ツヤさんが今さらバレることを心配しているのにはビックリしてしまったわ。
本当に無策で送り出していたんだねぇ。じゃあ六郎も本当にただのおまけ……。
実家のある香川で法事に出席していたスズ子(趣里)だったが、そこでの様子のおかしさに叔母の大西タカ(西村亜矢子)を問い詰める。タカは、スズ子が次郎丸家の子供で、亡くなった菊三郎と女中のキヌ(中越典子)の娘だったとの事実を告げる。取り乱したスズ子は、実母であるキヌが住む家へと向かう。一方、大阪では、スズ子が本当のことを知ってしまうのではないかとツヤ(水川あさみ)と梅吉(柳葉敏郎)が心配していた…
あらすじ は Yahoo!テレビ より引用
連続テレビ小説「ブギウギ」第5週「ほんまの家族や」第21話
感想
大人たちの対応がちょっと酷いのぉ。
もっとも、この当時ではスズ子も立派な大人だろうけれど。
六郎くんはどうなのよ。傷ついていない?
な~んも知らなんだことにしてくれん?
タカ叔母さんは言うのだつた。
さっき、お焼香するとこ覗いとった女の人おったやろ。髪をこないして丸めて。あれがキヌさんや。あんたを産んだ人や。
キヌさん、今は隣の村の西野さんというお百姓に嫁いどる。
菊三郎さんの法事だけは顔出させてもろうとるみたいやけど、白壁はキヌさんをええように思うてないけん。
今のスズ子にこんなん言うんは酷やけど、
な~んも知らなんだことにしてくれん?
いやぁ……。
それは、酷すぎるでしょ。
みんなで秘密作って、黙ってて、ドタバタに巻き込んで「な~んも知らなんだことにしてくれん?」って、どういう大人だ。
知らん…。
ワテ……知らん。
スズ子はそのまま家に帰ってこなかった。
捜さんでええ。大丈夫じゃ。おなかが減ったら帰ってくるわい。
食べながら待つしかない。こっちもおなかがすいとったらろくなこと考えんけん。ほら、食べるわい。
とトシばあちゃん。
悪いことが起きても人は食べて笑顔に……という話もあるし、それで解決することもあるけれど。
本当に食べてる場合じゃない事態という時もあるし、今はそういう事態だと私は思うで……。
少なくとも、大西家の人たちは、もう少し責任を感じるべきでは……。
その頃、大阪「はな湯」では、ツヤさんが香川の様子を心配していた。
落ち込むツヤさんを「大丈夫やて」と元気づける梅吉さん。
いや、あんたら、存外大丈夫やないで……。
生母との対面
スズ子は、タカ叔母さんから聞いた「隣の村の西野さんというお百姓」という言葉だけを頼りに、生みの母に会いに行った。
まぁ、私でも行くと思う。もう一生ここへ来るかどうか分からないし、なぜ自分を育てられなかったのかという話も聞きたい。
家はわりと簡単に見つかり、キヌさんにも容易に会う事が出来た。
2人の幼子の母。恐らくスズ子の弟である。
キヌさんは白壁の家でお女中をしていて若旦那と恋仲になったらしい。
どうしたらええのんか……分からなんだんよ。
あんたがおなかにおって、白壁の家も出ていけ言われて、実家からも追い出されて…。
途方に暮れていた時に実家に戻っていたツヤさんに会った。
うちんくで一緒に産んだらええ。
ツヤさんはそう言って、キヌさんを家に連れてきてくれた。
出産後も子どもをどうしたらいいか迷っていたキヌさんに、ツヤさんは言ってくれた。
この子はワテが育てたる。一人も二人も一緒やけん。毎年一度は連れて帰ってくる。そん時は思いっきり抱いたって。
ほんで、あんたが育てられる思うたら、その時はすぐにこの子を返す。
なのに、ツヤさんは生活に追われて何年も実家に帰れなくなり、スズ子はずっと大阪のまま。
「顔向けできん」は、そういうことだったのね。
今は隠す必要もない幼い子供を思い切り抱いてあやすことができるキヌさん。
子守歌は、ツヤさんがスズ子に歌ってくれていたれんげの歌。
あれは2人の母の歌だった。
れんげ摘もか たんぽぽ摘もか
今年のれんげ よう咲いた
耳に鉢巻きスッチョチョンのチョン
もひとつまわしてスッチョチョンのチョン
今のスズ子には残酷な光景。
しかし、キヌさんは帰りかけたスズ子を追いかけてきてくれた。
これもろうてくれん?
菊三郎さんの形見や。
がいに高いもんらしゅうて、もしもの時何か困ったことがあったら金にでもせえ言うてくれたんじゃけど……。
ずっとあんたにあげたい思うとったんよ。
ウチ、アホやからこんなことぐらいしか考えられんけん…。
あんたがどれだけ驚いて傷ついたんか、よう考えもせずベラベラ話して……堪忍な。
「ゆたか」と名付けられた男の子に
「お母ちゃんのこと悪う言うたら許さん」
と言われていたけれど、つまり、お母ちゃんはこの村ですでに「悪く」言われ続けて来たんだよね。
白壁の女中が子をはらんで追い出されたという話はそこら中のネタ話になっていたのだろう。
そんな中を耐えて生き抜いてきて、今は自分の手で堂々と抱ける子供たちとの時間だけが、きっと癒し。
そんなくたびれた女を中越さんがものすごく上手く表現されていて、ちょっと泣けてしまった。
もっとも……
大好きな風呂屋の家族が自分の血筋ではなかったと知ってしまったスズ子の傷は、生母の事情がどんなに辛かろうが癒えることは無いけれど。
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ブギウギ キャストとスタッフ
キャスト
花田鈴子 – 趣里(子役時代:澤井梨丘)
花田梅吉 – 柳葉敏郎
花田ツヤ – 水川あさみ
花田六郎 – 黒崎煌代
大西トシ – 三林京子
橘アオイ – 翼和希
大和礼子 – 蒼井優
白川幸子/ リリー白川 – 清水くるみ
桜庭辰美 / 桜庭和希 – 片山友希
秋山美月 – 伊原六花
股野義夫 – 森永悠希
林 – 橋本じゅん
大熊 – 升毅
易者 – なだぎ武
アホのおっちゃん – 岡部たかし
アサ – 楠見薫
熱々先生 – 妹尾和夫
ゴンベエ – 宇野祥平
三沢光子 – 本上まなみ
タイ子 – 藤間爽子
ハット – 福徳秀介
コック – 後藤淳平
茨田りつ子 – 菊地凛子
羽鳥善一 – 草彅剛
羽鳥麻里 – 市川実和子
小村チズ – ふせえり
伝蔵 – 坂田聡
松永大星 – 新納慎也
辛島一平 – 安井順平
中山史郎 – 小栗基裕
一井 – 陰山泰
小林小夜 – 富田望生
大林林太郎 – 利重剛
藤村薫 – 宮本亞門
村山愛助 – 水上恒司
村山トミ – 小雪
坂口 – 黒田有
西野キヌ – 中越典子
治郎丸和一 – 石倉三郎
二村 – えなりかずき
五木ひろき – 村上新悟
山下達夫 – 近藤芳正
語り – 高瀬耕造
ブギウギ スタッフ
◆制作 : NHK(BK)
◆制作統括 : 福岡利武,櫻井壮一
◆プロデューサー : 橋爪國臣
◆演出 : 福井充広,二見大輔,泉並敬眞,鈴木航,盆子原誠
◆脚本 : 足立紳,櫻井剛
◆音楽 : 服部隆之
◆主題歌 : 中納良恵・さかいゆう・趣里「ハッピー☆ブギ」
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