戦後の混乱期の中、困窮した生活を送るすみれ(芳根京子)。
持っているものをお金に換えて生活しようと考えるが、姉のゆり(蓮佛美沙子)の夫・潔(高良健吾)に、これからは自分で仕事をして稼いで生き抜かないといけない、と諭される。
新しい道を模索しつつ、すみれは持っていた靴をお金に換えようと、幼い頃からの馴染みの靴屋・麻田(市村正親)を訪ねる。
すると、麻田から思いもよらぬ提案が……。
(上記あらすじは「Yahoo!TV」より引用)
連続テレビ小説「べっぴんさん」第3週「とにかく前に」 第15話
※朝ドラレビューは基本「簡単感想」です。
※朝ドラは半年間の長丁場なので、良い感想を書いてある時も悪いことが書いてある時もあります。レビューはその日その日の感想なので、その点ご了承くださいませ。
↑…テンプレだす…。
前作も闇市のセット映像は丁寧で、荒んでいるけれども活気はあってて生活感溢れる様子が出ていた。
今作と前作の闇市が根本的に違う所は、前作の人たちは闇市が自分たちの市場でもあるので、ある程度明るく楽しく描かれていたこと。
(全然「闇」じゃなかったし(笑))
今作は、恐らくご自分で町にお買い物に出られることすら稀だったであろうお嬢様が見る最下層の恐い所。ホンマもんのブラックマーケットである…という事である。
そこに暮らしているらしい ゆりですらビクビクしているわけで、すみれなんてますますビクビクである。
そんな中、ちょっと凄めば相手が逃げていく潔という人の戦後の背景が知りたい。早く(笑)
今日もマヂ高杉な潔。
復員列車で知り合った岩佐栄輔なんか早くも舎弟っぽい。
ここから『まほろ駅前狂騒曲』の星さんが生まれても何の不思議もないやろ…。
ほんで家には戻ったんか?
ああ。
焼けてのうなってたわ。
父ちゃんも母ちゃんも妹も死んどった。
サラっと言っているようだが、サラっとだからこそ重い。
紙のように燃やされた、人の命。
「俺も親父が死んでな」とか語らない。
泣きながら報告したりしない。
ただ、住むとこ探したる!と明るく言ってくれる潔の存在。
何だかもう神がかってるんですけど、高良健吾。
(そして、そのバックが本当ーーーに知りたい……その内、突然逮捕されちゃったりしないかとヒヤヒヤするで )
生活力がない すみれはもっかのところ「思い出を売る」ことしか考えが至らない。
厳しいこと言うようやけど、これからはタケノコやってても先はない。
着るもんを一枚一枚脱いで売っていく。
タケノコみたいやろ?
しまいには丸裸や。
働くしかない。
すみれちゃんも自分の手ぇで仕事して自分の足で生きるんや。
昔のように小嬢ちゃんのままではおられへんねんで。
そう言われてもな…。
何かを生産して売る。
という事をしたことがなく、戦争さえなければ「婿を迎えることが「家を継ぐ」ということで仕事は婿がやりゃあいい」ベクトルで暮らしていた当時の奥様には難しかったろう。
ゆりのように「仕事をしてみたい」という意志もなく育ったお嬢さんだ。
姉妹で同じように育てても子どもの性質はなぜか違うもの。
まさかの エツコ様 再登場!!
ご自分の事を「あの」悦子「さま」や!!
と、言ってしまう悦子さまはキャバ嬢になっていた。
やはり家も親も失った悦子さまは娘さんのためにご自分を商品にされていたのである。
ここに来るんは最後の最後やで。
たぶん、一番歯がゆいタイプの同窓生だろうに、そう言ってくれるの、優しいね。
この人もきっと紆余曲折の末、ここにいるのだろう。
「何かを売る」
ことについて最終的にヒントをくれたのは、あさや靴店の麻田さん。
麻田さんが すみれのために作ってくれた靴は すみれだけの物だと子どもの頃の すみれは充分解っていたはずなのに、
この靴を売ってもらえないでしょうか?
どなたかこの靴に足が合うお客さんに…。
と言ってしまう。
この子的にはそれほど追い詰められているんだよ。
これを「甘い」「頭がない」と言える人は強いわ。
誰だってこんな大人になってから何かを初体験しなければならない状況に追い込まれたら恐怖を感じると思うけれど。
資格もなく自分に自信がなかったら生きていく術を失うと思うけれど。
手製の写真入れを見て、麻田さんが言ってくれるのである。
作ったらどないですやろ?
えっ?
いろんなもん作って…ここで売ったらどないですやろ?
売る…?
何も持たなかったお嬢様が、自分が持っているものに気づき、1人で生きていくことの意味を知る物語。
ここに辿り着くまでの過程がこの一話で童話のように語られた。
こんな風に前を向かなきゃいけない人が現代にもたくさんいると思うのね。
そういう人に気づきをくれるドラマになっている。
とにかく、進まないと。
※キャスト
坂東すみれ … 芳根京子(子役期:渡邉このみ)
坂東五十八 … 生瀬勝久
坂東はな … 菅野美穂
坂東ゆり … 蓮佛美沙子(子役期:内田彩花)
井口忠一郎 … 曽我廼家文童
坂東トク子 … 中村玉緒
坂東長太郎 … 本田博太郎
坂東節子 … 山村紅葉
坂東静子 … 三倉茉奈
田中紀夫 … 永山絢斗(子役期:玉山詩)
小澤勝二 … 田中要次
村田昭一 … 平岡祐太
村田琴子 … いしのようこ
岩佐栄輔 … 松下優也
田中五郎 … 堀内正美
佐藤喜代 … 宮田圭子
野上潔 … 高良健吾(子役期:大八木凱斗)
野上正蔵 … 名倉潤
麻田茂男 … 市村正親
小野明美 … 谷村美月(子役期:坪内花菜)
多田良子 … 百田夏菜子
田坂君枝 … 土村芳
高西悦子 … 滝裕可里
ナレーション(語り) … 菅野美穂
※スタッフ
脚本 … 渡辺千穂
演出 … 梛川善郎、新田真三、安達もじり
プロデューサー … 堀之内礼二郎
制作統括 … 三鬼一希
音楽 … 世武裕子
主題歌 … Mr.Children「ヒカリノアトリエ」
コメント
いこちゃんさん
>もし当時復旧していたら1時間くらいで着いた可能性もありますね
はい。神戸線はしっかり復旧しておりました(笑)
しかし当時は庶民が乗るにはとても高い乗り物だったらしいです。
そう考えるとやはりまだまだお金持ちなのですね、この一家は。
JR神戸線(大阪駅-神戸)は戦前からすでに開業しており、所要時間も大したことはないので、もし当時復旧していたら1時間くらいで着いた可能性もありますね
地図では遠く見えますが結構神戸大阪間は戦前から便利なので
しげさん
潔、何だかバックが不明すぎるもんねぇ。
親の会社を立て直したい一心で必死すぎるし…、
大した事件にならないといいなぁ。
タケノコ>『べっぴんさん』第15話
岩佐栄輔さん@新登場 に、潔&ゆりが出したおにぎり あ、大阪だから“おむすび”か? (byめ以子『ごちそうさん』) …というのは置いといて>ぉ すみれにも食べさせてやらんかい! …と思ったのは私だけ? …ひじゅにですが何か? 「何様やお前は!?」by闇市のオジサン 昨日「“お嬢様”を脱却」と書いたけど 今日はまさに、それを後押し…
潔は闇屋だから逮捕はありそうね。取り締まりの人は買い物するふりをして来るとか(実際捕まった人の話読んだ事ある)
いずれそんなシーンが出てくるかもよw
巨炎さん
悦子さまがこんな形で再登場されるとは思いもしませんでした~!
次にお会いできるのは商品テスターでしょうか…。
>神戸ー大阪の移動
朝ドラあるあるですな(笑)
べっぴんさん 第15回
内容生活のため、持ち物を闇市で売ることを決めたすみれ(芳根京子) 一方、大阪では、潔(高良健吾)ゆり(蓮佛美沙子)のもとを、潔が復員列車で意気投合した岩佐栄輔(松下優也)が訪ねてきていた。そこに、すみれがやってくるのだが。。。。 すみれは、ゆりに頼み事を出来ず、街を歩いていると女学校時代の同級生、高西悦子(滝裕可里)と再会する。 敬称略 描こうとしているコトは理解するが。 無理して、舞台を大阪にする必要ないだろうに。 さすがに、すみれを神戸から。。。。ってのは、 ちょっと違和感をおぼえて…
どん底にいる者同士で励まし合う。
悦子さんの扱いも前作の綾さんと正反対ですね。
ただ神戸ー大阪の移動が多少、引っかかりますが。