NHK朝ドラ【あまちゃん】第103回 感想

事務所を解雇されたアキ（能年玲奈）を助けようと、北三陸からやってきた春子
（小泉今日子）は、すし屋へ。
鈴鹿ひろ美（薬師丸ひろ子）と春子との対面は空気が張りつめ、秘密を知るアキや水口
（松田龍平）はヒヤヒヤ。
春子は、夢をあきらめた自分とアキは違うこと、地元でいかにアキが愛されているかを
語り、鈴鹿にアキのアイドルとしての資質を問う。
その問いに鈴鹿は…。

(上記あらすじは「Yahoo！TV」より引用)

連続テレビ小説「あまちゃん」第103話「おら、地元に帰ろう！？」

　　　　　

 

赤いロンスカ引きずってキャリーバッグをガラガラ引きつつ東京に出てきた北三陸の女・春子。

向かった寿司屋の中ではその娘・アキのお別れ会が行われている。
主催者は20年前、自分が挫折する切っ掛けとなった女・静御前@鈴鹿ひろ美。

 

じぇじぇじぇじぇじぇ！……

もう「じぇ(‘j’)/」しか出ないアキである。

 

…と、いうことで…決戦の１８週の幕開け。

 

挨拶もなく座席に上り込んで来て「ビール頂戴」と一言言う春子。

ママです…。

恐る恐る鈴鹿ひろ美に春子を紹介するアキ。

 

鈴鹿ひろ美にビールを注ごうとしてコップに手蓋される春子。

ここは…一般人になんか注がせないよ、という大女優のプライド？

飲んでいた焼酎のグラスを差し出して自分から春子に乾杯しつつ挨拶する。

 

初めまして。

あっ…初めまして…。

座敷の緊迫する空気に耐えられず、カウンターに逃げて様子を窺う水口。

もちろん…審判のように2人の間に座って顔色を窺いながら小さくなるアキも同じ。

 

娘がお世話になって…。
ホントはもっと早くにご挨拶に伺うつもりだったんですけど、なかなか…。

いえいえ～お住まいが遠くていらっしゃいますもんねぇ。

遠いって言っても、盛岡まで出れば新幹線で２時間半なんですよ。ええ。

まあ…そうなんですか。

ええぇぇ。２時間半なんですぅ。

２時間半で。

ええ。ご存じかと思ってました。
静御前やってらっしゃいますよね？
あれって…確かぁ…岩手が舞台でしたよねぇ？

でも……京都で撮ってるんです。くふふふ…。

あ～ら、そうなんですかぁ。

第一、静御前の時代に、新幹線なんてございませんもの！
キャハハハハッ！ハハハハハッ！

ホントだ。フフフフフフフフフ…。
ビール頂戴！

 

はい！

 

びくびくするカウンター。

 

ずっとビールでいく気かな…。

鈴鹿さんもああ見えて焼酎1本空けてますからね。

 

すてきな声だわ。

突然、爆弾に触れるような事を言い出す鈴鹿ひろ美。

 

え？

歌手、目指してらしたんでしょ？

春子にビールを注いでいたアキの手がビクッと弾かれたように止まる。

 

私と似てる気がする。声が。
ねえ天野さん、似てるわよねぇ。

に　て　ま　せんよぉぉ。

似てるわよ！

似てないと思いますけどぉ？

あれじゃない？自分の声って、ほら、自分じゃ違って聞こえるじゃない？
客観的に聞いたら似てるわよ。ねえ大将！

春子の声が、どんどん太くどす黒くなってますけど……。

突然自分に振られて肩をすくめて見せる大将。
　　　

 

何それ。デ・ニーロのつもり？腹っ立つ…。

はっ…何の話してたんでしたっけ？

録音したら分かるわよ。似てるわよぉ、きっと。

怒りを抑えていきなりアキに話を振る春子。

どうなの？アキ。ちゃんとやってるの？

「ちゃんとやってるのぉぉ？」←春子のマネらしい
ほらねっ、そっくり！きゃハハハハハハハハッ！
………ごめんね、しつこいわよ、ね。

さすがにぶち切れそうな春子に気づいたらしい。

やってましたよ。もちろん、立派に。
だから辞められたら困っちゃうの。
天野さんがいないと私…迷惑メールの拒否のしかたも分からないんだもの。

そんな事、褒められてもうれしくないんですよ。
付き人としてじゃなくて、アイドルとしての資質の話です！

正直、分かんないんですよね。親の欲目もありますし。

…自分の娘は、かわいいものよねぇぇぇ。
イヤミか？これはイヤミなのか？

まあ、離れて暮らしてるしね。
だからちょっとぉ…その…安心してた部分もあって。
鈴鹿さんが…その、アキの親代わりじゃないけど…。

「親っ、代わり」？

…じゃないけど。

私が？天野さんの親！？
何で？何の因果でぇ？

めっさ本気で真剣にツッコんでくる鈴鹿ひろ美…。
本気でイヤそう。

「…じゃないけど」って言いましたよねぇ！？ちゃんとねぇ！

鈴鹿ひろ美の剣幕に、ちょっと焦って引く春子であった。

 

困るんです。
そういう過剰な期待…。

あなたがそうだとは言わないけど…
厚かましいのよねぇ、ステージママって。
付き人なんだから、面倒見てもらって当然だと思ってるのよ。

ステージママ！？

あなたがそうだとは言ってないけどね！

私が？アキの？ステージママ！？

だから！あなたは違うのよ！

ステージママ～！？

 

叫ぶ春子と怒りを抑え切れない空気の鈴鹿ひろ美…。

アキは止めた。頑張って止めた。

やめてけろ！ママ！

鈴鹿さんとおらは確かに親子ではねえ。
何つうか…友達っつうか…。

はぁぁぁ友達！？

と、びっくらするおらだった…が、鈴鹿ひろ美はさらにビックリして見せてくれた。

 

友達！？

いやいや…。

私の事！友達だと思っていたの！？
だから、ずっと、タメ口だったの！？

いやいやいや！「友達っつうか」って言ったべ！？

だったら払ってよ！たまにはお寿司おごってよ！
友達でしょ～～～！？

寿司皿を持ち上げて天野母子に見せつける鈴鹿ひろ美……。

いやぁ～ほんっと図々しい親子だべ…とは思うが…もう子供の喧嘩みたいだべ。

 

大皿を受け取って春子は茫然と言う。

…つうか辞めんの？

え？

さっき辞められたら困るっておっしゃいましたよね。
あんた辞めんの？付き人辞めちゃうの？

そうですよ。
だから、今日はねぎらいの宴だったんです。

辞めんのぉぉ！？

カウンターの水口に向かって攻撃が始まった。

え？

突然振られてアタフタと立ち上がる水口。

…ええ。もともと太巻さんの紹介でいろいろ勉強させて頂いてましたので…。

そして、ついに立ち上がってやさぐれヤンキーっぷりを見せる春子。

 

太巻さんのとこクビになったらこっちもお払い箱なんだぁ。

彼の事、ご存じぃ？

自分のコップに焼酎を注ぎながら無邪気に聞く鈴鹿ひろ美。

 

知　っ　て　ますとも！

立ちポーズでアキと水口を睨む春子。

有名人ですもんねぇぇぇ。本も読みましたよ。

やっとまた座る。

あれ、何だっけ？

「太いものには巻かれろ」とか
「続・太いものには巻かれろ」とか
「細いものには巻かれない」とか
「巻かれて太くなれ」とか！えぇ～！

どれも…自慢話でしたけどねぇぇ。

 

ははははははは……
ビール頂戴！

大将……悪いんだけど、今日貸し切りで…。

とっくにそうしてますけど。

こんなムードじゃ握れねえよ。

 

座敷を見ながらただビクビクするカウンターの男たち…。

 

…ていうか、何なんすか？あの２人。
何であんなにギスギスしてんすか？

事情を全く知らない種市先輩にとっては、ただ座敷が恐い。

それは……神のみぞ知るだ。

大将は…気づいてるのかなぁ…。
聞いてるようで意外と聞いてないからな。

 

鈴鹿ひろ美から、なぜ東京に来たのか聞かれて、春子は居ても立ってもいられない
気持ちを真剣に話した。

「帰ってきたら後悔する」と娘を止めた事も。

 

私がそうだったんですよ。
つまんない、ホントにつまんない事で歌手の道を諦めたんです。

それは、ある人に言われた、「ここで話題にする気にもならないほど」「ささいな」
あるひと言がきっかけだったんですけど…。

その方のその言葉が私、どう～～しても許せなかったんです。

分かるわ。
誰に何を言われたか知らないけど、許せない事ってあるわよ。誰にでも。

 

知ったような顔で無邪気に話す鈴鹿ひろ美の一言一言に、ビクビクするアキと水口。

 

要するに、あなたは過去の傷を引きずってらっしゃるのね。
今も後悔してらっしゃるのね。

…ぜんぜぇぇぇん。

あら。

１ｍｍも後悔なんかしてません。

あら、まあ、迷路だわ。

 

春子…話し方が完全にヤンキーになってるＹＯ！(‘j’)/

あそこで見切りをつけたから結婚してアキが生まれたんです。
むしろ、あなたには感謝してます！

私に！？

 

じぇじぇじぇじぇ……と、春子もさすがに思ったのか…
水口とアキの方に目が泳ぐ。

うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!
うわーーーーーーーーー!!!!!!!

突然立ち上がって窓の外に向かって叫び出すアキに驚く鈴鹿ひろ美。

 

なななななな何よ！

すいません！何か、もう、極度の緊張で叫ばずにはいられませんでした。

あ～あぁぁぁすっきりした！
はははははは……ああ…よかった……はははははは。

 

ビックリした、とアキを叱る鈴鹿ひろ美。

この緊張を理解できるのはアキと水口のみ…。

 

電話したんですよね、ゆうべ。

ああ、そうそうそうそう。
今　諦めたら後悔するって言いました。

ご自身は後悔してないのに？

ええ。

娘は後悔するって言うの？

娘がしなくても私がします。

天野さんが？

はい！
この子、すごいんですよ。少なくとも私とは全然違う。

はっ…ごめんなさいね、親バカで。

 

ここから春子が話す事は…全く親ばかで我が子称賛だ。

鈴鹿さんの前で言うのも変なんだけど、どんなに歌がうまくてもお芝居が上手でも
それだけじゃアイドルになれないでしょ？

う～ん、何かこう…！私には分かんないんだけど！何かがある訳でしょ？

ねえ、大将！

突然振られて握っていた寿司を飛ばす大将だった。
　　

 

そのね、何かが！何なのか私自身が知りたいんです。

アキはアイドルだったの。
小っっさい田舎のしょうもない町だけど、そこでは間違いなくアイドルだったんですよ。
ねえ種市君！

はいっっ！

アキ称賛が止まらない春子。

みんなの期待を一身に背負って出てきたの。
だからみんな私に声かけるの、今でも！
「アキちゃん元気？どうしてる？」もうとっくにいないのによ。

それってアイドルでしょ？
そこにいないのに、みんなの心にアキがいるって事でしょ？

 

鈴鹿ひろ美は、そんな春子の熱演をじいっと微笑みながら聞いている。

 

そうね。

「そうね」って…。
無理に分かって頂かなくて結構ですよ！

確かに、あなたの娘さんは一緒にいて楽しいし、度胸もあるし……。

アキの顔を覗き込む鈴鹿ひろ美。

お顔だって、かわいいし…。

うわ～！

頭を抱えて「誉められ慣れていない」叫びをあげるアキ。

 

こんな感じだけどアイドルの資質、あるかもしれません。

でもね、お母さん。…

鈴鹿ひろ美は正面の春子を見据える。女優の顔。

そんな子は、ごまんといるんです。
原石なんかゴロゴロ転がってるの！

そんな中で、磨いて光るのは、
たった一個、なんです。

人差し指を立ててそう言い切る鈴鹿ひろ美の迫力に黙り込む春子。
そして、下を向く水口とアキ。

 

春子がなぜここでこんな事を言い出したのか…。

本当にそんなにアキの事を買っていたのか…。
鈴鹿ひろ美に対抗したくて口から出ちゃったのか…。
結局は自分の夢を託しているのか…。
主人公マンセー発言なのか…。
単なるホントの親ばか発言なのか…。

それは、明日にならないと、たぶん解らない。

 

しかし、アイドル全般に関して言えば、鈴鹿ひろ美の言う事がたぶんとっても正しい。

アイドルとして、あるいは俳優としてでも歌手としてでも…

原石はゴロゴロ落ちている。
地元アイドルなんてそもそもそこら辺にいくらでもいる。

それがこの世界で通用するかどうか。

それは才能であると同時に、オーラだったりタイミングだったり…「運」であり、
地元で光っているから特別だと考えるのはやっぱり親ばかでしかないと思うの。

 

そして、鈴鹿ひろ美が立てた人差し指1本。

この1本が鈴鹿ひろ美であり…ゴロゴロしてるのが春子だったんだよね。

今、鈴鹿ひろ美はその事を天野春子に言い聞かせ、見せつけているのだった。

 

これはね、意地悪ではないと思うんだよ。

そう言ってやらなきゃ夢を託すことをあきらめられない親が今もその辺にゴロゴロ
いるわけで…そして、鈴鹿ひろ美には春子がそういう親に見えている。

言って目を覚まさせてやりたい気持ちも解るんだ。

 

でも、実際にはこの人たちの間には、もっっっと複雑な関係があるんだけどね。

 

鈴鹿ひろ美だけが事情を知らないから、空気を読めない数々の発言に
ハラハラドキドキしっぱなしの15分だったわけだけど…。

 

これ、鈴鹿ひろ美がもしも、全て知っていて演じているとしたら、それはそれで
鳥肌もんだよね。

 

だって。
太巻をここに呼んだ理由もまだ読めないわけよ。

クレーマーステージママを言い負かす助けが欲しかったから？

普通に考えればそれだけど…。
もしかしたら、全て知っているから…呼んだのかもね…。

と、一応、今はそう思っておく。

 

しかし、面白かったわ。

大女優・鈴鹿ひろ美と、アイドルになりそこねた影武者・春子の全く引かない一騎打ち。

これ、先週出てきたアキの夢のシーンの現実再現だよね。
正夢だったわけだ。

 

そして……

誰かが店に入ってきた気配に気づいて叫び声を上げるアキ。

じぇじぇじぇじぇじぇ…！

社長！えっ…何で？

こっちのセリフだ。　

とっても偉そうで、とっても迷惑そうな太巻。

 

しかし…。

初めまして！
天野アキの母です。

 

という声を聞いて驚く辺り…。
春子がここにいることは聞かされずにやってきたって事なんだね。

 

娘が大変お世話になりました。

私が呼んだの。

 

楽しそうな鈴鹿ひろ美。

 

太巻が加わって、ますます悪夢的な様相を見せる無頼鮨……。

 

～♪　ちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃ
　～♪　ちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃちゃ
　　　　～♪　ちゃっちゃっちゃっちゃっちゃんっ　!!～♪　

 

…で、続く。

明日まで待てないっっっ!!!!!

 

「天野春子」の『潮騒のメモリー』は7/31発売！すでに予約でいっぱいみたい…。

 

こんなんも出るよ。すごいね。「春子の部屋」～あまちゃん 80’s HITS～
　　

 

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