【家売るオンナ】第2話　感想

このお宅を５０００万でお売りになり、このマンションを2軒合計で４５００万でお買いになり、こちらの１ＬＤＫで家賃収入を確保した場合…｡

 

確保した場合？

 

ご夫妻がお亡くなりになった後も息子さんは１００歳まで引きこもっていられます！

もし、２５００万でこちらの居住用のマンションのみをご購入になった場合、ご夫妻がお亡くなりになった後…

いずれ息子さんは働かなければならなくなります｡
ご両親はこれから息子さんが社会に出て働けるとお思いですか？

 

家売るオンナ　第2話

　　　

ヒジョウに「興味深い」ドラマが始まった。
おっと…そのセリフはフジ火10時ドラマ「ON異常犯罪捜査官・藤堂比奈子」の決めセリフですね(笑)
あっちも好きよ、若干の引っかかりはあれど。

 

テーコー不動産にある日突然やって来た家売る女・三軒家万智。

この三軒家チーフ…通称サンチーが家売るストーリーである。

美人だが、色気も癒しも皆無で、ひたすらロボットのようにガツガツ歩きガツガツ話し、ガツガツ家を売る。

庭野を奴隷のように使い回し、決めゼリフは

 

「私に売れない家はありま せん！」

「庭野ではなく 私が売りました｡」←決めゼリフなのか？

と、

白州美加、GOーーーーーーー！！！←決めゼリフではない
　

 

白州美加とは、全く働かない新人女子だが、課長はなぜか彼女に甘い。

君は何で白洲にそんなにキツいんだよ｡

と、課長は言うが、むしろ何で課長は白洲にそんなに甘いんだよ。

サンチーの理由は明白。

いいかげんなヤツが嫌いだからです｡

もっともです。

初回もサンチーの白洲に対する扱いがキツいという感想をチラホラ見たけれども、え、あれ、キツイの！？

一生懸命働いているのに成績が上がらず試行錯誤している不器用な人間にあの仕打ちを行ったらスパルタでパワハラかも知れないが、白洲美加はそもそも外に出ればお茶をしてサボリ、チラシを配りに行けば捨てるような女である。

課長が白洲に甘いのはコンプライアンスを気にしているかららしいが、こんなのはクビにして訴えられても勝てるだろう。だって歴然とした給料泥棒だもん。

もっとも、営業所自体が甘く、新人をきちんと教育しなかったからこうなったわけで、サンチーが来てから白洲はちょっとだけ動くようになったのだ。(まだ2話だけどな)

誰も教育なんかする気はありません。

と言いつつ、白洲美加、Goーーーー!!!で、何度も同じ物件を見に行かせて物件の特徴を見る目をちゃんと養わせている。

 

魅力のない物件だったんです｡

どこが？

細い道なのに車の通りが意外にあって危険だし｡

夜の一人歩きが怖いという女性にとって交通量が多いことはプラス｡

あっ、それと隣がお墓だし、部屋にヤモリが出るし｡

隣が墓地ならそこに高い建物が建つことはまずない｡
いつまでも日当たりがいい｡

ヤモリは害虫を食べるから昔から家の守り神として親しまれている｡

ヤモリが？

あなたは物事の一面しか見ていない｡

 

ロボットのようにGOーーーー!!!を何度も出しつつ、何だかんだで教育しているサンチーである。

 

部下だけではなく、お客の生涯プランまで立てて家を売るサンチー。

今回は、大学卒業してから20年間引き籠っている息子を持つお客様のために家を探すのだった。

 

この家を売って質素な家に住み替えて、お金を あの子に残したいんです｡
働かなくても生きて行けるように｡

 

分かりました｡
息子さんが世間に出ないで済む「引きこもりの城」を お探しします｡

 

この解決の仕方が、なかなかパワフルで、笑っちゃうけど現実的なの。

庭野は、息子は本当は外に出たいに決まっているのだから引きこもりの城などおかしい、と朝ドラのヒロインのような事を言う。

 

自分が ここのお宅に初めてお邪魔した日も今日も、ほら、玄関には ピカピカに磨いた靴が置いてあります｡

これって息子さんに外に出てほしいっていうご両親の思いだと思うんですよ、自分は｡

 

普通は、これで引きこもりが部屋から出てきて涙ながらにほっこり解決するのがドラマってもんである。

しかし、サンチーはそうではない。

 

くだらない｡

えっ？

 

あんな靴は、ますます引きこもりにプレッシャーを与えるだけです｡

ピカピカの靴に引かれて出て来るほどおたくの引きこもりは甘くない｡
お母さんも いつまで あんなキレイ事やってるんですか？

このご夫婦はもう分かっている｡
20年も働いたことがない40歳半ばの男を無理やり外に出したって何もできないってことを！

つまらない常識や狭い価値観で物を言うな｡

だから庭野は家が売れないんだ！
　

 

残酷だけど、そうだよねぇ…。
40も半ばまで20年間も親の顔さえ見ずに部屋に引きこもって、今さら外に働きに行けるかって言ったら、たぶん物すごい根性と決断がなければ無理だよね。

家も金も失くして親も倒れて、あるいは死んで、それでようやく自力で生きなきゃならない事に気づきボロボロになりながら太陽の下を歩み始める…そんな人生が描かれたのが「ウシジマくん」のSeason2であり、それは素晴らしかったがこれは家を売る話なので……

そして、このお客さんは息子の人生のために家とお金を残せるくらい裕福なので。

結局、サンチーはこのお客さんに生活用と賃貸用のマンションを2軒売ったのだった。

この賃貸のオーナーになった事で、引きこもり息子は親が死んでも100歳まで引きこもる事ができるのである。

人生は甘くない。
そして、人それぞれ。

たくさんの家族の姿を見つつ、思い込みは捨ててプランを提供する。
庭野のこともサンチーはこうやって鍛えているんだよね。

それが意図しての事か、偶然そうなっちゃってるのかは解らないけれども。

 

しかし、シレッと

｢どうも！ひきこもり７４００日目。ひきこもり大家のＹＯＳＨＩＫＩです！」

とかいうブログをしゃーしゃーと書いているこの息子は、ブログのヒットから最終的にはテレビの取材にまで顔を出すようになったので…

たぶん、会社勤めしなくてもブログの書籍化で印税を得たりして生きていけるんだろうな。
「引きこもり評論家」として。

外に働きに行けなくても親には孝行して頂きたいものである。
引き籠りの城を持つことができるのは親が裕福だからこそなのだから。

 

北川さんのロボみたいな演技と、「ポケモンGO」の日本配信を狙ったセリフやろ…と思われる「GOーーー!!!!!」に結構ハマリ、個人的には今のところ今期のドラマで一番かも知れないと思うほど楽しんでいる。

月5万で借りているらしい一家8人惨殺の事故物件も気になるよね。
まぁ…もっともそれは今回2階で物音がするという部分への振りで、もうツッコむ必要ないのかもしれないけれども。
　

 

…ところで……

長くなりましたが、実は当記事の本題はここからです。

 

北川さんのキャラも工藤阿須加くんのキャラも、白州美加も課長も、それなりに楽しんでいる私ですが、このドラマで何が輝いているって千葉ちゃんのキャラだよね！！

 

愛する『桜蘭高校』ハニー先輩の後、

スレた高校生や…　　ガチな犯罪者など…
　

 

明らかに違うだろって枠や、ホンワカ形でも空気読めな過ぎたり不思議ちゃん過ぎたりしてきて役に恵まれているとは言えなかった千葉ちゃんに、やっとこんな素晴らしい敵役がやってきたのである。

 

この足立という役がなかなか現実主義でクセモノで。
ある意味、一番サンチーに似ているのかもしれないと思われる。

 

僕も後輩を教育する気はありません｡

この仕事は個人商店のようなものじゃないですか｡
自分の仕事だけで精いっぱいで教育なんかできないですよ｡

と、柔らか～～く(毒を持って)課長に言い放つが…
　

 

やる気がない社員というわけではなく、物件の下調べに足をしっかり運んだり、仕事はきちんと前向きに個人主義で楽しんでいる様子。

顔で家を売っているように言われているが、努力もしているよね。

教育する気はないと言いつつ、白洲美加にさりげなくアドバイスを送って応援してみたり。
　

 

かといって、気を引いているわけでもない。

じゃあ、僕、サクっとお昼行って来る｡

あ… 私も一緒に行きます｡

 

白洲はここにいて｡

え…｡

いいコだから、ここにいて｡
　

 

ついて来んじゃねーよ……

とは、決して言わないが、頭ポンしつつ「イイ子だから」と言いつつ、キッパリと拒否…。

すっごい冷たいよね～～笑えるわ。

 

足立くんが居ない間に来ちゃった内覧のお客さんを上手く接客できない白洲。
　

 

西日だのヤモリがいるだの言われて帰ろうとしていたお客さんが、足立くんが来た途端に…

 

物件、お気に召しませんでしたか？

だって…西日が当たって、お墓の隣でヤモリも出るんじゃ…｡

奥様｡

は…はい…｡

それがこの物件の魅力でございます｡
　
顔つきがぽわわわわんって……
　

 

あの山の稜線をご覧ください｡
あの稜線に ゆっくりと沈む夕日を見詰めていると、地球を感じるというか、宇宙を感じるんですよね｡

都内で この景色はそう簡単には手に入れられないと思います｡

 

山の稜線…｡

あっ、でも、お隣はお墓でしょ？

お隣が墓地ということは高い建物が建たない、ということです｡
この先ず～っと日当たりが保証されます｡

なるほど｡

でも、この人がヤモリが出るって！

ハハハ…｡
この辺りは自然が多いですからね｡

それにご存じないですか？

ヤモリは家の守り神と言われているんですよ｡
　

ヤモリ…最高…｡

 

私、この1週間、私も「ヤモリ最高～～」と言いたい……と思いながら会社行ってました。

こうやって家が売れるときは、サンチー同様、足立くんも「堕ちた」と心の中で言っていると思われる。

お客さんをミラクルワールドに陥れてひと仕事終わった後には、上手く接客できないから辞めると泣く後輩に接客と同じ笑顔で、

それは、君の自由だよ｡

と言う黒い王子。
　

 

でも、去っていく時の冷たい表情を見ると、この人きっと今イライラしていると思わされる。

彼は彼なりに仕事をきっちりして、物件の良い所を売り込むレクチャーもしてやった。
なのに後輩は上手くやれず、おまけに辞めるとか甘いことを言っている。

おそらく、サンチーと同じで、足立くんも「いい加減なやつ」が嫌いなんだろうと思った。

いや、「出来ないやつ」が嫌いな可能性もある。
サンチーよりも遥かに冷たそう。

本当に千葉ちゃんにピッタリの黒さだわ。←ぃゃ誉めてる。

 

足立くんの今後も楽しみだよ。
みんな少しずつ変わっていくのだろう。

甘くない世界に甘くない教育と仕事を。

大石静先生らしい毒と滑稽な面白さ。

 

レビューは、書ける時に書けたら書きます。
あくまでも千葉ちゃん中心に。(笑)

 

好奇心から万智（北川景子）を尾行した庭野（工藤阿須加）は、彼女が豪邸に住んでいることを知る。
その豪邸は、かつて一家8人惨殺事件が起こった事故物件…。
いわくつきの物件に住み、なぜ家を売ることにそこまで執着するのか、万智への謎は深まるばかり。

そんな中、庭野は住み替え希望の６０代の城ヶ崎夫婦を担当する。
息子が独立し、一軒家では階段がきつくなってきたので小さめのマンションに住みたいという夫妻だったが、誰もいない２階からトイレを流す音がしたり、開かずの間があったりと、不審な点が…。

一方、万智は家を売らないどころかサボってばかりの美加（イモトアヤコ）にスパルタ指導。
物件の勉強をさせるため、昼夜を問わず現地へ足を運ばせる。
コンプライアンスを気にする屋代（仲村トオル）は万智の登場で営業課の足並みが乱れ、忠実な部下だった足立（千葉雄大）まで自分に物申すようになったとバーのママ・こころ（臼田あさ美）に愚痴る。

万智はなかなか家を売れない庭野に同行。
城ヶ崎家の様子を見るや、夫妻に「本当に２人暮らしなのか？」と迫る。
黙りこむ夫妻を前に突然「火事だ〜！」と叫び、暴れまわる。
皆が仰天する中、２階から駆けおりる足音と共に現れたのはなんと、２０年間２階にひきこもったままの中年の息子だった！
夫妻は息子の将来を案じて、自分たちが亡くなった後でも息子が困らないようにと、質素な家に住み替えようとしていたのだった。そんな夫妻に万智が提案したのはなんと「息子が世間に出なくて済む『ひきこもりの城』」。
果たして天才的不動産屋・三軒家万智が勧める家とは…!?

(上記あらすじは「Yahoo！TV」より引用)

よろしければ→【2016年7月期・夏クールドラマ】ラインナップ一覧とキャスト表

　　
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※キャスト

三軒家 万智…北川景子

庭野聖司…工藤 阿須加
足立 聡…千葉雄大
白洲美加…イモトアヤコ

八戸大輔…鈴木裕樹
宅間剛太…本多力
室田まどか…新木優子

布施 誠…梶原　善

屋代 大…仲村トオル
珠城こころ…臼田あさ美

第1話ゲスト

土方弥生…りょう
土方 亨…外川貴博

第2話ゲスト

城ヶ崎 良樹…ビビる大木
城ヶ崎 泉…木野花

※スタッフ

脚本 … 大石静
演出 … 猪股隆一
プロデュース … 伊藤響、小田玲奈、柳内久仁子
音楽 … 得田真裕

主題歌 … GReeeeN「beautiful　days」
　　　　　　

公式サイト　http://www.ntv.co.jp/ieuru/