うわぁ……処分が下るのは女子学生だけか。
初っ端から理不尽。
本当に何て法律だ、これ。
寅子(伊藤沙莉)たちの法廷劇の幕が上がるが、男子学生・小橋(名村辰)らの妨害によって中止に追い込まれる。騒動は新聞にまで取り上げられてしまい、今後は女性らしいふるまいを、と学長(久保酎吉)からも注意を受ける。足をけがしたよね(土居志央梨)を住み込みで働くカフェーに送った寅子たちは、よねが働きながら弁護士を目指していること、貧しい生い立ちと男装の理由、そして世の中を変えようしていることを知る…
あらすじ は 公式サイトより引用
連続テレビ小説「虎に翼」第3週「女は三界に家なし?」第13話
感想
男子学生は、あんなに馬鹿でも注意もされないのだろうか。
男尊女卑の時代なので「魔女」など許されず、出すぎた杭を打つ野次は飛んだだろうと思われる。
けれども、この人らは「法を学ぶ」人たちですよね。
もっと頭良さそうな野次は飛ばせないん……。
処分
法廷劇は中止となり…。
この一件は当然新聞で格好のネタとなりました。
竹中記者がちょうど来ていたからね。
褒めてくれるとは思わなかったけれど、
『魔女部大乱闘』『女が法廷に立つとはこういうことか』
嫌な感じに書くよね。
まぁ新聞とは今も昔も世論を作るもの。
戦時中は国民の意識は大いに「作られた世論」に左右された。
今、この時は「女は男の下でいるべき」という世論が必要だったのだろう。
どんな内容だろうが、娘が出ている記事は喜んでスクラップする父さんには愛を感じる(笑)
よねさんが小橋を殴ってしまったので、穂高先生のひと言で劇は中断。
せっかく練習した毒饅頭殺人事件はお蔵になってしまった。
しかも、呼び出されたのは女子学生だけ。
話し合いの結果、君たちの処分が決定した。
学長、小橋の方はきっとお咎めなしなんだよね。
なぜ我々が罰せられるのです?
とにかく今後は女性らしい振る舞いをだな…。
はて?女性らしい振る舞いとは?
個人的には、男子らこそ法学生らしい振る舞いをしろよと思うわけだが、これはもう、どんな暴君だろうが処分されるのは女性の方なんだよね。
よねさんが言っていた、民事訴訟を起こしても女性の訴えは認められない。まさに、これ。
それを重々分かっていたのに小橋に殴り掛かってしまったよねさん。
しかも、こっちのダメージの方が大きい……。
暴力を振るったのは私です。私だけがその処罰を受ければいい。
と、みんなを庇ったものの、ダメージのデカさで結局、みんなに送られて家……であるカフェへ帰ることに。
「処分」は、お預けかしら……。
よねさんの生い立ち
よねさんが暮らす「カフェー燈台」のマスター、増野さんは、明るくてフェアな人格の男性っぽい。
聞く?彼女が何で弁護士を目指したか。
あんまり楽しい話じゃないよ?
まあ、でも、よねちゃんがどんなしんどい目に遭ってきたか分かってもらえたら彼女にとっても…。
と言うのを
いえ、やめておきます。
と制する寅子。
よねさんの話をよねさんがいないところで、よねさんじゃない人から聞くのは違うと思うんです。
こうやって、色んなエピソードに寅子という人物の骨格を組み込んでいくのは上手いよね。
怪我を押して、開店準備のために奥から出て来た よねは自分の口で語り始めた。
ありふれた話だ。
私は百姓の次女。朝早くから山で薪取り。昼過ぎからは水くみや畑仕事に弟たちの子守、夜は内職。姉ちゃんと2人で何でもやった。
自分を父の暴力から庇ってくれていた姉は、15で売られ、残った自分も15にならない内に売られそうになった。
そこで、よねは逃げ出したのだという。
そして姉を頼って「カフェー燈台」へ辿り着き、髪を切り、ボウイとして働くことになった。
この辺は、ラッキーだったのでは、と思うのだ。
女給になるにはプライドがあり、嫌なことはしたくなかった。
「カフェー燈台」の店長はこの時代では稀に見るフェアな男。
「たぶん」手を出されることもなく、よねはカフェーで住み込みで働くことが出来た。
しかし、自分を庇ってくれていた優しい姉が置き屋のあるじに騙されて、体を売った金を胡麻化されていることが分かる。
当然自力では解決できず、よねは初めて自分の身体を売ることになる。
でも、よねさんのお姉さんの場合、その……。
「体を売る行為は公序良俗に反する行為でありそれに関連する契約は全て無効とみなされるから金銭請求などしても敗訴する場合が多い」だろ。
ええ…。
本来なら泣き寝入りだ。
でもその弁護士は違った。
厭らしい弁護士だが、腕は確かだったらしく、よねは姉の金を取り戻すことが出来た。
法に勝る力なしってね。
金は取り戻したが、置屋には居られなくなった姉さんは男とどこかへ消えたという。
金をばらまき泣き崩れるよねさんだが……。
お金は大事だよぉ……。
よねさんは、この時、法科女子部の存在を知る。
私は欲しい。
今の私のままなめ腐ったやつらをたたきのめすことのできる力が…。
手元に残った金は勉強のために使うことになる。なんという有意義な自己投資。
こりゃ、絶対に弁護士にならなきゃね。
しかし……。
だからと言って、「他人の本気」を下に見るのはこの人の良くない傾向。
ここは、みんなで切り抜けないと。
ところで「みるはち」では、あなたのベスト朝ドラ投票所 をリニューアル。よろしければぜひ。
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虎に翼 キャストとスタッフ
キャスト
猪爪寅子 – 伊藤沙莉
猪爪はる – 石田ゆり子
猪爪直言 – 岡部たかし
猪爪直道 – 上川周作
猪爪直明 – 三山凌輝
猪爪(米谷)花江 – 森田望智
佐田優三 – 仲野太賀
山田よね – 土居志央梨
桜川涼子 – 桜井ユキ
大庭梅子 – 平岩紙
崔香淑 – ハ・ヨンス
轟太一 – 戸塚純貴
花岡悟 – 岩田剛典
桂場等一郎 – 松山ケンイチ
穂高重親 – 小林薫
桜川寿子 – 筒井真理子
桜川侑次郎 – 中村育二
笹山 – 田中要次
竹中次郎 – 高橋努
久保田聡子 – 小林涼子
中山千春 – 安藤輪子
雲野六郎 – 塚地武雅
増野 – 平山祐介
星航一 – 岡田将生
汐見圭 – 平埜生成
稲 – 田中真弓
久藤頼安 – 沢村一樹
多岐川幸四郎 – 滝藤賢一
語り – 尾野真千子
虎に翼 スタッフ
◆放送期間 : 2024年4月1日 ~ 2024年9月 日(予定)(全120回)
◆制作 : NHK(AK)
◆平均視聴率 : %
◆制作統括 : 尾崎裕和
◆プロデューサー : 石澤かおる,舟橋哲男,徳田祥子
◆演出 : 梛川善郎,安藤大佑,橋本万葉
◆脚本 : 吉田恵里香
◆音楽 : 森優太
◆主題歌 : 米津玄師「さよーならまたいつか!」
『虎に翼』各回リンク