昨日は女子だけ理不尽と書いたけれど、兄が思想犯で朝鮮人で、そして女子という3つ揃った崔さんは、もう合格は不可能なんだね。一切平等ではない高等試験。
昭和13年春、明律大学を卒業した寅子(伊藤沙莉)たち。寅子は雲野(塚地武雅)の法律事務所で働きながら高等試験合格を再び目指すことに。一方、竹もとで働きながら勉強を続けていた香淑(ハ・ヨンス)のもとに、特高がやってくる。兄・潤哲(ユン・ソンモ)が思想犯の疑いを掛けられたことで、香淑自身もずいぶん前から目を付けられていたのだった。寅子たちは香淑が抱えていた事情を知り、衝撃を受ける…
あらすじ は 公式サイトより引用
連続テレビ小説「虎に翼」第6週「女の一念、岩をも通す?」第27話
感想
崔さんというキャラクターは今まで割と影がぼんやりしていて、こんなに意志の強いキャラで、こんなに重要な位置に入って来るとは思っていなかった。
こんな人に応援されていたら、寅子は絶対に頑張るしかない。
卒業
長年にわたって染みついたものを変えるというのは容易ではない。当たり前だと思っていた法律が習慣 価値観が間違っていると分かっていても受け入れられない変えられないのが人間だ。
それでも、それを我々は引き剥がし溶かし、少しずつでも新しく上塗りしていくしかない。
穂高先生のお言葉はいつも綺麗。
この言葉は憲法記念日に、ぜひ捧げたいものだった。
変えなければならないもの。そして変わってはいけないもの。
君らが背負うものは重いかもしれない。だが君らはその重みに耐えうる若者だと世の中を変える若人だと私は知っている。
卒業おめでとう。
こうして寅子たちは明律大学を卒業した。
「働かざる者食うべからず」という猪爪家の教えに沿って、雲野弁護士事務所で働くことになった寅子。
この人ですね……。
#虎に翼
— ドランクドラゴン塚地武雅 (@tsukajimuga) May 2, 2024
僕の法服のボタンが1番上まで締まってない感じが話題になってるそうで。笑
帽子もピチピチで
なんかナスみたいです。 pic.twitter.com/W1du6wzibB
しかし、弁護士資格のない寅子のお仕事は、いわゆる雑用。
これは仕方ないので、頑張って受かってもらうしか……。
花岡とのその後
花岡は今、司法官試補として裁判官になるための実務修習の真っ最中です。
待ち合わせ……ではないけれど、会える時は会おう、みたいなこの雰囲気。
よかった。今日は会えた。
とか言って並んでお弁当食べちゃう時点で、もう素敵なカップルにしか見えないんですけれど。
まぁ……寅子が誰と結婚するのかは分かってしまっているけれど、花岡の方は結構、寅子に入れ込んでいる感じに見えるなぁ。
先週から誰の下についてると思う?
桂場判事。
昨年から民事事件の担当になったそうだよ。実に優秀な方だね。
私、前に言われたの。「君は裁判官になりたいのか?」って。
う~ん。やっぱりすごいな、猪爪は。
俺は言われたよ。「君は裁判官向きじゃない」って。
寅子が桂場さんの眼鏡にかなったこと(?)に対する反応が芯から嬉しそうで……。
崔さん
崔さんは、甘味屋・竹もとの住み込み従業員になり、みんなで集まる勉強会も、そこで行われていた。
ある日、そこに特高警察が乱入してくる。
答えろ崔香淑。兄貴はどこだ?
兄は朝鮮に帰りました。
その朝鮮で治安維持法に反する労働争議があった。
潤哲はな、その運動に加担してたらしくてな姿を消しちまったんだよ。
どうせここにかくまってんだろ!こいつらもお仲間か!?
店の奥まで押し込もうとする特攻に崔さんは兄から来た手紙を見せ、彼らはやっと帰って行った。
まだ諦めずに続けているのか。
無駄な努力と言ったろうに。
崔さんの学習道具を見て、そう言って帰って行った特攻。
崔さんは、初めてみんなに事情を説明した。
私を日本に呼んでくれたのは兄でした。
女子部設立の話を聞いてすぐ手紙をくれたんです。
もともと兄は朝鮮総督府の支援を受けて日本の大学で法律を学んでいて…。
戦前、朝鮮は日本の統治下にあり、朝鮮総督府による日本教育の一環として内地留学生の受け入れが進んでいた。
崔さんの兄、崔潤哲も日本の大学で法律を学び、そのまま日本の出版社へ務めることになる。
日本の統治下に置かれる祖国の状況、弾圧など、法律を学べば学ぶほど理不尽を感じることも多かっただろうし、自分の言葉で表現する職業に就いたからには不満の爆発が起きても仕方ない。
お兄さんは冤罪……ということではなく、実際に運動していたのだろう。
特高に監視されて兄は会社にいづらくなり…みんなの試験を見届けて…それから国に帰るつもりでした。
黙っててごめんなさい。
勉強の邪魔になりたくなくて。
もう自分が日本で法曹界に入れることはない。そう分かっていて、女子部の勉強を手伝うためだけに日本に残った崔さん。
友情でもあり、朝鮮でも低かった女性の地位向上の夢のためでもあり……。
すさまじい意志。
みんなが言葉を無くす中、よねさんは言うのだった。
今しかないぞ。
朝鮮に帰るなら今しかない。
理不尽は日本に居ても挑戦に居ても変わらない。
けれども、戦争が進めば祖国へ帰る手立てが無くなる。
その上、兄の事もあって、日本に居たら命の保証もない。
日本の文学家や思想家が特高の虐待を受けて亡くなった例も後を絶たず……。
よねさんの言葉が正解で、今の彼女たちには何もしてあげられない……。
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広告虎に翼 キャストとスタッフ
キャスト
猪爪寅子 – 伊藤沙莉
猪爪はる – 石田ゆり子
猪爪直言 – 岡部たかし
猪爪直道 – 上川周作
猪爪直明 – 三山凌輝
猪爪(米谷)花江 – 森田望智
佐田優三 – 仲野太賀
山田よね – 土居志央梨
桜川涼子 – 桜井ユキ
大庭梅子 – 平岩紙
崔香淑 – ハ・ヨンス
轟太一 – 戸塚純貴
花岡悟 – 岩田剛典
小橋浩之 – 名村辰
桂場等一郎 – 松山ケンイチ
穂高重親 – 小林薫
桜川寿子 – 筒井真理子
桜川侑次郎 – 中村育二
笹山 – 田中要次
竹中次郎 – 高橋努
久保田聡子 – 小林涼子
中山千春 – 安藤輪子
雲野六郎 – 塚地武雅
増野 – 平山祐介
大庭徹男 – 飯田基祐
星航一 – 岡田将生
汐見圭 – 平埜生成
稲 – 田中真弓
久藤頼安 – 沢村一樹
多岐川幸四郎 – 滝藤賢一
語り – 尾野真千子
虎に翼 スタッフ
◆放送期間 : 2024年4月1日 ~ 2024年9月 日(予定)(全120回)
◆制作 : NHK(AK)
◆平均視聴率 : %
◆制作統括 : 尾崎裕和
◆プロデューサー : 石澤かおる,舟橋哲男,徳田祥子
◆演出 : 梛川善郎,安藤大佑,橋本万葉
◆脚本 : 吉田恵里香
◆音楽 : 森優太
◆主題歌 : 米津玄師「さよーならまたいつか!」
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