嵩……寛さんが亡くなった時「最期までお父さんって呼べなかった」と言っていたけれど、ついに千代子さんにも「お母さん」って言ってないよね。そんなこんなで本物のお母さんが来ちゃった。
最後くらい……ねぇ。(最後じゃないけど)
のぶ（今田美桜）は、兄に赤紙が届き不安がる生徒に勇ましい言葉をかける。しかし、次郎（中島歩）の言葉が引っかかり心の中は震えていた。次郎にも同じようなことを言ったのではと図星を指す蘭子（河合優実）に、のぶは本心を言う勇気がなかったと意気消沈する。そして嵩（北村匠海）にも、とうとう赤紙が届く……(49話)
あらすじ は 公式サイトより引用
坊主頭の嵩（北村匠海）を見て全てを悟ったのぶ（今田美桜）は、「おめでとうございます」と頭を下げる。迎えた出征の日。町の人たちに激励される嵩に、千代子（戸田菜穂）も必死に言葉を絞り出す。すると、そこにとある人物が現れ…(50話)
連続テレビ小説「あんぱん」第10週「生きろ」第49・50話感想
感想
2話分ですが、簡単感想で。
「戻んで来て」は良くない
のぶの受け持ち児童の家でも、兄など家族に赤紙が届く所が増えてきた。
子供らあの前では早う戦争に勝って終わらせましょう、って勇ましいこと言いゆうけんど、心の中は震えゆうが。
蘭子の言うとおりや。
うち、変わってしもうた。次郎さんにも心に思いゆうこと言えんかった。
次郎さんに「帰ってきて」と言えなかったことをずっと悔いる のぶである。
不肖、小島泰平、お国のために戦うてまいります！行ってきます！
出征していく男子の家の前で行われている壮行会。婦人会の民江さんは、
「行ってきます」とはよろしゅうないがです。
行って戻んてくるがではのうて、「行きます」と言うがです。
と男子に説教する。
帰ってくる前提で送り出せない戦争に、本当に勝てると思っていたのだろうか。
のぶは、自分が生徒に教えていることに、次第に疑問を抱くようになっていくのだった。
一方、赤紙が来たと知らせを受けた嵩は、母・登美子と会っていた。
軍隊でやっていけるかな…。
何言ってるの？
そんなの無理に決まってるでしょ。
子供の頃から気が弱くて虫も殺せない嵩が戦争なんて、無理に決まってるでしょ。
体力も根性もないし、忍耐力だってないし、戦場に行ったら足が震えて一歩も前に進めないでしょ？
しれっとそういうことを言う登美子に嵩は腹を立てた。
もっとほかに言うことないの？
武運長久をお祈り申し上げますとでも言ってほしかった？
ひと言くらい母親らしいこと言ってくれても…。
母親だから分かるのよ。
あなたみたいなのが一番兵隊に向いてないって。
それがこれから祖国の役に立とうとする息子に言うこと？
嵩は怒って店を出てしまったけれど、本当に何と言ってほしかったの。
行かないでくれと泣いて欲しかったの。
再婚相手の家に訪ねて行った幼い自分を、門前払いした母親だよ。
まぁ……嵩のネガティブも夢見がちなところも、全て生い立ちのせいという部分はあるので、登美子には何かひとこと言ってやりたい気持ちはわかる。
それでも親として優しい言葉が欲しかったんだよね。
お国のため
御免与へ帰ってきた嵩を見て、のぶはすぐに出征するのだと気づいた。
嵩。
おめでとうございます。
おめでとう… か…。…困ったな…。
軍隊には向いてないって学校の先生にも言われたよ。
のぶちゃんもそう思ってるんだろ？
たっすいがーの僕には無理だって。
また返事に困るようなネガティブなことを……。
ご武運を…お祈りします。
お国のために立派なご奉公を。
のぶはそう言って頭を下げた。
軽口をたたいていた子どものころとはもう違う。
たっすぃーがの嵩には無理。
と思っていたとしても、だから何？という話だよね。
向いていようがいまいが徴兵されるのだから……。
大丈夫やろか…。
きっと大丈夫。
天国で寛さんも嵩さんのお父さんも見守ってくださりゆうき。
と気弱そうに語りかける千代子さん。
冒頭に書いたけれど、嵩はこのおばさんに一切「お母さん」とは言わなかったね。
たぶんそれは、養子になっていないから、と思っていたのだけれど、伯父さんのことは「一度もお父さんと呼べなかった」と言っていたのよね。
だったら……まだ生きているのだから、せめて千代子さんにお母さんと言ってあげればいいのに。
などと思いながら見ていたら、何と壮行会の真っ最中になぜか本物のお母さん、登美子がやって来るのだった。
どこでもドア！？
嵩！死んだらダメよ！
嵩、いいこと？
絶対に帰ってきなさい！
逃げ回ってもいいから。
ひきょうだと思われてもいい！
何をしてもいいから！
生きて……生きて帰ってきなさい！
そんなこと言ってやる資格もないほど疎遠な親だったけれど、後悔しないように言いたいことを言いにわざわざ高知までやって来るのは、登美子らしいかも。
怒り狂う憲兵や婦人会を押しのけて、のぶは初めて本音を言う。
お国を思う気持ちは、皆おんなじです。
けんど生きて戻んてきてほしいと願うのは、母親なら当然やと思います！
あなたのお母様もここにおるお母さんらあも、みんなおんなじ気持ちやと思います。
嵩、必ず戻んてき！
お母さんのために生きて戻んてき！
死んだら承知せんき！
こげなこと言うてしもうて、明日から学校へは行けるのかしら……。
ともかく……
来週から、のぶは戦火の中の人。嵩は兵隊さんということね。
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あんぱん キャストとスタッフ
キャスト
若松(朝田)のぶ – 今田美桜（子役期 : 永瀬ゆずな）
柳井嵩 – 北村匠海（子役期 : 木村優来）
朝田結太郎 – 加瀬亮
朝田羽多子 – 江口のりこ
朝田蘭子- 河合優実
朝田メイコ – 原菜乃華
朝田釜次 – 吉田鋼太郎
朝田くら – 浅田美代子
原豪- 細田佳央太
柳井登美子 – 松嶋菜々子
柳井清 – 二宮和也
柳井千尋 – 中沢元紀
宇戸しん – 瞳水ひまり
柳井千代子 – 戸田菜穂
柳井寛 – 竹野内豊
若松次郎 – 中島歩
辛島健太郎 – 高橋文哉
小川うさ子 – 志田彩良
山下実美 – ソニン
黒井雪子 – 瀧内公美
座間晴斗 – 山寺宏一
貴島勝夫 – 市川知宏
屋村草吉 – 阿部サダヲ
八木信之介 – 妻夫木聡
東海林明 – 津田健次郎
小田琴子 – 鳴海唯
岩清水信司 – 倉悠貴
いせたくや – 大森元貴
語り – 林田理沙
あんぱん スタッフ
◆放送期間 : 2025年3月31日 ～ 2025年9月 日（予定）（全130回）
◆制作 : NHK(AK)
◆平均視聴率 : %
- 脚本 – 中園ミホ
- 音楽 – 井筒昭雄
- 主題歌 – RADWIMPS「賜物」
- 制作統括 – 倉崎憲
- プロデューサー – 中村周祐、舩田遼介、川口俊介
- 演出 – 柳川強、橋爪紳一朗、野口雄大、佐原裕貴、尾崎達哉
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