【おんな城主 直虎】第31回「虎松の首」　感想

直虎（柴咲コウ）は今川氏真（尾上松也）の命に従い、徳政令を受け入れることを決める。
これは井伊家が取り潰しになることを意味していた。
直虎と政次（高橋一生）はいったん今川に従うふりをし、裏で徳川家康（阿部サダヲ）と手を組むことで井伊家復活を図るという策をとったのだ。

井伊を裏切ったふりをする政次は今川の代官として井伊の館に残ることになるが、氏真は嫡男・虎松（寺田心）の首を差し出すよう要求してくる。
(あらすじは　Yahoo！テレビより引用)

　　　

おんな城主 直虎　第31話「虎松の首」

永禄11年11月9日。
井伊直虎は2年間はねつけていた徳政令をついに受け入れた。

「次郎直虎」の花押が記された唯一の文書「井伊直虎関口氏経連署状」は、以前出てきたダンカン禰宜の蜂前神社に伝わり、現在は浜松市博物館で保管されているという。

女城主・井伊直虎の花押について | 宗教法人蜂前神社

蜂前神社所蔵/直虎署状 井伊直虎「花押」が記された唯一の古文書「井伊直虎関口氏経連署状」（浜松市指定文化財）は

hachisakijinja.or.jp

ここに名と花押を。

と、直虎が関口から指示されて署名するあのシーンは、このドラマ上で数少ない史実を伝えるシーンだったのです。鳥肌立った。
　

 

ドラマ上では、「徳政令を望まんにーーーー！」と騒ぎ過ぎた領民たちを守る為に直虎が犠牲になってあげました風に描かれていたけれども、伝わる話はどちらかというと今川が領民たちのために徳政を出してあげた風？？

その辺は、どちらを主体に描かれているかによって違うので、タイムマシーンに乗らなきゃ確認できない史実ということで。

何にせよ。

 

では、本日をもって井伊はこの地を失い、井伊谷は今川の直轄となる。

徳政令を受け入れた事によって、井伊家は立ち退きを余儀なくされる。

寺で手習い中の虎松も直久も追い出されるのに、自分だけ、

そなたはよい。

と置いて行かれる小野玄蕃の忘れ形見・亥之助。

あの…何故、私だけ。
もしや、これは、伯父上がやったという事ですか？

 

可哀想に…。
小野の子供はいつも「なぜ私だけ」と思わなければならない運命なのね。

あの頃の鶴のように傷つく亥之助である。

さて。
「隠し里」に逃げた直虎一行は、そこで初めて全て聞かされることとなった。
　

 

一度しか言わぬ。
そして一度聞いたら忘れてほしい。

井伊は確かに潰れた。
じゃが、ひと月、ふた月のうちには甦らせようと思う。

今年のうちには戦が始まるはず。
そして井伊には徳川が攻め込んでくる。

そう。その徳川と井伊は既に通じておる。
我らはその折に徳川に応じて挙兵し、関口の首をあげ、徳川に差し出す。

さすれば井伊は瞬く間に蘇る事ができる。

今日、ビックリしたのは、ここで小野が元から直虎と通じていて、井伊を乗っ取ろうとする芝居をしていたのだとバラしてしまったことね…。

但馬はもうずっと井伊の敵のふりをする事で今川に対する盾になってくれておるのじゃ。

こたびは、あえて井伊を裏切り、今川の城代として城に入る事で井伊を守ろうとしてくれておるのじゃと思う。

 

えーーー…それ言うーーー？？。

私ゃ最後まで言わないのだと思っていたよ。しかも、

 

それも含め、騙されておられるという事はござりませぬか。
殿を籠絡し、我々にもまことのところ味方だと思わせる。
今のこの有様こそ、まさに騙されているというものではござりませぬか？

と疑うのは之の字だけ～～。
　

 

之の字。　
もし、そなたの言うとおり騙されておったとしても、こちらはこちらで井伊が蘇る策を成功させればよいだけじゃ。

そうではないか。

まぁね…
騙された騙されたと泣いていても仕方ないもんね。

しかし、小野が実は味方だったと井伊家中が知ってしまった事で、これから迎えるだろうああいうシーンやこういうシーンがお涙でいっぱいになってしまわないか心配です。

(そして、このドラマでは気賀の城主であり徳政を願ったという役回りにされた方久のこと、誰も「ほ」の字も出してくれないーー！！(笑))

実際にこの時(本当に人ごと追い出されたのかどうかも知らんし)隠れ里なんかに隠れられたのかどうか解らないし。

かような形の取り潰しは聞いた事がなく、あまり確かな事は…。

という風に直虎…というかこのドラマ自身もあやふやにしているけれども。

徳政令を無抵抗で受け入れたとはいえ、謀反の冤罪などかけられて一家もろとも処分される例が多かったろうから、人が無傷で追い出されるという例は甘い処分よね、と思うのだった。

ここに今川のどういう思惑があったのかはよく解らない。

が、井伊の人たちがとりあえず無傷で逃れる手として「隠し里」とはよく考えたな、と思う。

そして、このドラマの「甘い今川」も、ついに

井伊を断絶せよ！

と、言い出すのだった。

断絶。
すなわち後継ぎを断つこと。

とにかく虎松を逃さなくてはならなくなった井伊は、かつての虎松の父のように、六左を付けて三河の寺へ逃す。

虎松。　
かつて、そなたの父が逃げおおせ戻ってきた事は、井伊にとって光となった。

そなたの父はそなたを授けてくれた。
皆は更に大きな光を得た。
大将が生き残る事は皆の生きる力となる。
それは他の誰にもできぬ。
そなたにしかできぬ役目じゃ。

そして、こちらはこちらで、虎松の首を差し出す用意をせねばならぬ。

案ずるな。
地獄へは俺が行く。

　

 

は、ここで出てくるセリフだったんだねぇ…。

濃い化粧が施された「虎松」の首桶を抱えて泣きながら経を唱える直虎。
　

 

じゃあ、皆、無事は無事なんだな。

うむ…1人を除いてはの。

１人？

どこの誰とも分からぬ子が今日、１人、のうなった。
虎松の身代わりに但馬が殺めたのじゃ。
　

 

虎松の代わりに首になった子どもは、親に売られたのだと龍雲丸は直虎を慰める。

命の長くない子を殿の代わりに差出し国を救う事は栄光なのだと。

国にはそういう運命の領民もいただろう。

それでも、地獄へ行く覚悟を持って、政次は事を起こしたのだった。

 

こうして小野政次は幼子の首を差し出す代わりに井伊の領主となった。

 

「あっち」と「こっち」の、終わりの日が近付いています。

https://dramablog.cinemarev.net/blog-entry-5403.html

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※キャスト

井伊直虎（おとわ）… 柴咲コウ（子役期：新井美羽）

井伊直盛 … 杉本哲太
千賀 … 財前直見
井伊直平 … 前田吟

井伊直満 … 宇梶剛士
井伊直親（亀之丞） … 三浦春馬（子役期：藤本哉汰）
しの … 貫地谷しほり
井伊直政（虎松） … 菅田将暉（子役期：鈴木楽→寺田心）

中野直由 … 筧利夫
中野直之 … 矢本悠馬
中野直久 … 冨田佳輔（子役期：山田瑛瑠）
今村藤七郎 … 芹澤興人
弥吉 … 藤本康文
たけ→梅(二役) … 梅沢昌代

小野政直 … 吹越満
小野政次（鶴丸） … 高橋一生（子役期：小林颯）
小野玄蕃 … 井上芳雄
小野亥之助 … 井之脇海（子役期：荒井雄斗）
なつ … 山口紗弥加

奥山朝利 … でんでん
奥山孫一郎 … 平山祐介
奥山六左衛門 … 田中美央

新野左馬助 … 苅谷俊介
あやめ … 光浦靖子
桔梗 … 吉倉あおい
桜 … 真凛
高瀬姫 … 朝倉あき(少女期：高橋ひかる)

鈴木重時 … 菅原大吉
近藤康用 … 橋本じゅん
菅沼忠久 … 阪田マサノブ
瀬戸方久 … ムロツヨシ

南渓和尚 … 小林薫
傑山 … 市原隼人
昊天 … 小松和重

甚兵衛 … 山本學
八助 … 山中崇
角太郎 … 前原滉
富助 … 木本武宏
福蔵 … 木下隆行

今川義元 … 春風亭昇太
今川氏真（龍王丸） … 尾上松也（子役期：中川翼）
寿桂尼 … 浅丘ルリ子
太原雪斎 … 佐野史郎
関口氏経 … 矢島健一
庵原朝昌 … 山田裕貴
大沢基胤 … 嶋田久作
岩松 … 木村祐一
佐名 … 花總まり

徳川家康 … 阿部サダヲ
瀬名(築山殿) … 菜々緒（子役期：丹羽せいら）
竹千代 … 吉田海斗
石川数正 … 中村織央
酒井忠次 … みのすけ
本多忠勝 … 髙嶋政宏
榊原康政 … 尾美としのり
本多正信 … 六角精児
松下源太郎 … 古舘寛治
松下常慶 … 和田正人
徳姫 … 植原星空
於大の方 … 栗原小巻
武田義信 … オレノグラフィティ

龍雲丸 … 柳楽優弥
モグラ … マキタスポーツ
力也 … 真壁刀義
カジ … 吉田健悟
ゴクウ … 前田航基

中村与太夫 … 本田博太郎

織田信長 … 市川海老蔵

武田信玄 … 松平健

語り … 中村梅雀

※スタッフ

脚本 … 森下佳子
音楽 … 菅野よう子
テーマ音楽　ピアノソロ … ラン・ラン
題字 … Maaya Wakasugi
制作統括 … 岡本幸江
プロデューサー … 松川博敬
演出 … 渡辺一貴、福井充広、藤並英樹
時代考証 … 小和田哲男

公式サイト　http://www.nhk.or.jp/naotora/

【おんな城主 直虎】
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