総評
振り返ると2018年は、どの局も挑戦的な作品が多かった気がしています。恋愛や仕事、パーソナルが多様化する時代、ドラマも当然その波に乗らなければなりません。上手く波に乗り、傑作となった作品も多く、楽しめるドラマが揃った一年でした。
1位は野木亜紀子脚本『アンナチュラル』。
2018年の第一クールでありながら、丸1年間「名作」として語られ続けたドラマです。
これまで原作付き作品の取り捨てが上手いと言われていた野木さん初の単独連続オリジナルドラマ。開始前から話題となっていたこの作品は、蓋を開けてみたら期待値以上の素晴らしさであり、すでに日本の法医学ドラマの金字塔となったと言っても過言ではないと思います。
主演の石原さとみさん始め、キャストが作り出す世界観も良かった。誰もがこの仲間に入りたいと願い、こんな仕事をしてみたいと憧れ、暗黒事件の数々に眉をひそめつつ酔いしれたのでした。
2位の『おっさんずラブ』は社会現象でした。
「男同士の恋」というテーマは、深夜帯とはいえドラマや漫画の中では語られ過ぎていて、開始前は辟易とする部分もあったのです。
しかし、これが本当に面白かった。パワフルな男たちの恋のさや当てや真剣に悩む姿を、視聴者はゲラゲラ笑いながら観察し、微笑ましさにウットリし、切なくて泣いた。
ホモだのジェンダーだの関係なく、恋愛ドラマに飽きた多くの視聴者を虜にする普通の恋愛ドラマとして最高に魅力的な作品でした。
ジェンダーものといえば、今期はNHKの「女子的生活」で悔しさや切なさを味わい、フジの「隣の家族は青く見える」で数々の問題点やこれからの在り方を学び、そして「おっさんずラブ」に辿り着いた感覚がありましたね。
恋愛の多様化を学んだ1年でした。
『義母と娘のブルース』は疑似親子の物語であり、これは新しい家族のあり方を描いた作品となりました。
『白夜行』『JIN』『天皇の料理番』と、原作付き作品を最高の名作に彩る森下佳子さんとTBSスタッフの魔法のような手腕をまた体験できる1本です。
『dele(ディーリー)』は、脚本家競作で各回に違った味わいがありました。共通しているのは「この世からデータを消す」という人生そのものを片づけるような寂しさです。各脚本家さんが描かれるそれぞれの「最期」を堪能しました。
5位の『モンテ・クリスト伯―華麗なる復讐―』はフジテレビの意欲作です。
開始前は誰しもが古典文学の舞台を日本にして連ドラにするなんて……と奇異の目で見ていたものを、最終回には世界観にどっぷりハマりこんで涙すら流していたのは凄かった。
アレがこう来たのか……という原作比較としても面白かったし、キャストの皆さんの演技と共に異様な物語を楽しみました。
選り抜きドラマブロガーによる2018年ランキング
一般視聴者ではありますが、ネットでニュースを書いているライターさんよりも恐らく数多くのドラマを長年熱心に見てきている「本物のドラマファン」と言えるドラマブロガー。局やスポンサーなどとのしがらみもなく、公平な視点で鋭い分析をしてきた選り抜きドラマブロガーランキングです。
blogger(敬称略・五十音順) | 選 |
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あるがまま・・・ まこ |
1 アンナチュラル 2 義母と娘のブルース 3 この世界の片隅に ストーリーの面白さにキャスティングもぴったりハマってた1位2位。
3位は広島題材なもんでちょっと贔屓目に(笑) |
|あんぱ的日々放談|∇ ̄●)ο あんぱんち |
1 義母と娘のブルース 2 コンフィデンスマンJP 3 モンテ・クリスト伯―華麗なる復讐― フジテレビが盛り返し、テレ東は上昇中で、日テレは沈下ぎみ
深夜ドラマも粒揃いの良作が多かったので2019年にも期待! |
oliveのドラマ帳~風に吹かれて~ olive |
1 アンナチュラル 2 義母と娘のブルース 3 おっさんずラブ 今年は価値観や家族のカタチが多様化している作品が多かったように思います。 |
ぐ~たらにっき chany |
1 義母と娘のブルース 2 探偵が早すぎる 3 バイプレイヤーズ 〜もしも名脇役がテレ東朝ドラで無人島生活したら〜 1位はこれは迷わずというところです。前半、後半ともに好きでした。 2位は勢いがすごかった。 3位は楽しかったのはありますけど、大杉漣さんへの哀悼の意を表してというが大きいかな。 今年は見たものが少なく、見たものの中でも不快に感じるものもあったりしましたけど、いいものはパッと出てきたので、そういう意味では悪くはなかったのかな、という感じでした。 |
シャブリの気になったもの シャブリ |
1 義母と娘のブルース 2 透明なゆりかご 3 大恋愛~僕を忘れる君と 次点「今日から俺は!!」候補外「アシガール」 なんと!私は自分でも驚くほど午後の紅茶CMが流れると、つい「ぎぼむす」の録画を見ようとてしまうの。 |
Simple*Life ドラマ感 みのむし |
1 義母と娘のブルース 2 僕らは奇跡でできている 3 アンナチュラル 他にも今日から俺はやdeleも入れたかった。 |
せるふぉん☆こだわりの日記 せるふぉん |
1 義母と娘のブルース 2 モンテ・クリスト伯―華麗なる復讐― 3 隣の家族は青く見える |
だらだらぐーたらぐだぐだ日記(休止中) 仮名 |
1 僕らは奇跡でできている
最初は期待もなくぼんやり見ているだけでしたが、独特の世界観とゆったり穏やかに流れる空気にドハマりしちゃいました。このドラマを見ると少しだけ優しくなれるような気がしました。←気がするだけ。
2 アンナチュラル 法医学ドラマとしてもおもしろかったし、人間ドラマとしてもおもしろかったです。続編絶対作れるだろうから、続編希望ドラマです。
3 モンテ・クリスト伯―華麗なる復讐― 毎回続きが気になって仕方がなく、はらはらドキドキしながら見ていたドラマでした。登場人物みんなキャラ立ちすぎだし、その中でもピカイチでかっこよかったのはディーン・フジオカ。納得のおディーン様でした。
ほかにも、「大恋愛」や「義母と娘のブルース」「コンフィデンスマンJP」「dele」「シグナル」も楽しく見ていました。リストには載ってなかったけれど、「未解決の女」も大好きなドラマでした。ものすごく流行った「おっさんずラブ」は録画すらしてなかったのが悔やまれます。
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DRAMA TiMEz イタ |
1 大恋愛~僕を忘れる君と 2 アンナチュラル 3 僕らは奇跡でできている 以上のように順位を付けました。
実質的には1位から3位はどれも甲乙付けがたいものです。 法医学ものは大好物なので「アンナチュラル」を入れましたが、それ以上に気に入ったのは「大恋愛」でした。 このご時世に恋愛メインではなかなか成り立たないものですが不幸な結末が用意されている状況の中でどのようにして大恋愛をしたんだと視聴者共々満足させるのか難しいものだったと思います。時間の流れが速くまた小説で成功が訪れてしまう辺りは少々雑な印象も有りましたし、計算しすぎた俳優配置だったのですが、小池徹平君が登場してくる辺りの妙な胸騒ぎ感は最高に面白く、子供が加わりよりこの病気の持つ難しさとそれと向き合っていかねばならない辛さを味わわせてくれました。 「アンナチュラル」は日本のドラマを見て居るとよく耳にする、見過ごされている不自然死に対する解剖・解明を行うドラマ。ツンツンしている井浦さん演じる中堂と気の強そうな石原さん演じる女性とその仲間たちのUDIラボでのやりとりを追ったもの。 徐々に難易度が高まり一致団結しなければ解決出来ないヤマ(過去案件)を持っていく所などの盛り上げ方も良かったし、微細証拠の組み合わせによって死亡当時のことを 「僕らは奇跡でできている」は一見するとふわぁっとしたドラマだけど人と現代社会についてどのようにして上手く付き合っていくのかということが描かれていたような話でした。 ギスギスとした社会の中で常識とは何か。色んな価値観が混在する現在社会はそれぞれ人間が持つ個性をどう引き出していくのか。豊かな日本という国でも不満が募ってしまう人が出てくるのは何故なのか。 大学が持つ特性・利点とも言うべき、学生と社会への橋渡し的な期間を通して、どのように今後の道筋を立てていくべきなのか、そして何がもっとも人間らしい生き方なのかということを短時間の中で学ばせてもらったような話でした。 リスの架け橋はそんな意味も有ったのかなぁ。安定感が有って楽しかったです。優しい気持ちにさせてくれるドラマでお勧めです。 |
どらまにあ まりこ |
1 アンナチュラル 2 義母と娘のブルース 3 大恋愛~僕を忘れる君と リスト以外だと「中学聖日記」も、毎回どんなラストになるのか気になってみてました。「半分、青い。」もランクに入れるか迷いましたが、毎朝、展開にハラハラしてました(笑)
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どらま・のーと ちーず |
1 義母と娘のブルース 2 dele(ディーリー) 3 おっさんずラブ 「今日から俺は!」「モンテ・クリスト伯」もハマって見ていました。 |
トリ猫家族 きこり |
1 dele(ディーリー) 2 女子的生活 3 モンテ・クリスト伯―華麗なる復讐― 年々飽きっぽさが加速して完走できるドラマが少なくなっているんだけど、この三作品はとにかく見ずにいられなかった。『透明なゆりかご』も良かったけど新鮮な驚きを与えてくれた三作品を選んでみたよ。
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Happy☆Lucky はにー |
1 アンナチュラル 2 dele(ディーリー) 3 コンフィデンスマンJP お話もひきこまれたしキャラもみんな
魅力的。その世界にしっかりひきこまれて 終わるのが残念だった作品ばかり。 |
ドラマ@見とり八段 くう |
1 アンナチュラル 2 透明なゆりかご 3 女子的生活 |
ブロガー集計結果
1位6点→3位2点で集計しています。
作品名 | 評点 |
---|---|
義母と娘のブルース | 48 |
アンナチュラル | 40 |
dele(ディーリー) | 14 |
僕らは奇跡でできている | 12 |
大恋愛~僕を忘れる君と | 10 |
モンテ・クリスト伯―華麗なる復讐― | 10 |
透明なゆりかご | 8 |
女子的生活 | 6 |
コンフィデンスマンJP | 6 |
おっさんずラブ | 4 |
探偵が早すぎる | 4 |
隣の家族は青く見える | 2 |
バイプレイヤーズ | 2 |
この世界の片隅に | 2 |
2019年への展望
恋愛、職業、結婚、生活の在り方など、前年よりももっと多様性を語る作品が多かった2018年。
それでも、職業ドラマ、とくに医者、刑事、弁護士は変わらず大人気でした。
作り手も個性と安定の狭間で揺らぐ部分が大きいのかも知れません。
2019年も、よりいっそうのステップアップを願っています。
2019年もドラマブログをよろしくお願いします。
https://dramablog.cinemarev.net/best-drama-awards