【おんな城主 直虎】第11回「さらば愛(いと)しき人よ」 感想


瀬名(菜々緒)を救おうと取りすがる次郎法師(柴咲コウ)の元に、松平元康(阿部サダヲ)からの使者が到着する。
桶狭間での大敗以降、衰退の一途をたどる今川家の跡を継いだ氏真(尾上松也)と寿桂尼(浅丘ルリ子)は、離反者の粛清に躍起になっていた。
ある日次郎法師のもとに、元康からの御礼の品が届く。
直親は今川家と手を切り、元康と手を組むことを決意する。
ついに元康との密会を果たす直親だったが…
(あらすじは Yahoo!テレビより引用)

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おんな城主 直虎 第11話「さらば愛(いと)しき人よ」

瀬名を救うべく次郎は駿府に向かったが時、既に遅し。 

…と、その時。

松平元康が家臣・石川数正と申す!
鵜殿長照殿の忘れ形見を人質として預かっておりまする!
瀬名殿、竹千代君、亀姫様とお引き換え願います!

 

これが、後に語りぐさとなる元康による瀬名の人質交換劇でござった。

 

ってことで……
先週の、瀬名さま危機一髪…からの生還。
元康、頑張った。

ドラマ上は次郎さまが頑張って時間を稼いだから助かったってオチ。

先週、元康がわしの孫を殺したと言って寿桂尼がブチ切れていたが、ようはその子どもたちと自分の妻子を交換してくれって話である。

寿桂尼のひ孫であるから、当然今川は交換に応じ、瀬名姫と子供たちは助かった。

 

瀬名。
岡崎へ行けばあなたと私は敵となります。
なれど迷う事はありません。
今度こそ今川を手に入れなさい。
それがあなたなら母は本望です。

 

自分の無念を娘の輝かしい(と思いこんだ)人生に託す佐名おば。
母と娘の今生の別れである。

ドラマは井伊氏の出自という設定で母の事ばかり言っているが、父の関口親永も妻と共に自害させられている。

今川の血縁筋である夫婦を殺してしまうほど氏真の元康に対する怒りは大きかったわけ。

両親をそんな今川に残して夫の元へ旅立った瀬名姫の人生が決して輝かしいものだったわけではない……ことを知っている視聴者はここでもう何だか…「あああ……」と思うのである。

彼女がなぜ「築山殿」と呼ばれるようになったのかというと、夫の元へ向かったのに岡崎城に入ることが出来ず、郊外の築山に長く留められることになったから。

この先、この夫婦が共に暮らす日は来ない。

そう考えると、築山殿が次郎文通に書いていた夫に対する愚痴のようなノロケのような文章もすでに「あああ……」なのだった。

人質交換も元康にとってはただの駒遊びなのかも知れず。
いや、もうそうとしか見えない。
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なのに……。

「良い事」をして井伊谷に帰ってきた次郎は「松平元康からのお礼」をニコニコと受け、直親はお近づきの標の「鷹狩り」へ行く決心をしてしまうのである。

 

恐らく今川はもう立ち直れまい。その道連れになるのは真っ平じゃ。
となれば、どこかで松平と接触せねばならぬ。

 

じかに会うのはまだ早かろう。

じゃが前もって手を組めばこそやれる事というものもあろう。
その前に今川に謀反の疑いをかけられるやもしれんがな。
だから政次に決めてもらわねばならぬのだ。

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このお誘い自体が劇団・今川の仕込みだとは思わず、会いに行ってしまう直親と許可してしまう政次。

もう…
「あああ……」である。

誰だよ、お前………。
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直親と政次がこんなに信頼し合っていて、一体どうして「そういう事になるのか」と思っていたわけだけれども、そうなのね。

直親が政次と兄弟より深い幼馴染みの仲だからこそ、何でも話して尊重するからこういう事になったわけで。

 

「刀傷の男」が元康では無く劇団・今川だと知った時の政次よ……。
あああ……政次は会うのはまだ早いって言ったのに。

 

この際、松平にお助けを願おう。
松平に合力頂ければ今川に踏み込まれても戦う事ができよう。

場合によっては戦わず取り引きできるかもしれませぬ。

 

しかし、松平の使いだという山伏の答えは、

今、ここから井伊にまで兵を出す余力は松平にはござらぬとの事にございます。

 

である。
次郎さまは瀬名さまを頼ろうと考えるが、肝心の瀬名さま自身がほぼほぼ三河から捨て置かれている状態。

 

なのに、瀬名さまの所に行っちゃう残酷な次郎さま。

 

私と一緒に井伊に来て下され。
事がなればすぐにでもこちらへお返しする。

なれど私どもでは人質になりませぬ。

 

そんな事、言いたくないよねぇ。
なのに食い下がる次郎さまを瀬名様は閉め出すのだった。

井伊に置き去りにされては私は今川を手に入れる事はできませぬ!
母と…亡き母と約束したのでございます!

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あああ……

今川に、もうそんなブランドは無くなるのだと。
瀬名さまにも、今川のために翻弄される鶴にも亀にも教えてあげたい。

 

お前は必ずわしと同じ道をたどるぞ。

父の言葉を思い出す政次。
今川と井伊の間に挟まれ、井伊から憎まれ今川を憎みながら頭を下げる人生をたどる。

 

井伊では、今川に迫られ、直親が謀反の心はないと申し開きするために今川へ向かう。

わしはもうこれ以上見送るのはごめんじゃ!
見送るのはごめんじゃ!

 

本当に……
血縁の事を考えるとこの直平じじの見送り人生は酷すぎる。

 

しの。虎松が生まれてから寺の井戸には水が湧き始めてな。
虎松はきっとご初代様の生まれ変わりだと思うのだ。
この子は井伊を蘇らせる。
お前が生んだのはそういうただならぬ子だと思うのだがお前はどう思う?

虎松を頼むぞ。

 

はい。
 

虎松。
覚えてほしい事が一つだけある。
生きておれば必ず好機はある。

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母になったからか、覚悟を持って夫を見送るしのぴー。
大人になったねぇ…(あっという間に)

 

しかし…

我が男子に生まれておればよかったのじゃ!
さすれば明日、駿府に参るのは我であったはずじゃ!

 

それは困る。
おとわが女子でないのは。

もし、おとわが女子でなければ。
俺のたった一つの美しい思い出がなくなってしまう。

 

うーーん……汗2.gif
どうしても納得行かないのがこの関係な…。
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どうして、次郎さまを竜宮小僧に徹しさせてくれないのだろう。

これじゃ、妻である しのぴーが可哀想じゃん。
この抱き合うお別れは しのぴーとのシーンではいけないの

 

鶴はいつまでも独り身じゃなきゃいけないの
次郎さまは未だにそういう方面で求められ続けるの

 

今回、とっても面白かったよ。
ああ、そういう流れでこうなったのかって思わさせられた。

でも、三角関係いつまでも…をやられ続ける、これがとても辛い…。

まぁ…
これで亀が居なくなって次週ついにタイトルが回収されるので…
個人的にはそこから見やすくなるかも。…と期待している。

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井伊 直虎(いい なおとら)は、戦国時代から安土桃山時代にかけての遠江井伊谷の女性領主。 井伊直盛の娘。 同国の国衆・井伊氏の事実上の当主を務めて、徳政令などを行い、「女地頭」と呼ばれた。 (wikipedia-井伊直虎-より引用)    ...

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※キャスト

井伊直虎(おとわ)… 柴咲コウ(子役期:新井美羽)

井伊直盛 … 杉本哲太
千賀 … 財前直見
井伊直平 … 前田吟

井伊直満 … 宇梶剛士
井伊直親(亀之丞) … 三浦春馬(子役期:藤本哉汰)
しの … 貫地谷しほり
井伊直政(虎松) … 菅田将暉(子役期:寺田心)
佐名 … 花總まり

中野直由 … 筧利夫
中野直之 … 矢本悠馬
今村藤七郎 … 芹澤興人
弥吉 … 藤本康文
たけ … 梅沢昌代

小野政直 … 吹越満
小野政次(鶴丸) … 高橋一生(子役期:小林颯)
小野玄蕃 … 井上芳雄
なつ … 山口紗弥加

奥山朝利 … でんでん
奥山孫一郎 … 平山祐介
奥山六左衛門 … 田中美央

南渓和尚 … 小林薫
傑山 … 市原隼人
昊天 … 小松和重

甚兵衛 … 山本學
八助 … 山中崇
角太郎 … 前原滉
富助 … 木本武宏
福蔵 … 木下隆行

今川義元 … 春風亭昇太
今川氏真(龍王丸) … 尾上松也(子役期:中川翼)
寿桂尼 … 浅丘ルリ子
太原雪斎 … 佐野史郎
新野左馬助 … 苅谷俊介
関口氏経 … 矢島健一
あやめ … 光浦靖子
岩松 … 木村祐一

徳川家康 … 阿部サダヲ
瀬名(築山殿) … 菜々緒(子役期:丹羽せいら)

龍雲丸 … 柳楽優弥
瀬戸方久 … ムロツヨシ
高瀬 … 髙橋ひかる
松下常慶 … 和田正人

語り … 中村梅雀

※スタッフ

脚本 … 森下佳子
音楽 … 菅野よう子
テーマ音楽 ピアノソロ … ラン・ラン
題字 … Maaya Wakasugi
制作統括 … 岡本幸江
プロデューサー … 松川博敬
演出 … 渡辺一貴、福井充広、藤並英樹
時代考証 … 小和田哲男

公式サイト http://www.nhk.or.jp/naotora/

【おんな城主 直虎】
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コメント

  1. おんな城主 直虎 第11回「さらば愛しき人…

    ​​い〜〜や〜〜・・・ もう直親の出番終わりなんですか・・・(^0^;;;)多分、この辺りも色々と史実とは違うのだろうなぁと思うのですが(「ねこねこ日本史」での知識でしかないんで…

  2. くう より:

    saboさん
    >しかし歴史考証の小和田さんが築山事件冤罪派

    楽しみですよねぇ!(主題とは違う所ばかりが(笑))
    私も築山殿は気の毒な人だとずっと思っているのです。
    しかし、このドラマでは井伊がいずれ仕える徳川は正義のように描かれるのではーーと予測していたので、そこは見どころですね^^

  3. sabo より:

    渡辺さんの演出は恋愛描写がネチョネチョしててどうも苦手で(汗

    しかし歴史考証の小和田さんが築山事件冤罪派と聞き、今後の展開が楽しみになってきました
    家康のサイコっぽい演出は狙ってるかもです

  4. くう より:

    巨炎さん
    和田くんはゲストというよりも、今後もちょくちょく出てくるようです。
    この大河のスタッフは統括から音楽に到るまで「ごち」スタッフですし、そのドラマのファン層が期待している感は開始前からありました。
    おとわのキャラクターも何となくめいこっぽいし(笑)
    スタッフが杏さんにオファを出していたとしても不思議はないかも^^;

  5. 巨炎 より:

    内容に関係ありませんが「ごち」の和田和人がゲスト出演。
    「天皇の料理番」の時から周囲に朝ドラ的キャストが目立ちますね。
    出産&育児が無ければ主演は杏だったという説も小耳にしましたが…。

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    第10回「走れ竜宮小僧」はこちら。 前回の視聴率は12.5%と予想よりも下回った。というか、裏がWBCだったんですね。大好きなプロ野球を近ごろ観ることができないのは色々と事情があるんだけど、日本の活躍は素直にうれしい。侍ジャパンってイメージの押しつけはちょっとしんどいにしても、超オールスター軍団のなかで、貧打で有名な巨人の小林が(チームメイトにヒットを打つたびに揶揄されながら)成長しているのは頼もしい。彼に足りないのは自信だもの。さて、今回のタイトルは「さらば愛しき人よ」。フィリップ・マーロウですか…

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    ここの所随分面白い展開となってまいりました井伊家周辺の歴史ドラマですけど、やっぱりこの~、仮にあの~、次郎法師が活躍しなくても結構面白かったんじゃね?みたいな禁断の思考が!はああっ!すみませんすみません、反省します反省します、主人公様あってこその大河ドラマですもの~!

  14. おんな城主 直虎「さらば愛(いと)しき人よ」

    今回で、事実上の三角関係、というか、竜宮小僧を夢見た、3人パラダイスは終わりで、だから、おとわが、おんな城主になる経緯説明だったのかな?罠にハメられた直親(三浦春馬)、お疲れ様でした。まだしも、次郎と最後の逢瀬というか、挨拶ができてヨカッタさて、元康(阿部サダヲ)の裏切りに怒る氏真(尾上松也)は、瀬名(菜々緒)の処断を決断。次郎法師(柴咲コウ)が、瀬名を救おうと奔走するも、いったんは成功したように見えて、結果的に失敗。母娘の母・佐名(花總まり)と別れることに。桶狭間での大敗以降、衰退の一途をたどる今…

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