【半沢直樹】 第9話 感想

確かにノーに比べたらイエスと言うほうが何倍も簡単だ。

でもな、俺達サラリーマンがイエスとしか言わなくなったら、仕事はただの
作業になっちまう。
作業だけならロボットでもできる。
でも、俺達はロボットになっちゃダメなんだ。

俺は同期のやつからそう教えられた。

 

半沢直樹　第9話

　　　　　　

 

端折り気味あらすじと簡単感想で。

 

いよいよ、金融庁聞き取り調査本番を控えて…。

 

ラフィットの女社長が大和田常務の妻だと知った半沢たち。
つまりタミヤ電機の不正にも大和田は絡んでいる。

これの証拠が掴めれば大和田常務を追い落とす事ができる。

 

タミヤ電機は大和田に頼まれて意味のない３０００万の借金を背負わされたんだ。
田宮社長も面白いとは思ってないはずだ。

 

これを請け負う近藤。
近藤自身もハッキリした事を知りたいと思っていた。

 

伊勢島ホテルを再建し、金融庁検査を乗り切るには、もうあの方法しかない。

アメリカ最大のホテルチェーンである「フォスター」の傘下に伊勢島ホテルを入れること。
もう、それしか道は残されていないのだった。

 

本当ならこれは法人部あたりが総出でやらなきゃならない一大プロジェクトだ。
しかし、今はそうはできない。
大和田に知られたら間違いなく潰されるからな。

俺達だけで秘密裏にやるしかないか。

 

フォスターとの交渉は渡真利が引き受けてくれた。

後は、伊勢島の社長である湯浅を説得する事。

 

しかし、その話を出すと湯浅の顔色は変わった。

 

このホテルを売れというのか！
しかもよりによってフォスターに！
あそこはうちの再建計画を潰した張本人じゃないか！

フォスターは以前から日本で買収合併できる企業を探していた。
この話がまとまれば、伊勢島の再建にとっても将来に渡っても悪い話ではない。

半沢は何とかこの話をまとめたかった。

 

もちろん相手は怪物「フォスター」です。
完全にのみ込まれてしまう可能性だってあるでしょう。
ですが、湯浅社長。
あなたなら生き残れる。
伊勢島ホテルの名前を守ることができる。

私は、銀行員としてそう判断しました。

 

金融庁検査の日までに答えを出すと、湯浅は半沢に約束した。

 

一方、金融庁は必死になって例の疎開資料の在処を探していた。

申し訳ありません！
半沢の妻の実家からどこに移動したか、現在徹底的に行方を探しています。

部下の島田に向かってキリキリと怒るらぶりん@黒崎。

 

貸し金庫を使った形跡は？

今のところありません。

たとえ貸し金庫であろうと場所さえ分かれば何らかの理由をつけて開示請求できるのよ。
何が何でも今日中に見つけなさい！
いいわね？

玉を握られる島田であった……。

 

役員会議では、半沢を金融庁検査の責任者に半沢を指名した頭取を、大和田と岸川が
絶妙なコンビネーションで追い落とそうとしていた。

 

半沢次長を担当から外すご決断をしていただけないでしょうか？
はっきり申し上げて半沢次長では金融庁検査を乗り切れません。

岸川君、もういい！

しかし…
半沢次長を指名したのは頭取ご自身です！

黙りなさい！
そんなことは頭取も十分承知していることだよ！
その上で半沢次長を指名したのには頭取なりの深ぁぁいお考えがあってのことだ。

他の役員たちにも頭取の責任だと思わせるための劇団・大和田芝居…。

 

もちろん、ダメだったときには全ての責任を取ると。
そういうお覚悟がおありなんですよね？

頭取は頷いた。

 

さて。
半沢には尾行が付くようになった。

疎開資料を見つけ出したい金融庁の手のものらしい。

渡真利から資料は何処にあるのかと聞かれる。

 

灯台下暗しだ。

えッ？

地下２階の機械室。
銀行の見取り図に載っていない場所に半沢は疎開資料を隠していた。

なるほどね。
初めからあることすら知らない部屋じゃ、黒崎達も調べようがないもんな。

そういうこと。

 

フォスターとの交渉は上手く行っていると渡真利は言う。
後は湯浅社長が決断するだけ。

 

近藤は近藤で、大和田の不正を暴くためとタミヤ電機のために動いていた。

 

俺は柱に打ちつけられクギだよ。
ぶら下がるカレンダーは毎年新しくなるのに、俺はずっとさびて捨てられるまで
動けないままだ。
そういう人生があんたに想像できるか？
社長にとって俺はその程度の価値しかないんだよ！

会社を良くしようと何か言ったところで、聞き入れられることなんか
一度もなかった。

田宮社長を止められなかった事について、野田はそう自嘲する。

近藤は言った。

 

だからイエスマンになったのか？
確かにノーに比べたらイエスと言うほうが何倍も簡単だ。

でもな、俺達サラリーマンがイエスとしか言わなくなったら、仕事はただの
作業になっちまう。
作業だけならロボットでもできる。
でも、俺達はロボットになっちゃダメなんだ。

俺は同期のやつからそう教えられた。

 

フォスターのエリアマネージャーに会ってほしいと渡真利から呼び出された半沢は
本店の大階段を降りる時に、ポケットに忍ばせている父のネジを落とした。

ちょうど居合わせてそれを拾おうとする大和田。

 

おやめください！
そのネジは、あなたに拾ってほしくはありません。

父のネジを切り捨てた銀行員である大和田。

半沢の目に憎しみが宿る。

なぜだね？

お分かりになりませんか？
そうでしょうね。あなたは そういうお方です。
ですが、いずれ嫌でも分かっていただくことになる。

残念だな。いずれ、という話ができるほど、君との時間は残っていないかもしれないね。

出向ですか？

金融庁検査で結果が出せなければそうなって当然だろう。

 

大和田常務。
あなたにとって私は、たかがトカゲの尻尾かもしれません。
ですが、切られた尻尾はしばらく暴れ回ります。

どんな動きをするか分かりませんよ。
お気をつけください。

 

いよいよ、金融庁検査当日。

半沢は渡真利からの電話に顔色を変えた。

情報が漏れている…。
地下二階。あの疎開資料が隠してある機械室の前が金融庁に封鎖されていると言う。

見つかるかどうかは、もう運次第となった。

その前に聞き取り調査を乗り切らなければならない。

 

小野寺が資料を読み上げると、黒崎は激しく机を叩いた。

もう結構！
この前と全然変わってないじゃないの。
その場しのぎとしか思えないわよね。率直に言って。
こんな再建計画が実現するとは思えないわ。
伊勢島が過去の経営計画をどの程度達成してきたかを見ても明らかじゃないの？

ナルセンの破たんで出る損失額１１３億４５０万をどうするつもりだと追求する黒崎。

 

湯浅社長が身を引いて経営方針を一新でもしないかぎり、伊勢島ホテルの
実破への分類は至極当然でしょ。
反論できるもんならしてみなさいよ。

すると、半沢はうつむいて意外な事を口にした。

 

いいえ。反論するつもりなどございません。

ざわつく会議室。

黒崎検査官がおっしゃったとおり、ナルセンの破綻によって生じた問題を解決できない
かぎり、実破に分類されても致し方ないことです。

金融庁側から思わず勝利のざわめきが起こり、黒崎は唖然とした。

そ…そうよね…。
だったら、ここは湯浅社長に辞任していただくのが御行にとって一番いいんじゃないかしら。
まあ、これは大和田常務からのご提案ですけどね。

大和田も勝ち誇った顔をして半沢を見る。

 

いいえ。その条件はのめません。

真っ直ぐに黒崎を見る半沢。

 

えッ！何を言ってんの、あんた！？

引っ掻き回されて取り乱す金融庁の検査官たち。

だったら、あなた達に1500億の引当金を積んでもらうことになるけど、
それでもいいのかしら？

そのどちらも了承するわけにはまいりません！

何勝手なこと言ってんの？

先ほどご指摘のあったナルセンでの問題はすでに解消されております。

伊勢島ホテルはアメリカ最大のホテルチェーン、
フォスターの傘下に入ります！

 

今や会議室は半沢の独断場だった。
ざわめき、驚く、黒崎と金融庁検査官たち。

そして、これ以上手はないと決めつけて安心していた大和田の驚愕の表情…。

 

今、湯浅社長から快諾の返答をいただきました。
これがその証拠です！

携帯メールを水戸黄門の印籠のように見せる半沢であった。

 

渡真利が入室してフォスター側も承諾している旨を発表する。

喜ぶ内藤部長ら金融庁検査対策班。

 

あり得ない！湯浅は同族経営のワンマンじゃない！
買収を受け入れるなんて…。

鬼のような形相で怒る黒崎に冷静に言い放つ半沢。

 

湯浅社長はただのワンマンではありませんよ。
伊勢島ホテルの将来を見通すことのできるクレバーな経営者です。
今回の条件では、湯浅社長にはそのまま続投していただき、同時に株の運用失敗で
損失を出した羽根専務を更迭いたします。

フォスターの資本受け入れによる初回増資額は200億円。
さらに業務提携により伊勢島ホテルはフォスターの予約システムに相乗りいたします。

 

予約システムの件も全て解決し、膿も出せそうな状況になり、伊勢島にもう何の不安もない。

黒崎は悔し紛れに最後の賭けに出た。

 

じゃあ、他に伊勢島ホテルに関して我々が知らされていない情報はもうないのね？

もちろんです。

そう。
なら、少しおつきあいしてもらおうかしら。

地下２階へ！

 

黒崎は今度は必ず勝つつもりでいた。

地下二階には、この銀行の内部の人間が伊勢島ホテルの告発を握りつぶした
証拠が隠されているはずだ。

半沢たち対策班はもちろん、大和田ら役員も同席していた頭取も、みんな
地下二階へ移動した。

 

検査官にお見せするようなものはここにはございません。

お黙り！何でもいいから早く開けてちょうだい！

 

ドアを開けると真っ先に機械室に踏み込む黒崎。

果たして、そこにはダンボール箱が積んであった。

 

あ～ら…こんなところに変なものがあるわよ。
さあ、この箱の中身は何かしら？

答えない半沢。

中身は何かって聞いてるのよ！
…答えられないでしょ。
なら、私が代わりに答えてあげる。

この箱の中身は、伊勢島ホテルに関する隠匿資料でしょ！

 

そういうと、黒崎は自らの手でダンボール箱を開封していった。

しかし、出てきたのは……。

 

サンタクロースの衣装…。
そして、隣りの箱からはハロウィーンの衣装。

検査官たちにも手伝わせて次々と開けていくが、出てくるのは変なグッズばかり。

 

宴会で使う小道具ですが。それが何か？
黒崎さん、あなた何がしたいんですか？
検査の邪魔になると思ってここにしまっておいたのですが。
金融庁は、宴会道具まで検査対象にするつもりですか？

 

隠匿資料があったはずよ！
半沢、隠したのね！出してちょうだい！

半沢に詰め寄る黒崎。

 

そんなものはどこにもありはしない。
黒崎さん、これが現実ですよ。
これでもまだありもしない幻想を言い張るつもりですか？
東京中央銀行としては、名誉毀損で金融庁に報告いたしますよ。よろしいですね？

内藤部長の言葉を受けて、頭取がついに口を出した。

どうやら黒崎検査官には何らかの誤解があったようだ。
まあ、しかし、そういうことはよくあることだ。
今回のことはなかったことにいたしましょう。
それでよろしいですね？

 

しゅんとして頭を下げる黒崎。

お気遣い感謝します…。

 

この借りは死ぬまで忘れないわよ！

と、半沢に捨て台詞を残して黒崎が去った後、渡真利は不思議そうに半沢に言う。

 

魔法か、うん？
魔法か？教えろよ、これ！
どんな手使ってすり替えたんだよ。

すり替えてはいないよ。
こんなこともあろうかと最初から用意しておいた。

俺のこともだましてたの？！

だましてたわけじゃない。

えッ？

だから言ったろ。灯台下暗し。

 

機械室の奥のブルーシートを外して見せる半沢。
その下には疎開資料が隠されていた。

そういうことか！あっちフェイクなんだ。

内心いつこっちがばれるんじゃないかってヒヤヒヤしてたよ。

 

半沢と渡真利が晴れやかに地下で笑っていた頃。

近藤は、ついに田宮社長の説得に乗り出していた。

 

このことは銀行の知り合いにも話してます。すぐに大問題になりますよ。
しかし、大和田はあなたが勝手にやったことだと言って自分だけは生き残ろうと
するでしょうね。
結局、利用されただけなんですよ。田宮社長。

 

動揺した田宮はすぐに大和田に電話を入れて3000万をいつ返してくれるのかと確認。

ちょうど、大和田が地下二階に移動している所だった。

 

悪いが今、取り込み中でね。
その話は今晩にでもゆっくりと。

あなた、あの時すぐに返すって言いましたよね？

ですが、こうも言ったはずですよね。
「あくまでも私は関与していない」と。

この言葉を聞いて、田宮社長は簡単に崩れた。

東京中央銀行から融資された3000万をそのままラフィットに横流ししたと証言し、
証書も書いてくれたのである。

 

金融庁検査で半沢を落とせず、頭取を退任させることもできず…。
クサクサして部屋に戻った大和田常務を待っていたのは1件の留守番電話。

「田宮です。大和田さん、あんたには申し訳ないが近藤さんに全部話させてもらったよ」
「まあ、そういうことで」

 

大和田はキレた。

キレて暴れ回り、常務室をメチャメチャにした。

 

半沢には近藤から連絡が入った。

 

どうだった？金融庁検査は。

何とか乗り切った。そっちはどうだ？

田宮社長が証言してくれた！
これから報告書にまとめて持ってくから、夜会おう。

 

そうか！よくやった、近藤！

 

親友の役に立てる。

そして、タミヤ電機も救う事が出来る。

その喜びで、近藤は電話を持って微笑んだ。

 

　　※※※

 

…からの～…

大和田常務の近藤買収である。
証言を取った書類を渡せば本行に戻すって。

まぁ、心が動くよね。

私だったら本行の好きな部署に行かせてあげると言われたらホイホイ寝返るよ…。

それが人間ってもんでしょ。

しかし、近藤も不用心だな。

サスペンスドラマや時代劇だったら、親友に「証拠を掴んだから今から持っていくぜ～」
と、電話したら、もうここで斬られてるところだ。

日曜劇場「半沢直樹」だから命があるのである。良かったね。

 

地下室のドアを開けて結局疎開資料が見つからなかった所でデジャヴ……と思ったけれども、
サンタさんのコスに目を丸くして怒り狂うらぶりんが面白かったからいいや。　

 

疎開資料の隠し場所、リークしたのは渡真利かと思っちゃった。
うーーん…もう、完全に信じていいかなぁ。　

きっと助かる、きっとない、きっと上手く行く……。

と、解っているのにドキドキしちゃう。

それがこのドラマの醍醐味ですね。

そして脚本よりも何よりも、やはり面白くしているのは渋い役者さんたちの劇画的演技だと、
そう思うのだった。

 

たぶん、近藤も大和田に騙されたフリをして不正の証拠を掴んでくれるんだろう…。
と、信じてる。

次回は最終回。

 

※申しわけありませんが、ワケあってこの記事のコメントクローズいたします。

 

近藤（滝藤賢一）が知ることになったタミヤ電機を舞台にした迂回融資事件。
タミヤ電機を隠れ蓑にし、3千万円もの融資を受けていたのは、何と大和田常務（香川照之）
の妻、棚橋貴子（相築あきこ）が経営する会社だった。
半沢（堺雅人）は大和田を追い詰めるため、田宮社長（前川泰之）の証言を取るよう、
近藤に依頼をする。

一方の金融庁検査。
2日後に迫った最終聞き取り調査を前に、半沢は驚きの秘策を用意し、湯浅社長（駿河太郎）
の説得を試みることに…。

(上記あらすじは「Yahoo！TV」より引用)

よろしければ→【2013年10月期・秋クールドラマ】ラインナップ一覧とキャスト表

　　
にほんブログ村

　　　

 

※キャスト

半沢直樹 … 堺雅人
半沢花 … 上戸彩

渡真利忍 … 及川光博
近藤直弼 … 滝藤賢一
近藤由紀子 … 山崎直子

大和田暁 … 香川照之

内藤 寛 … 吉田鋼太郎
小野寺順治 … 牧田哲也
坂本新之助 … 岡山天音
福山啓次郎 … 山田純大
時枝孝弘 … 高橋洋
貝瀬郁夫 … 川原和久
古里則夫 … 手塚とおる

羽根夏子 … 倍賞美津子
湯浅 威 … 駿河太郎
戸越茂則 … 小林隆
田宮基紀 … 前川泰之
野田英幸 … 利重剛
油山 … 木下隆行

黒崎駿一 … 片岡愛之助

島田亮太 … 竹財輝之助
木下 愛 … 近野成美
岸川夫人 … 松居直美

中野渡謙 … 北大路欣也

 

岸川慎吾 … 森田順平
小木曽 … 緋田康人

浅野匡 … 石丸幹二
江島浩 … 宮川一朗太
中西英治 … 中島裕翔
垣内 … 須田邦裕
角田周 … モロ師岡

相模 … 石黒英雄
大塚 … 永岡佑
脇屋 … 岡あゆみ

東田満 … 宇梶剛士
藤沢未樹 … 壇蜜
竹下清彦 … 赤井英和
波野吉弘 … ラサール石井
板橋 … 岡田浩暉

浅野利恵 … 中島ひろ子
江島沙苗 … 田中美奈子
角田美津代 … 中田優子
垣内芳江 … 宇田川さや香

半沢慎之助 … 笑福亭鶴瓶
半沢美千子 … りりィ

 

※スタッフ

脚本 … 八津弘幸
演出 … 福澤克雄、棚澤孝義
プロデューサー … 伊與田英徳、飯田和孝
音楽 … 服部隆之

原作 … 池井戸潤 「オレたちバブル入行組」「オレたち花のバブル組」

公式サイト(終了)　http://www.tbs.co.jp

　【半沢直樹】第1話　第2話　第3話　第4話　第5話　第6話　第7話　第8話　第9話