【半沢直樹】 第3話 感想

何も知らなかったらそれで許されると思うなよ。
そもそも小木曽の言いなりで最初から結果ありきの裁量臨店を行ったあんた達
融資部の責任はどう取るつもりだ。
この3日間で私達をののしった全ての発言を謝罪してもらいましょうか。

今、この場でだ！

 

半沢直樹　第3話

　　　　　　

 

簡単あらすじ感想で。

 

東田の海外不動産差し押さえを報告なしで行い失敗したことを支店長・浅野と副支店長・江島に
ののしられる半沢。

 

半沢君、そんなに好き勝手やりたいなら、どこか田舎の小さな会社に出向をお勧めするよ。
そこで自由に伸び伸びやりたまえ。

せっかくですが、私はこの銀行に骨を埋める所存でおります。

それを決めるのは君ではない。
まあ、明後日の臨店ではせいぜい…。

臨店？ 何の話です。

寝ぼけるな。半沢。
明後日、裁量臨店があると言ったろう。

 

そんな話はもちろん聞いていなかった。

本部から検査役が来て融資に対する与信判断が正しく行われているかどうかを
審査する「裁量臨店」。

通常は通達が事前に来て1週間は準備期間があるはずだった。

急に伝えられ、急いで準備しなければならなくなった半沢。

恐らく狙いは私です。
検査役の中には浅野支店長の息のかかった連中もいるに違いありません。
何でもいいからあらを探して、私を飛ばす理由にするつもりでしょう。

半沢は竹下にそう話した。

竹下は、東田が隠れていたマンションの持ち主を調べ上げていた。

 

小村武彦。

どこかで…

せやろな。10年ぐらい前、関西圏にその名をとどろかせてた小村建設の会長や。

ああ確か数億円の献金疑惑が浮上して解任された…。

そや。

そんな男のマンションにどうして東田が？
2人はどういう関係なんです？

東田の別れた嫁はんがな、小村の遠縁になるのや。
二人が近づいても不思議はないわな。

 

そうなると、今でも小村が所有する不動産の何処かに東田が住んでいる可能性は高い。

一軒一軒調べている時間はないので、半沢は直接小村に会って聞くことにした。

 

小村は大病を抱えて入院中であった。

ベッドの上で、

銀行がどんだけ痛がっても、俺の言うことは一つや。
ざまあみさらせ！

と悪態をつく小村。

小村は末期の病を抱えており、自分の面倒を見ると言って来た東田に不動産を任せたらしい。

その途端、ピタッと顔見せんようになりよった。

そんなん、あんたの財産目当てに決まっとるやないか。

ああ、そうや。はッ！
けどな、わしに寄ってくるやつはみんなそういうやつばっかりや。
なにもあいつだけが特別やない。

せやから、もうええのや。どうせ長うないしな。
人がどうなろうと知ったこっちゃないわい。

 

孤独でひねくれた老人。
この男の口から東田がいそうな場所を聞きだすのは難しそうだ。

半沢は、とりあえず裁量臨店の準備を始めることにする。

検査されるとまずい資料は会社から自宅に引き上げてきた。
書類の山に目を丸くする妻の花。

 

今回の裁量臨店は浅野支店長が俺を追い詰めるために仕組んだことだ。
隙を見せたらこっちがやられる。

支店長相手に勝てる見込みなんてあんの？

 

前日、半沢は渡真利から連絡を受けた。

今回の臨店を裏で仕切ってるのは浅野支店長。
表で部隊を仕切るのが浅野の子分・小木曽。
灰田って野郎も小木曽の腰巾着だから要注意だ。

加納さんと寺内さんは中立だが、小木曽の言いなりなのは一緒だ。

それから、あともう一人。
予定してたメンバーが急に行けなくなったとかで、突然俺が代打指名されたんだが、
最初から決まってたんじゃないかと思う。

お前と親しい俺を入れることで、お前を油断させてペースを乱すそれが狙いだろ。

それだけ向こうも本気ってことだ。
なあ半沢、遠慮すんなよ。俺がいようがいまいが言いたいことを言え。

悪いが、今回は俺もお前をフォローできない。
検査役として行く以上、その立場で動かなきゃならないからな。

 

渡真利からの連絡通り、翌日、小木曽が率いる4人がやってきた。

裁量臨店は3日間に及ぶ。
通常は、検査対象となる数十社ほどを無作為に選出するのが原則であるはずだが、
リストアップされた会社はどれも業績が悪化し問題を抱えた取引先ばかり。

意図的に選んでいる事は明白だった。

課長、これは厳しい検討会になりますよ。

と、垣内。

 

初日から中西が担当している赤字企業の改善案試算表が資料の中に入っていない
というトラブルに見舞われ、早速、頭を下げることになる半沢。

半沢は中西を責めなかった。
バツの悪そうな表情のみで言い訳できない中西。

 

その合間にも、半沢は病院の小村を訪ねた。

小村が銀行を憎んでいるのは、昔、不正献金した事を何年も付き合っているメインバンクに
リークされ、会社を追い出されるハメになったからだった。

俺を扱い切れんようになった銀行が部下達にけしかけて、俺が一から築いた会社から
追い出しよった。
それまで散々裏で非合法まがいなことをやらしといて、その責任は全部わしとこへ
持ってきよった。
銀行が、わしを売ったんじゃい！

 

その後も不動産のおかげで金には困らなかったという小村。
しかし、金以外の物は全て失くしてしまったらしい。

誰も見舞いに来ない病室で、だんだん弱って行く孤独と不安に老人は怯えているように
半沢には見えた。

 

裁量臨店2日目。
初日以上に書類の不備が次々と発覚し、半沢は窮地に追い込まれた。

昨日からあれがないこれがないって、半沢課長、部下達にどういう管理指導を
してるんですか？

申し訳ありません。すべて私の責任です。

聞き飽きたよ。
浅野支店長の前で言うのも心苦しいんですが、こんな低レベルの融資課
見たことがありません。

弁明の一つもできないのか？

 

怒鳴り続ける灰田に向かって、ついに半沢は言った。

 

では、お望みどおり弁明をさせていただきます。

我が大阪西支店融資課が融資を実行している企業のうち約7割は安定した利益を
生み出している優良先です。
ですが、今回の検査対象には何故か残り3割の業績不振の業悪先ばかりが選出されて
いるようだ。

何が言いたいんだ。

自分の運の悪さを悔やんでるんですよ。
もし、これが本当に何の意図もなく無作為に選ばれた結果なら、ですが。

我々が故意に検査対象を選んでるとでもいうのか。

私の勝手な思い込みです。どうぞお気になさらないでください。
ただ、今回の裁量臨店には最初から悪意を感じずにはいられません。

 

半沢の言葉に、検査員たちは不快の念を露わにする。

立場はますます悪くなっているように思えた。

 

浅野支店長に呼び出される半沢。

こうなることは予定どおりだったのでは？

私が赤字会社の情報を小木曽君達に教えたと思ってるのかね。

そうなんですか？

さあ。知らんね。
いずれにしろ明日で裁量臨店は終了です。
その結果はすぐに上層部に報告される。

君は、もう、終わりだ。

 

夜、垣内から、今日ないと言われた資料は質疑のまえには絶対にあったと言われ、
不審に思う半沢。

 

裁量臨店最終日。

自らが担当する融資先の資料がまた無いと言われ、半沢はついに立ち上がった。

 

今朝はあったんですが。

おい、今朝ってどういうことだ！

どうも初日から資料がいくつか紛失しているようなので、どのファイルに何の
資料が備え付けられているのかを全部まとめたんですよ。
夜中の1時までかかりましたがね。

高石鉄鋼の議事録が存在することは、このリストが証明してる。
なのに、今ないということは、あんた達こそどういう管理をしてるんですか？

 

我々がなくしたっていうのか？聞き捨てならんね。
こんな侮辱、初めてだ！

 

検査員たちは顔色を変えて怒り出す。

 

ホワイトボードに資料があった証拠の画像をどんどん張りつけていく半沢班。

念のため、今日の朝刊と一緒に早朝に写しておきました。
紛失した議事録もちゃんと写ってる。
これらの資料が今朝までは確実に存在していた何よりの証拠でしょうが。

…だからって我々を疑うのはどうなんだ。

そうですね。私もあなた方を信じたい。
ですから、今、この場で全員の持ち物を改めさせてください。

 

検査員たちが怒りと共に持ち物検査を躊躇する中、突然、渡真利が立ち上がった。

 

何という言いがかりだ！
いい加減にしろよ、半沢！

半沢とは旧知の仲であるはずの渡真利の怒りの声にホッとして同調する灰田。

渡真利君の言うとおりだ！

しかし、渡真利は怒りながら半沢の前に自分のカバンの中身を全部ぶちまけて
見せたのだった。

さあ、皆さん！
潔白を証明するためにもかばんの中身を見せてやりましょう。
やましいところがなければ何の問題もない。
覚悟をしろよ、半沢！

これを切っ掛けに、みんな渋々と自分のカバンの中を見せ始めた。

 

カバンを抱えて見せない灰田から無理やり取り上げて中身をぶち撒ける。

中に入っていたのは…エロ本だった。

 

こりゃ随分とお楽しみだ。
まさか裁量臨店の最中にこんなことをなさっていたとは、随分といいご趣味を
していらっしゃる。

顔がこわばって何も反論できない灰田。

ありません。

と、垣内。

ですが、ご安心ください。
これであなたの潔白は証明された。

さあ、残るは…

小木曽次長。かばんを見せていただきたい！

 

渡そうとしない小木曽。
揉みあう内にカバンの中身が会議室の真ん中にばら撒かれた。

中に入っていたのは…無くなった資料の数々。

驚く一同。

どういうことか説明してもらおうじゃありませんか。

小木曽は少し笑い、それから怒り出した。

 

下手な小細工はやめてくれよ！
誰だ？かばんに入れたの。お前か？お前か？
休憩中に入れたのか？休憩中か？

お前ら、グルになって俺をハメようとしてんだろ。
どうしても私のせいにしたいなら、証拠を見せろよ！証拠を！

すると、ずっと黙りこくっていた中西が手を挙げる。

 

証拠なら…
あります。

臨店初日、私は小木曽次長が資料を抜き取る現場を目撃しました。

 

中西は初日、小木曽が資料を抜き取りバッグに入れるのを見てしまった。

そして小木曽から、喋ったら5億損失の責任を中西にも被せて出向させる。
言わなかったら悪いようにはしない。
と、脅されていたのだった。

 

私は何も知らんよ！
それは作り話だろ！空想だ！
そんな発言は証拠にはならないぞ。さっきから言ってるだろ！
誰もが納得する証拠を見せろよ証拠を！

半狂乱になって叫ぶ小木曽。

 

すると、中西は突然、携帯を前に差し出した。

携帯のスピーカーから流れてきたのは…小木曽の声。

「今さら正義漢を気取るのはやめてもらおう」
「忘れないでほしいが、君はもう共犯なんだよ！」
「持ち出しを止めなかった時点でね」
「大丈夫。黙っててくれれば決して悪いようにはしない…」

 

口をあんぐり開けて、何も言えなくなる小木曽…。

 

まだ何か申し開きはありますか？

小木曽次長。
あんた、人事部のくせに人を見る目がなかったようだな。
私の部下はあんたに手なずけられるほどヤワではなかったということだ。
どこかの誰かとは違うんですよ。

検査員たちはもう何も言えなかった。

 

灰田検査役。あんたは、どこまで知ってたんだ。

俺は何も…。

何も知らなかったらそれで許されると思うなよ。
そもそも、小木曽の言いなりで最初から結果ありきの裁量臨店を行った。
あんた達融資部の責任はどう取るつもりだ。

この3日間で私達をののしった全ての発言を謝罪してもらいましょうか！

それは…改めて文書で…。

今！この場でだ！

渋々、頭を下げる灰田。

 

…すまなかった…。

弁明の一つもできないのか。
情けない男だ。

 

事の成り行きが思い通りに運ばず、これ以上何かあったらまずいという
顔をした浅野が間に入る。

 

もういい！裁量臨店はこれで終わりだ。
この件は私が預かる。

いいえ。そうはまいりません。
このくだらない裁量臨店がなぜ行われたのか、その本当の責任は誰にあるのか、
それをキッチリ追及していくつもりですから。
よろしいですね？ 浅野支店長！

 

浅野は、もうこの件について何も手出し出来ない事を悟った。

 

そんなことより…
今の君は5億を回収するほうが大事なんじゃないのかね？
…まあ、好きにしたまえ。

 

最後のは、もう、ほぼ捨て台詞ですね…。

ぎゃーーーー半沢、またやられっぱなしじゃんか…。

と、結構イラッイライラッイラしながら見ていたので、小木曽の資料隠し発覚シーンは
心の底からすーーっとした～。

この裁量臨店が、もし次週まで引っ張られるような事になっていたら、
イライラして胃潰瘍になるレベル…。　

 

しかし、茶番だねぇ…。
いい大人がやるような事かな、これ。

資料を抜き取ってそのまま自分のカバンに隠しているなんて、本当に危ない事じゃないか。

そして、これ、面白おかしく見ているけれども、顧客の個人情報ですよね。
内部争いのゴタゴタのために顧客の損害にも繋がるような事を平気でやらかすとは、
何という馬鹿な大人たちなんだろう。

こんな人たちに大事なお金を預けたり借りたりしてるのかと思ったら、
本当に恐くなるわ。

土曜日にNHKで放送されている同じ作者の「七つの会議」とは、作風のまるで違う
コミックっぽさ。

これはこれで創作物としては面白い。
見せ場ってものがあるからね。
作品に華があるというか…。

この青年漫画誌に掲載されているビジネス漫画のようなドラマ。
これをコミックから抜け出したようなキャラクターとして演じている役者さんたちが
素晴らしい。

まさに、スタッフとキャスト一体となって作り出している世界。

 

小木曽はこの後、出向になったようで。

うん…小木曽に対しては、これが倍返しした事になるのか？

甘いんじゃないのかなぁ、と思っちゃう。解雇してもいいくらいだ。
顧客の情報を遊びに使ったも同じなんだから。

そして、あのイラッイラッする机バンバンも、何かしらの形で倍返ししてほしかった～。

 

こんな大変な状況の中で、入院している小村の娘探しまでやっていた半沢が凄い。
小村の孤独をちゃんと理解していたんだもんね。

基本は「性善説」。分かる気がする。
返す相手にはキチッと倍返し。
けれども、基本は善人で人の事も信じている半沢。

娘と孫と最期の時を迎えられた小村は、礼として東田の居所を教えてくれる。

 

中西が捻くれた方向に走らずに小木曽の悪事を暴露したのも半沢が温かい目で
見ていてあげたから。

この上司のためなら、自分の利よりも上司の助けになる方を選ぼうと思わせる。

人徳だよね～…。

 

さて…。

東田のやつな、なんや妙なやつとつるんどるみたいや。

 

竹下から送られてきた東田と浅野支店長の楽しそうな密会写真に目を丸くする
半沢であった……。

 

なんだ、これ…。

最初から浅野と東田はつるんでいて、借りさせてとんずらさせて庇っているわけか。

どうりで…担保もなしで5億も貸すなんて、いくら漫画チックドラマでも
あり得ないだろーーー！と思ってたけど…

そういう事か。

いや、この融資が通っちゃったってことは、もっと他の部署にもいるんじゃないのか。
この5億を貸したことに関わった…つまり東田とつるんでいる内部の人間が。

 

※原作ご存じの方の先読みネタバレ的なコメント、ご遠慮下さるよう
心からお願いいたします！
削除させていただく事もありますので、ご了承ください。

西大阪スチールへの融資で焦げ付いた5億円もの金額を、全額回収すべく奔走する半沢
（堺雅人）だが、東田（宇梶剛士）が海外に所有する5千万円の別荘は差し押さえ寸前で
国税局の黒崎（片岡愛之助）に横取りされる結果となってしまった。

そんな半沢を次に待ち受けていたのは、裁量臨店（さいりょうりんてん）と呼ばれる
本部からの内部検査。
しかしその検査は、融資事故の全責任を半沢に押し付けようとする浅野支店長（石丸幹二）
が意図的に仕組んだもので、浅野の息のかかった人事部の小木曽（緋田康人）を中心とした
メンバーで構成されていた…。

(上記あらすじは「Yahoo！TV」より引用)

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※キャスト

半沢直樹 … 堺雅人
半沢花 … 上戸彩

渡真利忍 … 及川光博
近藤直弼 … 滝藤賢一
近藤由紀子 … 山崎直子

大和田暁 … 香川照之

岸川慎吾 … 森田順平
小木曽 … 緋田康人

浅野匡 … 石丸幹二
江島浩 … 宮川一朗太
中西英治 … 中島裕翔
垣内 … 須田邦裕
角田周 … モロ師岡

黒崎駿一 … 片岡愛之助
相模 … 石黒英雄
大塚 … 永岡佑
脇屋 … 岡あゆみ

東田満 … 宇梶剛士
藤沢未樹 … 壇蜜
竹下清彦 … 赤井英和
波野吉弘 … ラサール石井
板橋 … 岡田浩暉

浅野利恵 … 中島ひろ子
江島沙苗 … 田中美奈子
角田美津代 … 中田優子
垣内芳江 … 宇田川さや香

半沢慎之助 … 笑福亭鶴瓶
半沢美千子 … りりィ

中野渡謙 … 北大路欣也

※スタッフ

脚本 … 八津弘幸
演出 … 福澤克雄、棚澤孝義
プロデューサー … 伊與田英徳、飯田和孝
音楽 … 服部隆之

原作 … 池井戸潤 「オレたちバブル入行組」「オレたち花のバブル組」

公式サイト(終了)　http://www.tbs.co.jp

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