大正9年、四三(中村勘九郎)は十種競技に挑む野口(永山絢斗)ら15人の選手たちとアントワープへ旅立つ。三島弥彦(生田斗真)が激励にかけつけ、四三と弥彦はたった二人だったストックホルム大会からの日本の成長を実感する。しかし、四三は16位とまたもや惨敗。帰国後の報告会では、四三不在の中で野口が各選手の奮闘を伝えるも、激しい批判にあう。スヤ(綾瀬はるか)は、夫の戦いは金メダルに値する、と反論する。
(あらすじは Yahoo!テレビより引用)
いだてん~東京オリムピック噺(ばなし) 第20回 「恋の片道切符」
今回は全体的にアントワープの回。
ドラマもあっという間だったけれども、レビューも短めにお送りします。
アントワープオリンピック・マラソン実現
駅伝が成功して、日本中(岸先生含む)に感動を与える中、嘉納先生はクーベルタンに直訴状を書いた。
「マラソンを外してしまうこと、あまりにも残念」
そして、何と、これが通って競技にマラソンが復活したのである。嘉納先生、なんて凄い人!
おまけに今回は体協から渡航費が出ることとなった。良かったね、四三。
競技もマラソンだけでは無く、テニス・水泳、そして、野口くんが立候補したデカスロン。
十種競技です。
100m走・幅跳・砲丸投・走高跳・400m・110m障害・円盤投・棒高跳・槍投・1500m、以上 10種目の総合点を競う陸上の王様です!
私がデカスロンに目覚めたのは、金栗さんがストックホルムから持ち帰った投てきの道具を触った時でした。
そうかぁ……
野口くんも頑張って来たんだね。
ストックホルムから8年。
たくさんの競技に日本が出場できるほどスポーツは浸透した。
しかし、例えば水泳など、
「当時、日本人の泳ぎ方といえば日本泳法。
そもそも源平の昔から武術として受け継がれてきた伝統的泳法です。
一切、顔を水につけることなくいかに静かに、かつ体力を消耗せずに泳ぐか。
はて、そんな泳法がオリンピックで通用するのでしょうか?」
海外の主流であるクロールは馬鹿にされていた。
どんな時代でも、やはり試行錯誤だねぇ。
四三の結婚・バレる
「大正9年5月。日本選手団の壮行式が行われました。」
東大陸上部出身の弁護士・辰野 保氏を監督に、総勢13名。ストックホルムの時よりも多種目に参加し、人数も多く……その分、見送りも重々しい雰囲気。
ストックホルムの時に四三が危惧していた「金を出してもらえば責任が生じる」、それを見た気がする。
船旅の生活はストックホルムの時よりも遥かに快適そうで、金があるってやっぱり凄いこと。
選手たちの間でマラソン馬鹿の四三の女とは誰なのかというクイズまで行われる余裕があるのだった。(トクヨ……ないない……)
ってか、四三、あんたまだ妻子の事を隠してるのかよ!!
それがバレるのはロンドンに到着した時。
旅券が「シソウ・イケベ」になっていることが皆に知れ渡る……いや、そんなことは出国前に気づいて。
君……金栗じゃないの?
君……池部なの?金栗君。
……はい。
実は…
7年前に熊本で養子縁組みばしまして、去年長男の生まれました。
えっ!?長男!?
あっ、すんまっせん!
池部家の養子になり、嫁ばもろうて長男の生まれました。すんまっせん。
こぎゃんことなら、もっと早う報告すりゃよかった。
そうだよ。
報告が遅い。
なあ、野口君?
あっ、あの、実は……私も……松本で結婚して息子がおります。
ばっ!
ええ~!?
何!?
なんなの、この人たち……。
この当時は結婚も早かろうし、むしろ結婚して一人前とか言われていただろうに、スポーツに燃える人たちの中ではやはりメダルを取って一人前みたいな意識があったのかなぁ。野口くんまでとは。
ちなみに、ここで結婚が皆に知れて、奥さんの写真をテレながら見せたというエピソードは史実らしい。
私が夫で奥さんが綾瀬はるかだったらメチャメチャ言いまくるけど(笑)
弥彦と再会
「そして1920年8月3日。
ベルギーのアントワープに到着。
14日には開会式が行われます。
オリンピック経験者は金栗四三のみ。」
アントワープには、今、ロンドン支店に勤めているという三島弥彦が来てくれた。
懐かしさこみあげるシーン。
15名おっとですよ。
私や、あぁたに憧れて、運動ば始めた者も相当おっとです。
あっ、こん部屋も……日本チーム専用ばい。
ハハハ……すごいね。
日本のスポーツ界も発展したものだ。
そうね……そうね。
あの時は……
8年前は、た~った2人だったもんね。
たった2人で。
言葉も通じず、トイレの便器は位置が高くて背伸びしなきゃ使えず、外国人選手たちの体格にコンプレックスばかりが強くなっていって。
それでも、2人はたった2人だったからこそ分り合えた。
ああ、本当に懐かしいなぁ。
まるで見ていた私たちも2人と一緒に甘い思い出を体験したよう。
苦かったストックホルムはこのドラマの第二の故郷。
クドカン作品だねぇ。
心に故郷を作る……。
アントワープオリンピックは報告会から
が。
この後、場面は突然3か月後に切り替わってしまう。
「3か月後、アントワープオリンピックの報告会が行われます。……が、そこに金栗四三の姿はありませんでした」
記者たちが集まる中、成績の発表が団長の野口君から語られる。
まずは庭球から。
シングルス、熊谷選手、銀メダル。
ダブルス、熊谷・柏尾組同じく銀メダル。
我が日本に初めてのメダルをもたらしてくれました!
ここは拍手が沸き起こり、いい空気だったけれども、この後はヤジの連続。
12人中最下位だった十種競技の野口くん。
23人中11人も棄権が出る中やり切った話は記者の耳には届かない。
水泳の予選敗退も。
今後はクロールを習得しなければならない話は誰も聞かない。
そして、マラソン。
金栗先生は立派でした。
戦争の被害も生々しいアントワープの街を我々3人を引っ張って走って下さいました。
西洋の選手が出だしから飛ばしても少しも慌てず励まして下さいました。
折り返しの地点では25位に居り、一時期は5位にまで上がっていたという四三。
記録は2時間48分45秒!16位でした!
え~?話になんねえよ!
茂木 20位、八島 21位、三浦 24位!
16位……充分立派だと思うが。
非国民とまで言われなきゃならない何をこの人たちがしたというのか。
何もしない人たちが何かをやり遂げた人たちを記録で責めるの。
辛かったなぁ。
せからしか!
金栗選手は負けとらんたい!
終いまで走ったとでしょうが!
42キロ、日本人で初めて完走ばしたとでしょうが!
16位ばってん、うちにとっては大勝利。
金メダルたい!
金栗四三は金メダルったい!
8年間。
頑張ってきた人を見てきた妻。
この人が金メダルと言っているのだから、これはもう金メダルたい。
泣きそうに笑う。はるかちゃんの演技が良かった。
体協のオリンピック最優先の体制を改めない限り、我が国の体育の向上はない!
50年後、100年後、世界レベルに達するには私たちは何をすべきか……。
二階堂トクヨの言う事ももっともなんだけれども、この場で大声で選手を責めるのは何だか違うよね。
きちっと諭した永井先生がカッコよかったわ。
さて……
四三は、行けなかったベルリンで傷心の旅。
女子体育の教育に目覚めるか。
※キャスト
金栗四三 … 中村勘九郎
田畑政治 … 阿部サダヲ
嘉納治五郎 … 役所広司
永井道明 … 杉本哲太
大森兵蔵 … 竹野内豊
大森安仁子 … シャーロット・ケイト・フォックス
野口源三郎 … 永山絢斗
黒坂辛作 … ピエール瀧
可児徳 … 古舘寛治
田島錦治 … ベンガル
内田定槌 … 井上肇
岸清一 … 岩松了
武田千代三郎 … 永島敏行
二階堂トクヨ … 寺島しのぶ
春野スヤ … 綾瀬はるか
池部幾江 … 大竹しのぶ
金栗実次 … 中村獅童
金栗信彦 … 田口トモロヲ
金栗シエ … 宮崎美子
金栗スマ … 大方斐紗子
春野先生 … 佐戸井けん太
美川秀信 … 勝地涼
池部重行 … 髙橋洋
三島弥彦 … 生田斗真
シマ … 杉咲花
三島弥太郎 … 小澤征悦
三島和歌子 … 白石加代子
吉岡信敬 … 満島真之介
中沢臨川 … 近藤公園
押川春浪 … 武井壮
本庄 … 山本美月
美濃部孝蔵 … 森山未來
橘家圓喬 … 松尾スズキ
万朝 … 柄本時生
小梅 … 橋本愛
清さん … 峯田和伸
平沢和重 … 星野源
岩田幸彰 … 松坂桃李
東龍太郎 … 松重豊
古今亭志ん生 … ビートたけし
おりん … 池波志乃
美津子 … 小泉今日子
五りん … 神木隆之介
知恵 … 川栄李奈
今松 … 荒川良々
大隈重信 … 平泉成
田畑うら … 根岸季衣
慶 … 深沢敦
村田富江 … 黒島結菜
村田大作 … 板尾創路
人見絹枝 … 菅原小春
高石勝男 … 斎藤工
大横田勉 … 林遣都
野田一雄 … 三浦貴大
鶴田義行 … 大東駿介
前畑秀子 … 上白石萌歌
松沢一鶴 … 皆川猿時
河西三省 … トータス松本
噺 … ビートたけし
※スタッフ
脚本 … 宮藤官九郎
原作 …
音楽 … 大友良英
題字 … 横尾忠則
制作統括 … 訓覇圭、清水拓哉
プロデューサー … 岡本伸三、吉岡和彦
演出 … 井上剛、西村武五郎、一木正恵、大根仁
時代考証 … 古川隆久
スポーツ史考証 … 真田久、大林太朗
落語・江戸ことば指導 … 古今亭菊之丞
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【いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)】
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コメント
-d-さん
>四三よ スヤと池辺家に甘えすぎではないか?
割とこの辺は史実通りに進んでいるようで~~(笑)
開始前にネットでチラホラ金栗四三という人の伝記を読んだ限りでは、養子に入った家が金持ちだったから活動を続けることが出来た。妻の実家と養子先の池部は全面的に応援していた、という感じで。
まぁ、ラッキーな人だ、そこに愛はあるのかい?と思っていたんですよね(笑)
ドラマでは四三は純粋な子どものようで、奥さんのスヤさんも可愛くて強くて、良い夫婦だなぁと思って見ています。
視聴率はいいですよね。クドカンの好きなように走り抜ければよかばい。
ストックホルムまでは完璧だったんです。
落語も圓喬との死別まですごく好きでした。
それは人の情が繊細に染み入るように溢れ
伏線も張り巡らしていて 溜息がでました。
今少しそういう点で物足りなく感じてしまう。
四三よ スヤと池辺家に甘えすぎではないか?
甘えねばならなくとも 深い愛情と葛藤があったから
金栗や三島の家族愛に心を揺さぶられてきたのだ。
視聴率なん せからしか! 好きにやるったい!
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