家族の怒りは理解できるけれど、そもそもおトキがこんなに働かなきゃならないのは家族のためなんだよね。ヘブンさんに怒りをぶつけるのはお門違い。
松野家がそれをやっと理解する(?)回。
物乞いとなったタエ(北川景子)の前に記者の梶谷(岩崎う大)が取材をしたいと現れる。三之丞(板垣李光人)はタエを守るための口止め料として、トキ(髙石あかり)に渡された生活費を渡してしまう。一方、松野家ではトキへの疑いが未だ晴れず、司之介(岡部たかし)、フミ(池脇千鶴)、勘右衛門(小日向文世)が跡をつけることに。花田旅館に入って行ったはずのトキが、なぜか裏口から出ていく様子を3人は目撃する…(34話)
家族にヘブン(トミー・バストウ)の女中であることが知られてしまったトキ(髙石あかり)。さらに司之介(岡部たかし)、フミ(池脇千鶴)、勘右衛門(小日向文世)に、物乞いとなったタエ(北川景子)の存在も知られてしまった。トキがタエのことを黙っていたことについて家族が問おうとした矢先、三之丞(板垣李光人)が松野家を訪れる。トキが家族に隠していた秘密がすべて明るみになる…(35話)
あらすじ は 公式サイトより引用
連続テレビ小説「ばけばけ」第7週「オトキサン、ジョチュウ、OK?」第34・35話感想

感想
2回分だけれど、簡単感想で。
ダキタクナイ!
あなたはいくらもらっちょるの?月々のお給金。
とおウメちゃんに詰め、正式な女中の給料は90銭だと知るおフミ。
おトキは5円も持っちょった。
森山さんの息子が更に5円返したと言っちょった。
おトキは…旅館では働いちょらん。
こんな嘘はバレて当然なわけで、花田旅館はおトキを雇っていないと理解し、嘘を暴いてヘブンの家に上がり込んでくる松野家の3人である。
錦織さんに誘われて。
最初はお断りしたんだけど…。
ついに白状するしかない おトキ。
けど、しかたないけん。
こげなことでもせんと暮らしていけん!
お金より大事なものがあるがね!
いやあ……娘を売らなきゃならないほど貧しくしたのはあなた方、親だし。
本来、家賃を払えずご飯も食べられず、往来で物乞いをしなきゃならないのは松野家も雨清水家も同じでしょ。
ここで錦織さんやヘブンさんに詰めるのは違うよね。
オトキサンメカケ…ラシャメン…チガイマス。
オトキサン、ジョチュウ!
オーケー?
ダキタクナイ。
錦織さんも勘違いしていた……というオチだけれど、ダキタクナイは失礼過ぎるだろ(笑)
でも、結局、抱こうが抱くまいが、大衆の噂が全てだよね。
司之介さんは、
20円というのはわしの牛乳配達、おトキのしじみ売り、それからおフミとおトキの内職全てを足しても半年で稼げるかどうかという金額でございますゆえ、それを ひと月でもらえるというのは…。
とかまたノンキなことを言い出しちゃうけれど、実情が女中だろうが大衆がラシャメンだと言えばもうラシャメンなんだよね。
若い女性にとっては辛い人生の始まりだと思うけれど。
みんな家族のためだけん!
翌朝、仕事に向かおうとするおトキを母と父は引き留める。
言うことはないか?わしらに。
家族はすでに、タエさまが物乞いしていることを知っているのだった。
タエさまに金を渡したと知って終始渋い顔のおフミさん。(金がどうこうよりも母としての嫉妬よね)
松野家が朝からそんな緊迫した状態の時に、なんと空気の読めない三之丞くんが「使えなかった」と おトキに金を返しにやって来る。
何なの?このお金は。
9円も。
これは、おトキが私の父から生前預かっていたもので…。
違います。
えっ?
ヘブン先生からもらった20円のうちの10円よね?
問い詰められ、「おじさま」の名を出して嘘をついてはいけないと叱られて、おトキは真実を話す。
本当言うと……あの仕事を引き受けたのも、うちの借金のためではなく、おば様のあのお姿を見てしまったからです。ですから…このお金はどうか…。
おトキは返さないでほしいと三之丞に頼み込んだけれど、おフミの関心はそんなことではなく、「生みの母」のために おトキがここまでするということ。
産んでくれた おタエ様のためなら。
それは違う。
生みの親のためなら体を売ってもええと…。
だけん、違う全部違うけん!
生みとか育てとか、そげなこと関係ない!
おば様だからだない。
母上が物乞いになっちょったら同じことをするに決まっちょるし、おじじ様が物乞いになっても父上がなっても…亡くなったおじ様がなっても三之丞様がなっても…。
みんな家族のため!
お断りしたのもお引き受けしたのもみんな家族のためだけん!
それだよなぁ。
断っていたのもおフミを含む家族のためだった。引き受けたのは、おタエさまを見てしまったからだった。
みんな「家族のため」。
本来ならば、松野家の借金のために、とっくにそうなっていても不思議ではない状態の中で、頑張って踏み止まっていたものが切れたんだよね。
おフミはずっとタエさまに嫉妬していたけれど、踏み止まっていたのはおフミのためだった。そこを理解してあげないと。
自分が母を救いたいから「おトキの家族」から自分たちを外してほしいと言う三之丞坊ちゃんの甘さも、おトキは叱りつける。
今、そげなこと言ってる場合だないけん!
本当に死ぬ。
冬が来たら生きていけないの分かっちょる!?
私を見て。
自分を捨てたの。
自分を捨てて家族のためにラシャメンになろうとしたの。
おば様をお救いしたいのなら、自分を捨ててこれもらって!
でも、それでも自分で何とかしたいなら、必死で働いていつかこのお金返してよ!
こうして、おトキは家族公認でヘブン先生のラシャメンをやることとなったのだけれど……。
あ~これで少しは暮らしが楽になぁかの。
という考えにはちょっとゾッとしてしまうね。
何度も言うけれど、こうなった原因は自分のウサギ商売じゃん。
「時代が」「身分が」「意地が」もちろん、それはある。
けれど、松野家を大きな困窮に貶め、おトキがこうなったのも、親の商売の失敗のせいですよね。
楽ができるなどと口が裂けても言わないでほしい……と考えてしまう私は心が狭いですかね。
そして、いくらヘブン先生がただの女中だと言ったとしても、世間的の目は「ラシャメン」ですよね。
村八分になったら生きていけないこの時代、大変な話だと思うけれどな……。
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ばけばけ キャストとスタッフ
キャスト
松野トキ – 髙石あかり(子役期:福地美晴)
レフカダ・ヘブン – トミー・バストウ
松野司之介 – 岡部たかし
松野フミ – 池脇千鶴
松野勘右衛門 – 小日向文世
雨清水傳 – 堤真一
雨清水タエ – 北川景子
雨清水三之丞 – 板垣李光人
山根銀二郎 – 寛一郎
野津サワ – 円井わん
なみ – さとうほなみ
江藤 – 佐野史郎
江藤リヨ – 北香那
チヨ – 倉沢杏菜
せん – 安達木乃
森山善太郎 – 岩谷健司
森山銭太郎 – 前原瑞樹
花田平太 – 生瀬勝久
花田ツル – 池谷のぶえ
ウメ – 野内まる
梶谷吾郎 – 岩崎う大
上野タツ – 朝加真由美
中村守道 – 酒井大成
錦織友一 – 吉沢亮
イライザ・ベルズランド – シャーロット・ケイト・フォックス
(語り)トキとヘブンを見守る蛇と蛙
蛇の声 – 渡辺江里子
蛙の声 – 木村美穂
ばけばけ スタッフ
◆放送期間 : 2025年9月29日 ~ 2026年3月 日(予定)(全130回)
◆制作 : NHK(BK)
◆平均視聴率 : %
- 脚本 – ふじきみつ彦
- 音楽 – 牛尾憲輔
- 主題歌 – ハンバート ハンバート「笑ったり転んだり」
- 制作統括 – 橋爪國臣
- プロデューサー – 田島彰洋、鈴木航、田中陽児、川野秀昭
- 演出 – 村橋直樹、泉並敬眞、松岡一史
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