NHK朝ドラ【あまちゃん】第95回 感想

春子（小泉今日子）からアキ（能年玲奈）に手渡された手紙には、衝撃の事実が
書かれていた。
1985年の秋、甲斐（松尾スズキ）の喫茶店でウエイトレスをしながらアイドルを夢見ていた
春子（有村架純）と、駆け出しのスカウトマンだった太巻（古田新太）、そしてデビューを
目前に控えていた鈴鹿ひろみ（薬師丸ひろ子）との間に、いったい何が起きたのか？　

春子が長年にわたって封印してきた秘密が、今、明らかになる。

(上記あらすじは「Yahoo！TV」より引用)

連続テレビ小説「あまちゃん」第95話「おらのママに歴史あり　2」

　　　　　

 

それは、1985年(昭和60年)のこと…。

太巻に連れて行かれるタクシーの中で衝撃的な鈴鹿ひろ美版『潮騒のメモリー』を聞いて
じぇじぇっ…という顔で驚く春子(と、タクシー運転手・正宗)。

 

スタジオに着いて、タクシー代を支払う太巻に驚く正宗。

 

あ、お客さん。「０」が1個多いんですけど…。

代金は2510円。
太巻が支払ったのは2万5000円。

 

知っとるわ、ボケ、あほんだらがぁぁ！
しったらわれあほんだらぁ、今、車の中で話してた事あほんだらぁ、誰っにも
言うなや、あほんだらぁ、あ！？

「大江戸タクシー」の「黒川正宗」さんよぉぉ！

 

「太巻さんは、パパを恫喝しました。得意の関西弁で。」

もし、あほんだら、どっかに漏れたらあほんだら、おのれの
仕業だからなぁ！、あほんだら！！
じぶん、東京湾に沈められたいんか！あほんだらあほんだらあほんだら！

 

じぇじぇ…いやいや…別にそんな恐くねーし。
このまま警察駆け込めばいいし。
そんなガタガタ震えるな、正宗、ヘタレ…。

 

「スタジオに着くと、ちょうど帰ろうとしていた鈴鹿ひろ美とすれ違いました」

 

君は知らない振りをして。

と、小声で言う太巻。

そして鈴鹿ひろ美にペコペコと頭を下げる太巻…。
まだ推してる最中と聞いたけど…ずいぶんと気を使われているんだね。

そして、春子はあれよあれよと言う間にマイクの前に立たされていた。

イントロが流れて歌の入りに失敗。

ごめんなさい！

太巻は笑っている。

 

大丈夫大丈夫！
ど～せ他人の歌なんだから！

「その一言で、すっと気持ちが楽になりました」

2回目のイントロ…。
見守るスタッフ。

春子は静かに歌い出した。

～♪来ぃてよ　その火を　のりこぉえて～　砂にかいた…♪

 

スタッフの安堵の顔。
行ける…。言葉には出さないけれども太巻の顔が引き締まる…。

 

これ……ママなのか…？

上野に降り立ったアキは、イヤホンで今、『潮騒のメモリー』を聞いていた。

あの「梨明日」での誕生会の日…
パパが入れたカラオケの『潮騒のメモリー』を拒否した春子。

じいちゃんのお別れ会でやっと歌ってくれた春子。

ママの歌は本物だ。

と、あの時、アキは思った。

 

そんなバカな!!!!!

 

久しぶりに顔を出す事務所にもボーーッとしながら入って行くアキ。

 

天野春子が鈴鹿ひろ美のフリをして歌ってたなんて…。
じぇっ……がいくつあっても足りねえ…。

にしても、なして今まで黙ってたんだべ。

 

アキを見て、驚く河島。

あれっ…実家帰ったって聞いたけど。

無視……。

やっぱり…消したい過去だったんだべか…。

あっっっ!!!!!

えっっっっ!!!？

突然叫ぶアキにビックリして自動販売機の変な位置のボタンを押しちゃう河島。
慌てて取り出すと…

しょうが湯……。

いやぁ……いいよ…しょうが湯。身体あったまるよ。飲みな。

 

アキは春子の名前を告げた時の太巻の動揺を今さら思い出すのだった。

「な…は…えっ…きみ…天野春子の…むすめっ？」

あの反応……動揺…太巻さんにも消したい過去に違いねえべ。

 

その時…出勤してくる太巻。

おはようございます。

後ろから声をかけるアキ。

振り返る。無表情。

 

あれ。キミ、辞めたんじゃなかったっけ？

いや…今日からまた…お世話になります。

無表情。

あ、そっ。

 

そうだそうだ…あの日から急に態度が変わったのも…
そう考えれば辻褄が合うべ…。

 

いやいやいや……。
アキ。

あのドラマの現場の件は、この話と一緒にしないで。
仕事に集中していなかったからああなった。
失敗してもスタッフにヘラヘラしていたからああ言われた。

そこは反省してほしいんだけど…。
そうなっちゃうのかな？
太巻の陰謀のせいになっちゃうのかな？

それは、あまりよくない考え方だよな。

 

だって、天野春子は過去に犯した不正を知る、ただ1人の存在。
その娘が今、アイドルの卵として目の前に現れ…

あれ……手紙…。

 

大量の荷物の中から消えている春子の手紙。

気づくと河島が読んでいるのだった。

 

こらぁぁぁぁぁぁ!!!!!

わっあっ……ごめんなさいっ、ぁ、あの、落ちてたんでぇ～…。

落ちでたからって、読むか？普通！

 

アキ…なんか…ちょっと…恐くなってる…。

すいません…まだ、読んでない…。

あたりめえだぁ…。
あほんだらぁあほんだらぁ。

ぉぃ…太巻移ってるよ。

 

アキの帰還をＧМＴのみんなは飛びついて歓迎してくれた。

そんな中で面倒くさいのは、マメりん。

 

帰って来なくてよかったのに。
まぁいいや。

あたし、すぐに上行くし。
そしたらまたシャドウやってもらうからさ。

私のダンス、よく見てて。

 

うん…。私は実はマメりんって好きだ。

東京に戻れば、また奈落で上の人たちの着替えを手伝う日々。
上で音楽が始ったら奈落で合わせて踊る。

しらーっとしてお高く止まっているマメりんの顔が音楽がかかった途端に
パァッっとアイドルスマイルになる。プロだ。

えっと…みんな女優なのにさ。
奈落でもマメりんの輝きがハンパないんだよね。

凄いな。足立梨花。

 

さて…

「鈴鹿ひろ美の『潮騒のメモリー』は、昭和61年の正月映画として公開され、大ヒット」
「主題歌もヒットチャートを賑わせました」

「夜のベストヒットテン」だって…。
こりゃもう、世代的に分かるやつだけ分かればいいネタ。
ってか…似てるぞ…糸井さん@久米さんと清水ミチコ@黒柳徹子。
　　

 

この日のチャートでも『潮騒のメモリー』は1位。

しかし…。
頭を下げる司会者たち。

「鈴鹿ひろ美は頑なに歌番組に出ませんでした」

そりゃ…出れないだろ…。
あれを流したら放送事故だよ。
ジャイアンリサイタル中継だよ。

自分は女優なので歌番組に出ることはポリシーに反する…という鈴鹿ひろ美の
手紙を読み上げる司会者。

「そのことが、鈴鹿ひろ美をより一層ミステリアスで神秘的な存在に仕立て上げました」
「でも、ママだけは、本当の理由を知っていた」

「純喫茶・アイドル」で甲斐さんやお客と一緒にテレビを見る春子。

みんなが『潮騒のメモリー』に感動し、鈴鹿ひろ美を誉めている。

 

「嬉しかった」
「鈴鹿ひろ美が誉められているのに、自分が誉められているように恥ずかしくて」
「ちょっと誇らしくて」

太巻も…。
「純喫茶アイドル」で客としてコーヒーを飲みながら、複雑な顔をして春子を見ていた。

春子に悪いという気持ちは少しでもあったのかな…。

それとも…ただ、真実がバレるのを恐れていただけ？

 

「あの頃、街中どこへ行ってもママの歌声が聞こえてきました。」
「鈴鹿ひろ美の『潮騒のメモリー』。でも、本当は自分が歌っている。」

「それを知っているのは、太巻さんと数人のスタッフ。それと…」
「あの運転手だけ。」

 

アキは、鈴鹿ひろ美の付き人としても復帰。

 

あたしについてても女優にはなれないわよ。
面倒くさいでしょ。あたし。

しかも、この先、どんどん面倒くさくなるわよ。

いいの？それでも。

 

いい。

と言うアキであった。

鈴鹿ひろ美を好きで尊敬する気持ちもアキの中にもちろんあった。けれども…。
とりあえずは、春子×太巻×鈴鹿ひろ美　についてもっと知りたいから、らしい。

 

自分とお揃いのミサンガを鈴鹿ひろ美にプレゼントして、訊ねるアキ。

 

鈴鹿さんの、夢って何？

しばらく考えてから答える鈴鹿ひろ美。

 

世界征服と…結婚。

 

好きだな…このセリフ。
ファンタジーだよ。

『木更津キャッツ』の美礼先生が言いそうなセリフだ。

 

アキは思う。

鈴鹿さんは、知らなかったんだろうか。
自分に影武者がいたこと…。

 

知っていた…と、おらは思うよ。
と言うか…知らないわけがないでしょ。
明らかに自分じゃない歌声が日本中を回ってるのに。

だから、言い出したんじゃないの？

生で歌番組に出たい。

 

ワガママ…とかではなくて、「葛藤」だと思う。

この世界で生きていくためには、犠牲が必要で、誰だか知らないけれども、
誰かの犠牲の上に立っている自分に対する情けない思い。

自分の歌が流れているのに自分だと名乗れない春子。
自分じゃない歌が流れているのに絶賛される情けなさを24時間毎日
味わってきた鈴鹿ひろ美。

どちらも切ない。

 

しかし…。

やっぱり、太巻は許せないのであった。
そして、春子は「何の約束」もなく、引き受けたらただのお人よしだよね…こんなの。

前から書いてるけどさ…昨日も書いたけど…。

もしも本当に太巻がこの件のせいでアキを芸能界から締め出そうとしているとしたら、
脅しをかけてもいいくらいのネタだよね。

 

春子が1本、ドスが効いた声で電話すれば済むだけのことだ。

娘をよろしくぅ。

閉め出されるよりも、むしろ上に上げてくれるはず……。

それをやらないって事は、春子も大人になってアキをとりあえず見守ってるってことかね。
…なんか…春子らしくないけど。そのキャラ。

 

この先、どんどん面倒くさくなるわよ。

という鈴鹿ひろ美のひと言は…。

この人間関係の行方…ひいてはドラマの行方を示しているように聞こえるのだった。

 

…つづく。

 

こんなん出るよ。すごいね。「春子の部屋」～あまちゃん 80’s HITS～
　　

 

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