お寿恵ちゃんの人生が「西洋」との出会いで進んでいく中。
万太郎の雑誌発行計画は遅々として進まない。
その上、時勢は日本の酒蔵に危機を……。
植物学雑誌の創刊を目指す万太郎(神木隆之介)は、田邊(要潤)から創刊の許可を得たいのだが、話しかけるタイミングがなかなかつかめない。一方、寿恵子(浜辺美波)は、和菓子を届けに行ったことをきっかけに実業家・高藤(伊礼彼方)に気に入られ、舞踏練習会に参加してほしいと誘われる。最初は断るが、そこへ現れたアメリカ人ダンス講師・クララ(アナンダ・ジェイコブズ)の優美な姿に魅了されて…
あらすじ は Yahoo!テレビ より引用
連続テレビ小説「らんまん」第9週「ヒルムシロ」第41話
感想
非常に人の心の動きをよく掴んだドラマじゃのぉ……と、常々書いているけれど。
歴史情勢と登場人物との繋がりも興味深い。
きちんとした歴史交渉も嬉しいし、文明開化の波に乗って自らを切り開いていった人たちを見る高揚感がある。
この時代は、学びたい人たちが恩恵を受けられ、盛り上がる時代。戦争に向かっていくことを除けば。
帯を解く
前回、お寿恵ちゃんを二度見していた薩摩藩英国留学生の1人で、現在は実業家らしい高藤雅修さん。
モデルは五代さんなのでは?という朝ドラクラスタの反応だけれど、朝ドラ的に五代さんならば名前は変えずに「五代友厚」にしそうだし、キャストも天狗ではなくてここにおディーンさまが来るのでは(笑)
とにかく五代友厚、この時期は大阪商船で忙しくて鹿鳴館に関わっている間などなさそう。
モデルは誰なのだろう。
とにかく、高藤邸へ連れてこられるお寿恵ちゃんである。
ティーカップに慣れないため、お茶のように両手で抱え込んでしまうのがまた可愛い。
先日もお伝えしましたが、正式にあなたに舞踏練習会にご参加いただきたいと思いまして。
と丁寧に告げる高藤さん。
なので、お寿恵も丁寧にお断りする。
重ねてのお召しをいただき……身に余る光栄に存じます。ですが私には到底務まらないと存じます。
私は根津の菓子屋の娘ですから。
と言うと高藤さんは笑う。
そいだけ?
そして訊ねるのだった。
もしかして、お父上が亡くなったことと関わりが?
少し調べさせました。
あなたのお父上は彦根侯の御家臣であられたが、御一新の後に陸軍に入られたのですね。
陸軍はフランス式の軍隊を作ろうとしていた。
乗馬もこいまでの日本の乗り方とは逆に西洋式に左側から乗るよう命じられ、お父上は落馬がもとで お亡くなりになった。
はい。そのとおりです。
言ってみれば西洋のやり方がお父上を殺した。
あなたも西洋を憎んでいるのですか?
なんと……。
お寿恵さんの父上の死にそんな事情が?
そういう事情を承知の上で寿恵子にわざわざ声をかけて来た高藤さん。
なぜなら、たぶん、そんな凝り固まった考えの女ならば必要なかったからだよね。
そしてお寿恵ちゃんは思った通り、そんなに頭の古い女ではなかった。
父は新しいやり方を試すならまず自分から、という思いもあったのだと思います。父はただきっと西洋のやり方に挑もうとしたのだと、私はそう思っております。
「新しい冒険」に出る気持ちは父譲り。
しかし、だんすに関しては流石にそんなに簡単に首を縦には振れない。
私たちは、ないも外国人をもてなすために踊るのではない。そんなことは目的ではない。ただの手段です。西洋のやり方をまねることで日本が何を手に入れていくのか。
真の目的はまだまだ遠いが、だからこそ共に歩ける勇気あるご婦人が必要なのです。
どうです? 寿恵子さん。ドレスを着てみませんか?
西洋式の採寸に逃げまくるお寿恵さん。
しかも、彼女たちはウェストを測るからと帯を取ろうとする。
帯!?
いや、ちょっと待ってください!
貞操の危機だよね(笑)
待って。待って。これがダンスよ!
すると、高藤さんに紹介されたクララ先生は、軽やかに踊り出した。
お寿恵さんの目の前でくるくる回り、拍子を取りながら手を差し出す。
寿恵子、Lesson1.心ゆくまで動けることを楽しんで。
日本には無かった、他人の手を取って羽のように動くダンス。
ひらひらした美しいスカート。
お寿恵さんは、いつの間にかクララ先生の手を取っているのだった。
よろしくお願いします!クララ先生。
窮屈な帯は解かれた。
これは種まきですき
一方、植物雑誌を出すために教授の許可を得たいのに、なかなか言い出せない万太郎。
もし……もしも、わしらが植物学雑誌を作ったら、外国の方も、そら読みたいと思うじゃろ?
藤丸くんと波多野くんにそう話しながら長屋に帰って来ると、丈之助さんに爆笑される。
外国人が?フフフ…ハハハハハ…ハハハハハハ…!自信家!万さん自信家!それ本気で言ってんの!?
丈之助さん、何でここに?
俺が寝てたら君らが来たんじゃないか。
いや……わしの部屋ですき。
もう、すっかり馴染んだ感じ。
えっ、何?君らどんな雑誌を作ろうと思ってるわけ?
あ……中身はまだ…。
万ちゃん、何書くの?
わしは…。
分かりません。
ただ、植物画は描きたいがです。
おっ…!ふわっふわだな。
やめたら?
「雑誌創刊!」なんて大見得切るんじゃなくて、もっと ちまっと、手書きの冊子でも書けば?
ほんと、ふわっふわだな(笑)
こんなに無計画だとは。これでは教授にも言えないわけだ。
ちまっとじゃいかんがです!これは種まきですき。
種まき?
うん。雑誌は日本に植物学という種をまくためのもんですき。まく時はもう、ブワ~ッと!ブワ~ッとたくさん飛ばさんといかんがです!
言いたいことは分かる。
そうよね……。ちまっと同人誌で仲間内でやってたって、日本に植物学があることが伝わらない。海外との交流も出来なければ情報も得られない。世界が見えない。
しかし……。
金はどうするの?
あっ、そうだよ!
それは…。
というところにタイミングよく竹雄がご帰宅。
えっ……
まさか、彼がばーんと稼いでくれますき、とか言い出すんじゃないだろうね!
とりあえず……藤丸くんと波多野くんに竹雄を紹介できて、かわいい仲間がまた増えた。
で、金はどうすんのよ?
あ…。
えっ。何の話です?
悪い予感しかない竹雄……。
万ちゃんのご実家、太いんだし。
えっ。万さんのご実家って…。
ああ、土佐の峰屋ゆう造り酒屋にございます。
えっ、酒蔵!?
俺の実家も酒問屋だよ!
なんと。藤丸くんのご実家も酒関係だった。
しかし、その後の藤丸くんの言葉は万太郎に衝撃をもたらす。
だったらご実家は今、大変なんじゃないか?
うちの父は言ってる。
これから先日本中の酒蔵が軒並み潰れていくんじゃないかって。
実家が酒問屋だという藤丸は、峰屋は今大変なんじゃない?と心配します。
— 連続テレビ小説「らんまん」 (@asadora_nhk) May 29, 2023
「どういうことですか?」
万太郎はさっぱり分からない顔…。
しかし、竹雄はどうやら思い当たる節があるようです。#朝ドラらんまん#神木隆之介 #前原瑞樹 pic.twitter.com/CtV4TeYCWU
これはですね、この時期から大きな酒税が課せられるという話で、明日の放送で説明があると思うのだけれど。
初めて聞く事実にさすがに顔が曇る万さん。曇るけど……どうする、ぼんぼん。
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らんまん キャストとスタッフ
キャスト
槙野万太郎 – 神木隆之介(子役期:森優理斗、9歳 – 12歳:小林優仁)
井上竹雄 – 志尊淳
槙野綾 – 佐久間由衣
幸吉 – 笠松将
たま – 中村里帆
楠野喜江 – 島崎和歌子
池田蘭光 – 寺脇康文
槙野ヒサ – 広末涼子
槙野タキ – 松坂慶子
槙野豊治 – 菅原大吉
槙野伸治 – 坂口涼太郎
槙野紀平 – 清水伸
広瀬佑一郎 – 中村蒼
西村寿恵子 – 浜辺美波
西村まつ – 牧瀬里穂
笠崎みえ – 宮澤エマ
阿部文太 – 池内万作
倉木隼人 – 大東駿介
倉木えい – 成海璃子
及川福治 – 池田鉄洋
江口りん – 安藤玉恵
宇佐見ゆう – 山谷花純
天狗(坂本龍馬) – ディーン・フジオカ
早川逸馬 – 宮野真守
中濱万次郎 – 宇崎竜童
高藤雅修 – 伊礼彼方
大畑義平 – 奥田瑛二
大畑イチ – 鶴田真由
野田基善 – 田辺誠一
里中芳生 – いとうせいこう
浜村義兵衛 – 三山ひろし
田邊彰久 – 要潤
徳永政市 – 田中哲司
波多野泰久 – 前原滉
藤丸次郎 – 前原瑞樹
大窪昭三郎 – 今野浩喜
細田晃助 – 渋谷謙人
野宮朔太郎 – 亀田佳明
脇田伝助 – 小野まじめ
語り – 宮崎あおい
らんまん スタッフ
◆制作統括 : 松川博敬
◆プロデューサー : 板垣麻衣子、浅沼利信、藤原敬久
◆演出 : 渡邊良雄、津田温子、深川貴志
◆脚本 : 長田育恵
◆音楽 : 阿部海太郎
◆主題歌 : あいみょん「愛の花」
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