ヘブンさんが気に入った「鳥取の布団」は、おトキと銀二郎さんの思い出の怪談だったのだね。
ただの女中だったおトキが、身の上話をするほど近い存在になっていく。
トキ(髙石あかり)とヘブン(トミー・バストウ)の怪談語りから一夜明けた。二人ともまだまだ話したりない、聞き足りない!ヘブンは学校を休むと言い出すほど。また夜に怪談を話す約束をとりつけ、二人はそれぞれ仕事に取り掛かる。中学校では錦織(吉沢亮)が正木(日高由起刀)からヘブンが怪談に関心があると聞かされる。錦織はトキに協力を依頼しようと思うが、それはヘブンの帰国を早めることだと気づいてしまう…(59話)
ヘブン(トミー・バストウ)に怪談を語る喜びに満ちたトキ(髙石あかり)。トキの元に錦織(吉沢亮)がヘブンに怪談を語ってほしいと訪れる。そして、ある不安を告げる…(60話)
あらすじ は 公式サイトより引用
連続テレビ小説「ばけばけ」第12週「カイダン、ネガイマス。」第59・60話感想

感想
簡単感想で。
子捨ての話
「トットリノフトン」 モットキキタイ。
と、せがむヘブン先生。
「トットリノ フトン」。
ハナシ…ハハウエサマノハナシデスカ?
誰から伝え聞いたのか、という問いに、おトキは答えづらそうに返事した。
あっ、いえ…「鳥取の布団」は…。
「鳥取の布団」は前の夫から。
あれは島根の隣の鳥取のお話で、その人が鳥取の人だったけん…。
あっ…「夫」分かる、ありますか?
アッ、イエス、イエス。
シジミサン……メオト?
この時までは、おトキが結婚してようが独身だろうが、興味もなかったんだよね。
はい。もう何年も前に少しだけ。
あのもでは……あの…「布団」はやめて…。
今夜は別の怪談を。
別れた夫を思い出す話はつらいのだろうと、納得してくれたヘブン先生である。
「なんてすがすがしい朝だ」「全ての景色が違って見える」「初めてこの国に来た時のことを思い出した」
ヘブン先生の授業は今日も日記(笑)
機嫌が良さそうなヘブン先生を見て、不思議に思った錦織さんは正木くんから「ヘブン先生が怪談にハマった話」を聞くのだった。
泣いていた?怪談を聞いてか?
はい…。なぜかは分かりませんでしたが。
ヘブン先生の生い立ちを知っている錦織さんは何か感じることがあったよう。
その日、おトキが選んで語った怪談は『子捨ての話』。
人の命が蝋燭よりもたやすく消えていく時代のお話でございます。
出雲の国の持田の浦という村の ある百姓の夫婦は酷く貧しく、自分たちが食べるだけで精いっぱい。子供が生まれる度に『ごめんよ。ごめんよ。』と全て家の裏を流れる川に捨てていました。
しかし月日は流れ、ようやく暮らしに少しのゆとりが出てきた頃、初めて生まれてきた子を育ててみることにしました。
ある月夜の晩のことです。♪ ねえんねえんねえんや
♪ ねんねこした子はかわいこよ
父親は赤子を背負って「今夜はええ月だ」と独りごちておりました。すると…まだしゃべるはずのない背中の子が口を開いてこう言ったのです。
「お父っつぁん。お父っつぁんが最後に私をお捨てになった時も、こげに月のきれ~いな晩でしたね」
これは~~……ちょっと恐いよね。
私は漱石の『夢十夜』「お前がおれを殺したのは今からちょうど百年前だね」を思い出してしまったよ(大好き)。
『子捨ての話』は、ヘブン先生のトラウマを抉ったらしい。
チチ…ワタシ…ステタ。
ハハノコト…ステタ。
ユルスナイ…。
おリヨさまは知っているヘブン先生の生い立ち話を初めて聞くおトキである。
すんません…。
そげなこととは知らず…。
でも…「子捨ての話」、私、こうも思います。
何べん捨てられても、この子、同じ親のもと、生まれた。
この子の親、思う気持ち…強い。
それを知ったこの親、この子大切に育てる思います。
おトキの日本語がカタコトになってる(汗)
しかし、これは前向きな考えね。
恨みから何度も生まれ変わるわけではなく、同じ親に会いたいから同じところに生まれ変わる。
やはり、日本の怪談は悲しいね。
ラストピース
久しぶり。
先生はお元気か?
と、花田旅館で錦織さんから声を掛けられる おトキ。
あんた、先生とは学校で毎日会ってるやろ……。
実は…まあ、はっきりとは言えないんだが…怪談がヘブン先生の日本滞在記のラストピースになるのではと思えてきてな。
でしょうね。視聴者もそう思っています。
なので…君から先生に怪談を教えて差し上げてくれないか?
私からですか?
ああ。
まあ、私が言うのもなんだが…先生のお力になってほしい。
おトキはとっくに怪談講師をやっていて、すでに「シショウ」と呼ばれています。
ニヤニヤしながら、もう教えていると言うおトキ。
なるほど。その様子だと怪談がラストピースだと思って間違いなさそうだな。
う~ん。そげかもしれませんね…。
私には何にも言っちょりませんが、あげに熱心に何べんも聞いちょられますし…。
まあ、でも本当にそげだとすると…うれしいやら…荷が重いやら…フフフ…。
本当にお閨で何かあったかのような思い出し笑いの おトキ。
この後、おトキは錦織さんから衝撃の事実を聞くことになる。
いや…教えて差し上げてくれと言っておいて何なんだが…。
先生は新聞記者で、滞在記を書くために日本に来ている。
そして…怪談がラストピースであるとすれば、怪談のことを書き上げれば滞在記は完成し、先生は目的を達する。
はい…。うん…。
まあつまりだ…君が怪談を語れば語るほど滞在記は完成に近づき、先生は…ここからいなくなる ということになる。
愕然とするおトキ。
まぁ、この時のおトキの悲しみが恋愛かどうかはまだ分からない。
やっと得た、大事な推し仲間が居なくなってしまうのは辛い。
ショックで、怪談語りを拒否しようとするおトキだったが、
カイダン…カタル…キライ?
ワタシ…キク…スキデス。
アナタノハナシ…アナタノカンガエ…アナタノコトバ…スキデス。
と、せがまれ、自分のやるべきことを思い出す。
ある夜更けに一人の痩せこけた、まるでかげろうのような女が「水飴を下さいませんか?」と店を訪れた。そしてそれは毎晩続きました…。
おトキは住職から「水飴を買う女」を教えてもらっていた。
親が子を捨てる「子捨ての話」でヘブン先生を悲しませてしまった。
「水飴を買う女」は母親の愛情の話。
これを何度も聞かせたかったんだね。
ヘブン先生は
アリガトウ。
と礼を言い、おトキの話に聞き入る。
語りの内容に思いやり。
これはもう……。好きになっちゃうやつ。
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ばけばけ キャストとスタッフ
キャスト
松野トキ – 髙石あかり(子役期:福地美晴)
レフカダ・ヘブン – トミー・バストウ
松野司之介 – 岡部たかし
松野フミ – 池脇千鶴
松野勘右衛門 – 小日向文世
雨清水傳 – 堤真一
雨清水タエ – 北川景子
雨清水三之丞 – 板垣李光人
山根銀二郎 – 寛一郎
野津サワ – 円井わん
なみ – さとうほなみ
江藤 – 佐野史郎
江藤リヨ – 北香那
チヨ – 倉沢杏菜
せん – 安達木乃
森山善太郎 – 岩谷健司
森山銭太郎 – 前原瑞樹
花田平太 – 生瀬勝久
花田ツル – 池谷のぶえ
ウメ – 野内まる
梶谷吾郎 – 岩崎う大
上野タツ – 朝加真由美
中村守道 – 酒井大成
錦織友一 – 吉沢亮
イライザ・ベルズランド – シャーロット・ケイト・フォックス
(語り)トキとヘブンを見守る蛇と蛙
蛇の声 – 渡辺江里子
蛙の声 – 木村美穂
ばけばけ スタッフ
◆放送期間 : 2025年9月29日 ~ 2026年3月 日(予定)(全130回)
◆制作 : NHK(BK)
◆平均視聴率 : %
- 脚本 – ふじきみつ彦
- 音楽 – 牛尾憲輔
- 主題歌 – ハンバート ハンバート「笑ったり転んだり」
- 制作統括 – 橋爪國臣
- プロデューサー – 田島彰洋、鈴木航、田中陽児、川野秀昭
- 演出 – 村橋直樹、泉並敬眞、松岡一史
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