【真田丸】第8回 「調略」 感想

北条氏政(高嶋政伸)と上杉景勝(遠藤憲一)。
織田軍が撤退した後の信濃をめぐって、川中島を舞台とした大大名同士の直接対決が迫る。
真田昌幸(草刈正雄)は上杉に臣従したように見せかけ、北条への寝返りを図る。
昌幸の命を受け信繁(堺雅人)は上杉軍に潜入。
旧武田家臣の春日信達(前川泰之)への調略に挑む。
父の期待に応えようと奮闘する信繁。
しかし、昌幸の策には、信繁にも明かされていない真の狙いが隠されていた…

(あらすじは「Yahoo!TV」より引用)     

   真田丸題字.jpg

真田丸 第八話「調略」

「北条は勢いに乗っている。
旧武田領を一気に飲みこもうとしていた。
上杉についた昌幸は、その裏で、
信繁に密命を与えていた。」

  

…ということで。
時は天正10年(1582年)7月。

神流川で勝利した北条の勢いはとどまるところを知らず、家康もオロオロする始末。
   真田丸8-6

我が軍の勢いとどまるところを知りませぬ。
この勢いをもってすれば、上杉はおろか徳川も物の数ではございますまい。

と報告する江雪斎に

先を急ぐな。食べる分だけ汁をかける。
少しずつ少しずつ。

わしの食べ方じゃ。
北条の国盗り、ゆっくり味わおうではないか。

と、ほくそ笑む氏政。
  真田丸8-1

父・氏康の一度にちょうどいい量の汁かけられなきゃ無能論への反抗か…(単なる逸話で史実ではありまへん。たぶん…)

さて。
そんな中、先週、上杉につくと言っておきながら北条へつく宣言した昌幸父は…。

元武田家臣・春日信達の調略のために弟・信尹を上杉に送り込んでいた。

その下で研修を願い出る源次郎。

お願いします。
是非、叔父上の下で調略とは何か学ばせて下さい。

兄上もおかしな事を考える。

と、困惑気味な信尹。

こうして、源次郎は信尹の三男・信春として上杉に潜入した。

春日信達は知っておるな?
父親は香坂弾正。武田家を支えた重臣の一人だ。
武田家が滅んだあと上杉に拾われた。

だが、このところ自分の処遇に不満を持っている。

春日殿を呑みに誘って信尹叔父上の言うことは、割とストレートな愚痴吐かせ。

わしには解せぬ。
なぜ春日殿を海津城の守りに留めるのか。
天下に聞こえた豪傑ではありませぬか。

御屋形様は春日殿を蔑ろにしているとか、本当なら一国一城の主になってもおかしくないのにとか、持ち上げたりすかしたりして本音を吐き出させ、割と早い段階で手の内見せちゃうんだね。

ここだけの話にして頂きたい。
兄・真田安房守は故あって上杉を見限り北条につく事に決め申した。
上杉はもはや死に体。
沈みかけた船からは早く逃げるに限る。
北条につかれよ。

 真田丸8-7

しかし、春日殿はすんなり話に乗って来ず失敗…。

信達が上杉を裏切るとはどうしても思えません。

だが目はある。

なぜ分かるのです?

その気がないなら逆に話を受けたふりをして出ていく。
そして御屋形様に伝える。

もうひと押しだと言う信尹伯父に、その一押しをやらせてほしいとお願いする源次郎。

源次郎、初めての調略。

香坂弾正と真田安房守の子が上杉の城で花を眺めておる。
世の流れとは不思議なものだな。

自分は信尹ではなく昌幸の息子だと告白した源次郎に春日殿は大変喜んでくれたが…
   真田丸8-8

お忘れですか?
北条氏直様は信玄公のお孫でございます。
そもそも上杉は春日様を守ってくれた訳ではありません。
上杉は織田が手放した北信濃を都合よく手に入れただけではありませぬか。
今は地の利を心得ているあなたを駒として敵の目前に置かれているにすぎない!

御屋形様はそんなお人ではない。
もういい!
二度とわしの前でこの話はするな。

怒らせちった……。

人は理屈で固められるとむしろ心を閉ざす。
焦りは禁物じゃ。

という叔父上の有り難い教え。

その頃、真田では…

まだ春日の調略が済んでいないのに、北条に足を運び、

この場を遅れました詫びに本日は土産を持ってまいりました。
敵方の武将、海津城を守る春日信達を密かにこちらに引き入れ申した。

とか言っちゃう昌幸父……ぉぃ…。

北条を侮るか!
春日ごときの力を借りずとも上杉を蹴散らすだけの力を我らは持っておるわ!

と、氏直は偉ぶるが、

武田家にその人ありと謳われた真田安房守殿か!
皆の者!真田殿が加勢して下さるぞ!

春日が上杉を裏切ってくれればそれだけ無駄に兵を失わずに済む。
よう手を回して頂いた。礼の申しようとてござらん。

いやぁ~めでたい!

と、すこぶる真田贔屓で上機嫌な北条組会長・氏政。
   真田丸8-11

ご隠居様がそれほど真田を買うておられるとは思いませなんだ。

真田?大して知らぬよ。

氏直はまだ若い。すぐに天狗になる。
ちょいと手綱を引いておこうと思っただけの事じゃ。

氏政が息子を戒めようと真田を利用してくれたおかげで、「春日信達に海津城を与える」という北条の一筆が手に入っちゃった……ラッキー。

でも、真田劇場だけじゃなく、北条劇場もなかなかエゲつないのだった。
どの家も息子は試されるのな……。

真田では、こうして昌幸が上杉につくと言ったり北条につくと言って出かけたりフラフラするので、

長男は戸惑い……
  真田丸8-9

地侍も誰が敵だか解らなくなる始末。
  真田丸8-10

北条のやつら蹴散らしてくる!

兄様、違います!敵は上杉。

もう分からなくなった。
とにかく攻めてくるやつらが敵じゃ。

「7月14日。
北条軍は上野の国衆を加え3万に近い大軍勢となって進軍を開始。
対する上杉景勝は7千の軍勢をもって海津城に本陣を置いた」

真田の裏切りは当然、上杉にも伝わる。

許し難い裏切りじゃ。
おぬしはどうなのだ?信尹殿。

御屋形様。
兄と弟、常に思いが一つであるとは限りませぬ。

この真田信尹、これまで長年にわたって上杉と真田の間を取り持ち両家の繁栄のためひたすら骨を折ってまいりました。

その苦労も、兄・昌幸のおかげで水の泡でござる。
もう兄には愛想が尽き申した!

そして、源次郎、初めての大嘘。

信春殿。

はい。

そなたはどうじゃ?
父上と異心はないか。

ございませぬ!
父上同様、私も伯父・昌幸にはあきれました!
こうなったからには親子ともども越後に骨を埋める覚悟でございます!

御屋形様は喜んで下さったが……
兼続はめっさ何か勘づいてるっぽい。
  真田丸8-3

ここで、信尹伯父・最後の仕上げ。
春日殿に北条につけば海津城を正式に返してくれるって言ってるよと進言。

北条を勝利に導いて、父上の海津城を取り戻せ!
亡き父上もそれをお望みのはずじゃ。

もちろん……
「父」の「城」の話に武士は弱いです。

我が父・真田安房守は沼田・岩櫃の城を死に物狂いで取り返しました!
春日様も北条氏直様のもとで海津城を取り戻し。武田の無念を晴らして下さい!
それでこそ父上への面目も立つというものではありませぬか!

と、源次郎も後押し。

これで春日殿は北条へつくことを決めたのだった。

役に立って良かったね源次郎。
信尹叔父上の調略手腕も間近で見られて、とても有意義な研修だった……。

…と、思ったら……

兄上から文が届いた。
春日信達の今後を約束する起請文だ。
北条氏直の花押が入っている。

春日殿、そのそれを見たら喜びますよ。

源次郎…
おぬし、わしのようになりたいと、いつぞや申しておったな。

はい。

これだけは言っておく。
わしのようにはなるな。

うわぁぁぁぁ……春日殿ーーーーーー!!!
  真田丸8-12

磔にされた春日殿に動揺する北条軍。

真田昌幸!これはどういう事じゃ!

どうやら企みが悟られてしまったようですなぁ…。←ぃゃぃゃ、あんたが……

それでも勢いに乗ってこのまま上田を責めるべきと進言する昌幸に逆らい、甲斐へ向かうと言い出す氏直くん。

御屋形様、戦は引き際が難しいもの。
下手をすると追い討ちをかけられ総崩れになりますぞ。

ならばしんがりはそなたに任せる。
真田安房守、少しは役に立て。

  真田丸8-2

うまく操ったな。

北条氏直、分かりやすい男よ。
わしの逆の事しか言わん。

こうして、北条軍はコースを変更して甲斐に向かい、同時に上杉は家臣・新発田重家の反乱鎮圧のために越後へ戻っていった。

そして突然自分の方角に向かって来る北条にビビる家康。

なぜじゃ?なぜこっちへ来る!
先に上杉を滅ぼさぬか!

   真田丸8-16

その頃、源次郎は感傷に浸っていた。

大好きな叔父上が、北条氏直の起請文を渡しながら、春日殿を刺し殺し…
  真田丸8-4

手伝え。
やつから刀を抜いたように見せかけるんだ!

  真田丸8-13

信尹叔父上の報告により、春日殿は北条の手の者を引き入れているところをやむなく斬られた事にされ…。

わしは春日信達を買っておった。
これは武田の出である事を気にしておったが、わしはそんな事で家臣をないがしろにする男ではない。

上杉を支えてくれる男だと思っておった。
越後では家臣が謀反を起こした。
つくづく人の心は分からぬものだな。

  真田丸8-14

純粋だった春日殿はまんまと「調略」ではなくて「計略」に引っかかったのだった。
景勝様ともども。

そして、源次郎も。

全ては父上と叔父上の考えた策だったんだ。
春日殿を裏切らせ、そして裏切り者として始末させる。

しかし何のために?

そのあげくどうなった?
北条は兵を引き、父上はしんがりとして残った。
そうなるために父上と叔父上は春日殿を利用したんだ。

三十郎。
俺はあの人たちが恐ろしい。

  真田丸8

北条は信濃から消え、上杉は越後へ戻った。
北条が南下したため徳川も動けなくなった。

自分の計略で善良ピュアな武人が磔になったっつーのに、爽やかに登場する恐ろしい父・昌幸。

待たしたのう。
ひとっ風呂浴びてきたわ。
こうしてみるとあれじゃな。
親子3人で語り合うのも久々じゃなあ。

父上…どこまでがねらいだったのですか?

全ては計略のうちじゃ。
北条は去り、上杉も兵を引いた。
徳川も織田もおらん。
今、この時、信濃は誰のものでもない。
この時を待っておった。

ひょっとして、父上は大名になられるのですか?

なりたいのう。
しかし、その残念だがわしにはまだそれだけの力はない。

これより信濃は我ら信濃の国衆が治める。
一人では無理だが、国衆たちが集まれば一つの大きな力になる。

そもそもここは武田の領地じゃ。
となれば、元武田の家臣が治めるのは当たり前じゃ。
北条が何じゃ。上杉が何じゃ。

大名などいらん!
我らだけの国を造るのじゃ。

  真田丸8-15

なんだろうね~~…
真っ黒だし、汚いし、凶悪すぎるだろ、真田組よ~~~

…と、思いつつも「我らだけの国を」にワクワクしちゃうわ。

何て酷い事するんだよって案件だが、本人はカラっと風呂入って楽しそうに息子たちと対面してるのな。
これも、別に大きな父親ぶってわざとやってるってわけではなく…
たぶん、本当にただ単に計略が上手く行って楽しいだけなんだろう。

だって、このオヤジの頭の中、信濃を守る事以外にないもの。

そのためには人間だって駒なんだよね。

息子たちや家族に対しては愛情を持った駒だと思っている。
それをお家のために役立つように育てていくのは無上の喜びなのだろう。

もっとも、弟である信尹は、かなり傷ついたり精神的に疲れたり…を乗り越えて、今そこにいるのだなと、よく解る回だった。やりたくてやっているわけではないが、お仕事である。

わしのようにはなるな。

の ひと言に心情が表れた。

そして、源次郎も知ったのである。
叔父の仕事が家のための汚れ仕事であることを。

これを乗り越えなければ、源次郎は自身で考える「父のために役立つ息子」にはなれないんだよね。

ヘビーな回であった。

泥をかぶる覚悟のある人間が影に居るから輝く表舞台の人がいる。

歴史の影には、どんな時代にもいる人材。

この叔父がな……
最終的に信繁とどう関わるか…考えると今から辛い。

主人公サイドをとことん黒く描き切った『平清盛』がめっさ色々言われたNHK大河というこの枠…。
今年も色々言われそうだが、どうぞ変な路線変更しないでこのまま突っ走って!!

よろしければ→【2016年1月期・冬クールドラマ】ラインナップ一覧とキャスト表

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※キャスト

真田信繁(幸村)(源次郎) … 堺雅人
真田信幸(信之)(源三郎) … 大泉洋
真田昌幸 … 草刈正雄

きり … 長澤まさみ
薫 … 高畑淳子
松 … 木村佳乃
とり … 草笛光子
梅 … 黒木華
こう … 長野里美

堀田作兵衛 … 藤本隆宏
佐助 … 藤井隆
高梨内記 … 中原丈雄
矢沢三十郎頼幸 … 迫田孝也
小山田茂誠 … 高木渉
真田信尹 … 栗原英雄
矢沢頼綱 … 綾田俊樹
与八 … 今野浩喜

武田信玄 … 林邦史朗
武田勝頼 … 平岳大
穴山梅雪 … 榎木孝明
小山田信茂 … 温水洋一
跡部勝資 … 稲荷卓央
木曽義昌 … 石井愃一
春日信達 … 前川泰之
室賀正武 … 西村雅彦
出浦昌相 … 寺島進

北条氏政 … 高嶋政伸
板部岡江雪斎 … 山西惇
北条氏直 … 細田善彦

上杉景勝 … 遠藤憲一
直江兼続 … 村上新悟

織田信長 … 吉田鋼太郎
滝川一益 … 段田安則[
織田信忠 … 玉置玲央
明智光秀 … 岩下尚史
長崎元家 … 松田賢二

豊臣秀吉 … 小日向文世
茶々(淀殿) … 竹内結子
寧(北政所) … 鈴木京香
千利休 … 桂文枝
加藤清正 … 新井浩文
石田三成 … 山本耕史
大谷吉継 … 片岡愛之助
片桐且元 … 小林隆
豊臣秀頼 … 中川大志
豊臣秀次 … 新納慎也
小早川秀秋 … 浅利陽介
大蔵卿局 … 峯村リエ

徳川家康 … 内野聖陽
阿茶局 … 斉藤由貴
本多正信 … 近藤正臣
稲(小松姫) … 吉田羊
本多忠勝 … 藤岡弘、
服部半蔵 … 浜谷健司
石川数正 … 伊藤正之

語り … 有働由美子

※スタッフ

脚本 … 三谷幸喜
音楽 … 服部隆之
テーマ音楽ソロヴァイオリン … 三浦文彰
題字 … 挾土秀平
制作統括 … 屋敷陽太郎、吉川邦夫
プロデューサー … 清水拓哉、吉岡和彦
演出 … 木村隆文、田中正、小林大児、土井祥平

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