平安時代なんて、恋愛脳か鬼童話脳か……と思いながら見ていた人もいるだろうけれど。
初回からガッツリ、治安の悪い無法地帯と、弱き者の命は虫けら扱いの理不尽さを見せつけられるのだった。
1000年の時を超える長編小説「源氏物語」を生み出した女流作家・紫式部の波乱の一代記。平安中期、京に生を受けた少女まひろ(落井実結子)、のちの紫式部。父・藤原為時(岸谷五朗)の政治的な立場は低く、母・ちやは(国仲涼子)とつつましい暮らしをしている。ある日まひろは、三郎(木村皐誠)という少年と出会い、互いに素性を隠しながらも打ち解けあう。再び会う約束を交わす二人だったが…激動の運命が始まる…
(『光る君へ』上記あらすじは「Yahoo!TV」より引用)
大河ドラマ 光る君へ 第1話 感想
感想
改めまして、今年の大河もよろしく……と書きたいけれど、前年の大河なんて、ついに最終回レビューまで放棄したし(その内ひっそり上げます。ほとぼりが冷めたら(笑))
ここ何年かは、「どうせTwitter(X)で実況しているのだから、ツイートをそのまま上げて記事にしよう」、という試みを実行していたのですが、この「ツイートを埋め込む」という作業に結構手間がかかるので挫折。
だったらシンプルに、ツイートの内容も織り交ぜながら簡単に書こう。
という結論に納まりまして(勝手に完結)、今年もよろしくお願い致します。
時代背景と藤原氏
この時代、朝廷へ参上すれば「藤原」ばかり。宴に行けばお役目に就いているのは「藤原」ばかり。歴史の教科書を開けば「藤原」ばかり。
である。それが現実なので仕方ありません。
藤原同士で争ったり追放したり嫁を取ったりしているので血縁ではないように見えるかもしれないけれど、元を辿れば血縁、ということになる。
ただ、あまりにも栄えて流派が出来すぎたので、このくらいの時代になると、もう血縁というのには血は薄い。
物語のヒロイン・まひろの父、藤原為時も、偶然出会った少年・三郎の父、藤原兼家も、元を辿れば血縁。藤原不比等の血を汲む藤原北家の末裔なのでした。
なので、貧しくとも為時も一応貴族。まひろが「姫と呼べし」と言うのは、あながち間違いではないかも知れませぬ。
◆◇人物相関図◇◆
— 大河ドラマ「光る君へ」(2024年) (@nhk_hikarukimie) December 15, 2023
大河ドラマ「#光る君へ」は
来年1月7日(日)放送スタート!
ぜひ放送前の予習にご活用ください。
▼公式HPはこちらhttps://t.co/7E9xfJgPYU pic.twitter.com/vY1BHK8MrF
子役時代は花アン混じり
OPは楽曲・映像共に美しい。
久しぶりに印象的なフレーズのある楽曲を聴く。
OPは重め曲調のピアノ曲。ちょっと八重さく思い出す。好きかも。
https://twitter.com/kukucooo/status/1743922388193149436
ストーリーは、家族や周辺紹介。
まひろ は、藤原為時の娘。
この時代は能力や性格だけではなく、朝廷での役職はほぼコネクションで支配されています。
「藤原」といっても上記したように、あっちもこっちも藤原なので、藤原だからといってコネクションの中に居るわけではありません。
為時はこの時、干されている最中でした。貧乏貴族なのです。
まひろは、家の貧しさを十分理解しています。
なので、自分の生活に足らない分は想像の翼で補うのでした……。
(結果、花子は『赤毛のアン』の翻訳者になり、まひろは『源氏物語』の作者となる……さすが)
「姫と呼べし」
ちなみに「まひろ」という幼名は創作です。この時代の女性には名前がない……はずはないけれど、残りません。
実際にかなり上位の人の奥方などでも名前を知られていない女性がほとんど。
「紫式部」以外の記名は「藤原為時女(むすめ)」です。
あさきゆめみし源氏物語
私にとっての『源氏物語』といえば大和和紀先生の『あさきゆめみし』です。
(たぶん、本格的に古書を読んだという方よりも、『あさきゆめみし』勢が多いはず……。)
『あさきゆめみし』は非常に原作に忠実に、なおかつ解りやすく、そして美しく平安朝廷の美しさや悲しさを描き出しているので、機会がありましたらぜひ読んでみていただければ…(たぶん、読みだしたら止まらんです)。
とはいえ、このドラマのヒロインは「『源氏物語』の作者」であって、物語の中の登場人物ではないのですが。
……ですが、鳥が逃げるエピソードなど、源氏物語からリンクさせて持って来る。
こういうネタ的な部分でも楽しめそうですね。
そして、こういう描写も単なるネタではなく、鳥かごの中に居ないと死んでしまいそうな当時の女性の中で、そこには収まらず、作家を仕事として一世を風靡したヒロインの今後を暗示しているのですよね。
そういった伏線としても描かれていくのだと思います。
母上まさかの初回退場
先ほども書きましたが、第一回はヒロインの貧しいながらも愛に溢れた楽しい4人家族の様子。
幼いながら、勉学の才がすでにある様子。
創作ですが、三郎(後の藤原道長)との、ふんわりした朝ドラみたいな出会い……
と、子役時代らしい人物紹介物語でした。
……じゃなかった!全く!
この前日は昼の土曜スタジオパークのゲストに、ヒロインの父・為時と母・ちやはを演じる岸谷五朗さんと国仲涼子さんが出ていらして、和やかに撮影風景など語っていらしたので油断しました。
ヒロインが暮らす藤原為時家の方は貧しいながらも楽しい一家というのんびりした描かれ方でしたが、三郎の家、大納言・藤原兼家の方は豊かながらも歪んだ一家(というより、歪んだ次男)が描かれていたのでございます。
◆◇#光る君へ ギャラリー◇◆
— 大河ドラマ「光る君へ」(2024年) (@nhk_hikarukimie) January 7, 2024
【第一回】約束の月
本日1月7日(日)放送
<初回15分拡大版>
[総合] 夜8時00分
[BS・BSP4K] 午後6時00分
[BSP4K] 午後0時15分
▼公式HPはこちらhttps://t.co/oUVY8joY4w#段田安則 #藤原兼家#三石琴乃 #時姫 pic.twitter.com/6E2zEuuLF6
兼家 家の構成はこんな感じ。
道隆は長男らしく穏やかで物腰優しく、両親に愛されている様子。
三郎はまだ少年なので、のんびりとマイペースに暮らしつつ、親の愛を受けている様子……。
そんな中、思うように親の愛を得られない次男・道兼は捻じれまくっていた。
兄には手を出せないので、嫉妬は自然と三郎に向く。母の前ですら三郎を突き飛ばしたり蹴り飛ばしたり……。
しかし、そういう道兼の乱暴狼藉は父の狙い通りらしい。
嫡男・道隆を汚れなき者にしておくために泥をかぶる者がおらねばならぬ。そういう時は道兼が役に立つ。
無論、道隆も道兼も三郎も我らの大切な子じゃ。
道隆は押し出しもよく真面目であるし、道兼は乱暴者だが猪突猛進でよい。
三郎はボ~ッとしてやる気がないが物事のあらましが見えておる。
そなたの産んだ3兄弟は皆それぞれによい。
自分の子すら役割を決めて利用することしか考えていないのか……とは思いますが、まぁそういう時代ですし、子供もある程度は「お家のための自分」という自覚を持って生きています。
役に立つ=愛されている……と思って育つわけなので、役割を明確に与えられない苛立ちが道兼を乱暴にさせているのですね。
父は、それを狙ってやっている。
恐ろしい事です。
親の愛に飢えてイライラする道兼とヒロイン・まひろが、この回の終盤にバッドバッティングすることになります。
道兼の馬の前にまひろが飛び出し、落馬させてしまうのです。
まひろを蹴り飛ばす道兼の前に母・ちやはが立ちはだかり、まひろを庇います。
道兼様を黙らせるとは肝の据わった女子でございます。
一度は逃したのに、従者が余計なこと言うから……。
母上!!!!!!ええええ……なんと…… #光る君へ
— くう@ドラマ実況アカ? (@kukucooo) January 7, 2024
母上、初回から退場だとも思っていなかったし、こんなことになるとも思っていなかった……(母の生年没年についてははっきり分かっていないんで) #光る君へ
— くう@ドラマ実況アカ? (@kukucooo) January 7, 2024
丁度その時、兼家から東宮付きの漢詩指南の役を頂いていた父・為時は、この件を訴えず、泣き寝入りすることにしたのでした。
しかし、自身の官職のためばかりではなく、言っていた通り、
そのことは忘れろ!
お前や太郎のためだ。
父の言うとおりにせよ。
なのだと思います。
だって、こんな道兼だし、父も権力者。
盾突いても理不尽な結果しか待っていない気がいたします。
ほんと……無法の時代です。
第一話、ありがとうございました。
— 玉置玲央 (@reo_tamaoki) January 7, 2024
藤原道兼でした。
玉置玲央や俺が演じる大河ドラマの道兼は嫌いになっても、『光る君へ』は嫌いにならないでください。
どうか次回も視ていただけたら幸いです。
よろしくお願いします。#光る君へリアタイ
玉置玲央さん、ずっとただの視聴者みたいに実況していて最高でした(笑)
はい。来週も見ます。
雅さも残酷さも見えた、満足のいく初回でありました。
このドラマへのレビューをどうぞ
キャスト(相関図式)とスタッフ
キャスト (相関図式)
紫式部/ まひろ:吉高由里子(幼少期:落井実結子)
主人公一族(良門流)
藤原為時:岸谷五朗
ちやは:国仲涼子
藤原惟規:高杉真宙(幼少期:湯田幸希〈太郎〉)
藤原宣孝:佐々木蔵之介
乙丸:矢部太郎
いと:信川清順
はる:島田桃依
熊丸:志村光貴
藤原家(九条流)
藤原道長:柄本佑(幼少期:木村皐誠〈三郎〉)
藤原兼家:段田安則
時姫:三石琴乃
藤原寧子:財前直見
藤原道隆:井浦新
藤原道綱:上地雄輔
藤原道兼:玉置玲央
藤原詮子:吉田羊
高階貴子:板谷由夏
藤原定子:高畑充希
藤原彰子:見上愛
藤原頼通:渡邊圭祐
藤原伊周:三浦翔平
藤原隆家:竜星涼
源明子:瀧内公美
百舌彦:本多力
藤原義懐:高橋光臣
藤原顕光:宮川一朗太
平惟仲:佐古井隆之
宇多源氏
源倫子:黒木華
源雅信:益岡徹
藤原穆子:石野真子
宮廷
藤原実資:秋山竜次
藤原公任:町田啓太
藤原斉信:金田哲
藤原行成:渡辺大知
源俊賢:本田大輔
藤原頼忠:橋爪淳
藤原為光:阪田マサノブ
源重信:鈴木隆仁
藤原文範:栗田芳宏
天皇・皇族
円融天皇:坂東巳之助
花山天皇/ 師貞:本郷奏多(幼少期:伊藤駿太〈師貞親王〉)
一条天皇/ 懐仁:塩野瑛久
三条天皇/ 居貞:木村達成
藤原忯子:井上咲楽
藤原遵子:中村静香
宋
朱仁聡:浩歌
周明:松下洸平
その他
ぬい:野呂佳代
座頭:佐藤信之
コウメイ:金澤慎治
兼太:長谷場俊紀
兼次:松岡歩武
兼三:千葉雅大
清少納言/ ききょう:ファーストサマーウイカ
赤染衛門:凰稀かなめ
安倍晴明:ユースケ・サンタマリア
須麻流:DAIKI
直秀:毎熊克哉
さわ:野村麻純
絵師:三遊亭小遊三
語り:伊東敏恵
スタッフ
◆放送期間 : 2024年1月7日~12月 日
◆制作 : NHK
◆平均視聴率 : %
◆制作統括 : 内田ゆき,松園武大
◆プロデューサー : 大越大士,高橋優香子
◆演出 : 中島由貴,佐々木善春,中泉慧,黛りんたろう
◆脚本 : 大石静
◆音楽 : 冬野ユミ
◆時代考証 : 倉本一宏