【夜行観覧車】 第7話 感想

向かいの家の事件にこれ以上関わらないほうがいいよ。

友達の家より、
自分の家の方が大事だよ。

夜行観覧車 第7話

  夜行観覧車

彩花がどうしてあんなに荒れているのか、啓介には解らない。

真弓も言わなければいいような事を言ったりやったりするから、
それが気に食わないのかも知れない。

彩花が変わったと真弓は言うが、ひばりヶ丘に来て一番変わったのは
真弓だと啓介は思う。

啓介にとって、いまはそれどころではなかった。

あの日、例によって彩花と真弓の争う声を聞いた啓介は、家に入るのを止めた。
しかし、その日は争う声は我が家以外からも聞こえてきていた。

向かいの高橋家で争う声が聞こえてきたのだ。

車の中でしばらく時間を潰していると、メロンを持った小島が高橋家を
訪ねて来て、すぐに帰って行った。

気になった啓介は、小島が去った後で高橋家を訪ねた。

遠藤だと名乗ると、玄関のドアはアッサリ開いた。

あの…大丈夫ですか?何かありました?

髪をふり乱した淳子が、啓介に何か渡してきた。

どこかに捨ててください!早く!
もうすぐ救急車が来ます!
このこと、誰にも…真弓さんにも言わないで!

淳子に急いで渡された紙袋を持って、啓介は慌てて外に出た。

紙袋の中に入っていたのは、何か血のような物で汚れた重たい物…。

啓介はそれを外のゴミ箱に捨てようとして、妻の姿を遠くに見て、止めた。

やがて、高橋家の周りは救急車や近所の人たちでいっぱいになった。

啓介は、それを捨てることができず、ずっと持ち続ける事になってしまった。

今も。

朝帰りすると、刑事が家に来ていた。

事件の日の事を聞かれる啓介。

あの夜、遠藤さんが午後8時前から自家用車の中にいたのを見たという人がいます。
パチンコ屋に寄ったとおっしゃってましたよね?

いや…うちの車の中にいました。
パチンコ屋には行ってません。
…嘘ついてすいませんでした。

どうして車の中なんかにいたんですか?

いや、あの…うちに帰りたいんですけど、帰れないんです。
帰宅拒否症っていうんですかね。
…娘が難しい年頃ってのもあって…。

私も早くうちに帰って、ビールでも飲んでボケッとしたいんですよ。
他に行くとこありませんし、ここしか帰るとこないですから。

けど…帰れないんです。

啓介は、心配で高橋家を訪ねた事も正直に言った。

中から淳子さんが出てきました。

どんな様子でしたか?

いつもと変わらないように見えました。で、何かあったんですか?って聞いたら
「いえ、お騒がせしてすいません」って。
それだけです。
その後うちに帰りました。

刑事は家の銀行口座も調べていた。

この3年間で3百万ほど引き出されてますね。何に使いました?

色々入り用だったんで…
ていうかいちいち覚えてませんよ!

お金は返します!
約束どおり全額返済しますから。

外に出ると、真弓は刑事と一緒に高橋家の周りに貼られた中傷ビラを見た。

ひどいですね、あれ。

あんな…良幸君達が見たら…。

結城刑事は真弓に言うのだった。

向かいの家の事件にこれ以上関わらないほうがいいよ。

でも、ひどすぎる!

友達の家より、自分の家のほうが大事だよ。

啓介は、ボーナスが減ったから家のローンを返すのに300万を
使ったと言う。真弓には言い出せなかった。

彩花ね、お父さんと一緒だとおとなしいけど、私と二人だと暴れるの。
物を投げたり叫んだり、癇癪を起こさないように毎日神経をすり減らすようにして
気を使ってるけどダメなの。

彩花が何を考えてるのか、私には何も分からないの。
私だって逃げたいよ。
でも、逃げたら彩花がもっとひどいことになっちゃうんじゃないかって。

逃げないでよ、お父さん。
私と彩花がどうなってもいいの?

啓介はカッとなって怒鳴った。

自分だけ大変だと思うなよ!
二人でいるときに暴れるんだったら、それは彩花とお母さんの問題だろ。
俺は俺でやることがあるんだよ!

誰のためにやってると思ってんだよ!お前達のためだろ!
俺一人ならこんな苦労しょい込まないよ。

じゃ、どうしたらいいの?
何が悪いの?私が悪いの?
ねえ、お父さんも彩花もそう思ってるの?

…ひばりヶ丘になんか家建てなきゃよかった。

建てなきゃ…こんな目に遭わなかった!

真弓は愕然とした。
啓介は、また家を出て行ってしまう。

真弓は1人だった。

警察では、淳子は自分がやったの一点張り。
しかし、凶器やその時の状況は覚えていないと言い張る。

慎司は相変わらず行方不明だった。

マスコミを避けて2人でホテルに避難している良幸と比奈子も
別々に刑事からの尋問を受けた。

ひばりヶ丘では住民集会が開かれ、真弓は出席した。

高橋家のプライバシーを守るためにマスコミの取材には一切答えるな、
という自治会長からの申し渡しだった。

その話に、小島だけが抵抗を続けた。

先日の件はどうなりました?
犯罪に関わった自治会員にひばりヶ丘からの立ち退きを命ずるという一件です。
自治会婦人部全員がそう希望しています。
ねえ?

しかし、同意する者は誰も居なかった。

あなた達にはひばりヶ丘に対する愛が足りない。
いいえ!
ひばりヶ丘を愛する資格はない!

遠藤さん。

小島は、一番後ろの席に座っている真弓に矛先を向けてきた。

高橋さんは戻らないわよ。
あとは、お宅が出ていけば元の静かなひばりヶ丘に戻るの。

出ていきたくありません。

ひばりヶ丘に引っ越したのは間違いだったって、思ったことあるでしょ?

あるわよね?

啓介は、仕事先にまで刑事が自分を尾行してきている事を知る。

ドアの修理で訪ねた家の庭先に刑事の姿を発見した啓介は、家の中から
反対側に出て、抜け出して逃げた。

何やってんだよ。俺は!
なんで…殺人事件なんか起こるんだよ。
家のローンまだ残ってんだぞ。

彩花も…お母さんも…
ちょっとは俺のこと分かれよ!いたわれよ!

…何やってんだよ…俺は…。

預かった紙袋を開けて、血が付いたタオルに巻いてある物を見る。

「高橋良幸」の名が刻印されたトロフィだった。

啓介は、穴を掘って、それを埋めた。

真弓が街で志保たちに声をかけて彩花の様子を聞いてしまったために、
彩花はまた荒れていた。

食事を放り投げ、皿を割り、真弓に物を投げつけた。

ほんと、あんた、死ねばいいのに!

あんたのせいで私がどんな目に遭ってるか分かってんの?
よけいなこと言ってんじゃねえよ、クソババア!

あんたが余計なことするせいで、私が迷惑してんだ!
少しは分かれ!クソババア!

家に入れず、外でぼんやりとそれを聞いている啓介の隣にいつの間にか
小島が立っていた。

お向かいで殺人事件があろうとなかろうと、お宅は何も変わらないのね。

止めに入ったら?…行かないの?
うちに帰れなくなるわよ。

啓介は、小島の声を聞きながら、ぼーっと家を見上げる。

帰れないでしょう。こんな家。

そして、家から離れて行った。

全部あんたのせいだ!ふざけんな!

暴れ、真弓を罵りつづける彩花。

真弓は言った。泣きそうになりながら言った。

いつになったら終わるの…いつまでこんなこと続くの?

文句あんならはっきり言えよ!
娘に文句も言えねえのかよ!ほんと、あんた最低な親だよね。

よそのお宅のガラスを割るほうが最低でしょ!

やってねえよ!

あんなひどいこと…。

やってねえよ!疑ってんじゃねえよ!

真弓はその日、高橋家の窓が割れる音を聞き、そこに彩花が立っているのを
見たのだった。

慎司君達が今、どんな気持ちでいるか彩花分からないの?

いちいち私と向かいを比べるな!

比べてなんかいないよ。

ひばりヶ丘に家建てて、娘が私立通ってれば満足なんだろ!
あんたが見栄張ってこんなとこに家建てるから、私、バカにされてんだよ!

お母さん…彩花のためを思って…。

全部あんたのためだろ!

穏やかな街で三人幸せに暮らしたかった。
見栄じゃないよ。 夢見たんだよ。
夢見ることがそんないけなか…

あんたのどうでもいい夢に私を入れんな!

何が気に入らないの?
これ以上私に何しろっていうの!
何にも悪いことしてないじゃない!いつまで我慢すればいいの!?

うるさい!
もう嫌なんだこんな街!
こんな… いらない!こんな家!
嫌なんだよ!

こんな、ひばりヶ丘なんて、大っ嫌いなんだよ!
お前のせいだ!お前のせいなんだよ!クソババア!

彩花の声を聞いている内に、真弓の中で何かが壊れた。

夫は、ひばりヶ丘なんかに家を立てなきゃよかった、と言う。
小島には後悔しているんだろうと言われた。
彩花もひばりヶ丘が大嫌いだと言う……。

暴れ続ける娘を真弓は押し倒した。
倒して押さえつけた。

黙って!黙って!
黙って!

床に落ちて壊れた鉢の土にまみれた唐揚げを掴んで娘の口に押し入れた。

お願い。
黙っ…黙って!
黙って!

もう一つ、拾って押し込んだ。

黙って!
もう黙って!
もう黙って…

もう一つ……。

唐揚げを娘の口に押し込んでは手で口をふさいだ。

この口を黙らせなければ…黙らせなければ……。

啓介さん~……。
我が家から逃げてる間に、我が家で殺人事件が起きちゃいますぜ…。

帰宅拒否症かぁ…。登校拒否みたいなもんですね。
そりゃ帰りたくないよね。こんな家。

しかし、それを続けていれば、家に帰れなくなるのを小島は知っている。

たぶん…ラメポ・小島の旦那さんがそうなのでは~。

今回は、マーくんがハッキリキッパリと言ってくれたから、かなり
ひばりヶ丘が平和になる予感…。

何が気に入らないの?殺人事件があったから?

違う!母さんがいるから帰りたくない!
母さんがいるとくつろげないんだよ!
もう、うんざりなんだよ!

マーくん、言ったーーーーー!!!

…という爽快感はあるものの…
母親としては、ちょっと…いや、かなり哀れだ。

たぶん、小島と真弓は同じなんだ。

ひばりヶ丘に固執して、憑りつかれてる。

彼女たちは、ただ夢見てただけ。
静かで平和な街に家を建てて、温かい家族を育んで、幸せに暮らしたい。

夢を見てはいけないの?

という真弓のひと言が痛い。

だって、やっぱり主婦は、母は夢を見るよ。

まさか、ここに家を買ったというただそれだけで家庭が崩壊するなんて
誰も思わない。

ひばりヶ丘に家を買う事を望んだのは真弓かも知れないけど、啓介だって
賛成して今があるはず。

真弓ばかりに責任を押し付けるのは、ちょっとなぁ…。

しかし、啓介には、もっと軒並みならない事情があるみたい。

大体、どうして、淳子に預けられた凶器を大人しく持っているのか。
普通だったら警察に出すでしょう…。
いくら人が良くたって、共犯にさせられるかも知れないのに隠し通す人はいない。

例えば、凶器を隠せばお金を返さなくてもいいと言われているとか…。
それをする事で自分に得がなければ、人間あんな風には動かない、はず。

これで、啓介が犯人ではない事も解り…こうなったら、もう本当に
慎司くんだとしか考えられないんですけど。

うん…もう犯人がどうとかよりも、やっぱり人間ドラマなんだろうと思って見てる。

今回は、彩花の口に唐揚げ詰め続ける鈴木京香さんの演技に見入ってしまった…。
ホラーのようだわ、もう。
  夜行観覧車 唐揚げ

ちなみに…ここから感想とは無関係ですが。
当方は原作を知らず、ネタバレが何もない状態でミステリーや
サスペンスを見るのが好きです。

映画やドラマで映像化されるからといって原作を読むという事はありません。
連ドラの場合は、見ながらああでもないこうでもないと考えるのが好きなのです。

原作既読の方にとっては、笑っちゃうような事を書いてるかも知れませんが、
当方はただのドラマ感想を書いているだけなので。

その辺、ご了承ください。

※コメントのレスが滞っております。すいません。
しかし、全て楽しみに読ませていただいております。

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高級住宅地で起きた医師殺人事件で、妻の高橋淳子(石田ゆり子)が逮捕され取調べが
始まるが、淳子は「自分がやった」と言い張るばかりで、何も語ろうとしない。
一方、逮捕のニュースを聞いた遠藤啓介(宮迫博之)は、事件当夜に遭遇した出来事を
思い出しながら、ある秘密を隠そうと山奥で穴を掘り続ける。
そんな夫の様子を知る由もない真弓(鈴木京香)は、娘・彩花の度重なる家庭内暴力に
次第に追い詰められ、ついに・・・。

(あらすじは「Yahoo!TV」より引用)

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【キャスト】

遠藤真弓 … 鈴木京香
遠藤啓介 … 宮迫博之
遠藤彩花 … 杉咲花

高橋淳子 … 石田ゆり子
高橋弘幸 … 田中哲司
高橋良幸 … 安田章大
高橋比奈子 … 宮﨑香蓮
高橋慎司 … 中川大志

田中晶子 … 堀内敬子
村田志保 … 吉田里琴
野上明里 … 滝裕可里

小島さと子 … 夏木マリ

結城哲也 … 高橋克典

【スタッフ】
脚本 … 奥寺佐渡子、清水友佳子
演出 … 塚原あゆ子、山本剛義
原作 … 湊かなえ

【注】これ↓ クリックすると犯人解っちゃうらしいです。私はまだ見てません!
(解らなかったというご報告をいただきましたが「あらすじ」に載っているそうです~)

 
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