龍潭寺で直親の十三回忌法要が執り行われ、直虎(柴咲コウ)は虎松(菅田将暉)と6年ぶりの再会を果たす。
しの(貫地谷しほり)は虎松を松下の嫡男として徳川家に仕官させたいとの意向を伝える。
しかし虎松は亥之助(井之脇海)とともに井伊の豊かな里を見てまわり、直虎の領主としての手腕に感嘆するとともに、秘(ひそ)かに井伊家の再興を決心する。
そしてついに虎松が家康(阿部サダヲ)にお目見えする日がやって来る。
(あらすじは Yahoo!テレビより引用)
おんな城主 直虎 第39回「虎松の野望」
天正2年12月14日。
直親の十三回忌の法要が行われた。
直親の忘れ形見、虎松は今や松下家の養子。
井伊との繋がりが途切れたまま、15の春を迎えようとしていた。
ちなみにこの辺、大まかな戦国大河絵巻では何が起きているかというと……
この年の前年には「江」が生まれて、落城で父を亡くし……
この年の前半には秀吉が長浜城主になり……
この翌年には長篠の戦で武田勝頼さまが負けて武田が滅亡と……。
そんな感じ。
さて。
「おんな城主 直虎」は、「おんな城主の養子 虎松」にタイトルを変更。
ほぼ虎松主人公で、菅田将暉の演技に持っていかれる すんばらしく面白い回であった。
実父・直親の十三回忌に伴い、久々に里心がついた虎松は、中野直久に案内させて井伊谷見物に出かける。
之の字についていってもろうてはどうじゃ。
と、心配する おとわに、
おとわ様。
我らをいくつだとお思いですか。
心配はご無用にございますよ。
と返す、虎松15歳。
15歳……うん……いい。行けるぞ。大丈夫。
思っていたよりずっと豊かな井伊谷の様子を、
近藤殿というのは優れたお方であるのだな。
と、感心する虎松。
あ…いや、まことのところ事を進めていったのは、おとわ様なのです。
と、直久に聞かされ、近藤が おとわに言葉巧みに操られていることを知る。まっ、ヒロイン上げっ。
諦めよと言うたくせにぃぃぃぃぃ~~~!!!
そうか、本気であきらめていたのか……と、ここでちょっと驚いた。
あの時、確か和尚になんぞ言い含められて素直に松下へ行ったので、何か長期戦の策を与えられたのかと思っていたのに。
虎松は井伊を取り戻したいです!
と、泣く虎松に、和尚は、
そのためには何をすればよいかの。
考えるのじゃ。虎松。
と、碁石を与えただけだったらしい。
おとわを問い詰めるも、まったく井伊の再興を願っていない様子。
虎松は和尚には手紙を託し、「松下」として家康の小姓へ上がる機会を「井伊」の名を取り戻す機会へすり替える画策を練る。
まことに井伊のお家を再びとお考えなら、きちんと松下のお父上と話し合いをした上でなさるべきです。
誰もこんなことは望まないと焦って止める六左衛門に、
では、ご初代様は?
父上は?
おおじじ様は?
じじ様は?
但馬は?
まことに望んではおらぬというのか。
このまま犬死でよいと。
と返す小悪魔虎松。
一方、常慶に請われて松下の子として虎松と、小野の遺児である亥之助を小姓に加える事とした家康。
忠次。
むしろこれはよい機会と捉えぬか。
井伊と小野の遺児を取り立てる事で遺恨を一つ消してしまえると。
何せ、井伊を救ってやれなかった件で瀬名と揉めた家康である。
これは自分の中の後悔を消す作業でもある。
しかし、事は、虎松と南渓の策略により、より複雑になる。
小姓に抱える時に、同時に「井伊」姓を復活させてほしいという願い。
家康には井伊を潰した負い目があるので、悩みに悩んだ末……。
そなたは井伊の遺児であるそうじゃの。
そして、それなるは小野の遺児。
と、鷹狩りの公の席で2人に声を掛けるのだった。
わしはのこの者は心の内では井伊として仕えたいと思うておると思うのじゃが。どうじゃ。
はい。
そうか。やはり井伊として仕えたいか。
実は心の奥底ではずっと井伊の家名を再び立てる事を夢みておりました。
しかし、もはや夢と半ば諦め。
まさかかような事が起こりますとは。
公の場での猿芝居。
松下を継ぐ者として小姓に推してやったのに、まんまと井伊を名乗られて怒り心頭の常慶。
虎松。
はっ!
今日よりは万千代と名乗るがよい。
亥之助は万福と。
万…千代。
わしの幼名・竹千代より千代を与える。
井伊が千年万年続くよう。
こうして、虎松は「井伊」を復興させた。
めでたしめでたし………
とは、ならなかったんだね。
いかに殿がやる事とて、物事にはそれぞれの思惑という物がある。
息子が小姓に取り立てられることを心から喜び、
そなたはまことに良い子じゃが、少々才気走ったところがある。
才気というのは煙たがられる事もある。
使い方を誤らず、殿のお役に立てるように使うのじゃぞ。
と、養子だというのに、ものすごくよく息子を見てくれていた継父も、まさか継子がここまで姑息だとは思わず。
倒れちゃうし……。
常慶は当然怒りの頂点。
問い詰められる六左。
しかし、タヌキはやはり狸であった。
翌日もやった気満々の虎松@万千代は試される。
万千代。そなたは随分と聡いの。
是非、その頭をお家のために使うてもらいたい。
草履番としての。
井伊万千代、小野万福、両名に今日から草履番を申しつける。
恐れながら!
我らは小姓としてお仕えすると伺っておったのですが…。
それは陰ひなたとなり、徳川に尽くしてきた松下虎松としてならばの話じゃ。
井伊は潰れた家。しかも今川の国衆。
徳川に含むところあるやもしれぬ家の者をやすやすと殿のおそばに置けるわけがなかろう。
すまぬのう。
昨日わしがあのような事を言うてしもうたがゆえ、かような事になってしもうた。
どうする?
やはり松下でという事なら小姓にする事もできるが。
どうする?
……それがしは…昨日、殿より井伊万千代という名を頂きました。
それを己の欲得のため一晩にて松下と前言を翻すは不忠の極み!
井伊万千代、かくなる上は日の本一の草履番を目指す所存にございます!
まんまと草履番にさせられた(爆)
松下の後継ぎとして与えられていた綺麗なお部屋もお払い箱。
井伊の出で草履番としての小さな部屋に移され、悔しさに転がりまわる虎松(笑)
何じゃ……あの…!あの…!腐れ子ダヌキが!
俺はまだ十五だーーーーー!!
それをよい年をした大人どもが……恥を知れ~!!
殺す!いつか必ず殺す!
いつか寝首をかき、血の一滴までたぬき汁にしてすすり尽くしてくれるわ!!
まだ15だって(笑)
この時代の十五は立派な大人じゃ(爆)
最初は、「おとわさま、俺ら、いくつだと思ってんの?もうガキじゃないし」とか言ってたくせに(笑)
転がる菅田くんが可愛い(笑)
すぐ激昂するのは、おとわの血……というか、井伊の血だ。
そして、
寝首をかくなら寝所にございますな。
寝所に出入りするにはまず小姓にならねば話になりませんな。
そのためにはまず、日の本一の草履番となり、小姓にあげてもらわねばなりませぬな。
と落ち着いて諭す、理性の人、亥之助@万福は確かに小野の血を引いている。
ブレないキャラ作りには頭が下がる。
「後の徳川四天王井・伊直政の出世の第一歩」
直政がまず草履番にさせられたという事はないと思うのだが、こういう話が「史実じゃなくても史実と絡んでいて創作として面白い」と言えるエピだと思うのでした。(今まで度々あった朝ドラみたいなエピとは違う。)
いやぁ……この勢いで後2ヶ月、魅せてくれるといいな~~。
とりあえず、直虎さまはそろそろ見守り隊でいいかも~~。。
※キャスト
井伊直虎(おとわ)… 柴咲コウ(子役期:新井美羽)
井伊直盛 … 杉本哲太
千賀 … 財前直見
井伊直平 … 前田吟
井伊直満 … 宇梶剛士
井伊直親(亀之丞) … 三浦春馬(子役期:藤本哉汰)
しの … 貫地谷しほり
井伊直政(虎松) … 菅田将暉(子役期:鈴木楽→寺田心)
中野直由 … 筧利夫
中野直之 … 矢本悠馬
中野直久 … 冨田佳輔(子役期:山田瑛瑠)
今村藤七郎 … 芹澤興人
弥吉 … 藤本康文
たけ→梅(二役) … 梅沢昌代
小野政直 … 吹越満
小野政次(鶴丸) … 高橋一生(子役期:小林颯)
小野玄蕃 … 井上芳雄
小野亥之助 … 井之脇海(子役期:荒井雄斗)
なつ … 山口紗弥加
奥山朝利 … でんでん
奥山孫一郎 … 平山祐介
奥山六左衛門 … 田中美央
新野左馬助 … 苅谷俊介
あやめ … 光浦靖子
桔梗 … 吉倉あおい
桜 … 真凛
高瀬姫 … 朝倉あき(少女期:高橋ひかる)
鈴木重時 … 菅原大吉
近藤康用 … 橋本じゅん
菅沼忠久 … 阪田マサノブ
瀬戸方久 … ムロツヨシ
南渓和尚 … 小林薫
傑山 … 市原隼人
昊天 … 小松和重
甚兵衛 … 山本學
八助 … 山中崇
角太郎 … 前原滉
富助 … 木本武宏
福蔵 … 木下隆行
今川義元 … 春風亭昇太
今川氏真(龍王丸) … 尾上松也(子役期:中川翼)
寿桂尼 … 浅丘ルリ子
太原雪斎 … 佐野史郎
関口氏経 … 矢島健一
庵原朝昌 … 山田裕貴
大沢基胤 … 嶋田久作
岩松 … 木村祐一
佐名 … 花總まり
北条氏康 … 鶴田忍
北条幻庵 … 品川徹
佐久間信盛 … 坂西良太
明智光秀 … 光石研
徳川家康 … 阿部サダヲ
瀬名(築山殿) … 菜々緒(子役期:丹羽せいら)
徳川信康(竹千代) … 平埜生成(子役期:吉田海斗)
石川数正 … 中村織央
酒井忠次 … みのすけ
本多忠勝 … 髙嶋政宏
榊原康政 … 尾美としのり
本多正信(ノブ) … 六角精児
松下源太郎 … 古舘寛治
松下常慶 … 和田正人
徳姫 … 植原星空
於大の方 … 栗原小巻
武田義信 … オレノグラフィティ
龍雲丸 … 柳楽優弥
モグラ … マキタスポーツ
力也 … 真壁刀義
カジ … 吉田健悟
ゴクウ … 前田航基
中村与太夫 … 本田博太郎
織田信長 … 市川海老蔵
武田信玄 … 松平健
語り … 中村梅雀
※スタッフ
脚本 … 森下佳子
音楽 … 菅野よう子
テーマ音楽 ピアノソロ … ラン・ラン
題字 … Maaya Wakasugi
制作統括 … 岡本幸江
プロデューサー … 松川博敬
演出 … 渡辺一貴、福井充広、藤並英樹
時代考証 … 小和田哲男
公式サイト http://www.nhk.or.jp/naotora/
【おんな城主 直虎】
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コメント
『おんな城主直虎』、また面白くないのを我慢してみる破目になった(第36~40回)
皆さんこんばんは。今回は去年の大河ドラマ『おんな城主直虎』の感想シリーズということで、第36~40回までの感想を書きます。まずはあらすじ。今川氏真(尾上松也)と徳川家康(阿部サダヲ)が和睦したことで小康を迎えた遠江。近藤康用(橋本じゅん)を看病することで信頼
巨炎さん
>外的からの強奪を防いでいるのは近藤の武勇、更に言えば勢力を拡大させた徳川の力。
そも、すでに尼ですらなく「お寺さま」でもないのに、一体どういう立場でアドバイザーになっているのか(笑)よく解らない人間関係です。
近藤からすれば、置いてやっている立場なのではーー。
>大石内蔵助(←大河主役3回、準主役1回)
だってお家再興と仇討の二択の思惑で動いていたのに。
ヒロインが本当に井伊再興に興味もなくしているのならば、やっぱり女大河と言われても仕方ないかも^^;
大河ドラマ『おんな城主直虎』第三十九回
「虎松の野望」内容直親の十三回忌法要が執り行われた。直虎(柴咲コウ)は、十五となった虎松(菅田将暉)と6年ぶりに再会する。しの(貫地谷しほり)によると、松下家嫡男として徳川家に仕官させたいと。 一方、虎松は、亥之助(井之脇海)らとともに、井伊谷を見て回…
おんな城主 直虎 第39回「虎松の野望」
大河ドラマ『おんな城主直虎』のお時間です。 BSにて鑑賞。 第三十九回「虎松の野望」 あらすじ・・・・・・・
おんな城主直虎 第39回~〝あきらめ〟のおとわと〝あきらめない〟虎松。若者の時代がやって来た。
虎松(菅田将暉)、のちの井伊直政編の始まりだった。 完全な主役交代だ。 最後の梅雀さんのナレーションに拠ると、〝出世物語〟になるらしい。 一介の草履番から徳川家の四天王と言われる大名へ。 やっぱ、こういうダイナミズムが必要だよな~。 虎松は井伊…
>ほぼ虎松主人公で、菅田将暉の演技に持っていかれる すんばらしく面白い回であった。
全く同感です。六左衛門に「但馬は?」と言った瞬間、表情が冷徹に変貌するのが素晴らしい。
>まっ、ヒロイン上げっ。
ここだけが、ねぇ。内政を充実させているのは解りますが
外的からの強奪を防いでいるのは近藤の武勇、更に言えば勢力を拡大させた徳川の力。
「家名」「城」「民の暮らし」の全てを同時に守る力が無いから
遺恨を抑え近藤を立てる事で一つだけを選ぶことが出来ている訳で
この辺りを何故、虎松にちゃんと説明しないのか。
そもそも今回の展開も虎松を養子に出す時に選択肢の一つとして
言い含めると思っていましたのですが。大石内蔵助(←大河主役3回、準主役1回)
だってお家再興と仇討の二択の思惑で動いていたのに。
NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」第39回「虎松の野望」
えええっとおおお・・・今回のタイトル謎かけは少々難問ですよ。「信長の野望」ってのが第一候補かも知れませんけど、それでは当たり前田のクラッカーすぎますでしょうし。リュックベッソン制作のクライムコメディ「狼たちの野望」の線も捨てがたいですし、それ以上に心惹かれますのが、「城が危機に陥ったとき、3人と1匹の勇士が現れ、危機を救う。」っていう筋立ての「クレヨンしんちゃん 雲黒斎の野望」!さてさて正解はどちらなのかなああ~?
おんな城主直虎 第39回 虎松の野望
第38回「井伊と共に去りぬ」はこちら。 前回の視聴率は11.7%と低めに推移。 残り三ヶ月。通常のドラマのワンクールを最終章と名づけてリスタート。今回のお話をざっくりまとめると、才気走る虎松(のちの井伊直政)は、怖いものなしに井伊家の再興を自分の手で成し遂げようと松下の名を捨てる。しかし家康内閣はその老獪さで少年の鼻っ柱を折り、直政の草履番からの大出世物語が始まる…
おんな城主 直虎「虎松の野望」
なんだか、ここからは物語を、虎松(菅田将暉)が引っ張っていきそうな勢いですね。まだ15歳の虎松、直虎(柴咲コウ)と果たし、でも、井伊の豊かな里に感心しつつも、井伊の再興を考えていないのに地団駄。家康(阿部サダヲ)を訪れ… 新しい名前をもらって感激したものの、やはりタヌキでした。その役割は、草履取り、だったとは憤怒のあまり転がり回って悔しがる虎松、抑える虎松が可愛かったです。ここから、どう展開していくのでしょうか? 直虎は見守りモードになるのかな? 菅田将暉のアッパレな演技力共々、楽しみ。 (…