【最高の離婚】 スペシャル2014 感想

離婚の原因が何かわかりますか？
結婚です。

結婚するから離婚するんです。

つらいです。
朝目が覚めるとつらいなあって思って、夜寝るときにつらいなあって思います。

 

最高の離婚 スペシャル2014

　　　　

 

確かに…。
人はなぜ離婚するのか。

それは結婚するからである。

では、なぜ結婚するのか…。

それが一番のこのドラマのテーマだと思うの。

…って事で、『最高の離婚』2014年スペシャル。

毎度の事ながら、長いです。　
一応、項目別に筋を分けてます。

 

連ドラ終了後、濱崎光生・結夏(元)夫妻は、まだ婚姻届を出していないらしい。

で、その状況で同居を続けているのだった。

昨日の晩ご飯、アジフライでした。
僕がしょうゆ掛けようと思ったら妻がソース掛けました。
ハハハ…僕が言いたいこと、３つ あります。
アジフライにはしょうゆ。
掛けるなら自分のだけ掛ければいいよね。
えっ、何でその上マヨネーズを掛けるの？あり得なくないですか！？

結婚って長い長い拷問です。
ハワイに行ったら毎日雨。
動物園行ったら動物みんな寝てる。
映画見に行ったらパート３だったようなもんです。

『トイ・ストーリー３』は泣きました。最初の１０分間見てませんけどね。
妻が遅刻したから…何で遅刻したんだと思います？
ハハハハ！「三度寝しちゃったから」。
サンドネ？メキシコの地名か何かかと思いましたね。
二度寝ならまだしも三度寝なんて普通しません。
コモエスタサンドネシタ！
ブエナスタールデスサンドネシタ！えっ、それ、何…。

相変わらず歯科衛生士さん相手にグチグチ言い続ける光生である。

動かないでください。

その治療、一体いつまで通うの？　

 

そんな光生にも変わった所はある。

あんなに嫌がっていたキャンプをついに決行。
…ただ…やっぱりちょっとズレてる。

 

ねえ、おなかすいた。

えっ、今、火やってるから。

だいたい何で１２月３０日にキャンプなんかするかな？

 

年末のキャンプもなかなかあり得ないけど、真冬に原始人みたいな火起こししてる図も
あり得ない……。　

ぶつぶつ言いながら、相変わらずほぼ何もしない結夏。

バイクで合流してきた諒さんは、相変わらず飄々とした空気感。
灯里さんは今日は居ない。

 

奥さんとお子さんいないとさみしいでしょ？

あした青森から帰ってくるんです。
もう、娘に会えると思うともう、そわそわしちゃって。ハハハ！

すっかりパパの顔になりましたね。

上原家は、とりあえず平和らしい。

 

【光生】

相変わらず、グチグチうざい…けれども、そこが人間らしくて可愛い。

行きたくなかったキャンプに行くちょっと前向きな姿勢。
腹痛でトイレで年越ししちゃう間の悪さ。
診断は尿管結石。新年早々ついてない。

 

僕たち再婚します。
離婚終了します！

結夏の実家には、早々に婚姻届を出すと約束。
お義父さんも亜以子さんもホッとする。

しかし…夫婦には相容れない理想の家族像があった。

 

ここで２人でねえ、暮らしてさ、時間自由に使って家計にもゆとりあって。
僕はこの生活気に入ってるし、結夏もそうでしょ？

マチルダとはっさくもそう。
きっとこの生活を楽しんでると思う。

子供がいるとそうはいかないよ？
赤ちゃん革命が 起きますよ？
お金掛かるし、部屋そこら中汚くするし、子供っぽいし、生活感出るし、
僕らのしたいことなんかできなくなる。
もう、全部子供中心になるよ。もう盆栽置けなくなるんですよ。

家にある本、全部『たまごクラブ』『こっこクラブ』『ひよこクラブ』に変わるんですよ。

落ち着いたら婚姻届出す約束したよね？
新婚だよ？ 新婚さん始まろうとしてるんだよ？
行くならまず「ＩＫＥＡ」でしょ。
「ＩＫＥＡ」行ってソファ買おうよ。カフェ風のやつ。
テーブルもカーテンも替えて。あっ「光生＆結夏」。
こういう表札掛けようよ。
週一で外食年一で旅行行ってさ。

恋人同士みたいな夫婦でいいじゃない？

 

子どもがほしいという結夏の理想が、光生には雑誌や周囲に影響された
「みんなと同じことしたい」浅はかな考えにしか見えないらしい。

考えてみて。今年生まれた子供が二十歳になるころ、日本の借金は1800兆円
ぐらいになりますよ。

大借金をうちの子たちが背負うんですよ。
大借金の上に大就職難ですよ。ブラック企業どころじゃないよ。
ブラックホール企業に就職することになりますよ。
天文学的な残業時間ですよ。
うちの子、ボロボロになりますよ。吸い込まれますよ。
そこに送り出していいものなの？

 

ううう…とってもネガティブだ……。・泣

いや、言っている事は当たってるかも知れない。

しかし、そうなるかも知れないし、ならないかも知れないワケで。

子どもをこんな世の中に送り出したくないから欲しくない…と言うのは
映画『Se7en』でも主人公が言っていた。

でも、結果的には…勇気がないように見えるんだ。
父親になる勇気ね。

出て行ってしまった結夏が気になって仕方ない。

「子どもを作るか作らないか」は夫婦にとって妥協できない大きな問題だ。
この話し合いにはどちらかが折れるという事がないと思う。
だって、人生の一大事で、折れた片方はずっとずっとそれを引きずって生きなきゃならないから。

どちらかの考えが変わらなければ、結婚は難しい。

けれども、光生は結夏は帰ってくる、そして結婚する、という希望を捨てない。
おみくじ大吉が出るまで引き続けちゃうくらい捨てない…。

 

【結夏】

相変わらずグータラ…だけど、今回は連ドラからの続きという事でグータラ描写は少ない。

このＳＰだけ見た人は、光生が酷くて結夏の方が気の毒に思えるかも知れないけれども、
連ドラから見ていた身には、あまりに酷すぎる大雑把っぷりだったので。　
(そして、そのヒドさがまるで自分自身のようで痛かったので…・泣)

まぁ…カップルとしては合わないようでこの２人はお互いを補うという意味で
とても合っている２人なのだった。

 

連ドラでも言っていた気がするが、結夏さんは子どもがほしい。

 

そんな雑誌に載ってるみたいな生活いらないの。

そのソファでいいの。
子供がこぼしたジュースの染みがあっていいの。
テーブルなんか落書きだらけでいいの。
私はそれをガミガミ怒りたいの。
恋人同士みたいな夫婦じゃなくていいの。
「お父さん、お母さん」って呼び合うのがいいの。

何？恋人同士みたいな夫婦って。
私たちもう３１だよ？何？生活感いらないって。
生活することが大人になることでしょ？

言うの３回目だけど私は子供が欲しいの。
あなたと私の子供が欲しいの。
分かる？女が男の人に思う気持ちにそれ以上はないの。
そのためにあなたと結婚したの！

 

結夏さんの気持ちは女としてとてもよく解る。

しかし、光生の言う「生活感のない仲良し夫婦」が雑誌に載っているようなのと
同じように結夏さんの言う子どものいる家族もまたテレビドラマの世界。

第一…「私たちもう３１」だとか、「大人になること」だとか言うけれども…
結夏さん自身があまり大人ではないので心配ではある。　

もちろん、大部分の女は子どもを産めば母になるけれども、中にはならない人も
いるわけで…。
この夫婦の場合は子どもの世話は光生ばかりがする事になりそうな予感も……。

さて、クリーニングの配達先で結夏と仲のいい弁当屋「サントク」の主人・黒部。
黒部は離婚して２人の子どもを男手ひとつで育てている。

もうすぐ「サントク」を閉めて旭川の実家へ帰るという黒部は結夏にプロポーズ。

 

旭川の家は部屋が空いてるんですよ。
その部屋からは 毎日 朝日と５０ヘクタールもの牧場が見えるんです。
まあ、５０ヘクタールっていうと、うーん…どのぐらいかな？
東京ディズニーランドぐらいの大きさですか。
町の連中はみんながさつで、時間にいいかげんなやつばっかりですけど、バカでいいやつ
ばっかりなんです。

あの…自分の特技は…。
一生懸命働くところです。

うん。

結夏さん。自分の…いや…自分はいいんです。

果菜と航平の母親になってもらえませんか？

 

子どもたちは結夏になついている。

それより何より…「自分が必要とされること」に相変わらず飢えている結夏さん。

だから…クラっと行っちゃうのだった。　

 

【諒さん】

これも相も変わらず掴みどころのない男。

娘が生まれて純粋に嬉しい。
妻・灯里と娘と３人の生活は楽しい。

けれども、あっちゃいけない出会いはある。

高校生の時に駆け落ちに失敗し、大失恋したトラウマの女・潮見さんと偶然会ってしまう諒さん。

光生が貸した傘を持って一緒に歩いている所を光生に目撃される。
相変わらず、ツメも甘い。

潮見さんから渡された寝台車「カシオベア」のチケット。

 

カラオケで、くるくる椅子を回しながら光生に相談。

濱崎さんは…。

椅子回さない！

結婚してなかったら今ごろどんな恋をしてたんだろうって考えたことないですか？

あさって、土曜日の出発なんです。

上原さん、何考えてるんですか？「無頼派の目」してますよ。
家族捨てるときの男のスイッチ入ってる目、してますよ。

幸せって何なのかなって思ったことないですか？

幸せっていうのは夫婦円満・家内安全のことです。

ホントにそれだけですか？

プラス、電車の中で隣の女性が居眠りして寄り掛かってきてラッキー！
ぐらいの感じまでです。そっから先は「無頼派」です。

もう一つの人生を考えるんです。
あのとき別の道を歩んでいたらどうだったろうって。

こっちの人生は間違ってるんじゃないだろうかって…。

 

子どもも生まれて幸せいっぱいな顔をして、別の幸せも求める…。
何て奴だ、と思うけれども、人間ってそういう所はあるかも。男だけじゃなく。

１つの物に縛られないでいくつもの幸せをフラフラ追う自由がほしい気持ちは理解できなくもない。
でも、それは世間的には「無頼派」なんですよ、諒さん。

…という事は、ちゃんと理解した模様。
それが光生のお手柄かどうかは解らない。
子どもの魅力に負けたのかも知れない。

土曜日。
光生とバッタリ出会った時、諒さんは両手いっぱいにベビー用品を抱えていた。

それでいいんだ。
いいマイホームパパになってくれ。

今晩、うち来ませんか？博多鍋しようと思うんですけど。

 

【灯里】

上原家は２人とも本音の見えない夫婦。
たぶん、仮面夫婦になっても外からは全く解らない夫婦だ。

灯里は相変わらず本音は出さず、心の内にモヤモヤを飼って表面上では微笑んでいる。

青森から帰ってきたその日、もう諒さんの態度がおかしい事には気付いている。
けれども言わない。

 

結婚する前、濱崎さんに話したじゃないですか。
またいつか浮気されるかもしれないって。
でも、私、賭けてみたんです。
子供のために。

はい…。

負けたのかなって思います。

そんなことないと思います。
この間もお子さんと会えるの楽しみにしてたし。

慰めなのか、本気なのか、光生も必死に灯里をなだめ諒を弁護する。
まぁ…夫婦(仮)が壊れかけている光生には、上原家にはせめて幸せでいてもらいたい。

その人…。
潮見さんって人でしょ。
たぶん、今会ってるのその人です。

いや…だって、その人には裏切られたんですよ？

裏切られたから今も好きなんですよ。

抱ける女が抱けなかった女に勝てるわけないですよね。

 

ものすごい観察力と洞察力なのね、この人。
これは真理だと思う。

手が届かなかった憧れの物に、簡単に手に入った物が勝てるわけがない。
それでも、その位置を守りたければ笑って許すしかない。

今の灯里には薫がいる。
だから、諒さんなんてどうでもいいんだ。

…と、思いこもうとするのもこの人仕様。

本当は、行ってほしくないくせに。

 

結局、男はプラモデルが好きでさ、女はお人形が好きなんだよね。
女は男に完成品を求めるけど、男は女に未完成を求める。
で、女は男が完成するとずっと抱き締めてたくなるけど、男は女が完成すると退屈になる。

もう何か男のそういうとこ悩んでもしょうがないっていうかどうでもいいっていうか。

だって負けたの私だし、やっぱり人を変えるのは難しいよ。
人は変わってしまうものだから。

でもいいの。今は。
私のことだけを好きになってくれる子がいるし。
ねっ。

 

【カシオペア号】

すごい荷物ですね。旅支度ですか？

道でバッタリ諒さんに会い、嫌味を言う光生。
諒さんが持っているのはベビー用品。もちろん、「カシオペア」に乗る気は無かった。

この段階では。

今晩うち来ませんか？博多鍋しようと思うんですけど。

いつも通り、天然で空気が読めないのかすっとぼけてるのか解らない返答を貰ったが、
光生はそれどころではない。

消えた結夏を探しているのである。

その時、諒さんの携帯に潮見さんからの着信が入る。

それ、出ちゃうとまた…。

本気で心配する光生。

諒さんはシラッと普通に電話に出る。
潮見さんの要件は…灯里さんが今、自分の隣にいるという事だった。

え……灯里さん…どうしてそんな所へ～～赤ちゃんは？

潮見さん、今、上野駅で灯里さんと一緒にいるそうなんです。

と、一応、光生に報告する律儀な諒さん。

えっ！バトルですか！？

あっ、もしもし、灯里さん？

電話に出た灯里さんの機嫌は当然悪い。

しかし、諒さんにブツブツ言いかけて……突然、口調が変わって言うことには…

えっ！？えっ！？

何ですか？

濱崎さんの奥さんがいるの。
男の人と…子供たち連れて。

駅に向かって楽しそうに歩く黒部三徳親子と結夏の姿が…。

 

…奥さん、何か家族ぐるみで上野駅向かってるそうです。

諒さんに預けられた荷物を持ったまま弾かれたように走り出す光生。
光生を追う諒さん。

ホームを走り回って、結夏が乗り込んだらしい「カシオペア」の中を覗く。
発車ベルに押さるように「カシオペア」に乗り込む光生。
光生を追って乗り込む諒さん。
普通に当初の予定通り乗り込む潮見さん。
仕方なくついていく灯里さん。

結局…全員乗っちゃった。　

 

車両内の狭い通路で、修羅場が始まる上原家。

 

上原君。

はい。

諒さん。

はい。

紹介してくれる？

あっ、えっと、それは。はい…えーっと…。

僕はね、止めたんですよ。

と、光生。
いやいやいや……結果的には、あなたが諒さんを連れてきたんですよ？　

私は別に諒さんがどこ行こうと、もうどっちでもいいんだけど。

えっ？

あっ、そうですか。
じゃあ行こうか。上原君。

はい？

だって、今どっちでもいいって言いましたよね？

どっちでもいいけど。

負けるの認めたくない人は「どっちでもいい」ってよく言うけど。

これ！真理！
すっごいよく解る。
どうしてこんなセリフを作れるんだろう…神か、と思うほどよく解る。

「どっちでもいい」とか「どうでもいい」とか、捨て台詞的な事を言う人ほど
そう思ってないんだよね。　
ドロドロした負けず嫌い全開なんだよ。すごいよく解る！

車室から外に出てきた結夏も光生を見つけて濱崎(元)夫妻の修羅場も加わって。
通路は狭くて世間様のご迷惑になるので全員で食堂車に移動。
こっちも迷惑だよ。　

あっ、上原さんの？

と、潮見さんを指さす結夏。

あっ、星野結夏です。

あっ、潮見 薫です。

取りあえずどっか座りましょうか？

顔色が変わる灯里さん。

あなた、「薫」っていうの！？

そうですけど。

へぇ～…へぇ～。
娘と同じ名前だ。

あっ、いや！それは違います。
たまたまだよ…。

慌てて言いわけ…にもなってない事言う諒さん。

死ねば！

 

いやぁ……これはいかん。これは最低だ。
あきらめきれない昔の女の名前を子どもに付けるとかありえない～。

後から、名前をつけたのは灯里さんの方だと解ったのがまだ救われるけど～。
でも、その段階で反対しろや。

これ、この先、私だったらもう娘を「薫」と呼べないわ。
改名してほしいよ…こんな事で改名って許可されるのか？

 

まるで合コンのように自己紹介して、穏やかっぽく始まった二夫婦の修羅場。
ヤング宮崎駿とか言われる黒部さん。似て…ない事もない…。　

 

結局、潮見さんは諒さんが結婚している事を知らなかった。…と言う。
つまり、誰でも良かったんだね。高校の時と一緒。

「あなたがお母さんになったから」浮気されるんだと言う潮見さん。

それは 駄目でしょ？子供のせいにするのは。

違います。
あなたが子供の母親だけじゃなくて、彼の母親になったからですよ。
男の浮気１回 許したら、男は女のこと母親だと思うようになるんです。

許しちゃ駄目だよ。

１回でも裏切られたら捨てなきゃ駄目なんだよ。
じゃないと、ずっと甘えてくるんだもん。
男を励まして優しくして我慢して許した分だけ女じゃなくなる。
母親にされちゃうんだよ。

諒さんはそんなつもりはなかったと否定。
灯里さんは責め続ける。そりゃそうだよね。

 

灯里さん、僕はそんなふうに思ってないよ。

私が思ってたの。

えっ？

傷つかないって思ってた。
何されても平気だと思ってた。
もう、追い掛けない。嫉妬なんかしない。
よかった、もう楽になれる。

そう思ってた。

まさかこんなとこ…来るつもりなかった。

バカだよね。

 

自分に来た諒さんからの長い長い留守電を聞かせる潮見さん。

それは、諒さんは「行かない」という事を伝える内容だった。

「僕に足りないのはちゃんと選ぶことなのかなって」
「自分の人生選んで、自分で道を決めることなのかなって」
「で、選んだら後は全部捨てるんだって」
「僕が今大事なのは家に帰ることです」
「帰って妻と娘と一緒にご飯を食べることです」

 

潮見さんは大宮でカシオペアを下りて行った。

 

申し訳ありませんでした！

と、突然謝る黒部さん。

自分は奥さまに恋をしました。

次はそっちか。

…で、今度は濱崎家の番。

あの…私たち、ちょっと事情がよく分からないんですけど。

別に大したこと…。

不倫旅行です。
人妻がお弁当屋さんのおかずになろうとしてるんです。

結夏の悪口をめいっぱい黒部に吹き込む光生。

１０時すぎまで寝てるから朝日は見れない。
ちょっと仮眠するって言って８時間寝る人。
お弁当に刺し身入れたことありますからね。

まぁ…悪口と言うよりも真実なわけですが。

結夏を行かせたくないばかりに、自らドツボに堕ちている痛々しい光生。
それが解っているから結夏は泣くのだった。

ごめんなさい。
今日は家に帰ります。

 

結局…仲良く話をして、上原夫妻と濱崎(元)夫妻は宇都宮でカシオペアを下りた。

 

【お別れ】

今から書いて、区役所出しに行こう。

光生は婚姻届をプリントアウトして、自分のところにサインする。

 

ごめん。私、これ書けない。

えっ？

書けない。

えっ？書き方分かんない？

ううん。

 

結夏のハラはもう決まっていた。
光生もそれは解っている。
解っているのに認めたくない痛々しさ。

結夏は言うのだった。

自分は不倫旅行した。
北海道に行ってあの子たちの母親になってもいいと思ってた。

結局…結夏は母親になりたかった。
光生と一緒に子どもがいる家庭を作りたかった。

 

そりゃ、家族でいるのが好きな人もいれば一人が好きな人もいて色んな人がいると思う。
夫婦だったら子供つくって当たり前とか、愛情なくなった夫婦つなげるために子供作るとか。
そういうのは違うと思う。

夫婦は夫婦だし、子供は子供だし、人は人だし。
全部別々のことだと思う。

光生さんは一人が向いてる。
…ほら、逆ウサギだよ。
さみしくないと死んじゃうの。

バカにしてんじゃないよ。
光生さんの、そういう光生さんのところ好きだし面白いと思うし。

そのままでいいの。

無理して合わせたら駄目なんだよ。

合わせたら死んでいくもん。
私があなたの中の好きだったところがだんだん死んでいくもん。

そしたら、きっといつか私たち駄目になる。

光生はやっと察したのだった。
引き留めることの難しさ。

 

結夏のこと好きだよ。

すごく好きだよ。
ありがとう。

 

１人になってから尿管結石の石が出た。

係長に昇進した。

喜びを報告できるのは、猫のマチルダとはっさくだけ。

年賀状が２等当選した。

喜びを報告できるのはマチルダとはっさくだけ。

光生は、１人で微笑む。

寂しい…。

光生は面倒くさい男だよ。うるさいよ。ウザいよ。
…でも、可愛いんだよ。・泣

本当は、光生みたいな人こそ人と暮らす幸せを感じていてほしいんだ。
何も気にしない結夏は光生にはピッタリなんだ。

…でも、こうして傷つけあってしまう。

 

光生は結夏に長い長い手紙を書く。

近況を書く。
夢の話を書く。

「昨日、君の夢を見ました」
「君がたくさんの風船を抱えてくる夢でした」
「君は無数の風船を僕と自分の体に結び付けました」
「僕と君は風船に軽く体を持ち上げられて空を飛びました」
「目黒川を見下ろすとマチルダとはっさくが見上げてるのが見えました」
「上原さんたちが赤ん坊を抱いて手を振っていました」
「僕は 風に流されて飛んでいくしかない」
「自分の非力さが少し悲しかったです」

「川沿いの道を今日も歩きます」
「一人ずつ二人で生きていたこと」
「僕の中に住んでいる君」
「君の中に迷い込んだ僕」
「不思議と一人になった気がしません」

「いつかまたそう思うことの愚かさを思いながら、それでも思います」
「夜中の散歩をしてじゃんけんして、食べて笑って手をつないで、焼き芋頬張りながら」
「また同じことを話すんです」
「僕たち一緒にいると楽しいよね？」

「一緒に年を取りませんか？」
「結婚してくれませんか？」

「２０１４年２月８日」
「目黒川沿いの古いマンションで、２匹の猫と共に春の訪れを待っています」

 

　　※※※

 

相変わらず見事な人物造形。
キャラクーに全くブレがない。

つまり、４人ともちっとも変わってない。　

灯里さんは、諒さんの事を「人を変えるのは難しい」と言うけれども、灯里さんだって
変わっていないのだった。

みんな人の事はよく見えているのに自分の事はちっとも見えていないのがまたおかしい。

それは、これを書いている私も同じ。

完璧な人間なんていない。
だから人間は面白い。

 

親子を描く坂元脚本は実は苦手で。
女に母性を求められすぎて、母である身としては見ていて辛いのである。

だから、坂本裕二って人はそういう人なのですね…と思っているけれども、
このドラマでは違う。

男に対する母性を拒否する女がいる。

結夏が光生のお母さんになれるかどうか。
または、光生が大人の男としてドッシリと結夏を受け止められるかどうか。
そこを受け入れられなければ夫婦は元に戻らない。

生きている内に色々と悟って自分を変えていく人もいれば、変わらない人もいる。
この２人が今後どうなるのか…。

できたら続きが見たいけれども…出来るかなぁ。

 

長々としたセリフの応酬応酬応酬を感情豊かに演じる役者さん達の素晴らしさ。

今回も堪能しました。

 

「離婚の原因ってなんだか分かりますか?結婚です。結婚するから離婚するんです」

自動販売機設置会社のサラリーマン濱崎光生(瑛太)はいつものように歯科医院で愚痴をこぼす。
結夏(尾野真千子)と離婚してからちょうど1年が経つが、いまだに同居は続けており、実は
再婚しようと思っている。
そんな年末、オートキャンプ場に光生と結夏の姿があった。
相変わらずまめまめしく働く光生に対し、何もせず口だけ出す結夏。
そこに上原諒(綾野剛)が合流、灯里(真木よう子)は青森で無事に女の子を出産し、明日東京へ
戻ってくる予定だとうれしそうに語る。 　

キャンプのあと、光生と結夏は富士宮の結夏の実家に里帰りする。
そこには祖母・亜以子(八千草薫)ら濱崎一家も大集合。
相変わらずノリノリのカラオケは大盛り上がり。
その場で出した光生の再婚宣言に両親は安堵の涙を流す。
だが、光生と結夏には再婚に向けてどうしても乗り越えられない壁があった…。　

一方、諒にはあるトラウマがあった。
それは、初恋の相手・潮見薫(臼田あさ美)と高校時代に駆け落ちした結果、振られたこと。
その薫に偶然再会し、心が揺れ動く諒に薫は思い出の“寝台特急カシオペア”のチケットを手渡す。
さらに結夏に思いを寄せる、子煩悩でバツイチのお弁当屋の黒部三徳(岡田義徳)という新たな
存在も現れる! 　

“寝台特急カシオペア”の中で、とんでもない大変な騒動が繰り広げられる!?

(上記あらすじは「Yahoo！TV」より引用)

よろしければ→【2014年1月期・冬クールドラマ】ラインナップ一覧とキャスト表

　　
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【キャスト】

濱崎光生 … 瑛太
濱崎結夏 … 尾野真千子
上原灯里 … 真木よう子
上原 諒 … 綾野剛

潮見 薫 … 臼田あさ美
黒部三徳 … 岡田義徳

星野健彦 … ガッツ石松
星野慶子 … 大島蓉子
瀬田智世 … 市川実和子
瀬田継男 … 松尾諭

濱崎亜以子 … 八千草薫

 

【スタッフ】

脚本 … 坂元裕二
プロデュース … 浅野澄美
演出・プロデュース … 並木道子
音楽 … 瀬川英史

主題歌 … 桑田佳祐「Yin　Yang(イヤン)」

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