NHK朝ドラ【あまちゃん】第94回 感想

目標を見失って悩む、帰省中のアキ（能年玲奈）。
水口（松田龍平）は東京へ戻るように説得するが、アキは作業小屋にこもったまま出てこない。
そこにユイ（橋本愛）が来て、アキに八つ当たりしたことを詫び、応援する気持ちを伝える。
アキは、ユイの励ましを得て、もう一度、東京で頑張る決心をする。
町の人に見送られ、北三陸を去るアキに、春子（小泉今日子）が手紙を渡す。
そこには、母の驚くべき秘密が書かれていて…。

(上記あらすじは「Yahoo！TV」より引用)

連続テレビ小説「あまちゃん」第94話「おらのママに歴史あり　2」

　　　　　

 

春子……。
やっぱりそうだったか……。

 

何だよ。もう少しだったのに…。

作業場に鍵をかけて籠ってしまったアキを窓の外から悔しそうに見る水口。

 

お茶っこでも飲んでったらいいべ。

いや、11時の新幹線に乗らないと。劇場のオープンに間に合わないから。

そうか。
…おいアキ！水口さん帰るってよ！

…やっぱりユイちゃんじゃねえと駄目みてえだな。

 

え？

 

その時、水口は初めて自分の後ろにユイが立っている事に気付いたのだった。
ヤンキーだからな…。

え？ユイちゃんなの？
…眉毛どうした？

 

水口無視で作業小屋に声をかけるユイ。

アキちゃん！

声がとっても穏やかで普通だ。
ヤンキーモードには入っていない…。

ドアの外で干物を焼かなくても開く開かずの扉。(←わかるやつだけわかれば…)

 

こないだ…ごめんなさい。海女カフェで。

素直に言ってくれるユイ。

お互いさまだ。

う～ん…キミも割と酷かったよね。
そこはきちんとゴメンと言ってほしい。

アキちゃんに当たってもしかたないって事は分かってるんだけど。
アキちゃんにあたるしかなかったの。
やってらんなかったの。

それもお互いさまだ。

アイドルも奈落もわがまま女優の付き人もユイちゃんのためと思わねえど
我慢できねっていうか。
ユイちゃんのせいにしねえとやってらんねっていうか。

それなのに「冷めた」とか言われて。
ダサいとが言われて…何か目的を見失ったっていうか。

もち…もちが……。
モチベーション？
んだ。「あれれ？おら何のためにやってんだっけ？」…て考えちまったんだ。

 

だよね…。やっぱり、そうだよね。
アキの今の夢はユイの上に立っているのであって…土台が無くなったら崩れてしまう。

それをほぼ解っていても、ユイは崩したかったのだと思う。
お互いにお互いの積み木崩しをして…。

今、やっと積み直すことができている…のかな。

 

天野家の中にも、同じように崩して積み上げた人がいた。

要するにさ、今の自分を正当化するために過去の自分を否定するしかないのよ。
ユイちゃんの眉毛がどっか行っちゃったのもきっとそうよ。

芸能界に憧れてた過去の自分を否定しないと乗り越えられなかったのよ。
私の場合はね、それが夏さんだったんだけどね。

ああ？何でおらが出てくんだ。

どんなにつらい事も、全部親のせいにして乗り越えてきたって話。
夏さんが突き放してくれたおかげで。

夏さんは笑う。

はあ。おめえさん方、随分複雑に出来てんだな。
誰かのせいにしたり自分を正当化しねえと右にも左にも曲がれね。

おら、もっとシンプルだ。
海のそばさ生まれたから潜る。それだけだ。

 

なんだろぅ…おら、ダメだな～夏さんの言葉、聞いてるだけで泣ける。
複雑になりたくない。シンプルに生きたい。夏さんと暮らしてぇ…。

 

作業小屋では、いよいよ本題。

 

海女さんは？

はい？

アキちゃんは誰のために潜ってたの？私のため？

いや。
いや…おらのためだ。自分のために潜るんだ。

じゃあ…自分のために歌ったり踊ったりできない？

 

そうだね…誰のためでもなく、ただ、カッケーと思ったから。気持ち良かったから。
海女になりたいと思ったアキ。

 

まぁ…世間様が言うように、あれなりたいこれなりたいと変わって行く主人公ですよ。
この変わりようはちょっと幼稚園児の「将来の夢」並みですよ。

でも、それらはみんな「お母さんに褒められたい」とかではなくて、自分がなりたくて
選んできた道だった。

アイドルだけが…自分のためではなかった。

 

……どうかな？

私のためじゃなくて自分のためにやってみなよ。
…できる？

…いや…どうかな。

やってみなよ。
私、見てるから。

ユイちゃん。

 

ああ…ついにユイの口から「見てる」が出てしまった……。
ないんだね…もう、ユイちゃんがあのアメ横のステージに立つ事はないんだね…。

 

…冷めたんじゃなくて、諦めた。

そのかわり、ちゃんと見てるから。
やって駄目ならまた帰ってきなよ。

 

ユイは、幼い頃から見てきた夢の終焉をアキに告げる…。
バトンタッチでも何でもなく、アキに1人で立てと言い、自分は見守る立場を宣言する。

なんて寂しいんだろう…。

まだ若いのに。
もっと向かって行けるのに。

でも、これ以上背中を押すことも残酷かもしれず…。
きっとユイのリハビリはまだ続いていく。

これからは、そんなユイに力と元気を上げるのはアイドルであるアキ…になるんだね。

つまり「ただの視聴者」になり「ただのファン」になるユイ。
このドラマが始まった時には、こんな事になるとは思わなかった。

 

正直、2人ともブレークするのは無理だって初めから思ってました。
…で、どっちかって言ったらユイちゃんだろうって。

とうとう本音が出たな、水口。

ちょっと苦笑いの水口。

 

でも、今回改めて自分の中でアキちゃんが…アキちゃんの存在が、こうクローズアップ
されてる事に気が付きました…はい。

…何だろう？何かこう……かわいいですよね。

母親と祖母の前でプロポーズしてんのかＹＯ!(‘ｊ’)/
今日の水口はかわええ…。

しかし、春子に掛かると…

気持ち悪いぞ、水口。

一刀両断………。

 

東京帰ったら、ちゃんと本気で、あの、戦略練って売り出そうと思ってます。

そう約束して、水口は東京に戻って行く。

その時、2人は自転車で思いっきり海岸沿いをぶっ放していた。
青春だ……。
(今日はETはやらないよ)

 

夏ばっぱ！

あ？

おら、やっぱり東京さ行ぐ！

 

そうか。せいぜい頑張れや。

 

「せいぜい頑張れや」の夏さんの、本当に嬉しそうな…孫を見守る愛情に溢れた表情に涙。

 

思えばさ～。
あの日、アキはユイに北鉄の中で一目ぼれしたんだよね。

で、大好きなユイがやるなら～と、付いて行ったんだよね。
「あなたが選んだメニューを私も食べるわ」的な…。

そして、今日、アキはユイから1人で歩けと背中を押された。

恋人にはなれないけど、ずっと親友だよ。と言われた気がした。

 

そんな、ちょっと百合…の香りもする切ない話だった。

 

本当は…ユイのアイドル姿を見たかったけど。

ってか、よしえさんの話は結局誰にもせず終いか……。
よしえさんの話に釣られてユイも東京に出てくるってパターンに最後の望みを
かけていたんだけどな～～。なかった。

で…でも、通報はきちんとしとこうじぇ…アキ…。

 

「１月１０日。天野アキは再び東京さ向かいました。」

 

駅には泣きながら見送る北三陸の黒い大人たちの姿も…。
あわよくば「潮騒のメモリーズ」でまた観光客を…って顔してたもんね。

 

春ちゃんの事はおらさ任せろ！悪いようにはしねえ。
今度来る頃には…

もうそれしか出てこない大吉っつぁん。
しかし…

♪～俺は海の底♪～
うるせえ！南部ダイバー！

大吉のパパになりたい宣言は、いっそんの南部ダイバーに掻き消されるのだった…。

♪～南部のライダー～♪
「ライダー」つっちゃった！南部ライダーか？このバカたれ！

いやいや…それは、種市先輩を見送りする時にやる所……。

 

また、いっぱーーーい手荷物を持って列車に乗り込んだアキだった…が…。
荷物の中に見つけた封筒。

それは…

春子の過去を綴ったあの手紙の続き！

 

ママ？

「こないだの続きです」

いきなり本題！？

 

「この手紙を書こうと思ったのは、アキのひと言がきっかけでした」
「事実として正確に知っておいてほしいから包み隠さず全て書きます」
「昭和59年夏、アイドルを夢みてママは開通したばかりの北鉄に乗って上京しました。」
「そのころ、親身になってくれてたのがマスターの甲斐さんと、まだ駆け出しスカウトマンだった
　荒巻太一さん。」

「１９８０年代半ば、アイドルは試行錯誤の時代でした」

 

「セイントフォー」ごめん…おらこの人たちよく知らん。一番アイドルに
興味なかった時代だわ。
　　　　

「クラッシュギャルズ」なんでこんな可愛くない物に世の中は夢中なんだか
全く理解できなかった…あ、ファンの方すいません…プロレスとか全く興味ないもんで～。

 

春ちゃん、悪い。ちょっと来てくれるかな！

え？

甲斐さんごめん！
１時間だけ春ちゃん貸して。

 

ある日、「純喫茶アイドル」に飛び込んできた太巻に無理やり引っ張られて、春子は
タクシーに乗せられた。

タクシーの中で早口で説明する太巻。

 

鈴鹿ひろ美？知らない？知らないか。
まだデビュー前なんだけどね。
今うちが社運を懸けて売り出そうとしている清純派アイドル。

かわいい。

写真を見て素直に鈴鹿ひろ美を可愛いと評する春子。

この薬師丸さん、本当にかわいいもん…ってか…一体どんだけな修正を…。
普通ーーーに昔の写真を使えばいいじゃないか。
ホンマ物の美少女なんだから。
　　　　　

 

年は君よりも１つ２つ上じゃないかな。
主演映画が正月に公開される。間違いなくブレークする子だ。

そうだ、運転手さんカセットテープかけれます？
これ流してほしいんですけど。

と、カセットテープを渡す太巻……受け取って曲を掛ける運転手…。
もちろん…黒川正宗だＹＯ！(‘ｊ’)/

 

で、今日はその映画の主題歌のレコーディングなんだけど。
……ちょっと問題がね。

流れてきた曲は、これも視聴者の予想通り『潮騒のメモリー』。

しかし、ここで予想外なことが起こった……。

 

き↑ィ↓てぇ～↑よ↓そヲ↓のひｨｨ↑を↓
とぉ↑びぃ↓こｫ↓え↑てぇェぇェぇ～～～♪

 

いや……。
この展開は予想外では決してないんだよ。

しかし…

この酷さは予想外だった。

 

そう。彼女音痴なんだ。

こういう歌かと思いました……。

そうだね。
逆に誰もこんなふうに歌えないのよね。

ちょっと止めて。具合悪くなる。こっちかけて。

 

渡したテープは正式なデモテープ。
ちゃんとした音程の安心感。
歌っているのは太巻だって。じぇじぇ…。

 

で、もう時間がないんで、誰か歌える女の子探してきてって上司に言われて。
君の事思い出した訳。

私？

歌ってくれないかな？鈴鹿ひろ美の代わりに。

え…いや～。

あと30分あるから繰り返し聴いて覚えて。

 

春子が迷っている間に話は勝手に進んでいる様子…。
前で話を聞いている運転手@正宗も緊迫した表情。

 

覚えてって…私の声がレコードになるんですか？

そう。

鈴鹿ひろ美の名前で？

頼むよ。

 

「断れなかった。ううん。断る理由がなかったと言うべきかしら」

「ママはその日、マイクの前に立ちました。」
「鈴鹿ひろ美の影武者として」

 

じぇじぇじぇ……。

春子…なんで、こんなん受けた？

作家だったらゴーストで書いて、いずれ自分として売り出しても…
文体を何とかするとか…まだどうにかなるけど…。

歌手は一度他人の名前で歌ってしまったら、もう自分の名前でデビューできないじゃん。

これを受けた時点で、もう自分の名前でアイドルにはなれないって解ってた？

芽が出なくて…追い詰められていたのかなぁ。

 

春子がたぶん鈴鹿ひろ美の影武者であろう事は以前も書いたけれども…
本当に「歌」の影武者だったとはね。

ってか…

 

鈴鹿ひろ美がここまで音痴だったとはね！！！

確か、無頼鮨でアキと初対面の時、カラオケに行ったと言っていたはずだぞ。
これに朝まで付き合わされるスタッフ………。

ジャイアンリサイタルかＹＯ！(‘ｊ’)/

 

でもさ～～…
これが真実ならば、かえって太巻はアキを邪険にできないはず。

アキを陰謀で芸能界から閉め出したりして、もしも春子が爆発したら…
抱えている爆弾は芸能界を揺るがすネタじゃんか。

 

ってか、この後、春子はどうなったんだろ。
口止め料はたんまり貰わないとね！！！

 

…つづく。

 

ところで…。
こんなん出るよ。すごいね。「春子の部屋」～あまちゃん 80’s HITS～
　　

 

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