎しみや人種の壁を取り払う平和の祭りだ。

けれども、それはその時点の欧州から見ればお花畑な話だった。

もし、オリンピックが仮に行われたとしても(ありえないけれど)、スポーツは憎しみを超えるのだというのは綺麗ごとで、1972年のミュンヘンオリンピックでは何の罪もないアスリートが国の争いに巻き込まれて命を失っている。

マラソンで倒れて死ぬのも無念だろうが、平和の祭典に行って銃弾に倒れるのはきっともっと無念でしょう。

選手は守らなければ。
トクヨの言う事は、きつくとも正しい。

孝蔵が失ったもの



予告で孝蔵が捕まるのは見ていたものの、理不尽な理由でも何でもなく、捕まって当然な理由だった……。食い逃げ~~。
 『いだてん』第16回感想 孝蔵捕まる


そして、なんと、牢に放り込まれている最中に、孝蔵は師匠であった円喬の死を知るのだった。


牢名主からバナナをせしめるために噺を聞かせるが、真っ最中に高イビキ。

よかったよ、よかったよ。
サゲがよかったね。


まだ途中です。

んっ? あっそう。

しかしお前、よくもまあ、そんな長え噺をお前、覚えて、つっかえもせず大したもんだよ、うん。

もう一本やるよ、ほら。 
くれてやる。


酒屋のガキにもおんなじこと言われました。
長い噺覚えて、つっかえずに言えて、た~んと稽古したんだな、偉いやぁって。


それが後のサダヲ@田畑政治なんですけどね。

くそ……何がいけねえんだよ。

思い詰めちゃいけねえよ。
芸はもう一つだが、おめえさん、どこかこう……おかしなところがある。

どこか?どこですかい?

まあ、どこかってのは分からねえけどどこかなんだよ。 あるんだよ。

ところが噺を始めるってえと、そのおかしなところはふと消えてなくなっちまうんだよ。



それが、あれだね。「ふら」だね。師匠に言われた「ふらがある」の「ふら」だね。

フラフラになりながら自分を送ってくれた師匠。

師匠の芸と孝蔵の芸がリンクして昇華して行く、青い光射す牢の中……。
『いだてん』第16回感想 孝蔵と円喬


孝蔵は人生の師匠を失った。

そして、落語に生きる決心を得る。

そしてベルリンは中止になった



スヤさんとは手紙のやりとりのみで熊本には一切帰らず走り続けた四三。

せっかくスヤさんが東京に訪ねて来ても「帰って」と追い返す。

スヤさんが居たら練習にならない。甘えてしまう。

なんとストイックな……(はるかちゃんを追い返すなんて信じられん)


しかし、スヤさんはついに、四三を連れ戻す時を見つけた。

教師の仕事に就くのを止めてまで。
スヤさんを追い帰してまで。

走り走って目指し続けた4年後。
それは、やはり中止になったのだった。


「大正4年6月。

ベルリンオリンピックの中止が報じられました。」



東京生活のほとんどを捨ててまで走ってきた、ワガママとも言える選択。もちろんそれは先駆者になるためであり、日本のためになったことだけれども、養子に入った家にお金が無ければ出来ないことだったわけで。

スヤさんが四三を理解して続けさせてあげていたことが、今日のスポーツの発展にも繋がっているということ。

偉人の陰に善き女房あり。だわ。本当に。


このドラマについてひと言ふた事書きたい方はぜひどうぞ。

NHK大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』◆放送期間 : 2019年1月6日 ~◆平均視聴率 : %◆脚本 : 宮藤官九郎◆原作 : ◆主演 : 中村勘九郎、阿部サダヲ◆出演 : 綾瀬はるか,生田斗真,星野源,松坂桃李,山本美月,竹野内豊,役所広司…



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※キャスト

金栗四三 … 中村勘九郎
田畑政治 … 阿部サダヲ

嘉納治五郎 … 役所広司

永井道明 … 杉本哲太
大森兵蔵 … 竹野内豊
大森安仁子 … シャーロット・ケイト・フォックス

野口源三郎 … 永山絢斗
黒坂辛作 … ピエール瀧
可児徳 … 古舘寛治
田島錦治 … ベンガル
内田定槌 … 井上肇
岸清一 … 岩松了
武田千代三郎 … 永島敏行
二階堂トクヨ … 寺島しのぶ

春野スヤ … 綾瀬はるか
池部幾江 … 大竹しのぶ
金栗実次 … 中村獅童
金栗信彦 … 田口トモロヲ
金栗シエ … 宮崎美子
金栗スマ … 大方斐紗子
春野先生 … 佐戸井けん太
美川秀信 … 勝地涼
池部重行 … 髙橋洋

三島弥彦 … 生田斗真
シマ … 杉咲花
三島弥太郎 … 小澤征悦
三島和歌子 … 白石加代子
吉岡信敬 … 満島真之介
中沢臨川 … 近藤公園
押川春浪 … 武井壮
本庄 … 山本美月

美濃部孝蔵 … 森山未來
橘家圓喬 … 松尾スズキ
万朝 … 柄本時生
小梅 … 橋本愛
清さん … 峯田和伸

平沢和重 … 星野源
岩田幸彰 … 松坂桃李

東龍太郎 … 松重豊

古今亭志ん生 … ビートたけし
おりん … 池波志乃
美津子 … 小泉今日子
五りん … 神木隆之介

知恵 … 川栄李奈
今松 … 荒川良々

大隈重信 … 平泉成
田畑うら … 根岸季衣

慶 … 深沢敦
村田富江 … 黒島結菜
村田大作 … 板尾創路
人見絹枝 … 菅原小春
高石勝男 … 斎藤工
大横田勉 … 林遣都
野田一雄 … 三浦貴大
鶴田義行 … 大東駿介
前畑秀子 … 上白石萌歌
松沢一鶴 … 皆川猿時
河西三省 … トータス松本


噺 … ビートたけし

※スタッフ

脚本 … 宮藤官九郎
原作 …
音楽 … 大友良英
題字 … 横尾忠則
制作統括 … 訓覇圭、清水拓哉
プロデューサー … 岡本伸三、吉岡和彦
演出 … 井上剛、西村武五郎、一木正恵、大根仁
時代考証 … 古川隆久
スポーツ史考証 … 真田久、大林太朗
落語・江戸ことば指導 … 古今亭菊之丞









【いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)】
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コメント

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2件のコメント

  • くう
    2019年5月6日 5:03 AM

    巨炎さん
    >自分は安全圏にいるのを当然と思うから
    好戦的発言が出来るというのは別の意味でお花畑であり、
    治五郎先生と対になるようなキャラを上手く動かして欲しいでしょうか。

    お花畑ですよねぇ。自分が戦場に立つかも知れないという発想が欠落しているからそんなことが言えるんですよね。

    しかし、オリンピックのような国家間の祭典が何度あっても戦争は止まない。この大河の時代もこれから戦争に入って行くかと思うと切ないですね。

  • 巨炎
    2019年4月30日 2:40 PM

    >顔が変った気がするのは、あなたの気のせいです
    強面のイイ人は楽しかった。目を閉じても声が違う…(涙。

    >「おっぱいバレー」
    中坊のエロガキなんてあの作品みたいなもの。素直でよろしい!
    と、昨年の某ストーカードラマを観る度に思ってました。

    >戦地から遠く離れた日本には戦場の緊張感はない。
    >けれども、それはその時点の欧州から見ればお花畑な話だった。
    そういえば最初に「オリンピック」言い出した元都知事は
    「ミサイルが日本海側の県に落ちれば国民の平和ボケも覚める」とか
    言っていてミサイルが落ちてくる国は真っ先に選考対象から外れるという
    発想がない事に呆れとりました。自分は安全圏にいるのを当然と思うから
    好戦的発言が出来るというのは別の意味でお花畑であり、
    治五郎先生と対になるようなキャラを上手く動かして欲しいでしょうか。

4件のトラックバック

  • みはいる・BのB
    2019年4月29日

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    2019年4月29日

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    「ベルリンの壁」内容大正3年。教員になる道を捨て、ベルリンオリンピックを目指し始めた四三(中村勘九郎)熊本のスヤ(綾瀬はるか)幾江(大竹しのぶ)に仕送りをしてもらうだけでなく、嘉納校長(役所広司)には、髙師に籍を置かせたもらった四三は、“播磨屋”の辛作(三宅弘城)の店の二階で、下宿をはじめるのだった。そのころ、小円朝(八十田勇一)と一悶着を起こし、一座を追い出された孝蔵(森山未來)ナントカな…

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    ベルリンの壁!平成の訪れとともに崩壊した民族分断の象徴ですけど…今作の場合はあれですね、オリンピックがダメになったことをもって「壁」だという見立て。四三君がどうなってしまうものか、今からもう気が気じゃなくって~。

  • 雨ニモマケズ 風ニモマケズ
    2019年4月29日

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    ピエール瀧逮捕の後、 ようやく辛作の登場です。