竹雄……。
竹雄はやはりベストパートナーだな。
そう。今さら人恋しいもないし。
捨てて来たのは自分なのだから頑張れ。
万太郎(神木隆之介)は、竹雄(志尊淳)とりん(安藤玉恵)に励まされ、気持ちを新たにする。東京の植物をもっと知ろうと考えた万太郎は、倉木(大東駿介)に案内を頼み植物採集へと出かけることに。生き生きと植物に向き合う万太郎の姿を見た波多野(前原滉)と藤丸(前原瑞樹)も、少しずつ万太郎に興味を持ち始める。一方、寿恵子(浜辺美波)は、みえ(宮澤エマ)からあるお願いをされて…
あらすじ は Yahoo!テレビ より引用
連続テレビ小説「らんまん」第8週「シロツメクサ」第38話
感想
外国船の荷物に割れ物対策で詰められていたというシロツメクサ。
何だか風情があるのぉ。
荷物を開けたらあの白い花が……と考えるとメルヘン。
若が人並みなことを!
仲間が居なかった時は一人で寂しいとも思わなかったが、今、目の前に植物オタクの友がたくさんいるはずなのに「よそ者」と言われる。
今まで味わったことのない孤独を吐き出す万太郎を見て、竹雄は突然叫びだす。
綾様~~!
若が人並みなことを言うちょりますき!
ほんと。何という、今さら。
今までだって、若の側には竹雄しかいなかったでしょうに。
今さら人と話せんばあで、何を落ち込むがですか?
大事な人を裏切ることと草花の道を究めること、天秤にかけてこちらへ来たがじゃないですか。
若は峰屋を捨てたがじゃないですか!
研究室のお人らは、さぞご苦労されて大学の門をくぐられたがでしょう。けんど、わしは、捨ててきたもんの重さなら若は引けをとらんと思うちょります。
若は覚悟を持ってここへおるがでしょ?
それやったら、相手がどうあろうと好きにしたらえい。
どうせ若は草花にも勝手に話しかけゆうじゃないですか。
本当にその通りじゃ。
自分勝手で自由で、元々目の前の人間を大して大事にせずに生きて来た万太郎。
話しかけるのは草だけ。
共に生きるのは竹雄だけ。
はなから孤独を孤独と思わず生きて来たではないか。
そう思えば……
もっと自由になれるはず。
竹雄とは、まこと、正しい目を持った人間じゃ。
竹雄のおかげで、「自分勝手」を思い出し、倉木を巻き込んで東京植物採集へ向かう万太郎。
そう。この主人公はこれでいいがじゃ。
逆らってはいけませんよ。
自由を発揮し始めたら、もう遠慮などすることもなく。
万太郎は、まず「話しかけても無視するかもしれない人」にガンガン行くことに決めたよう。
教室に入ったら2年生のコンビに絡んでいく。
植物採集に行ってまいりました。
いや~東京の植物を早う覚えとうて。まずはどんどん歩こうと思うて。
今日は高田馬場界わいに行ってまいりました。
東京にも山があるがですね。
あっ、それと今の東京ならではのところも!
東京ならではのところ?
西洋料理のオムレツ、知っちょりますか?
オムレツ……ああ、それが?
わしの相棒が西洋料理屋に勤めちゅうがじゃけんど、おんなじ卵料理でももうフワフワしちゅう。
秘密は牛の乳じゃそうで。
牛乳ですか?
昨日の今日で気まずく、藤丸くんは話に乗ってくれないが、波多野くんはどんどん受け答えしてくれる。
この当時、大きな大名屋敷が潰れ、東京ではその跡地が牧場になっていた。
万太郎は朝から雑司が谷の牧場にも寄ってきたと言う。
藤丸さん、どうぞ。
俺に?
これ、シロツメクサ?
「シロツメクサ」ゆうがですか?
あ、昔、外国からの荷物に割れ物がある時この草がよく詰められてたそうです。詰め物にするから……。
シロツメクサ。
はあ~。面白い和名ですきのう!
えっ、何でこれを俺に?
俺は別に草は食いません。
ウサギに。
あ……ウサギ?はい。ああ……。
喜ぶかもよ。
あ…。フフフ…。
波多野くんが実に良い。
この人は自分の好き嫌いよりも、万太郎と藤丸くんを繋いであげることが藤丸くんのネガティブを救うだろうと察して間に入ってくれているのよね。
場をホンワカさせてくれる人。
そして藤丸くんに笑顔が出るのだった。
そこへ画工の野宮先生が入ってくる。
来たばかりなのにもう打ち解けてるんですか?
\ #朝ドラらんまん 豆知識 /
— NHK福井 (@nhk_fukui) May 23, 2023
きょうから登場の #野宮朔太郎 は、
福井県出身の植物学者 #平瀬作五郎 がモデルと言われています。 https://t.co/kTAlnIgxt8
上手くやってるじゃないですか。
これでひとまず安泰じゃないですか?
教授の役に立つうちは、ここにいられますから。
まぁねぇ……。居やすくはなっただろうけれど、2年生の温和な2人と仲良くなれてもね……その上が。
わしは教授の役に立つためにここにおるわけでは……。
と、ちょっと反発する万太郎に、野宮先生は言うのだった。
いいんですよ、本音は。
私だって植物のことは分かりませんから。
えっ。植物画を描かれているのに?
生活のためですよ。描けば給金を頂ける。
ですから、この絵を誰かに見せていいのかも分からない。。
野宮先生は教授の声がかりでここへ来たのだという。
植物の価値は分からない。
だから、部外者である万太郎に見せていいのかどうかも判断できない。そういうこと。
しかし……
植物のことはともかく、絵のことは専門家。
野宮さん、あの……わしが昨夜描いたもんですけんど……。
と、竹雄の絵を見せると、野宮先生は大笑いしてくれた。
そして、その後ろに描かれている万太郎の植物画に目が釘付けに。
なんと、自分の絵を見せてくれるのだった。
この時、ここに来た万太郎が植物オタクの仲間を見つけて希望を持ったように、野宮先生は植物画オタクの仲間・万太郎を見つけたんだね。
そして、自分の絵も見せずにいられなくなった。
教師としての血も騒いだに違いない。こいつの絵、育てればもっともっとうまくなる……。
「人と打ち解ける」とは、同じ仲間の血を見つけることと等しいと思う。
そして、打ち解けると、人は秘密も教えたくなる。
だから教えてくれるのだ。
この教室では植物を愛することよりもっと大事なことがある。
逆らってはいけませんよ。
恐いのぉ……。
「身分の違い」から解放されたように見える日本。
でも、カーストはどんな時代のどんな小さな社会にも存在するのよね。
野宮先生が恐れるものは……。
笑うほど下手ではないき
竹雄は怒っちゅうたし、野宮先生は笑っとったけどのぉ。
その絵、そんなに下手ではないぞ。
ちゃんとパーツ取れているもん。
目鼻口の位置は正確だし、肩や手までちゃんとしたバランスで描けちゅう。
それに、竹雄にちゃんと似てるよね(笑)
馬鹿にされる設定ならばもっと「画伯」にしなくてはいけなかったのでは(笑)
牧野博士の植物画は本当に美しくて、お寿恵ちゃんじゃないけれど「目の前に生えているよう」に生き生きとしていた。
1枚の紙に収めるバランスも計算されつくしていて、牧野記念庭園に行った時は庭よりも展示品の方をウキウキと見てしまった……。
万太郎はこれから野宮先生に教わってますます素晴らしい植物画を描いていくのだろうな。
植物学者としての道はこの教室では厳しそうだけれど、そういう部分も楽しみね。
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らんまん キャストとスタッフ
キャスト
槙野万太郎 – 神木隆之介(子役期:森優理斗、9歳 – 12歳:小林優仁)
井上竹雄 – 志尊淳
槙野綾 – 佐久間由衣
幸吉 – 笠松将
たま – 中村里帆
楠野喜江 – 島崎和歌子
池田蘭光 – 寺脇康文
槙野ヒサ – 広末涼子
槙野タキ – 松坂慶子
槙野豊治 – 菅原大吉
槙野伸治 – 坂口涼太郎
槙野紀平 – 清水伸
西村寿恵子 – 浜辺美波
西村まつ – 牧瀬里穂
笠崎みえ – 宮澤エマ
阿部文太 – 池内万作
倉木隼人 – 大東駿介
倉木えい – 成海璃子
及川福治 – 池田鉄洋
江口りん – 安藤玉恵
天狗(坂本龍馬) – ディーン・フジオカ
早川逸馬 – 宮野真守
中濱万次郎 – 宇崎竜童
宇佐見ゆう – 山谷花純
広瀬佑一郎 – 中村蒼
大畑義平 – 奥田瑛二
大畑イチ – 鶴田真由
野田基善 – 田辺誠一
里中芳生 – いとうせいこう
浜村義兵衛 – 三山ひろし
田邊彰久 – 要潤
徳永政市 – 田中哲司
語り – 宮崎あおい
らんまん スタッフ
◆制作統括 : 松川博敬
◆プロデューサー : 板垣麻衣子、浅沼利信、藤原敬久
◆演出 : 渡邊良雄、津田温子、深川貴志
◆脚本 : 長田育恵
◆音楽 : 阿部海太郎
◆主題歌 : あいみょん「愛の花」
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