NHK大河ドラマ【いだてん～東京オリムピック噺（ばなし）】第22回「ヴィーナスの誕生」感想

東京府立第二高女では、四三(中村勘九郎)の熱血指導によって女学生たちがスポーツに打ち込んでいた。教え子の富江(黒島結菜)たちは全国的なスポーツアイドルとなるが、その前に日本女性離れした見事な体格の人見絹枝(菅原小春)が立ちはだかる。四三の指導を手伝うシマ(杉咲花)も大きな悩みを抱え、それをスヤ(綾瀬はるか)に打ち明ける。真打昇進後も荒んだ生活を送る孝蔵(森山未來)には見合い話が舞い込む。
(あらすじは　Yahoo！テレビより引用)

　　

いだてん～東京オリムピック噺（ばなし）　第22回　「ヴィーナスの誕生」

令和の対女性ファッション・ハラスメントにも通ずる「足出し」問題を論破した四三のセリフにＴｗｉｔｔｅｒが大変盛り上がった第22回。

果たして、四三は英雄になったのか？乙女たちはヴィーナスになったのか？というと……

それは、ちょっと違うんでないかな……と個人的には思うのだった。

 

だって、四三が一番言いたかったのは、

脱いだ方がスピードの出っとです！
脱いだおかげで娘さんは日本一になったとですよ！

な～し、そこば褒めてやらん！？

ここだと思うから。

スピード出るんだから何でも脱いだらよか！！

陸上オタクの陸上オタクゆえな発言たい。うーーん、ブレない。

22回のテーマは「足」。

足シャンになりたか女子たち

東京府立第二高等女学校、通称「竹早」へ赴任した四三は、女生徒たちの心をガッツリ掴んだ模様。

女子スポーツとしてテニスが流行り始め、着物よりも体型がハッキリ出るユニフォームも同時に流行り始めます。

手作りユニフォームを身に着けた村田・梶原ペアがアイドル的人気を持っていたのも、四三を「パパ」と呼んでいたのも史実らしい。

しかし、四三の足を撫でまわしていたのも史実かというと、それは分らない(爆)

走ったら脚がきれいになりますの！？

えっ？あ～……おお、おお、マラソン選手は全員シャンばい。

え～！　
じゃあ私もチャレンジしてみようかしら、陸上。

パパ、走り方教えて。

夫が鼻の下を伸ばしているのを見て、面白くないスヤさん。

そして、子どもが出来て自由に運動できなくなり、まぶしい生徒たちが羨ましいシマちゃんである。

シマちゃんは女子体育と結婚ばしたとね？
違うでしょ？増野さんと結婚ばしたとでしょ？

だったら道理ばい。　
何の負い目もなか。
丈夫な子ば産みなっせ。

金栗先生、喜んでくれますかね？

そりゃそうたい！

 

事実、金栗先生は大喜びしてくれた。
子どもはいつの時代も宝物。

子どもが出来たことは後悔しないでほしい。

「化け物じゃ」と言われる女子

人気者の村田・梶原ペアははるばる岡山までテニスの試合に呼ばれ。

そこで、もの凄い打ち方をする、もの凄くデカい女に出会う。

人見絹枝。
この時代に身長170あったというから、そりゃあ、言われるよねぇ……。

この日本人離れした体格と身体能力にシマちゃん先生は目を付けた。

彼女、いかがでしょうか？

い……いかがって、何が？

陸上やったら大成すると思うんです。

 

この辺、四三らしくないよね～～。
カワイイ我が生徒がケチョンケチョンにやられてしまい、スカウトどころじゃない動揺が見える。「パパ」と呼ばれてヒヨったか(笑)

人見君、脚ば見せなさい。
脚ば見たら君が陸上向きかどがんか分かるけん。

なっ？ほら……。

と、恐る恐る近づいた所を、思い切り……

足を見せられる。

本が好きじゃけぇ、文学部へ進むつもりです！

恥ずかしい思いをしたみたいで、可哀想になってしまった。

タイプは違えども四三の可愛い生徒たちと同じ繊細な女子だよ……。

たてこもり事件

大正11年秋。四三は女子陸上大会を催す。

ここで靴下を脱いで思い切り足を出しちゃった富江さんである。

この事が新聞にまで載る騒動になり、押しかけてくる親の群れ。

四三は言うのだった。

 

おなごが脚ば出して何が悪かね！？

男子はよくて女子が悪か理由ばお聞かせ願いたい。

そもそも、こん子らはきれいか脚に憧れて陸上ば始めたとです。

西洋人モデルごたるシャンな脚になりたかけん走っとっとです。
見られても構わん、だけん出す！
何の問題もなかです。

そうはいかん！

な～しですか？

好奇の目にさらされるからだ、娘の体が！

そりゃ、男が悪か！
女子には何の非もなか！
女子が靴下ばはくのではなく、男が目隠しばしたらどぎゃんですか！

 

脱いだ方が……脱いだ方がスピードの出っとです！
脱いだおかげで娘さんは　日本一になったとですよ！
な～し、そこば褒めてやらん！？

「よくやった！」ちゅうて褒めてやってから、そのあとの靴下云々の話は家でやって下さい。

あんたらが……あんたらがそぎゃんだけん、女子スポーツはいっちょん普及せん！いつまでんヨーロッパには勝てんとです！

冒頭にも書いたけれど、四三が一番言いたいのは恐らく最後の5行。

やはり、親的にはこれは不安もあると思うよ。

こんな男もいるからね……。

板尾が悪いとか男が悪いとか色々と言われていた本日の #いだてん ですが、一番悪いのは美川だと私は思う．。ｏＯ

— くう (@kukucoo) 2019年6月9日

 

金栗先生の依願免職を求めるという話になってしまい、立てこもる生徒たち。

女らしい、らしくないって誰が決めたんですか！？男でしょ！

でしたら男らしさも女に決めさせるべき！

そうよ！たかが靴下脱いだぐらいでガタガタ騒いでるトンチキな文部省も、それにビクビクしてる先生たちも、てんで男らしくない！

 

ということで……

シャンな足に憧れる話から、女性が性的対象物として見られる展開、それを危惧する親たちと思春期の少女たちの反乱……という結末になってしまいました。

やっぱり……

それを食い物にしようとする者=美川が悪いでしょ。

 

どうなるのかはよく分らないけど、来週はついに大正の震災がやってくる……。

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※キャスト

金栗四三 … 中村勘九郎
田畑政治 … 阿部サダヲ

嘉納治五郎 … 役所広司

永井道明 … 杉本哲太
大森兵蔵 … 竹野内豊
大森安仁子 … シャーロット・ケイト・フォックス

野口源三郎 … 永山絢斗
黒坂辛作 … ピエール瀧
可児徳 … 古舘寛治
田島錦治 … ベンガル
内田定槌 … 井上肇
岸清一 … 岩松了
武田千代三郎 … 永島敏行
二階堂トクヨ … 寺島しのぶ

春野スヤ … 綾瀬はるか
池部幾江 … 大竹しのぶ
金栗実次 … 中村獅童
金栗信彦 … 田口トモロヲ
金栗シエ … 宮崎美子
金栗スマ … 大方斐紗子
春野先生 … 佐戸井けん太
美川秀信 … 勝地涼
池部重行 … 髙橋洋

三島弥彦 … 生田斗真
シマ … 杉咲花
三島弥太郎 … 小澤征悦
三島和歌子 … 白石加代子
吉岡信敬 … 満島真之介
中沢臨川 … 近藤公園
押川春浪 … 武井壮
本庄 … 山本美月

美濃部孝蔵 … 森山未來
橘家圓喬 … 松尾スズキ
万朝 … 柄本時生
小梅 … 橋本愛
清さん … 峯田和伸

平沢和重 … 星野源
岩田幸彰 … 松坂桃李

東龍太郎 … 松重豊

古今亭志ん生 … ビートたけし
おりん … 池波志乃
美津子 … 小泉今日子
五りん … 神木隆之介

知恵 … 川栄李奈
今松 … 荒川良々

大隈重信 … 平泉成
田畑うら … 根岸季衣

慶 … 深沢敦
村田富江 … 黒島結菜
村田大作 … 板尾創路
人見絹枝 … 菅原小春
高石勝男 … 斎藤工
大横田勉 … 林遣都
野田一雄 … 三浦貴大
鶴田義行 … 大東駿介
前畑秀子 … 上白石萌歌
松沢一鶴 … 皆川猿時
河西三省 … トータス松本

噺 … ビートたけし

※スタッフ

脚本 … 宮藤官九郎
原作 …
音楽 … 大友良英
題字 … 横尾忠則
制作統括 … 訓覇圭、清水拓哉
プロデューサー … 岡本伸三、吉岡和彦
演出 … 井上剛、西村武五郎、一木正恵、大根仁
時代考証 … 古川隆久
スポーツ史考証 … 真田久、大林太朗
落語・江戸ことば指導 … 古今亭菊之丞

【いだてん～東京オリムピック噺（ばなし）】
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