みね子(有村架純)からの手紙を読んだ美代子(木村佳乃)は不安でたまらなくなるが、ちよ子(宮原和)や進(高橋來)になんとか動揺を悟られないように努める。
夜、茂(古谷一行)にも手紙を見せると、東京へ行く決意を話す美代子。
みね子は、美代子との待ち合わせ場所に向かう前に、愛子(和久井映見)から声をかけられる。
(上記あらすじは「Yahoo!TV」より引用)
連続テレビ小説「ひよっこ」第18週「大丈夫、きっと」 第105話
※朝ドラレビューは基本的に簡単感想で。
※朝ドラは半年間の長丁場なので、良い感想を書いてある時も悪いことが書いてある時もあります。レビューはその日その日の感想なので、その点ご了承くださいませ。
↑…テンプレだす…。
世の中の一部に起きている「みね子と美代子は世津子に感謝すべき」論に、以前書かせていただいた『母になる』の「二次誘拐犯は子供を10年も育ててくれたのだから生母は感謝すべき」論に頭真っ白状態になったのと同じくらいの衝撃を感じる今日この頃です、お父さん……。
違うで。
通報しなければ二次誘拐やで。
(あっ、このドラマの場合は誘拐じゃないけどね(笑))
届が出ているのだから、通報すれば家族はお父ちゃんともっと早く巡り会えていた「可能性」が高いんやで。
もちろん、実さん自身が通報しないでくれと言った事情があるわけだけれども、それでも通報するのが家族のためなので、道端で人を拾って囲ってあげたらその家族に感謝されるだろうなどという妄想はくれぐれも持たないようお気を付け下さい。
なんにせよ…
みね子と美代子はそういう形で大黒柱の無事も確かめられず不安な日々を2年も送ったわけで。
怒る方こそ当然だと思います。
美代子さんに至っては愛人に会う覚悟でしょう。
(そこに男女の関係がないと………大人な視聴者は思っていないよね……)
みね子に実さんを返した世津子の切ない表情が何を意味しているのか。
昨日の みね子のお手紙で私が好きだったところは、
「そのお客さんがお父さんを保護しました」
ここである。
「助けてくれました」ではない。「保護して下さった」ですらないのである。
そう、それでいいのよ。と私は思うのである。
川本世津子自身も。
自分がやった事の間違いは解っている。
「家族のためにやってあげた」なんて思っていない。
それでも「生かしてくれたのだから川本に感謝しなくては…」という葛藤がお母ちゃんにはあると思う。
拾われて隠されて会えなくされて、それでも感謝しなくてはという葛藤。
そういう話なのだと思いますよ。これは。
今日の話でもないところで長くなっちゃったね……。
(第一、川本世津子に怒鳴っている(と思われる)部分はまだ予告でしか流れていないし、どういう展開になるかも解らないのだから)
さて…
手紙を読んだお母ちゃんは、じいちゃんにもそれを見せる。
なんてこった…。
何でそんなこどに…。
じいちゃんだって、息子が生きていた事は一先ずホッとしたに決まっているのである。
けれども、息子が居ない家で2年間以上も頑張っていてくれた嫁にも、奥茨城に居たかったのに東京に出て行った孫にも申し訳ない。息子が妻子を忘れて他の女に拾われているなんて……。
東京へ行くために、「結婚指輪」という剣と「家族写真」という盾を手に取る妻。
6時39分発の上りに乗りたいんだ。お願いね。
久しぶりの次郎だ。
次郎は次郎だから無邪気に事情を聞いてくるが、
うん。半分ね…。
ごめん次郎。今はそれ以上何にも聞かねえで。
怖いんだ。行ぐの。
でも頑張ってくっから…。
だから応援して、お願い。
と、今は何も話せない美代子さんである。
ここから2年前の回想に入る。
「東京」に臆さないように一張羅の着物を着て出て行った美代子さんは、そこで夫が住むところの劣悪な環境を知る。
警察では「行方不明の出稼ぎ労働者」は十把一絡げ。
私は出稼ぎ労働者を一人捜してくれと頼んでるんではありません。
ちゃんと名前があります!
茨城の…奥茨城村で生まれで育った「谷田部実という人間」を捜して下さいとお願いしてます!
ちゃんと…ちゃんと名前があります!
あの時、警察で美代子さんはそう叫んだ。
けれども、夫は今や本当に名前を無くしている。
名前を失くした人間はもう「個人」では無いのである。
だから…
他の女のものになっていたとしても、責めることもできない……。
この回想に、本当に実さんが生活が辛くて家族を捨てたのではないか、という美代子さんの疑惑が垣間見える。
もちろん、無意識にね。
無意識に記憶を封印したのではないかと。
確かに家族のためにお金を稼ぐ実さんの生活は大変だっただろうけど。
それを「犠牲」と言ってしまったら家族は成り立たないよね。
どんなに劣悪な環境でも家族のために頑張れよ、とはもちろん思わないが、それが仕方ない家だってある。
そして、実さんは「家族のために頑張る」ことを幸せと感じていた人だったと私は思うけれど。
もちろん、今の美代子さんにはそんな風に思う心の余裕はないの。
だから、愛子さんは みね子に言うのだ。
あのね、みね子さん。あなたはよく言うと色んな人の気持ちを察することのできる人。
悪く言うと、どっちの気持ちも考えてしまってどっちつかずになってしまうところがある。
今日、あなたはお母さんだけ見てなさい。
愛子さんも乙女ですよねーーーー!
…のような太鼓持ちを、世津子にしなくてもいいという事。
まぁ…
そうなるだろうけれども。
むしろ、私は、美代子さんの気弱が恐い。
わざわざ剣と盾を持っていくのは心折れそうだからだと思うんだよな。
豪華なマンションを見て、
着物にすればいがったかな…。
と、つぶやく妻。
夫を拾った大女優は、真に艶やかである。
「世津子の孤独」というこの人の武器を見てしまったら、美代子さんは夫を手放してしまうのではないだろうか……。
その前に…
やはり、右を向いても左を向いても主人公たちに優しい人だらけのこの世界で…
視聴者である私自身が世津子さんの武器にやられてしまいそうな予感がします。
とりあえずは明日。(たぶん)
※キャスト
谷田部 みね子 – 有村架純
谷田部 実 – 沢村一樹
谷田部 美代子 – 木村佳乃
谷田部 ちよ子 – 宮原和
谷田部 進 – 高橋來
小祝宗男 – 峯田和伸
小祝滋子 – 山崎静代
谷田部 茂 – 古谷一行
助川時子 – 佐久間由衣
角谷三男 – 泉澤祐希
助川君子 – 羽田美智子
助川正二 – 遠山俊也
助川豊作 – 渋谷謙人
角谷きよ – 柴田理恵
角谷征雄 – 朝倉伸二
角谷太郎 – 尾上寛之
益子次郎 – 松尾諭
田神 学 – 津田寛治
牧野鈴子 – 宮本信子
牧野省吾 – 佐々木蔵之介
井川元治 – やついいちろう
朝倉高子 – 佐藤仁美
前田秀俊 – 磯村勇斗
綿引正義 – 竜星涼
永井愛子 – 和久井映見
青天目 澄子 – 松本穂香
兼平豊子 – 藤野涼子
秋葉幸子 – 小島藤子
夏井優子 – 八木優希
松下 明 – 奥田洋平
森 和夫 – 陰山泰
高島雄大 – 井之脇 海
安部善三 – 斉藤暁
安部さおり – 伊藤沙莉
立花 富 – 白石加代子
島谷純一郎 – 竹内涼真
竹内邦子 – 白石美帆
久坂早苗 – シシド・カフカ
坪内祐二 – 浅香航大
新田啓輔 – 岡山天音
柏木一郎 – 三宅裕司
柏木ヤスハル – 古舘佑太郎
福田五郎 – 光石研
福田安江 – 生田智子
牧野由香 – 島崎遥香
川本世津子 – 菅野美穂
語り – 増田明美
※スタッフ
脚本 – 岡田惠和
演出 – 黒崎博、田中正、福岡利武、渡辺哲也
プロデューサー – 山本晃久
制作統括 – 菓子浩
音楽 – 宮川彬良
主題歌 – 桑田佳祐「若い広場」
公式サイト http://www.nhk.or.jp/hiyokko/index.html
ひよっこ(Part1) [ NHK出版 ]
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ひよっこ(上) [ 岡田惠和 ]
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コメント
-d-さん
コメントは常に歓迎しています!いつもありがとうございます。
レスが遅くてスイマセンーー!
>あとで回想するあのマンションの広場のシーンがとても美しいのです。
そうですね。
まるで童話のようでした。
>3日2晩、男が雨のベンチに座っていたというのも
たぶん世津子の思い出を映像化したからだと思うのです。
世間ではその辺、結構叩かれているようですよね(笑)
「昨日も居ましたよね」って言ってましたもんね。
私はもっと単純に、ここに座っていたり余所に座っていたりして、ずっと居たわけではないから通報されなかったのだろうと思っていました(笑)
みね子が帰る時はにわか雨、すずふり亭に戻ると乾いていたのも大して気にしてしませんでした。
(自分的には、みね子、車で連れて行ってもらったのに帰る道解るの?ということの方が気になってました、実は(笑))
>私には甘い死の香りが二人を結び付けた幻想シーンのように残りました
実さんは名前を失くして死んだような状態。
世津子さんはいつも孤独で泣いていた。
雨はそういう象徴だったのでしょうね。
巨炎さん
>実自身が「自分は犯罪者かもしれない」と言ったら、
記憶が戻った途端、自分に身の危険が及ぶのだから、やはりこっそり通報しますよね。
恐い見知らぬ男だったら普通通報ですよね。
やっぱり…これは、イケメンに限る処方ですよね(笑)
>回想シーンを見ても大女優の旦那が失踪したりしたら警察の対応は全く違ったでしょう。
世の中って昔からそんなもんですね。
お殿様の若様が消えれば家老から忍びまで全力で探し回りますが、百姓1人消えても誰も探してくれません。
現代だって、たぶんそうです。
庶民はつらい!
かこさん
>私は、美代子がんばれ、せつこさんもあまり不幸にならないで、と、めちゃ複雑です、、、
どう解決するのか、ドキドキです。
レスが1日遅くて一応の解決をしてしまいましたが…すいません。
なるようにしかなりませんでしたねぇ…。
これで世津子が「私が雨男さんを拾ったのだから感謝しなさい。私の物です。」とか言い出したら人間的に問題ありすぎるし…。
美代子さんは妻として言って欲しい事は全部言ってくれたと思いました。
でもこのまま世津子さんとお別れなんてイヤだなぁぁ。(もうどっちの味方か自分が解らない(笑))
このままじゃ終わらないだろうから、どういう風に世津子さんというキャラを処理するのかまだ注目ですね。
お忙しいのに ついコメ連投してすみません。
くうさんの感想が素晴らしくて小説でも読むように引き込まれました。
私 テレビで実際見てる時はそうでもなかったのですが
あとで回想するあのマンションの広場のシーンがとても美しいのです。
例えば古いオムニバス映画「怪談」の中の「黒髪」や「耳なし芳一」の
異界の人と過ごしている現実ではない時空のような感じです。
それは あの出会いの時間経過がとても変で
3日2晩、男が雨のベンチに座っていたというのも
たぶん世津子の思い出を映像化したからだと思うのです。
そうだから、あのマンションはいつも雨で みね子もずぶ濡れになったのに
鈴ふり亭は乾いていて みね子は天露を僅かに残して帰還していた。
前のエントリーでくうさんが書かれたようにファンタジーです。
脚本や演出家の意図しない産物なのかもしれないけど
私には甘い死の香りが二人を結び付けた幻想シーンのように残りました。
半分>『ひよっこ』第105話
お化粧バッチリの大女優とスッピンの田舎のオバチャンなんだけど顔立ち自体はオバチャンの方が良いところが何だかちょっと悲しい>ぉぃでも、菅野美穂の顔の方が個人的には好みよ>…
ひよっこ 第105回
内容父・実(沢村一樹)が生きていたことなどを書いた手紙を母・美代子(木村佳乃)に送ったみね子(有村架純) 手紙を受け、美代子は上京することに。 敬称略 再び違和感である。 明らかなミッシングリンクが、存在している。。。。(苦笑)
実自身が「自分は犯罪者かもしれない」と言ったら、
記憶が戻った途端、自分に身の危険が及ぶのだから、やはりこっそり通報しますよね。
この辺り、結局は世津子のエゴな訳で。
>豪華なマンションを見て、着物にすればいがったかな…。と、つぶやく妻。
これを「世津子の孤独」より下に見ていいとは思えない。
回想シーンを見ても大女優の旦那が失踪したりしたら警察の対応は全く違ったでしょう。
生活が貧しいから結束する家族もいれば一家離散もあるので一概に言えませんが。
>東京へ行くために、「結婚指輪」という剣と「家族写真」という盾を手に取る妻。
今日は全ての行動、回想、愛子さんのアドバイス、美代子の呟き、全部にきちんと意味がありましたね。重い意味が。
私は、美代子がんばれ、せつこさんもあまり不幸にならないで、と、めちゃ複雑です、、、
どう解決するのか、ドキドキです。
くうさんの今日のレビュー、初めから終わりまで、すごくすごく納得しました!!
ひよっこ (第105回・8/2) 感想
NHK総合・連続テレビ小説『ひよっこ』(公式) 第18週『大丈夫、きっと』『第105回』の感想。 ※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。 ※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。 みね子(有村架純)からの手紙を読んだ美代子(木村佳乃)は不安でたまらなくなるが、ちよ子(宮原和)や…