NHK朝ドラ【あまちゃん】第92回 感想

沖縄に帰省する喜屋武（蔵下穂波）を見送るアキ（能年玲奈）。
前日の口論でユイ（橋本愛）を傷つけたのではないかと落ち込んでいた。
春子（小泉今日子）は、アキに自分が太巻（古田新太）と知り合いだったころの話をする。
アキは、自分にアイドルとしての芽が出ないのは、太巻と春子の間に何か秘密が
あるのではと疑っていたが…。

そして町の人々の注目の中、アキが初めて出演したテレビドラマの放送日がやってきた。

(上記あらすじは「Yahoo！TV」より引用)

連続テレビ小説「あまちゃん」第92話「おらのママに歴史あり　2」

　　　　　

 

ユイちゃんと大げんかした翌日1月2日。
喜屋武ちゃんはやっぱり沖縄へ帰ると言いだしました。

 

そらそうだべ。
ここにいても放りっぱなしだし…それにこれ見てたら自分の故郷が恋しくなるよね。

それに…。

…てか、アキ。いつ帰ってくるの？

と、喜屋武ちゃんに聞かれ、すっごーーーーく長い間の後でやっと、

……ああ…決めてねえけど…2～3日かな。

 

と、愛想笑いで答えるアキだもの。

喜屋武ちゃんはここに居たら、アキの帰る日待ちになってしまう。

…ってか…東京に帰る気失せてるよね。これ。

むしろ、喜屋武ちゃんが居て引っ張ってくれた方が帰る理由が出来たかも知れない。

でも喜屋武ちゃんは行ってしまうのだった。

沖縄へのチケットが取れたと持ってきてくれる栗原ちゃん。
そして、吉田の説明。

いいか？一回しか言わねえど。
北三陸から花巻経由で沖縄に行くにはまず北三陸鉄道リアス線で宮古まで行き宮古から盛岡まで山田線そこから花巻まで東北本線。そこから…。

ＯＰで切られたwww

 

喜屋武ちゃんを見送って家に帰ると、天野家ではバタバタと…引っ越しのような様相になっている。

 

何してんの？

何ってさ、今日あんたのドラマの放送日でしょ。

じぇじぇ！…忘れてた！

これを機会に我が家も…あれだ。
ハード何とか…ディスク何とかレコーダーを導入する事にしたべ。

プラズマテレビもな！
記念すべき女優デビューだ。いい画像で録画しねえと。

ＮＧ40回の記憶が蘇りつつも…ちょっと嬉しいアキ。

そんな～やめでよ！
チョイ役だってば！

 

春子に部屋の影に呼び出されて、アキは昨夜ユイと何かあったのかと聞かれる。

昨日、ユイ向かって叫んだことを思い出すアキ。

 

…ちょっと…。

「ちょっと」って何よ。

ひどい事言って傷つけてしまった。
謝っといてけろ。

 

首をかしげる春子であった。

ユイも同じ事を言っていたからね。

しかしさ…ユイがあの状況で…会って話が弾んで2人とも笑顔になると、春子を含めて
大人がみんな考えていたのだとしたら…単純すぎだよね。

そりゃ「何か」あるに決まってるじゃん。

 

部屋に籠ってしまったアキから「何か」引き出そうとする春子だったが、
アキの口は重かった。

だから、話題を変えてみる。

東京の話、聞かせてよ。

えっ？

どうなの？芸能界。
何かないの？裏話とかさ。
誰と誰がデキてるとかさ、誰の年収がいくらとか、そういうゲスいの頂戴よ。

 

じゃれてみるけれども、こっち方面の口も重かった。

 

あっ、太巻さんと話したよ。ママがよろしぐって。

あっ…そう…何か言ってた？

うん。びっくりしてた。

アハハッ…びっくりするわな…そりゃね。

 

今度は、春子の口がちょっと重くなる。

思い切って聞きだすアキ。

 

ねえ…どんな関係だったの？

「どんな」って喫茶店のウエイトレスと客だよ。

…見た目老けてたけど、26って言ってたな。
いろいろ相談に乗ってもらってたの。

 

「純喫茶 アイドル」の店主・甲斐さんの仲介で、春子はアイドル志望の女の子として
太巻に紹介された。

太巻は、春子にプロフィールを撮ってあげると約束し、アドバイスをくれた。

 

その髪形…。

はい！これ、聖子ちゃんカットです！

フフッ…知ってる。
でもね、もう聖子ちゃんもそんな髪形してないよ。　　

じぇ！

だいぶ経ってますよね…それ…。
　　

 

関わりはそれだけだ…と春子は言う。これは…嘘だね。

 

しかし、アキは一応納得。

ごめん…。

何？「ごめん」って。

いや、ちょっと疑ってたんだ。
ママと太巻社長の間に何かあって、それでおら芽が出ねえんじゃねえかって。

はあ？何それ？

駄目だ駄目だ！
思うようにいがねえからって人のせいにしちゃ駄目だよね。
んだ。おらのせいだ。実力だ。

アキ？

 

春子もこの辺で大よそカンづいてはいるよね…。
上手く行っていないのだと。

 

でもさ…アキ。
鈴鹿ひろ美さんから言われた事も、投票結果も陰謀のせいではないよね。
それはちゃんと解っているよね…。

というか、この流れが陰謀のせいだったら、ちょっとイヤだなぁ。
ＮＧ40回出して現場でヘラヘラしていても陰謀がなければ次の仕事は来るのだ、とか…
ファンに向かって芝居のセリフ言っちゃうほどいい加減な対応していても陰謀が無ければ
もっと上に行けたのだとか…

そういう流れはイヤだなぁ。それはないよね？

 

何にせよ…

そこは置いておいて新年会。

北三陸地方の正月といえば、煮しめと「なもみ」です。

週間予告で、これ「ナマハゲ」じゃん、秋田じゃん？
と思っていたものが登場～～…岩手にもあったのか～。
　　　

 

「なもみ」のルーツは秋田のなまはげと一緒で、見た目も限りなくなまはげなので
地元の人でもたまに間違えます。

 

なまはげ！もういいから、そろそろ座ってテレビ見ろ！

なまはげでねえよ！「なもみ」だよ！

地元の人も早速間違えてます……。
ちなみに「なもみ」の中の人は忠兵衛さんと組合長だぁ。

 

「おめでた弁護士　寿蘭子　新春スペシャル」が始まったのでみんなテレビにかじりつく。

40回もＮＧ出した苦い思い出も抱えつつ…
それでもセリフ付きの出番がちょっと嬉しくて、テレビに向かうアキだった。

あっ、そうだ、アキ！
おめえ何時に出るのだ？

まだ先だ。「島田」って男が行方不明になってからだ。

よし！島田が行方不明になってからだと。

 

春子もテレビの前待機。
「梨明日」はユイに任せてきたのだという。

…うん～…これはね～未成年だし、叩かれる材料になりそうでちょっと恐い…。
まぁ…教師であるいっそんが一緒にいるからって事で…。

そうです。

その頃、「梨明日」の客は2人だった。

一言もしゃべらず、ちょっとオネエっぽくカウンターに座るいっそん@磯野先生。
そして、いつものようにカウンターの片隅で琥珀を磨く勉さん。

仕事を終えた吉田がそこへ入ってくる。

 

……静かだな。
…違う店みてえだ。…水割り。

やさぐれた態度で無言で水割り作って出すユイ…。

 

えっと…もやしの落ちる音が聞こえる静けさって…これ？

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・　ごめん！限界！！

テレビを点ける吉田であった…。

放送されているのは「おめでた弁護士 寿蘭子 新春スペシャル」。

 

イエ～イ！こんばんは～！
わ～！
許してくれ！おらだ！組合長だ！
カマール！カマール！カマール。悪霊じゃないの！なまはげ！なまはげ！
だからなまはげじゃねえって！なもみだよ！
ほら入れ入れ！
春子、酒！
じぇじぇ！大吉っつぁん飲めるようになったのか？
薄いカシスオレンジだったら飲めるんだって。
カシスオレンジは酒でねえって。

 

あ～……しーーんとした「梨明日」の後だけに、すんんごいうるさっっ！
この騒がしさを半分「梨明日」に分けてあげたい……。

 

そんな中でテレビにかじりつくアキ。

大吉っつぁんがいつの間にか亭主ヅラして上座に座ってるとかそんな話で盛り上がる中…。

 

あっ！アキだ！

どこだどこだ！？

テレビの中は「いらないバイク買い取るぞう！いらないバイク買い取るぞう！～♪」
とかいうインド人が踊るＣМ中だよ…。
　　

どこにもアキに似てる人すら出てこねぇ。
弥生さん、めっさ酔ってますね。

そして、いきなり正座して話しかけてくる大吉っつぁん。

アキちゃん…もし…もしも俺が春子と再婚したら「パパ」って呼んでくれるかい？

じぇ！
いや…今…ちょっと、テレビ…。
いや…。じぇ！
…それ、今じゃないと駄目ですか？

 

以前、ひろしが「間が悪い男」として散々強調されていたけれども、おらは大吉の方が
間が悪いと思うべよ…。

春子が夏ばっぱの大量旗見送りに気付かなかったのも大吉が話しかけたせいだし、
ユイが東京さ行けなくなったのも元はって言えば大吉の大騒ぎのせいだし…
もっと他にもあるぞ。

ヒロシなんかよりも間の悪さのレベルがデカすぎるよ。

 

しかし、ここは、大吉っつぁんのせいで出演を見逃す…には至らなかった。

どこ？どこだ？どこさいる？

まだ。もうすぐ出てくる。

お～春子！こっちゃ来い！

やっぱし美人だな鈴鹿ひろ美は。

でも、絶対性格悪いよね。

いや、こんだけ美人だったら性格はどうでもいいべ。

 

テレビの中は、ついにあの寿蘭子が向かいの部屋のチャイムを鳴らすシーン。

 

ピンポーーーンピンポーーーンピンポーーーン………

ガチャ…

「いらないバイク買い取るぞう！いらないバイク買い取るぞう！～♪」

 

……いや、弥生さん、ここにはアキは映ってませんよ…。

 

いや～ど…どこさいた？
向かいの部屋から出てきたのだよね？

うん…。

今ので終わりか？
そんな訳ねえべ、なあ？

うん…。

 

何も言う事が出来ず、一瞬シラケる場…。

アキは、ただ茫然とした。

 

セリフ…カットされだ。一個しかねえセリフカットされでだ。
言えない。もう出てこないなんて……。

 

アキを見る春子の目…。
それは、過去の自分…なのかな。

 

もう1人。
この放送を痛々しい目で見ている人間。

「梨明日」のユイだった。

たぶん…。
昨日のアキの言っていた事を、この放送で全て理解したユイ。

 

ダサいんだよ。
アキはダサくても頑張っている。

困惑と後悔と戸惑いと…ユイの表情が何とも言えない。
そこには「ダサい」アキを馬鹿にするユイは居なかった。

自分が引きこんだアキの道は、困難だらけの道なのだと、たぶんユイは気づいたはず。

 

放送終了後、水口から電話がかかってきた。

見たよ。うん。セリフなかったね。
でも、そういうのはよくある事だから。

そうなんですか？

台本ちょっと長かったからカットされちゃう気はしてたんだよね。

 

しかし、アキにはそんな風に前向きには考えられない。

ユイにはダサいと言われ…。
ユイを引っ張るという目的は失われ…。
故郷に小さな錦を飾るという夢も破れた。

 

４０回もＮＧ出したからですよね。

アキちゃん、いちいちそんなふうに考えてたら芸能界じゃやっていけないよ。

で、元気？
みんないつもと変わらない？
いつこっちに帰ってこれるかな？……

 

アキの電話は切れていた。
携帯を見つめる水口。

 

ううう…切ない……。
おら的には昨日よりも今日の方が断然切ない。

だって、アキの気まずさが伝わったもん。

いつもバカ騒ぎしているみんながさ、騒げば騒ぐほど、絶望のシーンが悲しくて。

たぶん、みんなにとっては小さなことでさ。
その後もバカ騒ぎは続いているのだし気にもしてないよ。

でも、アキの絶望の深さは伝わった。

もういっぱい絶望してきてさ…この出演シーンが最後の砦だったのに。

 

それでも。

わずか1秒、アキがドアから顔を出すシーンを何度も再生して大喜びする夏ばっぱ。

アキだ！アキだ～。

これにまた泣けてしまった…。

お祖母ちゃんって、本当に何て有り難い存在なんだろ。
孫の姿を見るのがただ嬉しくて、何も余計な事を考えずただ応援する。

ほら…
こんな身近に一番のファンがいるじゃないか。

 

アキ、このまま辞めたらいかんわ。

 

…つづく。

 

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