コンサートの後は父と娘の決算。
梅吉っつぁんの「一からやり直したい」は、別に家族を忘れたいということではなかったんだよね。
羽鳥善一(草彅剛)が企画した茨田りつ子(菊地凛子)と福来スズ子(趣里)の合同コンサートは、りつ子の「別れのブルース」も披露され、大盛況のうちに幕を閉じる。コンサートの帰り道、スズ子は、梅吉(柳葉敏郎)がいつもの伝蔵(坂田聡)のおでん屋台で飲んでいるのを見かける。六郎(黒崎煌代)、が戦死してから香川へ帰りたいと言っていた梅吉。スズ子は、屋台に立ち寄り梅吉の隣りに座って、親子水入らずで話をする…
あらすじ は Yahoo!テレビ より引用
連続テレビ小説「ブギウギ」第10週「大空の弟」第50話
感想
お父ちゃんは香川へ行くと言う。
離れたくなくても、一人で生きる覚悟が出来なくては娘を支えることもできないから。
スズ子の方が家族離れが辛そうだね。
父と娘
帰り道の伝蔵おでん屋台で、小夜は席を外し、父と娘は久しぶりに2人並んだ。
六郎の歌……あれええな。
涙止まらんやった。
お前の歌、聴いてたら正直なってまう。ごまかされへん。
はあ~……六郎は死んだんやな。
『大空の弟』を歌うスズ子を見て、梅吉は目が覚めた。
悲しいのは自分一人ではなく「家族」みんななのだと。
目が覚めた上で、改めて決意したのだった。
スズ子、ワシ決めたで。
やっぱり香川行くわ。
何で?
お前とおったらいつまでも甘えてまう。
情けないお父ちゃんのまんまや。
スズ子はそれでも構わなかったし、それでも傍にいて欲しかった。
寂しい……以上に、スズ子にも不安があったのだと思う。
「血」の不安。
しかし、梅吉はもう言葉足らずの梅吉ではなかった。
お前が歌てくれてたらワシはもう寂しない。
どこにおってもな。
ワテは寂しい。
飲んべえで、働きもせんと情けのうて、だらしのうて、何の役にも立たへんお父ちゃんでもおらんようになったら寂しい。
何でやろ。
はっ…決まっとるやろ。
親子やからや。
当たり前やろ。
スズ子が欲しかったのは、きっとこの言葉。
これさえあれば、家族は離れても生きていけるのだった。
ワシはお前が娘でホンマよかった。
ワテもや。
お父ちゃんがお父ちゃんでホンマによかった。
翌日は、六郎の手紙に書いてあったミミズを3人で探した。
そういえば、昔は雨の日の後などたくさん居た気がするのだけど。
最近は見ないなぁ……。ミミズも生きづらい世の中なんだねぇ。
そして昭和16年の年の瀬、梅吉はカメと一緒に香川へ旅立って行った。
しんどなったら戻ってきてええから。
困ったことがあったら手紙よこすんやで。
具合悪なったら無理せんとお医者さんに…。
分かってる。心配すな。
ほなな。
ほな。
梅吉さんの友達の工場が高松じゃなければいいのだけれど……。恐らく軍需工場なのだから狙われるのだろう。
この香川帰りが吉と出てくれればいいのだけど。
歌い続けるために
スズ子の方も旅立つことになった。
これは、もう「歌い続けるため」に。
公演の依頼が秋田から来たのだ。
でも秋田じゃ旅費がかさんで元が取れないだろう。
ええやないですか。
そや。東京があかんのやったら日本中どこへでも行ったらええ。
ワテらの音楽を聴きたいいう人がいるならどこへでも行きましょ!
みんな、音楽家である。
今は音楽が出来る所へ流れていくしかない。
羽鳥先生はスズ子に餞別と言って、楽譜をくれた。
「アイレ可愛や」…。
アイレって誰ですか?
南洋の村娘さ。
南洋の娘が歌の中で何をしようが日本の警察には難癖のつけようがない。
要するに君はこの歌をどこでも好きに歌えるってわけさ。
この歌をワテに?
福来君、歌い続けるんだ。
『アイレ可愛や』は、服部良一・昭和17年の作品で、歌詞は特に主張もなく平穏、曲調はジャズのような洋楽とは離れてジャワなどの南洋民謡調。
あまり軍歌はお得意ではなかったという服部先生。欧米寄りではない音楽で、検閲に引っかからないように対策を練ってくれていたらしい。
笠置シヅ子さんは、この歌を慰問でも歌い、戦後はヒット曲になったとか。
歌手にとって何よりありがたい餞別である。
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ブギウギ キャストとスタッフ
キャスト
花田鈴子 – 趣里(子役時代:澤井梨丘)
花田梅吉 – 柳葉敏郎
花田ツヤ – 水川あさみ
花田六郎 – 黒崎煌代
橘アオイ – 翼和希
大和礼子 – 蒼井優
白川幸子/ リリー白川 – 清水くるみ
桜庭辰美 / 桜庭和希 – 片山友希
秋山美月 – 伊原六花
股野義夫 – 森永悠希
林 – 橋本じゅん
大熊 – 升毅
易者 – なだぎ武
アホのおっちゃん – 岡部たかし
アサ – 楠見薫
熱々先生 – 妹尾和夫
ゴンベエ – 宇野祥平
三沢光子 – 本上まなみ
タイ子 – 藤間爽子
ハット – 福徳秀介
コック – 後藤淳平
茨田りつ子 – 菊地凛子
羽鳥善一 – 草彅剛
羽鳥麻里 – 市川実和子
小村チズ – ふせえり
小村吾郎 – 隈本晃俊
伝蔵 – 坂田聡
松永大星 – 新納慎也
辛島一平 – 安井順平
中山史郎 – 小栗基裕
一井 – 陰山泰
二村 – えなりかずき
三谷 – 国木田かっぱ
四条 – 伊藤えん魔
五木ひろき – 村上新悟
小林小夜 – 富田望生
大林林太郎 – 利重剛
藤村薫 – 宮本亞門
山下達夫 – 近藤芳正
佐原 – 夙川アトム
田中鷹雄 – 高阪勝之
棚橋健二 – 生瀬勝久
東 – 友近
鮫島鳥夫 – みのすけ
村山愛助 – 水上恒司
村山トミ – 小雪
坂口 – 黒田有
大西トシ – 三林京子
大西タカ – 西村亜矢子
大西ヒデオ – 湯浅崇
治郎丸和一 – 石倉三郎
治郎丸ミネ – 湖条千秋
西野キヌ – 中越典子
語り – 高瀬耕造
ブギウギ スタッフ
◆制作 : NHK(BK)
◆制作統括 : 福岡利武,櫻井壮一
◆プロデューサー : 橋爪國臣
◆演出 : 福井充広,二見大輔,泉並敬眞,鈴木航,盆子原誠
◆脚本 : 足立紳,櫻井剛
◆音楽 : 服部隆之
◆主題歌 : 中納良恵・さかいゆう・趣里「ハッピー☆ブギ」
『ブギウギ』各回リンク
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