慶応4年。
坂本龍馬暗殺後の土佐で、天狗を探す万太郎。
…それも切ない……。
万太郎(森優理斗)は病床で生死の境をさまようヒサ(広末涼子)を元気づけようと、ヒサの好きなバイカオウレンの花を探しに行く。だが裏山の神社には見当たらず、立ち入りを禁じられた山の奥深くへと足を踏み入れてしまう。異変に気付いた綾(太田結乃)と竹雄(井上涼太)も万太郎を追いかけて裏山へ。雪が降り始める中、ついにその花を見つけた万太郎だったが……
あらすじ は Yahoo!テレビ より引用
連続テレビ小説「らんまん」第1週「バイカオウレン」第5話
感想
昨日、一人で泣いていた綾さんは、今日は万太郎と2人で母の手を取っている。
「綾」とはひと言も呼ばれなかったけれど、母と過ごした時間は綾さんの方がきっと多かった。
花は間に合わなかった。
けれども「目標」は出来た。
あたしが男なら……
行方不明の万太郎を探しながら、綾さんは竹雄に言う。
どういて万太郎ながやろう思うたことがある。
弱~いのにやりたがり。
迷惑ばっかしかける。
勝手に倒れるし、つまらん葉っぱをず~っと見ゆう。
うちの男衆とはまるで違う。
あたしと万太郎があべこべやったらって思うたこともある。
あたしが男なら早う大きゅうなって蔵人みたいに働くに。
酒の神さんにも嫌われんと峰屋の役に立つに。
けれども、蔵の男衆が万太郎に笑いかけ、集まるのを見て、綾さんは思ったのだ。
あたしはああいうふうに人を笑わせることはようせん。
万太郎は弱~いけんど、万太郎じゃないといかんがやき!
峰屋の跡取りになれない理由をそういう気持ちで受け止めたのもまた可哀想。
人に好かれる弟。
人好きされない自分。
そんな風に自分を見るのはとても寂しい。
綾さんは、どこまでも不器用なお人なんだなぁ。
すでに私の中では綾さんがヒロインなんだけれど……。
大人キャストが佐久間由衣さんなのは「人好きされない」とはだいぶ違うように思えるので、どう演出していくのかは見もの。
崖から滑り落ちた弟を竹雄と2人で引き上げる。
万太郎は白い花を手に握りしめていた。
この上、子供らまで…!
子どもたちが3人とも居なくなったと聞いて、大奥様は天を恨む。
見つけえ~~!
この上、子供らまで…!
許さんき!絶対許さん!
天を恨む。
そういうことよね。
息子は居なくなり、今、嫁も居なくなろうとしている。
子どもたちまで奪われたら……。
綾さんも万太郎も、臨終に間に合うことはできた。
だが、万太郎の目的は「間に合う事」ではない。
命の花を母に捧げれば、きっと息を吹き返す……そのはずだった。
違う……。形が違う。
お母ちゃんが好きながはこれじゃないき。
お母ちゃんが好きな花採ってこれんかった!
それでも、母は目を開けて手を取ってくれた。
万太郎……春になったらお母ちゃん……あそこにおるきね。
また会おうね……。
綾さんには言葉は無かった。
手はきっと、もう冷たかろう……。
さあ望みや!
慶応3年から始まった物語。
年が明けて、ヒサさんが亡くなったのは4年に入る。
坂本龍馬は慶応3年の末にはもうこの世にいない。
「さあ、望みや!」
大政奉還の望みを叶えて、もっともっと彼方の国づくりまで夢見ていただろう龍馬。
誰でも、みな、自分がいつ死ぬかは分からない。
望みは精一杯、叶えておきたい。
まずは自分のために。
おまんは何がしたいがぜ?
名実ともに天狗になった龍馬に向かって万太郎は叫ぶ。
わしはこの花の名前が知りたい!
今は小さな望みでも、きっとたくさんの人の学びを豊かにするよ……。
非常に豊かな子ども時代だった。
長いドラマを子ども時代から描く意味ある初週。
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らんまん キャストとスタッフ
キャスト
槙野万太郎 – 神木隆之介(子役期:森優理斗、9歳 – 12歳:小林優仁)
竹雄 – 志尊淳
槙野綾 – 佐久間由衣
幸吉 – 笠松将
たま – 中村里帆
楠野喜江 – 島崎和歌子
池田蘭光 – 寺脇康文
槙野ヒサ – 広末涼子
槙野タキ – 松坂慶子
槙野豊治 – 菅原大吉
槙野伸治 – 坂口涼太郎
槙野紀平 – 清水伸
西村寿恵子 – 浜辺美波
西村まつ – 牧瀬里穂
笠崎みえ – 宮澤エマ
阿部文太 – 池内万作
倉木隼人 – 大東駿介
倉木えい – 成海璃子
及川福治 – 池田鉄洋
江口りん – 安藤玉恵
宇佐見ゆう – 山谷花純
広瀬佑一郎 – 中村蒼
野田基善 – 田辺誠一
里中芳生 – いとうせいこう
天狗(坂本龍馬) – ディーン・フジオカ
早川逸馬 – 宮野真守
中濱万次郎 – 宇崎竜童
浜村義兵衛 – 三山ひろし
田邊彰久 – 要潤
徳永政市 – 田中哲司
大畑義平 – 奥田瑛二
大畑イチ – 鶴田真由
語り – 宮崎あおい
らんまん スタッフ
◆制作統括 : 松川博敬
◆プロデューサー : 板垣麻衣子、浅沼利信、藤原敬久
◆演出 : 渡邊良雄、津田温子、深川貴志
◆脚本 : 長田育恵
◆音楽 : 阿部海太郎
◆主題歌 : あいみょん「愛の花」
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