保科さん。
人間というのは、あるはずの物がない世界には戻れない生き物なんですよ。
クローンの存在で病魔の苦しみから解放された。
そんな役に立つものを誰が手放しますか。
誰も治らない世界なんかに戻りたくないんです。
だったらどうしますか?
簡単です。
認めなければいいんです。
あくまで同じ人間だと認めなければいいんです。
だから、みんなあなた達には心がないものと思い込もうとする。
わたしを離さないで 第9話
猶予をもらうためには多分絵が必要なんだよ。
龍子先生から もらった手紙覚えてない?
「陽光はあなた達が思うより深くあなた達を守る計画を持っています」
「今からでも遅くはないです」
「絵を描いて陽光に持っていって」
恵美子先生のとこ行って二人の時間、取り戻して。
二人で猶予を勝ち取って。
半信半疑でも、美和が遺した言葉に恭子とトモは希望を持った。
恭子は介護の仕事の合間を縫って1人で恵美子先生の居所を探しはじめる。
1人でやらなくてはいけないと思ったのは、トモを傷つけたくないから。
「猶予」なんてないという現実を突き付けられた時、恭子はなるべくソフトにそれをトモに伝えようと考えていた。
そんな恭子にトモは恵美子先生探しを[楽しもう]と言う。
何言ってんの?
これは美和がくれたチャンスなんだよ。
トモにとっても最後のチャンスなんでしょ?
一生懸命やらないと…。
俺 、もらったのは夢だと思うんだよ。
俺らにとっての夢でしょ?猶予って。
だから叶わなくっても仕方なくって、でも、追いかけるのは楽しもうっていうかさ。
そういうトモの無邪気なポジティブさに恭子は癒される。
トモの提案で一緒に住むようにもなった。
けれども、介護の仕事は過酷だ。
目の前で弱っていく提供者を見る。
誰かに最期が近付くたびに、恭子はトモを連想して焦る。
けれども、トモは真面目に薬も飲んでいない。
ケンカになる。
そして言いたい事を呑みこむ。
そんな恭子の日常を、介護している加藤は羨ましいと言う。
そうなのかも知れない。
大抵の「提供者」には目的などまるで無くて、「何かを見つけようと探す」ものもなくて…。
それがあるというだけで、同じ「提供者」であるはずなのに恭子とトモは今ちょっと楽しいのだ。
恵美子先生を見つけて。「猶予」を手にする。
ささやかだけれども大きな夢。
切っ掛けは突然訪れた。
トモが持っていた本の表紙が、恭子が昔描いた絵だったのだ。
それは、マダムが持ち帰った絵だった。
出版社経由でマダムに連絡を取ってもらい、手紙を託した。
賭けは当たり、連絡が来た。
恵美子先生は「のぞみが崎」に住んでいたのである。
失くしたものが辿り着くという地…。
覚えてますよ。
よく かんしゃくを起こしていた いたずらっ子と聡明で優しい優等生。
覚えてますよ。
恵美子先生は老いて車いすに乗っていたが、教祖のような笑顔は昔と変わらなかった。
陽光の出身者には特別な提供の猶予があるって聞いて。
その、ホントに愛し合ってる二人なら自由な時間をもらえるって。
恭子は「猶予」について伝え、トモはダンボール箱いっぱいに持ってきた絵を先生の前に広げた。
ようやく夢が目の前に開けた。
トモは笑顔でいっぱいでだった。
そして、2人は必死だった。
頼みこむ2人を恵美子先生とマダムは哀れそうに見た。
あげられるものなら、差し上げたいです。
でも
そんなものは、ないんです。
「猶予」はただの噂だと言う。
では、あの龍子先生の言葉は何だったのか。
そもそも陽光があんなにも絵を描く事を薦めていたのは何だったのか。
長い話になりますよ。
と言ってから、恵美子先生は語り始めた。
私が陽光をつくったのは、私が初めての成功例だからです。
成功例?
私は、あなた達と同じ
クローンなんです。
愕然としたわ…。
この人自身がクローンだったとは。
私は、この人の娘やマダムの娘がクローンなのだと思っていた。
もしかしたら、それが恭子や美和なのではないかとずっと思っていたのだ。
本人がクローンだったとはね。
しかし、恵美子先生は陽光の子供たちとは違い、提供用のクローンでは無く、開発者の実験用成功例だった。
そのルーツは恵美子先生の母親だった。
科学者の父親はヨーロッパで妻のクローンを生み出すことに成功し、恵美子先生は夫妻の娘として育てられたのだ。
この成功を元に、この世界ではクローン製造による「提供」が始まったのだった。
私が自分の正体に気づくきっかけになったのは、月経というものがこなかったことでした。
病院に行こうとして…
父から真実を明かされたんです。
ぞっとしましたよ。
私は、
あの
あの「提供者」達と同じだったのかって。
この時の恵美子先生の話口調が…本当に憎々しくて。
たぶん、クローンの存在も、自分自身への嫌悪感も、嫌悪感を持ってしまう罪悪感も、こんなものを作った父親に対する怒りも…
全部こもった「ゾッとしました」だった。
ひどいでしょう?
私も父もそんな自分に随分長く悩みましてね、行き着いた答えが教育でした。
恵美子先生は考えたのである。
せめて彼らに人間並みの教育を受けさせたいと。
優秀な「提供者」には提供を免れて「介護人」になれるようにしたいと。
あなた方に絵を描かせたのはその一環です。
この子達も普通に教育を与えれば普通の子供と同じように育つ。
絵はその証明であり、あなた方にも魂はあると世間に知らせるためのものでした。
龍子先生が言っていた「深く守ろうとした」というのは、長いスパンで…
最終的には世間がクローンに魂がある事を悟ってこのシステムを廃止しようと考えてくれないかと、そういう事なのだろう。
それは、つまり、恭子やトモの代のクローンを救おうという話ではなかったということ…。
魂がある とおっしゃいましたよね、絵はその証明だと。
そう。
魂があることの証明です。
それは…その、外の人達は…私達には魂なんかないって思ってるってことですか?
恭子の抵抗は解る。
美和はずっと恭子に憧れ嫉妬し、最期にはトモとの仲を繋ごうとしてくれた。
真実は解放と人間らしさを求めて運動していた。
魂が無かったらそんな事は出来ない。
つまり、恭子たちは自分たちは人間だとずっと信じて生きてきたの。
しかし、現実は過酷だった。
保科さん。
人間というのは、あるはずの物がない世界には戻れない生き物なんですよ。
クローンの存在で病魔の苦しみから解放された。
そんな役に立つものを誰が手放しますか。
誰も治らない世界なんかに戻りたくないんです。
だったらどうしますか?
簡単です。
認めなければいいんです。
あくまで同じ人間だと認めなければいいんです。
だから、みんなあなた達には心がないものと思い込もうとする。
違うと声高に言っても無理です。
潰されるだけです。
だから、私は地を這う虫のように少しずつ少しずつ事態を変えていこうと思ったんです。
私は間違っていましたか?
あなた達に、せめて許された中で最大限豊かな人生をと思ったんです。
私は間違っていましたか?
せめて一抹の誇りを持って人生を全うする方法はないか。
だから、「使命」と言いました「天使」と言いました。
他にやり方がありましたか?
教えてください。
私は間違っていましたか?
間違っていた。
と思う。
人間でないのならば知識も…言葉すら与えるべきでは無かった。
魂など無いように育てれば良かった。
家畜が解体されるときに、さぞかし悲しいだろうとか苦しいだろうというのは空想の範囲の事で、それとこれを一緒にしたら彼らも「人間ではないもの」になってしまう。
そうじゃなくて、彼らは人間でしょう?
違うんだろうか。
人間の形をした「何か別のもの」なのだろうか。
「人間は、あるはずの物がない世界には戻れない」
これは、とてもよく解る。
文明の利器を手にしたら、もう無かった時代には戻れない。
パソコンのない生活、電化製品のない生活、電気のない生活、乗り物もない生活、家のない生活、火のない生活…
戻れない。
「臓器の替えがない生活」
この世界の人たちには、それは有りえない事なんだ。
「貴女は天使なの」という恭子の言葉を聞いて、美和は落ち着きを取り戻して逝った…のかも知れない。
そういう意味では、この教育は必要だった。
けれども、初めから言葉なんか知らなければ、何の知識も無ければ恐怖も生まれないかもしれないわけで。
「家畜」たるものに与えられた教育は残酷でしかないように思えるのだ。
癇癪というよりも、トモの絶望の慟哭を聞きながら…
トモを支える恭子の静かな涙を見ながら…
子役の時から繋がるこの人たちの演技の凄さにも圧倒されて、自然と泣けてきた。
助けてあげられない。
ここで助けてあげたいと思う感情は、
あなたが今抱きしめているものを、手に入れている温かいものを手放さないでって…
多分、そんな感じだったんじゃないかしら。
と、悲しい映画やドラマでも見て泣いているような感覚でいたらしいマダムと同じくらいの偽善。
解体されるまでの短い生を有意義に…
と、考えるのも偽善と言えるかも知れない。
結局、では、どうすれば良かったのかというと、やはり真実が叫んでいた事が全てだとしか思えない。
すなわち、初めから人間のように育てないこと。
公式サイトの三浦春馬さんのインタビューに
「生きることは常に欲求なんじゃないか」と改めて感じさせていただいた原作。
という言葉があって、ああそういう事なのかなと。
ものすごく、それがシックリきた。
どんな生まれでも、どんな運命でも、生まれてきてしまったら誰でも生きたい。
生きていたら夢も見る。希望も持つ。
どんな風に生きたいかという欲求。
「夢って叶わなくてもいいんじゃないかと思うんだよね」
「私さ、トモに言われたこと初めて分かったような気がしたよ。
夢は持ってることに意味があるって」
私たちの生きる世界では、そもそも「夢を持つ事」にそんなあきらめを感じる必要がない。
それが、形になる可能性が大きい私たちの世界。
彼らの世界では夢は単なる夢であって形になる事は絶対にないのだ。
なぜなら、人間ではないから。
同じ造形なのに。そして物を考えるのに。意識があるのに。
もしも、この世界が常識だとして、私が何者かの臓器を使うとする。
それが「何者か」などと考えたくもないし、彼らの運命など見たくもないし、何を考えているかなど知るのも気持ち悪い。
臓器は臓器だ。
そうやって、多くの人間が今日も何か、見なくてはいけない物を見ないようにして生きているのだろう。
それは戦時中に虐殺された民族だったり、もっと小さい世界の…
例えば鬱憤の捌け口になっている虐めの被害者だったり。
彼らを「人間」だと思うなら、私たちは彼らを見ることをやめてはならないし。
「人間」ではないのならば、そもそも人間の形をしていてはいけないし。
だって、彼らは生きている限り夢も希望も欲求も持っているのだから。
それを無視してはいけないんだ。
どうしても、自分の中でしっくり来ないのは、彼らが本当に「人間」なのかという疑問。
魂があるから「人間」。魂があるから欲求も出る。
「臓器」から魂を抜いてあげれば解決するわけだけれども。
それが「善」なのか「悪」なのか、その判断がつかない。
美和の遺志を受け継ぎ、提供猶予のわずかな希望に夢を託す恭子と友彦。
やっとの事で校長をつとめていた恵美子の居場所を突き止める。
訪れた二人に、訥々と語り始める恵美子。
彼女の口から驚愕の真実が知らされる。
二人の運命を揺るがす衝撃の真実とは・・・
(上記あらすじは「Yahoo!TV」より引用)
※キャスト
保科恭子 … 綾瀬はるか(子役期:鈴木梨央)
土井友彦 … 三浦春馬(子役期:中川翼)
酒井美和 … 水川あさみ(子役期:瑞城さくら)
珠世 … 馬場園梓(子役期:本間日陽和)
真実 … 中井ノエミ(子役期:エマ・バーンズ)
金井あぐり … 白羽ゆり
譲二 … 阿部進之介
信 … 川村陽介
桃 … 松岡恵望子
立花浩介 … 井上芳雄
峰岸 … 梶原善
花 … 大西礼芳(子役期:濱田ここね)
広樹 … 小林喜日
聖人 … 石川樹
中村彩 … 水崎綾女
加藤 … 柄本佑
マダム … 真飛聖
克枝… 山野海
堀江龍子 … 伊藤歩
山崎次郎 … 甲本雅裕
神川恵美子 … 麻生祐未
※スタッフ
脚本 … 森下佳子
演出 … 吉田健、山本剛義、平川雄一朗
プロデューサー … 渡瀬暁彦、飯田和孝
音楽 … やまだ豊
原作 … カズオ・イシグロ「わたしを離さないで」
公式サイト http://www.tbs.co.jp/never-let-me-go/
わたしを離さないで [ カズオ・イシグロ ] |
わたしを離さないで [ キャリー・マリガン ] |
コメント
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ありがとうございます!
いえいえ、そんな事はありませんよ。
昨日今日はちょっと書けなかったので(たぶん明日も真田で手いっぱいで書けないので^^;)来週必ず上げさせていただきます。
いいドラマでしたね!
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いつも楽しみに感想を拝見しています。
この週は、こんな嵐みたいなコメントに真摯に対応されているのを拝見して本当にすごいなと思いながら読んでいました。
もしかしたらこんなコメントに嫌気がさしてもう書かれないのかなと心配しています。
くうさまの感想を読みたい読者はたくさんいます。最終回の更新をお待ちしてます。
わたしを離さないで 第9話
2016.3.11 onair. #9「未来を取り戻す!!最後の希望…真実が明かされる時」 ようやく一緒になることができた恭子(綾瀬はるか)と友彦(三浦春馬)。 介護人として働く傍ら、唯一の希望である“猶予”を目指して、恭子は恵美子(麻生祐未)の居場所を探し始める。…
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いえ、うちのコメント欄ですから。
よろしかったら、また。
「私を離さないで」9 ☆☆☆☆
トモGJ! と一瞬思ったけれど、これは会えて良かったのかなんなのか。美和のメモ住所にはもう住んでいなかった園長を探すため、まずは陽光生徒の絵を探すことにした恭子。引越し …
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おお!!わざわざご丁寧なレス、ありがとうございました。<m(_ _)m>
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むしろ私は夢想家だと思いますよ~。
つまり物語にある悲劇という夢想にどっぷりうっとりハマりこみ、未来はきっと良いことがあるなどそういう空想にまでは頭が飛ばないです、このドラマの場合。
そういう風に考える作品も確かにありますが…これの場合はあまりポジティブに考えられなかったですね。
(むしろそういう未来を考え描ける事の方が現実主義な気がします)
しかし、この物語における「救われる結末」を考えた場合、時代が何年後かに変わり世界が変わっているというのはアリだと思います。
>※「表面上、未来を平和と考えられる幸せな人々」って、おいらは含まれていないですよね(汗汗)
このコメントは他の方への返信であってsisterさんに対する含みはもちろん何もありません(読まれるとも思っていませんでした^^;)
キッドさんへのコメントはキッドさんのブログへどうぞ~。
トラバいただいてますので。
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えっと、私がくうさんはちゃんと家庭をお持ちになっているからだと書いたんですけど、要はくうさんが現実主義者だということを書きたかったのですわ。やっぱり家庭を持つと現実主義的にならざるを得ない側面もあると思うので。でもくうさんははなっから現実主義者なのかも知れないですね。目の前にあるのはまぐれもなき悲劇なのですから。
一方、おいらは結構いろんなつらいこととか体験してきて、それで馬鹿になる道を選んだのかも知れないです。
※「表面上、未来を平和と考えられる幸せな人々」って、おいらは含まれていないですよね(汗汗)←馬鹿になりきれていない人。
戦メリについては、贖罪という言葉が出てきたのでただ書いてみただけです~♪ お気になさらず!!
>キッドじいやさん
ブレードランナーと同じ構造であったとは!!
目から鱗を剥がす作業をお手伝いいただき、ありがとうございます!!
じいやさん、相当なキレ者と見ました。
勝手にこれからもよろしくです!!\(^o^)/
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>有色人種に対する・・・差別意識というものは
二十世紀と二十一世紀ではかなり変化したのか・・・
そうではないのか。
作家は個人ですから・・・そういう「感覚」が
「物語」に反映しているのではないかと邪推します。
それは、あるかと思われまする。
原作は未読なのですが、原作者は日本で生まれた日本人でありながら英国人であるご自身をマイノリティだと言い表しているご様子。
人生上、ご自身の体験が作品に反映される事でしょう。孤独も差別も味わったでしょうし。
>少なくとも・・・独善が悪に他ならないことを・・・。
そういう世界で生きていくことを知らしめることは・・・
迷える子羊たちにとって・・・はたして
善なのか悪なのか・・・。
哀れなものをそのままにしておくか、哀れでは無くすように手を尽くすか、その方法を試行錯誤している間は犠牲も出る。
大事の前の小事はあきらめる…そこに陽光の子供たちがいて私たちがそれを今見せられているとしたら、それはやはり悲劇だと受け取って良いのですよね。
そして、じいやがおっしゃるように独立戦争を終えてもなお今日も残る差別。悪魔は世界から絶えないのでございます。
表面上、未来を平和と考えられる幸せな人々だけが救われる世界を祝福しましょう。アーメン…
どんな最終回になるのやら、くうはドキドキでございますよ~!
SECRET: 0
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原作者にはやはり・・・キリスト教の独善的な文化に対する
違和感のようなものが根底にあるような気がいたします。
神の愛を説きながら
奴隷制度を構築する・・・。
そういう精神の在り方ですな。
有色人種に対する・・・差別意識というものは
二十世紀と二十一世紀ではかなり変化したのか・・・
そうではないのか。
作家は個人ですから・・・そういう「感覚」が
「物語」に反映しているのではないかと邪推します。
脚本家はその点をさらに拡大するために
「陽光学苑」の「創立者」の特殊性を際立たせたと考えます。
特権階級的なお嬢様でありながら
実は「人間」ではなかった・・・。
これは「ブレードランナー」的なアレでございますよねえ。
第一号は「仲間」を守るために手を尽くした。
しかし・・・それでも「仲間たち」は満足することはない。
なぜなら・・・それぞれの「生」を持っているから。
新大陸ではついに奴隷が人権を獲得した。
しかし・・・それでは差別はなくなったのか・・・。
そうではないことを心ある人は知っている。
少なくとも・・・独善が悪に他ならないことを・・・。
そういう世界で生きていくことを知らしめることは・・・
迷える子羊たちにとって・・・はたして
善なのか悪なのか・・・。
神と悪魔の戦いが未来永劫続いて行くことこそ・・・
この世の本質であり・・・
一番素敵なことだと・・・じいめは思うのでございます。
ワクワクしながら最終回を待つ所存です。
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悲劇は悲劇として受け止めたい方なので、あまり前向きに考えない脳になっているのだと思います。
戦メリについては、あちらにも長いコメントありがとうございました。ちゃんと読んでおりますがレスしきれず申し訳ありません^^;
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ついでに書いておこう!!\(^o^)/
贖罪と祝福と自分と相手の両方に対する救済をいっぺんにやっちゃったのが戦メリの最後のハラなんですよね。もってっちゃうよね~~~w
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いや、たぶんそれはくうさんがきちんとした家庭をお持ちで、
私は未だにひとりで好き勝手やっているからだと思いますよ!!
ともかくお互いに発見ができたのはうれしいですね。
こちらこそありがとうございました。(^^)/ ☆
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私も恵美子先生が陽光を始めた切っ掛けは贖罪(こういうシステムを作った一族として)、同じ者なのに自分だけは「提供者」にされない後ろめたさと同族嫌悪、「仲間」たちを少しでも救いたいという良心(それが偽善でも)だと思います。
>「こんな社会」が正当化されたまま、ずっと続く。
それは恵美子先生にとって堪えられなかったのではないか。
そう。「この人は」耐えられなかったのですよ。
それはつまりこの人の自己満足なのです。
結果的には「臓器」は教育を受けることによって意志を持ち、自分たちがどういう存在だか解って苦しんでいる。
それが良いことなのかどうかは解らないわけです。
けれども、同時に彼女は確かに改革を起こそうともしている。
それはそれで尊い実験である事は確かかも知れません。
これは明治維新などと同じ話で、幕府は無くなって政府軍は勝利し現在があるので、テロリストのような活動をしていた松陰先生なども幕末の英雄になっているわけで、歴史には常にifがあるのです。
もし勝っていたのが幕府軍だったら政府軍は悪になっていた。
恵美子先生が行っていた「0.01でも、0.001でも、0.00000000000000001でも…。 それは0ではない。」活動に歴史が判定を出すのはうんと先の事かも知れないんですね。
そういう意味では歴史にどちらが正義かを定義づけるのは無意味な事なのです。
最終的には、今、その改革の過程にいる恭子たち陽光の子らは英雄の1人になるかもしれない。
あるいは、ただの実験材料になるかもしれない。
「提供者」を解放する礎の1つに彼らがなるのだとしたら、それが「光を与えた」事になるでしょう。
しかし、現段階では彼らは苦しいのです。
という意味で、私は彼らには心がない方が幸せだと思ってしまうのでした。これも偽善ですね。
しかし、sisterさんにこのコメントをいただいて私には気づいた事があります。
それは私は将来的に革命があることなど信じられず現在を憂いているネガティブな人間であり、sisterさんは幕府のない自由な世の中が来ることを信じられるポジティブな人であるということです。
ありがとうございました。
SECRET: 0
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最終回はまだなのですが、昨日生で見て、またくうさんのブログを読んで、ふっと思ったことを書いちゃうよ!!\(^o^)/
恵美子先生が陽光始めた理由って、一つは贖罪。
「こんな社会」作ったお先棒かついじゃった自分への。
そしてもう一つは、自己の魂の救済。
まあ偽善でも何でも構いませんわ。
なんかやらなかったら恵美子先生壊れちゃったんじゃないの?
そして、三番目の理由。
これ、最初から恵美子先生が意識的にやっていたかどうかはわからない。
でも絶対に、心の奥底には最初から潜んでいたんだと思う。
それは、
「この世界を変えたい」
自分が「この世界」を作った一員になってしまったのだから、
自分の手で終わらせたい。
少なくとも、終わらせられるような、なんらかの「きっかけ」を作っておきたい。
そりゃクローンがまったく人格も与えられない、
これといった感情も持たない単なる「部品」だったら、
使う方も、「部品」自体も楽。
でもそれでは何も変わらない。
「こんな社会」が正当化されたまま、ずっと続く。
それは恵美子先生にとって堪えられなかったのではないか。
なので陽光を作った。
確かに魂を持ったが故に、皆苦しんだ。
真実は訴え、訴え、訴えかけたが、誰にも振り向いてもらえずしんでいった。
では真実の行為はなんの意味もなかったのか?
私はそうは思わない。
最初は小さな小さな、小さなひずみでも、それは少しずつ大きくなっていく。育っていく。
0は、いつになっても0のままだ。
しかし、0.01でも、0.001でも、0.00000000000000001でも…。
それは0ではない。
恵美子先生の言った、「地を這う虫のように少しずつ少しずつ事態を変えていこう」というのは、こういうことではないかと感じる。
なんつうか、直接的に誰かに訴えかけるというより、じわじわと地に水を染み込ませていくような感じ?
だから当然それは恭子やトモよりもっともっと後の時代のことで、自分なんかとっくにしんでいる時のお話なんだろう。
それでも恵美子先生はやるしかなかったんだろうね。
自分で「元の時代には戻れない」と言いつつも、
なんとかして元の時代に戻したかったんだね、恵美子先生は。
あと、マダムの涙に関してだけど、たぶんあれは、
自分のやってることが単なる偽善なんじゃないかって
問いを突きつけられたように感じて、思わず流れてしまった涙なんだと感じてる。だから、私は、そっとしてあげたいなと思っている。
偽善、いいじゃん!!やらないより全然いいじゃん!!
あとね、これ書こうかどうか迷ったんだけど、
それでもやっぱり私は、恵美子先生の肩をもってあげたいのね。
だって、元々心を持っている人間から生まれたクローンだもの、
その心の遺伝子も当然受け継いでいるはず。だったらはなっから部品になんかなれっこないんだ。
以上が今の時点でなんとなく感じたことっす。
読んでいただいてありがとうございました。
sis.
もう誰も彼を傷つけないでください(綾瀬はるか)
今年も何事もなく三月十一日が通りすぎていった。 去年の三月十二日のレビューは「フラガールと犬のチョコ」である。 今年はこれであるのが・・・運命的なんだな。 人間にとって・・・世界とは自分そのものである。 あるいは「私」と「世界」しかこの世にはないのだ。 その証拠に私が死ねば世界は消えるのである。 だ
わたしを離さないで 第9話
恭子(綾瀬はるか)と友彦(三浦春馬)は、紆余曲折ありながらも、ようやく一緒になることが出来ました。
介護人として働く傍ら、唯一の希望である「猶予」を目指して、恭子は恵美子(麻生祐未)の居場所を捜し始めます。
友彦の次の提供が決まる前に、どうしても恵美子を捜し出さなければと、恭子は焦ります。
美和(水川あさみ)から教えてもらった住所から、既に転居してしまった恵美子の行方を捜す…
わたしを離さないで #09
『未来を取り戻す!!最後の希望の行方…全ての真実が明かされる運命の瞬間』
わたしを離さないで 第9話
第9話
JUGEMテーマ:エンターテイメント
わたしを離さないで (第9話・2016/3/11) 感想
TBSテレビ系・金曜ドラマ『わたしを離さないで』(公式)
第9話『未来を取り戻す!!最後の希望…真実が明かされる時』の感想。
なお、原作:カズオ・イシグロ「わたしを離さないで 」は未読。マーク・ロマネク監督映画「わたしを離さないで(2010)」も未見。
‘提供’までの自由な時間をもらえるという‘猶予’。それを信じたい友彦(三浦春馬)は、自分が描いてきた絵…
わたしを離さないで「未来を取り戻す!!最後の希望…真実が明かされる時」
やっと、共に生きることができるようになった、ようやく一緒になることができた恭子(綾瀬はるか)と友彦(三浦春馬)。
でも、恭子は、介護人として忙しく、そんな中で、一抹の「希望」… 「真に愛しあう二人、芸術の才のある者は、猶予が与えられる」伝説を探して回り、ついに、かつての学園長・神川恵美子(麻生祐未)の居場所を探し求めます。
そして分かってきたのは、どうやら神川はクローンの最初の成…