小姓になるための条件として草履番の後釜を育てることになった万千代(菅田将暉)と万福(井之脇海)。そこにやってきたのはノブ(六角精児)という謎の中年男だった。一方、直虎(柴咲コウ)は松下家から帰還した六左衛門(田中美央)を近藤(橋本じゅん)の家臣とするため尽力していた。そんな中、武田軍の遠江侵攻が始まる。
家康(阿部サダヲ)が戦支度のため大量の材木を必要としているという情報を聞きつけた万千代は…
(あらすじは Yahoo!テレビより引用)
おんな城主 直虎 第41回「この玄関の片隅で」
草履番三週目………。
ぇ、なにこれ、最終回まで草履番だったらどうしよう。(ない)
先週、新人を配属するから世話をよろしくと榊原どのから頼まれた虎松@万千代。
直後に松下の継父上が出てきて、まさかの父上が弟子かよと視聴者が驚愕したところで……。
本当の弟子の登場です。
鑑識である。
……じゃなくて……。
後のこの人である。本多正信ノブ。
あの、お名前は。
ノブと。
では、私の事はフクとでも。
穏やかにあいさつし、微笑む万福。
人とはきちんと関わって行き、人の中身を見て得られるものは吸収し、使えるものは使う……。
万福はたぶん、そんな子。
父・玄蕃は出番が短くてキャラクターに深い掘り下げは無かったが、父と兄の間に立ち、自分がどう動けば小野が仕事しやすいか、穏やかな目をしながらも図っている所があった。
万福は玄蕃によく似ている。
それに引き替え、天然お坊ちゃまの万千代は。
子供時代はそこそこ可愛く賢かったのに、松下で甘えん坊っちゃんに育てられたらしく、すっかりマウンテン若に。
早く出世したいのに、何やら物覚えも要領も悪そうな親父が後輩になってしまった。これは、足を引っ張られる。露骨にイヤな顔をしてみたり、後輩イジメのようなことをしてみたり、イヤミを言ってみたり……。
何故、あんなオヤジが俺らの後釜なんだ。
のろいし、覇気もない。
若い方が覚えもよいに決まっておる!
父は爽やか恋愛サイコパスな天然お坊ちゃんだったが、こっちは感情むき出し天然お坊ちゃん。ある程度は血筋(爆)
しかし、その「物覚えの悪いオヤジ」には年の功の処世術があった。
毎日、誰が何番目に出てくるかを観察し、その順番通りに草履を先に並べておく。
予定通りに出てこなかった時は、御用などで殿に呼び出されている時。
出てきたところを捕まえて世間話のように色々と聞き出す術も持っている。
さすが監察官……。
忠勝に斬られそうになったりしていたけれども、本多正信には三河一向一揆で徳川に敵対して出奔してから、10年以上もの年表不明なブランクがある。
まぁ…その間に監察官をやったり営業マンをやったり記者をやったりしていたんだね……素晴らしい功績。
こうして、ノブを使って、殿が腕のたつ木こり集団を探しているという情報を得て、これこそ自分の出番と思いつく万千代。
木こりといえば、龍雲党を思い出すよねぇ……(泥棒してたけどね……)
何とか殿に「木こり推薦者」として立候補したく、今のままではお口もきけないので、万福にも手伝わせて殿の草履の鼻緒を切るという細工をする。
継父上から「気が回りすぎて先走る」と言われていた通りのことを……。
鼻緒はそなたがあらかじめ切ったのではないか。
バレてる。
お許し下さいませ!
こうでもせねばお側に寄る事もできませぬゆえ!
武田攻めのお話を小耳に挟み、私にもお役に立てる事があるのではないかと。
ほう。
そなたがいかにして。
井伊は以前に材木を商っておりました。
その折に手だれの者たちを雇い入れ、その時の技は今まだ井伊谷の者に受け継がれております。
それがしにも、是非一部、材木の手配をお申しつけ頂けませんでしょうか!
で、そなたの望みは。
初陣を飾らせて頂ければと。
バリバリの野心。
けれども、家康はこういうのが嫌いじゃないらしい。
懐も広いし……時代はまだ緩やか。
百姓が武士になれちゃう時代である。
しかし。
井伊の名は取り戻したとはいえ、井伊谷は井伊家の物ではない。
万千代は、一体それをどうするつもりなのかと思ったら……。
ただ、お手紙で南渓さまにお願いするだけ(笑)
で、おとわがどう動いたかというと。
密かに方久に文を持たせて家康に手渡させた。
「井伊谷が材木をとのお話にございますが、あいにく今ここは近藤殿のご領地。杉一本たりとも井伊家のものではございませぬ。
その井伊谷をまるで我が物であるかのごとく頼みをよこす井伊万千代は、物事の筋目すらまだ分からぬ未熟者かと存じます。
殿のご恩情はありがたき事なれど、甘やかしては本人のためにもならぬとも。
ゆえにここはひとつ、近藤殿にこのお役を命じ直しては頂けませぬでしょうか。
さようにして頂ければ、近藤殿と力を合わせて必ずや五百本の調達をお約束致します。」
当たり前だ。
当たり前である事を万千代は「井伊のため」と頼めば何とかしてもらえると思っているガキ。
おとわは、きちんとそれを解っていた。
虎松の手柄にしようと思えば、たぶん何かしらの手は打てただろう。
けれども、筋をちゃんと通し、世の中の厳しさを教え、導く。
母心である。
井伊直政は井伊直虎の養子であったと言われているが、実の母もいることだし「養母」と言っても共に住んで直接養育したわけではないと思われる。
直虎が直政とどう関わっていたかは年表白紙の部分。
ましてやこのドラマでは尼でさえなくなり、もう直虎でも次郎法師でもない百姓女。
そういう身分の者の言う事を近藤どのがアドバイザーとして真面目に聞いているのはちょっと都合のいい設定だが(近藤殿ってば実は懐深い(笑))、こういう立場に居て、きちんと直政と繋がり、助け、遠隔教育までしているんだなぁと。繋げ方が秀逸。
今回の話は、直政の母としての おとわがガッツリ描かれている良い話だった。
ついでに、井伊谷に戻ったものの近藤どのに役立たず扱いされて手柄を立てられずにいた六左を、材木調達係として推薦する。
六左に居場所を作ってやる。
「井伊谷の母」としての役目も果たしている。
「殿」
というよりも、おとわは井伊の「母」になったのだと。
コウちゃんの穏やかな表情が、それをしっかりと映し出していた。
これからも嫌というほど戦に出ねばならぬ。
焦る事もなかろう。
私はもう15にございます!
本多様などは13で初陣を飾られ……。
わしは17じゃが。
まあ、戻ったら小姓には引きあげてやるゆえ、こたびは留守居を命ずる。
日の本一の留守居、励むがよいぞ。
万千代を面白がるように、転がしながら扱っている家康も親の位置。
懐深い人たちに育てられている井伊直政であった。
※キャスト
井伊直虎(おとわ)… 柴咲コウ(子役期:新井美羽)
井伊直盛 … 杉本哲太
祐椿尼(千賀) … 財前直見
井伊直平 … 前田吟
井伊直満 … 宇梶剛士
井伊直親(亀之丞) … 三浦春馬(子役期:藤本哉汰)
しの … 貫地谷しほり
井伊直政(虎松) … 菅田将暉(子役期:鈴木楽→寺田心)
中野直由 … 筧利夫
中野直之 … 矢本悠馬
中野直久 … 冨田佳輔(子役期:山田瑛瑠)
今村藤七郎 … 芹澤興人
弥吉 … 藤本康文
たけ→梅(二役) … 梅沢昌代
小野政直 … 吹越満
小野政次(鶴丸) … 高橋一生(子役期:小林颯)
小野玄蕃 … 井上芳雄
小野亥之助(万福) … 井之脇海(子役期:荒井雄斗)
なつ … 山口紗弥加
奥山朝利 … でんでん
奥山孫一郎 … 平山祐介
奥山六左衛門 … 田中美央
新野左馬助 … 苅谷俊介
あやめ … 光浦靖子
桔梗 … 吉倉あおい
桜 … 真凛
高瀬姫 … 朝倉あき(少女期:高橋ひかる)
鈴木重時 … 菅原大吉
近藤康用 … 橋本じゅん
菅沼忠久 … 阪田マサノブ
瀬戸方久 … ムロツヨシ
南渓和尚 … 小林薫
傑山 … 市原隼人
昊天 … 小松和重
甚兵衛 … 山本學
八助 … 山中崇
角太郎 … 前原滉
富助 … 木本武宏
福蔵 … 木下隆行
今川義元 … 春風亭昇太
今川氏真(龍王丸) … 尾上松也(子役期:中川翼)
寿桂尼 … 浅丘ルリ子
太原雪斎 … 佐野史郎
関口氏経 … 矢島健一
庵原朝昌 … 山田裕貴
大沢基胤 … 嶋田久作
岩松 … 木村祐一
佐名 … 花總まり
北条氏康 … 鶴田忍
北条幻庵 … 品川徹
佐久間信盛 … 坂西良太
明智光秀 … 光石研
徳川家康 … 阿部サダヲ
瀬名(築山殿) … 菜々緒(子役期:丹羽せいら)
徳川信康(竹千代) … 平埜生成(子役期:吉田海斗)
石川数正 … 中村織央
酒井忠次 … みのすけ
本多忠勝 … 髙嶋政宏
榊原康政 … 尾美としのり
本多正信(ノブ) … 六角精児
松下源太郎 … 古舘寛治
松下常慶 … 和田正人
徳姫 … 植原星空
於大の方 … 栗原小巻
武田義信 … オレノグラフィティ
龍雲丸 … 柳楽優弥
モグラ … マキタスポーツ
力也 … 真壁刀義
カジ … 吉田健悟
ゴクウ … 前田航基
中村与太夫 … 本田博太郎
織田信長 … 市川海老蔵
武田信玄 … 松平健
語り … 中村梅雀
※スタッフ
脚本 … 森下佳子
音楽 … 菅野よう子
テーマ音楽 ピアノソロ … ラン・ラン
題字 … Maaya Wakasugi
制作統括 … 岡本幸江
プロデューサー … 松川博敬
演出 … 渡辺一貴、福井充広、藤並英樹
時代考証 … 小和田哲男
公式サイト http://www.nhk.or.jp/naotora/
【おんな城主 直虎】
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41
コメント
『おんな城主直虎』、終盤でやっと面白くなってきた(第41~45回)
皆さんこんばんは。今回は去年の大河ドラマ『おんな城主直虎』の感想シリーズということで、第41~45回までの感想を書きます。今日はエイプリル・フールですが、興味がないので無視します 笑まずはあらすじ。草履番として徳川家中で働く井伊万千代(菅田将暉)と小野万福(井
おんな城主 直虎 41話「長篠に立てる柵」
公式サイト 小姓になるための条件として草履番の後釜を育てることになった万千代(菅
おんな城主 直虎 第41回「この玄関の片隅で」
大河ドラマ『おんな城主直虎』のお時間です。 BSにて鑑賞。 第四十一回「この玄関の片隅で」 あらすじ・・・・・・・
大河ドラマ『おんな城主直虎』第四十一回
「この玄関の片隅で」内容草履番として認められた万千代(菅田将暉)と万福(井之脇海)榊原康政(尾美としのり)から、小姓になる条件として、後釜を育てるよう命じられる。連れて来られたのはノブ(六角精児)だった。何か、妙な印象を受ける万福。 そのころ、直虎(柴…
おんな城主直虎 第41回 この玄関の片隅で
第40回「天正の草履番」はこちら。 前回の視聴率は11.6%と予想を下回りました。井伊直政(菅田将暉)のやんちゃぶりはそれほど受け入れられなかったか。わたしもちょっとやりすぎかと思ったけれど、数えの15才ってことはいまの中二ぐらい?商売柄言わせていただければ、あいつらにはまだなにも期待できません(笑)。 今回のタイトルも思い切ったなあ。あのキネ旬ベストワンのアニメをいただくとは。でも、おかげで宮藤官九郎が書く次の次の大河に、のんを起用する一助になれば。まあ、大河ドラマほど、大手プロダクションの都合.…
おんな城主直虎 第41回~今回のミッションは〝木材500本の調達〟! 本多正信も登場!
「それがしにも材木の手配をお申しつけ下さいませんでしょうか」 「して、そなたの望みは?」 「初陣を飾らせていただければと」 今回のミッションは、材木500本の調達である。 しかし、オトナの事情に阻まれる。 井伊は近藤(橋本じゅん)に気を遣わなくてはな…
NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」第41回「この玄関の片隅で」
この玄関の片隅にソレガシを見つけてくれてかたじけないって?んだけど、まだまだ万千代様の前途は多難なようですけど~。今回元ネタを回想しちゃうと、ハンパない涙がちょちょぎれちゃうんで、さっさと本編レビューへと進みます~。
いい話では、あったのですが直虎が万千代に対して
井伊家を潰した近藤に対して遺恨を抑えて相手を立てバランスを保っている事を
ちゃんと説明してこなかったのは、ここでヒロインの見せ場を作るためだったのでしょうか。
ついでで朝ドラコメ。
昨晩の「陸王」でハルさんが「ウチは辞めへんで!」と言っていたのを観て
疎開先に連行されながら「不幸モーン!覚えとれよー!!」と叫んでいたのを思い出したり。
あの時は視聴者を笑い死にさせて勘助の後を追わせる気かと。
苦しさに打ち勝つ笑いというのは、ああいうのを言うのですよね。
ちなみに両脇を抱えていたのは糸子(長女)と静子(次女)であり
後に糸子を引退させて東京に連れて行こうとしたのは優子と直子なので
ハルさんは幼い曾孫達に糸やんを愚痴り倒していたのではなかろうかと。
「怖かったでー。時々、優しかったけどな」(by優子)
おんな城主 直虎「この玄関の片隅で」
草履番から、出世をはかりたいと、燃える万千代(菅田将暉)と万福(井之脇海)の若手コンビに、やってきたのは、ノブ(六角精児)という謎の中年男これが、それまでのやり方を覚えるには苦慮してましたが、年の功で、「出て来る順番」を把握し、草履を出し、遅くなった者は、某の相談を受けてるだろうから、世間話をしつつ、様子を探る知恵者。そこから、武田軍の遠江侵攻が始まったことを知り、家康(阿部サダヲ)が戦支度のため大量の材木を必要としているという情報を聞きつけた万千代は、井伊が活かせると、手紙を送ります。しかし、それ…