本能寺の変によって信長(市川海老蔵)は討ち取られ、直虎(柴咲コウ)の手助けによって家康(阿部サダヲ)は無事、三河へと戻る。明智が京を追われたと聞いた直虎は龍雲丸(柳楽優弥)と別れ、堺を後にする。
井伊谷に戻った直虎は保護していた明智の遺児を逃がそうとするが、万千代(菅田将暉)はその身柄を徳川に引き渡すよう要求する。
(あらすじは Yahoo!テレビより引用)
おんな城主 直虎 第50回「石を継ぐ者」
さて。
「本当は男だった」とか「存在しなかった」とか言われつつも、竜宮小僧というファンタジーで開始された『おんな城主 直虎』最終回です。
この「理科の時間だよーーー」みたいなOPともお別れじゃ #おんな城主直虎 #nhkbsp
— くう@ドラマ実況アカ (@kukucooo) 2017年12月17日
天正10年6月2日明智の謀反により信長死す。
ここから半年も経たない内にヒロインが死んでしまうという史実は頭に入っていたわけだけれども、先週もずっと元気で元気で元気すぎたので、まぁ……脳溢血とか、突然死ってこともあるしね。と思っていたところ。
まさか井伊直虎。まだ死んでいない説を採用するつもりでは.。oO ←ないです #おんな城主直虎 #nhkbsp
— くう@ドラマ実況アカ (@kukucooo) 2017年12月17日
今まで「こういう説もあるよ」という井伊家伝記推し説を取り上げまくってきたこの大河。
今日は何をしたかというと。
明智光秀の遺児・自然を信長さまの遺児・悦岫として成り代わらせ、之の字たちに授けられたあの茶碗をその証拠として使ったのだ。
龍潭寺四世・悦岫永怡。
龍潭寺のHPではもう「信長の子」ってハッキリ書いちゃってあります。
http://www.ryotanji.com/annai/bunkazai.html
信長も光秀も庶子となると何人何処にいたかもよく分からず、光秀の息子・自然は坂本城落城の折に命を絶たれたものとされている。
己の子以外は子にお見えにならぬか。
子を持たぬ尼殿にはお分かりになりますまい。
あいにく子を持った事はないものでどの子も等しく我が子のように見えましてなぁ!
この子は既に井伊の子!
そちらがお家のため引き取りたいと願うならば、こちらもお家のため渡すわけにはまいりませぬ!
ここに於大の方を持ってきたのは、信康を殺せと家康に進言した……あの流れを諭すためかしらねぇ。
命を奪わなくても助ける手はあった。
嘘でも方便でも何でも使って……。
しかし、このおばばも元気だよね。
突然、井伊谷に現れ、他人さまの屋敷に勝手に上り込んで指図とは……。
井伊の者は次々と万千代配下で徳川に仕える身となり、人が減っていくことをただ受け入れるおとわである。
表の世で上手くいかぬ者は必ず出続けましょう。
さような者たちを逃がしたり生き直す場を与えたり、世に戻るための洞穴のような役目を果たすところがいるのではないかと。
そのためにもここにはもはや世捨て人がおるだけただの一つの寺があるだけとした方が、動きやすいのではないかと。
逃げ回り策を巡らし、あげく潰しまでし。
それでも命脈を保ってきた井伊じゃ。
それは井伊が負うべき役目なのかもしれぬの。
こうして、伊井は戦国の竜宮小僧を請け負う国となったのである。
実際には……
この段階では井伊谷は直政に下されていたので、おとわが勝手に畳むも何もなく。やがて直政が上野に配されると、井伊家自体が直政と共に遠江から遠ざかっていくようになる。
井伊谷には後ほど近藤どのの息子が藩主として配されるようになるのじゃった。
さて。なかなか治らぬ咳の風邪……といっても見た感じ死にそうなほどではなく。
やっぱり、きっと脳溢血かなんかの突然死だよね。
というロマンのない死因はともかく。
鶴と亀が迎えにやって来て、おまけに龍雲丸まで来ちゃうという、ちょーイケメンパラダイス的終末。
龍雲丸の船が沈んでしまったらしい描写は、開始前に見た脚本家インタビューの「ベルサイユのばら」的描写として見ると、ハンス・アクセル・フォン・フェルセン伯爵の最期を思い起こさせられたわ。
とにかく。
イケメンみんな揃って良かったね。
(子役だから絵面が生々しくならない……)
死に方がアレだから、特に涙誘われることもなく。
徳川方に知らせが行った時、初めてちょっとウルっとなった。
(でも文に落ちる大量の水を見て、誰がこんな大袈裟に泣いてるんだよっっっと思ってしまったことは内緒だっ)
直虎の碁石を万千代ー渡す和尚。
井伊の魂じゃ。
井伊の魂?
何じゃと思う?それは。
井伊は井戸端の拾い子がつくった国。
ゆえにか殿は余所者に温かかったです。
うむ、それから?
民には竜宮小僧のようにあれかしとし。
泥にまみれる事もいとわず恐れず。
戦わずして生きていける道を探る。
殿は小さな谷でそれをやった。
そなたはそれをこの日の本を舞台にやるのじゃ。
頼んだぞ。
万千代は、負けた国の子だからこその政治を続け、竜宮小僧に徹して徳川を押し上げていく。
そして、ついに元服の日を迎えるのだ。
井伊万千代。今日これよりは…。
「直政」と名乗るがよい。
直…政。
井伊の通字である「直」そして小野の通字である「政」を取りそなたの名とせよ。
どうじゃ。
わしはこれよりないよい名じゃと思うが。
「百尺竿頭進一歩」。
「大死一番絶後再蘇」。
何事も大死あってこその蘇りにございましょう。
この身にございましょう。
新しき井伊はこの方々から始まったのだと、井伊直政、この名と行いを通して伝えていく所存にございます!
実際には、井伊家に小野の名なんぞ加える必要は全くなく(しかも側に小野の万福がいるのに!)、ドラマで小野政次とされている人物は「道好」なので「政」関係ないーー……「政」は榊原康政辺りから貰ったのではーーという気もしなくはないけれど~~。
まぁ、ドラマだからこういう感じで納まって良かったじゃないか。うん。と思うのだった。
時は戦国。
群雄が割拠し戦や略奪が繰り返された混乱の世。
その流れに果敢にも飛び込んだ女子がおった。
彼女が守り続けた井伊家は260年にわたり江戸幕府の屋台骨を支える事となったのじゃ。
勇ましい男名で男たちと渡り合ったその女の名は…。
「完」
うん。1年間見たぞーーーという充実感はある。
けれども、個人的にはそれほど好きな大河ではなく(ごめんなさい。好みの問題ですね。)
竜宮小僧のファンタジー展開にモヤっとした所から始まっているもんで、その後、材木泥棒龍雲党の後処理あたりもモヤッとし、そういう所から引きずり続けて12ヶ月(笑)
結構辛い時もありました。
ムロツヨシは大好きだけれどムロ方久のうるささには結構辟易としてた(笑)
ジブリみたいな音を入れ込んだり、時にとんちんかんな劇伴も全体的に(OP含め)好きになれませんでした。
個人的には「面白くなってきた」と思えたのは、虎松が万千代になってからですね(ぇっ割と最近(爆))
そのあたりから、ストーリーも面白かったけれども直虎に大人の落ち着きが見えてきたのもよろしかったかと。
半期で主人公を直虎から直政に移す手法で良かったんじゃないのかなぁと、今でも思ってます。
史実と逸話とドラマ上のエピソードの繋がりや、過去のエピソードの回収は「おお」と思う所も多かったのですが、「どや」と言われているようにも見えて(被害妄想?)ちょっとハラが立ったり(笑)
しかし、女性主人公大河としては骨太ファンタジーで変わった趣向の大河だったなぁとは思います。そういう意味では面白かった。
では。今年もしがないレビューにお付き合いいただき、心からありがとうございました。
来年は1月7日から『西郷どん』
https://goo.gl/LZLWyE
スタッフに一抹の不安を抱えつつ、ぶつくさ言いながら1年またお付き合いください。
大河ドラマファンの皆様のご多幸をお祈りして。
良いお年を。
※キャスト
井伊直虎(おとわ)… 柴咲コウ(子役期:新井美羽)
井伊直盛 … 杉本哲太
祐椿尼(千賀) … 財前直見
井伊直平 … 前田吟
井伊直満 … 宇梶剛士
井伊直親(亀之丞) … 三浦春馬(子役期:藤本哉汰)
しの … 貫地谷しほり
井伊直政(虎松) … 菅田将暉(子役期:鈴木楽→寺田心)
中野直由 … 筧利夫
中野直之 … 矢本悠馬
中野直久 … 冨田佳輔(子役期:山田瑛瑠)
今村藤七郎 … 芹澤興人
弥吉 … 藤本康文
たけ→梅(二役) … 梅沢昌代
小野政直 … 吹越満
小野政次(鶴丸) … 高橋一生(子役期:小林颯)
小野玄蕃 … 井上芳雄
小野亥之助(万福) … 井之脇海(子役期:荒井雄斗)
なつ … 山口紗弥加
奥山朝利 … でんでん
奥山孫一郎 … 平山祐介
奥山六左衛門 … 田中美央
新野左馬助 … 苅谷俊介
あやめ … 光浦靖子
桔梗 … 吉倉あおい
桜 … 真凛
高瀬姫 … 朝倉あき(少女期:高橋ひかる)
鈴木重時 … 菅原大吉
近藤康用 … 橋本じゅん
菅沼忠久 … 阪田マサノブ
瀬戸方久 … ムロツヨシ
南渓和尚 … 小林薫
傑山 … 市原隼人
昊天 … 小松和重
甚兵衛 … 山本學
八助 … 山中崇
角太郎 … 前原滉
富助 … 木本武宏
福蔵 … 木下隆行
今川義元 … 春風亭昇太
今川氏真(龍王丸) … 尾上松也(子役期:中川翼)
寿桂尼 … 浅丘ルリ子
太原雪斎 … 佐野史郎
関口氏経 … 矢島健一
庵原朝昌 … 山田裕貴
大沢基胤 … 嶋田久作
岩松 … 木村祐一
佐名 … 花總まり
北条氏康 … 鶴田忍
北条幻庵 … 品川徹
佐久間信盛 … 坂西良太
明智光秀 … 光石研
徳川家康 … 阿部サダヲ
瀬名(築山殿) … 菜々緒(子役期:丹羽せいら)
徳川信康(竹千代) … 平埜生成(子役期:吉田海斗)
石川数正 … 中村織央
酒井忠次 … みのすけ
本多忠勝 … 髙嶋政宏
榊原康政 … 尾美としのり
本多正信(ノブ) … 六角精児
松下源太郎 … 古舘寛治
松下常慶 … 和田正人
徳姫 … 植原星空
於大の方 … 栗原小巻
武田義信 … オレノグラフィティ
龍雲丸 … 柳楽優弥
モグラ … マキタスポーツ
力也 … 真壁刀義
カジ … 吉田健悟
ゴクウ … 前田航基
中村与太夫 … 本田博太郎
織田信長 … 市川海老蔵
武田信玄 … 松平健
語り … 中村梅雀
※スタッフ
脚本 … 森下佳子
音楽 … 菅野よう子
テーマ音楽 ピアノソロ … ラン・ラン
題字 … Maaya Wakasugi
制作統括 … 岡本幸江
プロデューサー … 松川博敬
演出 … 渡辺一貴、福井充広、藤並英樹
時代考証 … 小和田哲男
公式サイト http://www.nhk.or.jp/naotora/
【おんな城主 直虎】
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コメント
大河ドラマ『おんな城主直虎』第五十回(最終回)
「石を継ぐ者」内容本能寺にて信長が、明智光秀(光石研)により討ち取られた。混乱の中、三河に戻った家康(阿部サダヲ)は、周辺国の処置をしつつ、羽柴秀吉に要請に応じて、出陣の準備を整えてく。一方、堺にいた直虎(柴咲コウ)は、家康に協力しつつ、明智の遺児の処遇に悩んでいた。そんな折。。。敬称略何度も書いているが。終盤がよかっただけに、もうちょっと、上手くやっていればなぁ。。。。それに尽きる。別に、…
おんな城主 直虎 最終回「石を継ぐ者」
大河ドラマ『おんな城主直虎』のお時間です。 BSを録画で鑑賞。 第五十回(最終回) 「石を継ぐ者」 あらすじ・・・・・・・
おんな城主 直虎 最終回「石を継ぐ者」
とにかく、あらゆる意味で異色の、チャレンジ大河でしたね。賛否両論あれど、私は楽しめました。どう扱うのかな?と思ってた、光秀の遺児を、信長の遺児ってことで押し通し、まぁるくおさめ直虎(柴咲コウ)の最期も、子供時代の幻を見つつ、鶴も亀も、少年・龍雲丸までいる状態で、笑って絶命するなんて幸せすぎ。そして、彼女の意志をついだ万千代(菅田将暉)は、直政という名を授かり、大活躍して、なおかつ非戦を守り、立派な身分に。いろいろな意味で大団円でヨカッタです。個人的には、高橋一生の槍ドンの回が印象に残りました。 …
NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」最終回「石を継ぐ者」
最終回に何を持って来るかと思ったら!当作でお家を継ぐご領主の意思を示す白い碁石の石にちなんで、ジェイムズ・P・ホーガンのハードSFの傑作「星を継ぐ者」をフィーチャーしてまいりましたよ~。こうなったら例の井戸の底から5万年前の赤備えのご遺体が・・・なんて訳はなかったですか、こりゃまた最後の最後まで失礼いたしました~~。