「政府に尋問の筋これあり」。50年ぶりの雪の中、西郷(鈴木亮平)は私学校の生徒たちと共に政府の真意を問いただすため東京へ向けて進軍する。西郷が立ったことに衝撃を受けた大久保(瑛太)たちは直ちに征討令を発する。
賊軍となった西郷たちは戦う覚悟を決めるが、激しい戦闘の中、小兵衛(上川周作)は戦死、菊次郎(今井悠貴)は足を銃弾で撃ち抜かれ、次第に劣勢となる。
敗戦が色濃くなる中、西郷は軍の解散を宣言する。
(あらすじは Yahoo!テレビより引用)
西郷どん 第46回 「西南戦争」
ついに『西郷どん』もラスト1個前。
当然のことながら西南戦争である。
めっさナレーション戦争で、めっさ高速戦争だったけれど……。
それでも、負け戦と分かって見るのはつらいし、切ない。
周りの連中が暴発しただけじゃないんか?
まずはそれを確かめるべきじゃろうが!
西郷君が陣頭に立っとるんか、おらんのか。
と、大久保さあに掴みかかりそうな勢いの木戸さあを見て、
兄が立ったのは間違いありません。
しかし、何故立ったのか理由は分かりません。
と力なく報告する従道である。
なぜ、西郷は皆を止めなかったのか。
なぜ先頭に立ったのか。
歴史的にも、そこ謎と言えば謎なんで。
この大河的には、やはり西郷への嫉妬でダークサイドに落ちた一蔵さあと、一蔵さぁへの未練断ち切れない吉之助さあの愛憎入り混じった大ゲンカにしか見えないのだった。いいのか、そういうことで……。
西南戦争
では、どんな感じに追い詰められていったのか概要を……(ドラマ本編も概要みたいだったけどね……)
あっちゅー間の田原坂だったけれども、西南戦争は実際には、1877年(明治10年)2月に閲兵式が行われ、9月24日に西郷及び側近が自刃あるいは戦死して納まるまで7ヶ月強も行われていたので……本当に色々と端折られている。
2月15日 西郷隊は鹿児島を出て熊本へ。18日 川尻で夜襲を仕掛けられる。
熊本鎮台はおいたちを通さんつもりでごわすか?
わしたちが聞いとるんは西郷様とそのご一党は国家に弓引く賊軍ちゅうことやと。
城下のそこかしこに高札が立てられとります。
鹿児島県暴徒に対し天子様が征討をお命じあそばされたっちゅう。
まぁね……そもそも中央に「意見しに行く」と言って軍隊を組んでいるのだから、この時点で賊軍なのは当然だよね……。
ここでショックを受けるとは、一体、どういうつもりで進軍して来たのか。
一蔵どん……。
そういうこっか。
大久保が~!
先に手を出したのは政府の方じゃ!
いやいや……
こんな大軍が来るってことになったら誰だって討伐隊を出すよね……。
ところで、久々に見る井戸田。
ホント意外と上手くて自然に溶け込んでいるから居ることも気づかなかった(笑)
政府の征討軍は熊本城を拠点にしたので、西郷軍は田原坂を要塞化。
2月中に銃撃戦の中、高瀬河南の戦で西郷の末弟・小兵衛が戦死する。
小兵衛の遺骸に涙する西郷のシーンが悲しかった。享年31。西郷とは19も離れた弟である。子どものように可愛かっただろうに。
3月、薩摩の銃撃戦に手を焼いた政府軍は抜刀隊を導入する。(ここ、斎藤一が出るところ……)
映像的には、やはり奄美のロケーションとこの戦闘シーンには予算つぎ込んだよね、と感じる迫力の出来。(でも、あっちゅー間だったけど)
3月20日に政府軍はここに大量の戦力と大砲を投入。
田原坂はやっと陥落した。
この後、敗戦続きの薩摩軍は最南部の人吉に移動。
7月には宮崎へと逃れて行く。
この間に木戸さんが病死。
最期の言葉が
「西郷君、ええ加減にせんか!」
だったのは本当だと伝わっているけれども、確か「大久保くんも西郷くんもええ加減にせんか」だった気がする。
そうなると、大久保くんと西郷くんの大ゲンカだったという話が沸いてくるのもある意味仕方ないのかも。
8月には延岡まで退いた西郷軍は、延岡和田峠でまた大敗する。
で、菊次郎が足を切断する大ケガを負うのは、ここの戦場である。(どうして小兵衛の死と同時期に持ってきたのかよく分らないけれども、まとめてしまえ感はイナメナイよね……)
こうして、散々叩かれ、兵を失い、ついに軍の解体を述べ、軍服を焼く西郷である。
ご近所の住民の皆さんが握り飯を持ってきた事にも心が動いたのかも知れないが……「西郷さんは偉い人だと聞いたから」みたいな、どこのSNSで聞いたのその話ってノリには最後までついて行けず(笑)
おはんら、ほんのこて よう戦った。
じゃっどんここまでじゃ。
おいたちは、今こん時をもって解散する。
おいたちの行くところ行くところが戦場となる。
切りがなか。
おいたちは今日頂いた握り飯の礼すらできん。
もう東京へは行けん。
皆 分かっちょっじゃろが。
生きたか者は降伏してでん生きろ。
死にたか者は死にやんせ。
皆、自分の欲するところに従ってくいやい。
戊辰戦争だって、慶喜が主役だと「お前たちが戦いたいようにするために、わしが上に立ってやった」ってことになるんだよね。
西南戦争も、西郷が主人公なら「みんながやりたいと言ったから、わしが上に立ってやった」ってことになるんだよね。
みんなが納得行くようにやらせてやった。そろそろ止めようよ。
……で、主役をイイ人にするためには、ちょっと遅すぎるんだよね……。
糸どん、本当にこんな所まで来たの?
まぁ、糸どんが健脚だということは、ずっとずっと子供時代からアピールして来たので、糸どんだからこそ来られたし帰れるんだよ……という設定に無理はない(き、きっと)という事なのだろうけれども……
帰れなくなんね?
薩摩も会津みたいにここで女鉄砲隊作る?
と、つい、思ってしまうのだった。
ところが。
宮崎県延岡市の「西郷隆盛宿陣跡資料館」に、何でも糸どんが菊次郎の看病に来たという史料が残っているのだとか……まじですか。
血が繋がらない母子だなんて、とんでもない。何という愛情。
私の望みは一つだけ。
旦那さぁが……西郷隆盛じゃなかったらどんなによかったか。
吉之助さぁが、ただのお人じゃったらどんなによかったか……。
ここまで来てホームドラマか……
という文句も出ないほどのしっとりした切ないシーン。
鈴木亮平さんと黒木華さんの演技の賜物。
本当に……
いい役者さんたちだし。
いい役だったと思う。
西郷札やんないの?とか、国父さまは中立を貫いて逃げたはずじゃ……とか、色々とまぁ端折ったりドラマ仕様になったりしているけれども、役者さんだけは、本当に、無駄遣いになっていないドラマだったと思っている。
※キャスト
西郷吉之助(隆盛) … 鈴木亮平(子役期:渡邉蒼)
大久保一蔵(利通) … 瑛太(子役期:石川樹)
西郷(岩山)糸 … 黒木華(子役期:渡邉このみ)
西郷菊次郎 … 西田敏行(子役期:城桧吏 青年期:今井悠貴)
西郷吉兵衛 … 風間杜夫
西郷満佐子 … 松坂慶子
市来琴(西郷琴) … 桜庭ななみ(子役期:栗本有規)
西郷吉二郎 … 渡部豪太(子役期:荒井雄斗)
西郷従道(信吾) … 錦戸亮
西郷龍右衛門 … 大村崑
西郷きみ … 水野久美
西郷鷹 … 原舞歌(子役期:石井心咲)
西郷桜子 … 西郷真悠子
西郷小兵衛 … 上川周作
西郷園 … 柏木由紀
熊吉 … 塚地武雅
須賀 … 橋本愛
大久保次右衛門 … 平田満
大久保満寿 … 美村里江(ミムラ)
大久保彦熊 … 遠藤颯
大山格之助(綱良) … 北村有起哉(子役期:犬飼直紀)
有村俊斎(海江田信義) … 高橋光臣(子役期:池田優斗)
村田新八 … 堀井新太(子役期:加藤憲史郎)
有馬新七 … 増田修一朗(子役期:伊澤柾樹)
中山尚之助 … 天野義久
堀次郎 … 鬼塚俊秀
川路利良 … 泉澤祐希
坂本龍馬 … 小栗旬
後藤象二郎 … 瀬川亮
お龍 … 水川あさみ
中岡慎太郎 … 山口翔悟
於一(篤姫) … 北川景子
幾島 … 南野陽子
由羅 … 小柳ルミ子
島津斉興 … 鹿賀丈史
島津斉彬 … 渡辺謙
島津久光 … 青木崇高
喜久 … 戸田菜穂
調所広郷 … 竜雷太
山田為久 … 徳井優
赤山靭負 … 沢村一樹
桂久武 … 井戸田潤
小松帯刀 … 町田啓太
木場伝内 … 谷田 歩
板垣与三次 … 岡本富士太
中村半次郎 … 中村瑠輝人
中村与左衛門 … 渡邉絃
中村貞 … 鍵和田花
半次郎の弟 … 藤沢元
月照 … 尾上菊之助
タマ … 田中道子
愛加那 … 二階堂ふみ
龍佐民 … 柄本 明
石千代 金 … 木内みどり
ユタ … 秋山菜津子
富堅 … 高橋 努
里千代金 … 里 アンナ
田中雄之介 … 近藤芳正
土持政照 … 斎藤嘉樹
土持 鶴 … 大島蓉子
川口雪篷 … 石橋蓮司
ふき … 高梨臨(子役期:柿原りんか)
おゆう … 内田有紀
虎 … 近藤春菜
ジョン万次郎 … 劇団ひとり
阿部正弘 … 藤木直人
徳川家定 … 又吉直樹
井伊直弼 … 佐野史郎
徳川斉昭 … 伊武雅刀
勝海舟 … 遠藤憲一
平岡円四郎 … 山田純大
中根雪江 … ヨシダ朝
江藤新平 … 迫田孝也
桂小五郎(木戸孝允) … 玉山鉄二
伊藤博文 … 浜野謙太
大村益次郎 … 林家正蔵
橋本左内 … 風間俊介
一橋(徳川)慶喜 … 松田翔太
本寿院 … 泉 ピン子
松平慶永(春嶽) … 津田寛治
堀田正睦 … 朝倉伸二
松平忠固 … 野添義弘
水野忠央 … ホリベン
山内容堂 … 大鷹明良
伊達宗城 … 長谷川公彦
松平容保 … 柏原収史
徳川慶勝 … 小宮孝泰
松平伯耆守 … 山田明郷
阿部豊後守 … 佐藤尚宏
山岡鉄舟 … 藤本隆宏
大村益次郎 … 林家正蔵
井上馨 … 忍成修吾
山県有朋 … 村上新悟
近衛忠煕 … 国広富之
孝明天皇 … 中村児太郎
近衛忠房 … 大窪人衛
中川宮 … なだぎ武
岩倉周丸 … 福山康平
明治天皇 … 野村万之丞
岩倉具視 … 笑福亭鶴瓶
語り … 西田敏行
※スタッフ
脚本 … 中園ミホ
原作 … 林真理子『西郷どん!』
音楽 … 富貴晴美
歌 … 里アンナ
題字 … メインビジュアル
制作統括 … 櫻井賢、櫻井壮一
プロデューサー … 小西千栄子、藤原敬久
演出 … 野田雄介、盆子原誠、岡田健
時代考証 … 原口泉、大石学、磯田道史
薩摩ことば指導 … 迫田孝也、田上晃吉
【西郷どん】
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 番外編 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46
コメント
紫花浜匙さん
>ほんと最近ホラーにしか見えなかった。
もっとも、大久保利通って元々ちょっと陰湿なイメージはあるから合ってはいるのかも(笑)
江藤の晒首も私怨の末という感じがするし、実際に「西郷大好き」がこじれた感もあるので……人間関係はいつの時代も難しいですな。
>幕末もので要所要所に出てくる西郷隆盛のプライベートを一年も見れて面白かった。
そだねーー!
西郷という人がなぜあんな最期を迎えたのかは謎が多くて、そういう所をもっと独自解釈で見せていただきたかったのだけど、そこまでは至らなかったなという感想。
難しいテーマの人はやはり脇で暗躍していた方がいいのかも知れない。と思いつつの最終回待ち。
-d-さん
>始まった途端に敗走になってました(汗)
戊辰戦争も大きく端折られたし、ここにはもう少し時間かけても良かったのではーー……と思ったけれども、たぶん長くなればなるほどお涙的になっていく気がして……(笑)
>熊本城、抜刀隊、田原坂ここらやりたい為の年間節約だったんじゃ?
見たかったですよね。もっとジックリ……。
泣いても笑っても最終回。
正座して(嘘です)見MOS.
一蔵=ダークサイド なるほど そだね〜。ほんと最近ホラーにしか見えなかった。
江藤〜斬首〜晒し首 言葉だけなのに鳥肌立ったもん。
吉之助が結局西南戦争に踏み込んでしまう心理が、なんとなくモヤ〜っとしてて
翔ぶが如くは見てなかったけど、この辺どういう描かれ方をしていたんだろう。
『西郷どん』の中の吉之輔なら、単身でもう一回大久保に会いに行きそうな気がして。
OP、子供時代の面々が最終回までずっと流れてるの良いよね。
吉之輔と一蔵がすれ違う所は本当に残念だけど。
幕末もので要所要所に出てくる西郷隆盛のプライベートを一年も見れて面白かった。
結末は変えられないのが悲しいけど。
第一話の最初の場面を最終回もやるのかな?
真田丸と西郷どんの一年はあっという間に駆け抜けた感じ。
大河ドラマ「西郷どん」 #46 西南戦争
江戸に訴えに出た西郷。 動揺する明治政府。 それを反乱ととらえ、大久保は西郷討伐の詔を要求します。
西郷どん 第46話「西南戦争」
大河ドラマ『西郷どん』のお時間です。 BSを録画にて鑑賞。 第46回「西南戦争」 あらすじ・・・・・・・
大河ドラマ『西郷どん』第四十六回
『西南戦争』内容隆盛(鈴木亮平)は、政府の真意を問い正すため、私学校の生徒たちとともに、東京を目指し始める。そして熊本に入った一行は、熊本鎮台により襲撃を受けるのだった。西郷の動きを知った大久保(瑛太)が、征討令を発していた。。。。敬称略個人的印象ではあるが。“結局、こういう描写なんだ”って感じだろうか。何が正しいだとか、何が間違っているだとか。歴史だ、史実だ。。。そんなもの、どうだっていい…
≻めっさナレーション戦争で、めっさ高速戦争だったけれど……。
は 早かったですねー 始まった途端に敗走になってました(汗)
「真田丸」のようにとは言わないけど、せめて11月頭から
政治的思惑そして西南戦争とやってほしかったなあ
初期の西郷側善戦の明るさから攻防の暗転、戦法や武器のあれこれ
熊本城、抜刀隊、田原坂ここらやりたい為の年間節約だったんじゃ?
家族と一部以外は その他大勢扱いだったので思い入れなく
戦でバタバタモブ死するのが寂しかったです
一蔵さあはダースベーダーみたいになっとるしw
キャラ明確な大山格之助は武士らしく終わらせて欲しかったよ
さあ最終回ですね!
NHK大河ドラマ「西郷どん」第46回「西南戦争」
政府に尋問の筋有之!とうとう兵を率いて上京しちゃった西郷どん隆盛様!大久保どんは怒り悲しみ、ないごてじゃ吉之助さぁ~…って、あんたがまいた種じゃんかよ!ゆーよね大久保一蔵利通様!どんだけ~?