「風、薫る」のラスト一週。
看護婦という職業をこの国に定着させた人たちの物語。
職業物語としてパシっと閉めていただけると信じている……。
看護婦試験が近づく中、りん(見上愛)と直美(上坂樹里)は恵風看護婦会に特別講師として今井(古川雄大)とトメ(原嶋凛)を迎える。ツヤ(東野絢香)、セツ(村上穂乃佳)たちの熱心な姿を見た今井は、授業が終わった後、りんに話しかける。ある日、直美は柳生(中村倫也)の元を訪ねて…
東京府看護婦規則ができるという掲示が出るが、内容に納得のいかないりん(見上愛)と直美(上坂樹里)は柳生(中村倫也)に会いに行く。そんなある日、意外な人物の派出看護の依頼があって…
あらすじ は 公式サイトより引用
連続テレビ小説「風、薫る」第26週「道標」第126・127話 感想

感想
簡単感想で。
兵力
恵風看護婦会は1か月後に迫る看護婦試験に向けて特訓中。
最終週、自然な流れで特別講師として今井先生やトメさんが来てくれるのはとても良い。
思えば「先生」といっても、りんも直美も在宅看護婦になって久しい。
現場の声を教えてくれる人たちの話は りんたちにとっても貴重だよね。
労咳は結核菌が原因で発症する伝染病です。
有効な治療薬はありません。
治せないなら…絶対にうつらない方法はないんですか?
私、自分の命を懸けてまではとても…。
それでいいんです。怖いから慎重になる。
怖いから清潔に気を配る。
「正しく怖がること」は自分自身を守り患者を救うことにもつながります。
「正しく怖がる」については以前、バーンズ先生も同じようなニュアンスの事を伝えていたと思う。
ちゃんと看護の心は繋がっているということ。
試験には出ないだろうけれど……。
自己犠牲の精神がなくても女が働ける職業の一つとして広まらないと、看護婦は増えないから。
私も初めは生きるために養成所に入ったしね。
うん…私も。
実際には、この先、昭和初期に至るまで看護の仕事は自己犠牲を伴うものになる。
度々書いてきたけれど、看護婦と戦争は切り離せないものだし、この国は いずれ本土が本物の戦場になるから。
もちろん、りんの時代にはまだそこまでの覚悟はきっと無い。
戦地は遠く、軍人さんを看護する機会もないものね。
直美は、「現地調査」と称して柳生に看護婦の仕事を見てもらった。
うちの生徒の実習を見に来ませんか?
看病婦としての経験は十分なのに年齢制限で看護学校には入れずこの規則で看護婦にもなれなかった生徒の実習です。
柳生さん、多少の犠牲はしかたないとおっしゃっていましたが、その多少の人たちを知っていただきたいんです。
ツヤさんがいかに仕事ができる人なのかということを見せても今さら意味はないと思うのだけれど、犠牲の1人をどうしても紹介したかったみたい。
こういうところは青いよね。
三浦ツヤは貧しい家を支えるため、かつて看病婦として帝都医大病院で勤めていましたが、職場を追われ…。
独学で11年かけてこの本を読んで、うちでもうすぐ看護婦にという時に規則が出来、今また学んでいます。
柳生さんの引いた線の外側「多少」の中には彼女のような人もいると知ってほしかったんです。
しかし国民全員に不満の出ない政治は存在しない。
特に黎明期は、はみ出す人が多く、国の犠牲者はずっと大変な思いをするんだよね。
ツヤさんはそれに立ち向かおうとしているのだから、凄い人だ。
生きていれば知らぬ間に線の外側にはじき出されることがあるのは知っている。
と言った後、柳生は亡くなった妻の話を始める。
妻はただ水が清潔なら生きていた。
チフスにかかって死んだ。衛生局に勤めていながらふがいない。
しかし、その後、直美が同意したことによって柳生は怒ってしまうのだった。
私も同じなので分かります。
同じ?
妻のような無駄な死と同じだというのか?
私がどんな思いで働いているかといえば、この国を強くするためだ。君も同じか?
国の力とは人の数だ。
次に軍人の数、兵力だ。
伝染病や脚気などで戦わずして兵力を失うような国は強くなれるはずがない。
柳生さんは軍人一人一人の命を兵力と言うんですね。
事実を言っている。
人でなし。
直美にとっては、大事な夫が「兵力」と数えられ、病死した夫は「失われた情けない兵力」のように言われたと感じたに違いない。
お役人としての柳生氏は「富国強兵」の立派な管理側であり、柳生さんにとっての「衛生」は兵隊を死なせないための衛生なんだね……。
衛生は「人」を生かすため、という心で働いている直美たちにとって、「人数」のことしか考えていない国の体制は許しがたいものでしかない。
朝ドラでこういう描かれ方をするのは久しぶりかも。
最終週だけれど、柳生さんは金曜までに変わるのかしら。
さよなら寛太
宮川夫人の看護によって、「りんは人の心に寄り添うのだ」という形をしっかり印象付けているのだろうな……とは思う。
もっと「人の心に寄り添う」天才的な描写が最初から描かれていれば良かったのだけれど。
そういえば、決め台詞「間違った」が最近は出ていないな……。
患者さんの変化に気付くにはどうしたらいいかと聞かれて…。
言葉が浮かばなくて…。
とシマケンさんに相談する りんである。
(やっぱり生きてはった……)
「守破離」
について語るシマケン。
「守り 破り 離れる」… 。
千利休の言葉です。師匠の教えを守り、やがてそれを破って離れていく時、自分の流儀が生まれる。
それを受けて、ツヤに
その場で自分で考えながらやるのが一番つかめると思う。
だから、今の宮川さんにはどんな看護が必要なのか自分で考えながら動いてみてほしいです。
と教える りん。
りんの背中を見て、あとは自分で考えろと?
やはり、私はこのドラマ中、りんよりも直美パートの描かれ方が好きだったな……と、ここまで見て改めて思った。
お互い結婚詐欺から知り合って、長らく付かず離れずして生きてきた2人がここに来て別れるシーンは寂しくて、ちょっと胸を突かれるものがあった。
藤原季節の演技が、やっぱり最高だったでしょ。
お望みどおり、インチキ看護婦会は畳んで、女どももみんな片がついたよ。
それで寛太さんは?
この国を出ることにした。
大陸浪人に渡りがついた。
外の世界に出りゃいいことあるって信じるほどもうガキじゃねえよ。
ただ…あっちは金のにおいしかしねえんだ。
生き延びてやるよ、俺は。
言葉も通じないのに海外進出しちゃって大丈夫?
心配しかない……けれど、勘太の「生き延びてやる」には妙な説得力を感じるね。
一緒に行くか?
向こうじゃ看護婦は重宝されるぞ。
フッ…バカ言わないで。
寛太さん。
本当の名字、聞いてなかった。
小日向で。
気を付けて。
小日向さん。
「小日向」って最初に名乗っていた詐欺ネームじゃん……。
懐かしいな。
あれから何年経ったのか分からないけれど、ちゃんと覚えていたんだね。
寛太はきっと、直美を好きだった。
同じような境遇だった2人の別れは切ない。
このドラマのレビューを投稿してください

風、薫る キャストとスタッフ
キャスト
一ノ瀬りん – 見上愛
大家直美 – 上坂樹里
一ノ瀬美津 – 水野美紀
一ノ瀬信右衛門 – 北村一輝
一ノ瀬安 – 早坂美海
中村義正 – 小林隆
竹内虎太郎 – 小林虎之介
竹内之宣 – つぶやきシロー
竹内栄 – 岩瀬顕子
奥田亀吉 – 三浦貴大
奥田貞 – 根岸季衣
うなぎ屋の女将 – 大島美幸
和菓子屋の女将 – 義達祐未
柴田屋・松永屋 – たくや・かずや(ザ・たっち)
吉江善作 – 原田泰造
島田健次郎 – 佐野晶哉
寛太(小日向栄介) – 藤原季節
小川吾郎 – 甲斐翔真
槇村太一 – 林裕太
清水卯三郎 – 坂東彌十郎
柳川文 – 内田慈
松原喜介 – 小倉史也
勝海舟 – 片岡鶴太郎
大家トヨ – 松金よね子
大家キク- 広岡由里子
大家嘉平 – 春海四方
大山捨松 ‐ 多部未華子
大山巌 ‐ 高嶋政宏
松山ふさ ‐ 二田絢乃
河合志摩 ‐ 中田青渚
木村佐保 ‐ 井上向日葵
中山マツ ‐ 丸山礼
真風 ‐ 研ナオコ
玉田多江- 生田絵梨花
泉喜代 – 菊池亜希子
東雲ゆき – 中井友望
柳田しのぶ – 木越明
工藤トメ – 原嶋凛
松井エイ – 玄理
梶原敏子 – 伊勢志摩
バーンズ – エマ・ハワード
柳生藤次 – 中村倫也
今井益男 – 古川雄大
藤田邦夫 – 坂口涼太郎
黒川勝治 – 平埜生成
渡辺行成 – 森田甘路
永田フユ – 猫背椿
永田康介 – じろう
柴田万作 – 飯尾和樹
丸山忠蔵 – 若林時英
夕凪 – 村上穂乃佳
三浦ツヤ – 東野絢香
園部弥一郎 – 野添義弘
多田重太郎 – 筒井道隆
和泉千佳子 – 仲間由紀恵
有森ソノ – 竹田百花
川口ツル – うらじぬの
横沢公介 – 井上祐貴
風、薫る スタッフ
◆放送期間 : 2026年3月30日 ~ 2026年3月 日(全130回)
◆制作 : NHK(AK)
◆初回視聴率 : %
◆平均視聴率 : %
◆制作統括 : 松園武大,宮本えり子
◆プロデューサー : 葛西勇也,松田恭典
◆演出 : 佐々木善春,橋本万葉,新田真三,松本仁志
◆原案 : 田中ひかる『明治のナイチンゲール 大関和物語』
◆脚本 : 吉澤智子
◆音楽 : 野見祐二
◆主題歌 : Mrs. GREEN APPLE「風と町」
『風、薫る』各回リンク
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10
11 12 13 14 15
16 17・18 19・20
21 22・23・24.25
26・27 28 29・30
31 32・33 34・35
36 37・38 39 40
41 42 43 44 45
46 47 48 49 50
51 52・53・54 55
56・57・58・59 60
61 62 63・64 65
66 67・68・69 70
71 72・73 74 75
76・77・78・79・80
81 82・83 84 85
86・87 88 89 90
91・92 93・94 95
96 97・98・99 100
101・102 103 104・105
106 107 108 109 110
111 112・113 114 115
116・117 118 119 120
121 122・123 124・125
126・127


コメント