【夜行観覧車】 第8話 感想

私、病気だ。

毎朝、坂下りてくとき、深いところに落ちてくみたいな気がする。
学校着いても教室も廊下も傾いて見える。
真っ直ぐ立ってられない。倒れないように必死。
でも、そうしてるとだんだん自分の方がゆがんでくる。
誰かにちょっと背中を押されたら転がり落ちる。

病気だよ。
坂道病っていう病気。

夜行観覧車 第8話

  夜行観覧車

黙って!
もう、黙って!

真弓は彩花の口をふさぎ続けた。無我夢中だった。
突然鳴りはじめた防犯ブザーの音で我に返る。

よかった。生きてるのね。
大丈夫? 苦しかったら吐いておしまいなさい。ほら。

気づいたら、小島が家の中に居て、彩花の背中をさすっていた。

あなた、何をしようとしたか分かってるの?

すいません。

あなた、お嬢さんを殺そうとしたのよ。

私はただ…彩花の口を塞ごうと思っ…

殺そうとしてるようにしか見えなかったわ。
止めたけど聞こえないようだったから、これを投げたの。防犯ブザー。

これは 犯人を驚かせて動きを止めるためにあるのね。

犯人…?

真弓は自分に怯えている彩花を見た。

どんどんひどくなっていくんです。
暴れてる娘が、もう誰なのか分からなくなって…。

こんなの自分の娘じゃない。そう言いたいのかしら?

夕方、高橋さんの家のガラスが割られてたんです。
彩花が高橋さんの家の前に立ってて。

ガラスを割ったのは私よ。

小島は窓の外を見ていた。高橋家を見ているのか、どこを見ているのか解らない視線で。

この街もすっかり変わってしまったわね。殺伐として。
高橋さんのうちが原因なんだと思ったら、無性に腹が立ったのよ。

彩花ごめん…疑って…。

彩花さんもいつまでも被害者ぶらないでほしいわね。

だって、この人が…。

親に「この人」とか「あんた」とか「クソババア」とか言えるほどあなたは偉いの?
あんなに連呼されたら親もやめたくもなるわよ。
ママを追い詰めたのはあなたじゃないの?

帰ってよ…。

あらそう。助けてあげたのに。
今度何かあっても、もう私は止めないわ。

高橋さんのようになる前に何とかなさいよ。
家族だからって甘えていると、今に取り返しがつかなくなるわよ。

そう言って、小島は帰って行った。

真弓は、彩花に詫びた。

お母さんね、ここに引っ越してきて、欲しかったもの手に入れたような気がしたの。
それに夢中になりすぎて、彩花やお父さんのこと見えなくなってた。

部屋に閉じこもった彩花のか細い声が聞こえる。

言ったって分かんない。誰にも分かんない。

私、病気だ。

病気?

毎朝、坂下りてく時、深いところに落ちてくみたいな気がする。
学校着いても教室も廊下も傾いて見える。
真っ直ぐ立ってられない。倒れないように必死。
でも、そうしてるとだんだん自分の方がゆがんでくる。
誰かにちょっと背中を押されたら、転がり落ちる。

病気だよ。坂道病っていう病気。

誰か止めて。
助けてよ…。

何があったの?
お願い。話して彩花。

娘が私みたいのじゃなきゃよかったんだよね。

そんなこと言わないで。

子供がダメだと親は幸せになれないんだよね。

彩花はダメじゃないよ。

ダメだって思ってる!
…もうイヤだ 聞きたくない!

私のことなんか殺しちゃえばよかったのに!

真弓は、啓介の会社に行った。
仕事だと言って啓介は今日も会社に泊まるつもりだった。

真弓が入っていくと、啓介は弁当を食べながらテレビを見ていた。

何でこんなところでテレビ見てるの?

えっ…?

何でこんなところでご飯食べてるの?

いや…仕事終わったから…。

私…彩花を殺そうとしたんだよ。

え?

それなのに、何でお父さんこんなところにいるの?

真弓が情緒不安定になっている事は、見ただけで分かった。
啓介は、とりえあえず真弓を落ち着かせる。

私、今まで人を殺すか殺さないかなんて理性があるかないかだと思ってた。

でも、ホントは止めてくれる人がいるかいないかの方が大きいんだねえ。

何でそんな…。

私には止めてくれる人がいた。
止めてくれる人がいるかいないか、たったそれだけの違い…。

殺すって…家族だぞ。娘だろ。

今度あんなことがあったら、どうなるか自信ない。

高橋家の方は、良幸と比奈子がホテルを抜け出して、家に向かっていた。
慎司を探さなければならないと思った。

家の前で息をのむ2人。

ガレージから車まで貼り付けられた「人殺し」や「出ていけ」のビラ…。

ひどい…。
また、この家に住めるよね?

電気をつけるとマスコミに見つかるので、懐中電灯を使ってこっそり入る。

家の中は割れたガラスや食器の破片でいっぱいだった。
外に貼られたビラと同じような文句のFAXの山。
留守電には「人殺し!エリート一家がいい気になってっからだよ」とメッセージ…。

そして、良幸は、部屋の隅にうずくまる慎司を見つける。

よかった!慎司。
大丈夫だ、もう大丈夫だ、大丈夫。
電話でうちに帰りたいって言ってたよな。
帰ってきてくれるような気がしたんだよ、この家に。

兄と姉に声を掛けられて、慎司は泣いた。

問い詰めても今は何も話さないと思った良幸は、

明日一緒に警察に行こう。
今、話したくないなら、そこで話せばいい。

と、優しく言った。

しかし、慎司はハッキリと話し出した。

警察行く前に、兄ちゃんと姉ちゃんに話しておきたい。
僕がどうして逃げたのか。

慎司はずっとコンプレックスを持っていたと言う。
姉も兄も親譲りでよく出来た。
でも、慎司にだけはそれは遺伝しなかった。

慎司は小学生の時から、自分は出来ないと思っていたと言う。

最初にそれに気付いたのは父さんだ。
部屋に入ってきて、僕をなじるようになった。

「何でこんな簡単な問題が分からないんだ」「何でそんなにデキが悪いんだ」
「お前は俺の恥だ!」

パパがそんなこと言う?

テストの度、必死で勉強した。
姉ちゃんにも試験の前の日、友達の家に行ってもらったりしたろ。
僕だけならいいけど、父さんの思いどおりにならないと、母さんも
ひどい目に遭うから…。

何だ? ひどい目って…。

父さんは…

僕と母さんに…

暴力ふるってた。

比奈子は信じられなかった。パパがそんな事するわけないと
ヒステリックに叫んだ。

慎司の話を最後まで聞くんだ。

何で私が怒られなきゃいけないの?
パパはお兄ちゃんのたった一人の親じゃない。悲しくないの?

悲しくないわけないだろう!
だから、父さんがどうして殺されたのか知りたいんだ。

話せよ。慎司。
警察がどんなに調べたって家族にしか分からないことがあるはずだろう。

事件の日…ママとケンカしてたってホント?

話してくれ。俺達3人でやってくしかないんだ。

慎司は話し始めた。そして、シャツを脱いで自分の身体を兄と姉に見せたのだった。
アザだらけの身体。

僕と母さんと父さんもいた…あのときも父さんは、僕を殴ったんだ。

信じてくれる?
ウソじゃないって。

翌日。
真弓は普段通りに出勤した。

啓介は、あれからすぐに一緒に帰ってくれて、代休も取ってくれた。
割れたガラスも入れてくれた。

壊れたら直せばいいんだよ。

昼に、良幸から慎司が見つかったと電話があった。

僕達3人でこれからのことを考えます。

仕事が終わってからも家に帰る気にならなかった。
公園のベンチに座ってボーっとしていると、啓介から電話がかかってきた。

お父さんの気持ち、分かる。
うちに帰りたくない。
どんな顔して彩花に会っていいのか分かんない。

彩花の母親で、私、いいのかな?
彩花の母親でいていいのかな?

…親は辞めたくたって辞められんないからな。
彩花にも言われたよ。逃げてばっかりだって。

啓介は言ってくれた。

一人でつらい思いさせてごめん。
高橋さんに借金したこと隠しててごめん。
俺、頑張って働いて絶対返すから。

お母さんだけじゃないな。
俺もこの街に来て舞い上がって夢見ちゃってた。

明日、彩花学校また休むかもしれないから、俺、早く帰るよ。
それでまた暴れたら、そん時はそん時で考えよう。
帰っといで。
帰っといで。お母さん。
やっぱお母さんがいないとさ。

刑事に尋問されながら、淳子はあの日の事を考えていた。
結城刑事は、離婚して長い間息子に会えずにいるらしい。
やり直せたら良い親になりたいと言っていた。

結城は自分を良い母親だと言ってくれたが、良い親なんかじゃない。
私は、良い母親なんかじゃない、と淳子は思った。

あの日、事件の翌日。
淳子は喫茶店で遠藤啓介にお金を貸してほしいと頼んだ。
啓介はまとまったお金を出してくれた。

それから、言ったのだ。

あの…昨日、あなたに渡されたのって…あれって、あれですか?
実は、まだ捨ててないんですよね。
凶器隠すのって罪になるんですよね。

私には、家族がありますし。
いや、あの、大した家族じゃないんですけど…。

守りたいんです。

事件から6日目。

どこから漏れたのか、高橋家の前はマスコミでいっぱいだった。

マスコミにマイクを向けられ、野次られながら、兄弟は車に乗った。

慎司は覚悟を決めていた。

母は僕達に言っていた。

「兄弟、仲良くしなさい」
「一人じゃ乗り越えられないことも三人なら乗り越えられる」
「いつか兄弟のありがたさをかみしめる日が来る」

その「いつか」は、たぶん、今日だ。

母を帰してください。

僕が、父を殺しました。

やはり、このドラマは家族のドラマなんですね…。

見た目仲良くやっているように見えても、家族にしか解らない傷がある。
家族に何かあった時、助けてくれるのは家族。
そして、助けなくてはならないのも家族。

慎司は自首をした。
まだ真相はハッキリとは解らないけれども、やっぱり弘幸はDV親父だったのか…。

川で慎司が溺れた時、何か楽しそうだったし。

何だかなぁ…振り回されたよ。

最初は父親のDVが原因で事件が起きたんじゃないかと思ってたけど、
ここ2週か3週で弘幸がすっかり心が広く穏やかで優しい人徳者みたいに
描かれ始めたから、そうじゃなかったのか、と思った所でコレだよ…。

「DV親父とか思ってしまってゴメンナサイ」とか謝っちゃった気がするよ。
私のゴメンナサイを返せ。

あとは、啓介が以前言っていた「この事だけは絶対真弓にも秘密にする」とか
「家族を守る」とか…。

あれって、結局、凶器を預かって隠すという…それだけのこと
何か淳子に負い目があって断れなかったんだろうと思い込んでいたけど、
今日見た限りでは、ただ人が良いから預かっちゃったって感じだったけど…。

だったら…自分の家族を本当に守りたいなら、あの時に返せば良かったのに。

何だか、ここまでの7話のほとんどが「思わせぶり」で構成されているように
思えてきた。え~…そんなドラマだったのか…。

しかし、ラメポが真弓を止めに来るとは思わなかった。

で、何か今回、良い人っぽく見えてしまったけど…。

「ママを追い詰めたのはあなたじゃないの?」

うん。でも、その原因の発端はあんたにもあるのね。
あんたがひばりヶ丘を高級にして坂の下をバカにする風潮を作ったのね。

そもそも今回、彩花が荒れだした発端は、高橋家のガラスを割ったと真弓が
彩花を責めたからで、そのガラスはあんたが割ったのね。

人の家のガラス割るのも犯罪ですよ~。

色々と気の毒な人だってことは解るけど、原因は自分にあるんだよね。

みんな、自分の事は正しいと思っていて、自分を責める者は受け付けない。

人間ってそういうもんだよね。
みんな、滑稽。痛い人。

でも、それに気づきつつある遠藤家は救われるかも知れない。

あとは本当に慎司がやったのか。
それとも淳子がやったのを庇っているのか。

もう、そこだけかな…。

※コメントのレスが滞っております。すいません。
しかし、全て楽しみに読ませていただいております。

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娘の家庭内暴力、近所からの嫌がらせ、そして、友人・高橋淳子(石田ゆり子)の逮捕。
精神的に追い詰められた遠藤真弓(鈴木京香)は、暴れる娘を押えようと、殺意を抱く。
その事態に気付いた小島さと子(夏木マリ)は、止めようと声をかけるが、真弓には
届かない。
一方、殺人事件以降逃亡を続けていた被害者の息子・高橋慎司(中川大志)が見つかる。
慎司が語りだす事件の真相に、兄たちは衝撃を受け・・・

(あらすじは「Yahoo!TV」より引用)

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【キャスト】

遠藤真弓 … 鈴木京香
遠藤啓介 … 宮迫博之
遠藤彩花 … 杉咲花

高橋淳子 … 石田ゆり子
高橋弘幸 … 田中哲司
高橋良幸 … 安田章大
高橋比奈子 … 宮﨑香蓮
高橋慎司 … 中川大志

田中晶子 … 堀内敬子
村田志保 … 吉田里琴
野上明里 … 滝裕可里

小島さと子 … 夏木マリ

結城哲也 … 高橋克典

【スタッフ】
脚本 … 奥寺佐渡子、清水友佳子
演出 … 塚原あゆ子、山本剛義
原作 … 湊かなえ

【注】これ↓ クリックすると犯人解っちゃうらしいです。私はまだ見てません!
(解らなかったというご報告をいただきましたが「あらすじ」に載っているそうです~)

 
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