【鈴木先生】第10話 最終回と統括感想

出来ちゃった結婚は、果たして罪なのか。
何が悪くて、何ならば許されるのか？

各家庭のプライベート、各家族のポリシーまで全部背負って、若干14歳の子供たちが話し合う。

「鈴木裁判」に結論は出るのか！？

 

僕たち、容赦なくやらせてもらいますから。

と竹地。

 

「さあ！どこからでもかかってこい！」

 

「鈴木先生」第10話

ついに最終回です。

 

俺はやっぱりピンとこない。
今どき出来ちゃった結婚なんて、いっぱいいるだろう？
ホントに悪いことなのかな？

と、岬。

これに対して、

「女性が正式な彼女かどうかが問題」
「責任を取って結婚するどうかが問題」
「たとえ世の中で認知されていても、教師は駄目」

と、様々な意見が出ます。

ここで、書記として名乗り出る小川。

 

それから、私の意見なんですけど、できちゃった結婚はいいかげんな気持やふしだらな内面の結果である場合があるのは確かだと思います。

全ての出来ちゃった結婚が必ずそうとは限らないんじゃないか、ってことです。

私は、鈴木先生の場合、どういう事情でそうなったのかちゃんと知りたい。

 

やはり、小川はどんな時でも冷静で公平。

 

正式な彼女かどうかが大事だという駒井君の意見。
これも念のため先生に答えてもらいましょう。

彼女は、秦麻美さんと言って、もちろん真剣に交際している恋人だ。

ここから、

正式な恋人ならばいいのか。
出来ちゃった責任をとって結婚したあと、落ち着けばいいのか。
何人ならば遊んでるって言うんだ？
結婚することは責任を取ることになるのか？

と、出来ちゃう事と結婚に対する意見が続きます。

 

そこで、「結婚しないのは最悪だ」と言う意見を受けて、シングルマザー家庭の桂が発言。

 

うちは元々、結婚してなくて、ずっと母さん1人で育ててくれたんです。
私のパパとママは最悪なんですか？

 

ここから、みんな、どんどん自らの家庭の話をし始め・・・

結果的に、第2話での出水の父が言っていたような事になってくるのです。

つまり、子供たちが各家庭の躾や背景を背負って、話し合わなければならなくなってきたのでした。

各家庭の躾や背景まで背負う子どもたち

 

その状況に恐れをなして、「議題を取り消したい」と言い出す丹沢。

 

こんな所で話が終わっちゃ大変とばかりに、入江に引っ掻き回す指示を出す足子先生。

 

しかし、足子先生が思っていたよりも、生徒たちはずっと冷静なのでした。

 

裁判の間、鈴木先生は、指名された時以外、一言も口を開きません。
じっと生徒たちの発言を聞いています。

 

俺は、自分のしたことについて一個人としては、汚いとも不道徳とも思っていない。
だが 中学教師としてはやはり常識的判断から見て失敗を犯したと思っている。

 

一般的に、お前たち中学生は、大人よりも判断能力が未発達とされていてミソとクソを一緒にしてしまっても仕方ないと思われている。

だから、お前たちに誤解を与えるようなことをしてしまったこと自体が教師としては失敗なんだ。

謝罪するつもりだ。

 

と言えば、自分たちが未熟だからって理由で謝罪なんてしてほしくない。と反論してくる生徒たち。

 

コイツら、俺が思ったより遙かに化けてやがる！

 

嬉しい手ごたえを感じる鈴木先生。

 

さて、ここで椿から核心を突いた質問が入ります。

 

私が聞きたいことはただ１つです。
先生、避妊はしたんですか？

 

そこで鈴木先生は答えます。

 

避妊はしてない。

それは、俺が避妊しない主義だからだ！

 

鈴木先生は、自分が避妊しない主義に至った持論を展開します。

「神聖な行いなのに、付けてする事に罪悪感を感じるようになってきた」

という物です。

 

そこで、また、岬と河辺によって、「付けてすることは苦痛なんだ」という方向に話が行っちゃうわけですが・・・

カワベェが繰り広げる「子供が出来たっていい」「好きなら病気を貰っても構わない」「好きな人と一緒なら死んでもいい」・・・・・

の持論に、女子たちは泣き出さんばかりの半狂乱です。

この年代の女子って、やっぱり感受性が強いのかね

。。。って言うか。。。カワベェ。。。成長ないな

 

散々脱線したあげく、竹地が口を切ります。

 

どっちが正しい、間違ってるじゃない。
両方が並立する考え方もあるんじゃないでしょうか？

例えば、僕たちには「つけてする」という選択が許されている。
「つけてしなさい」でも「つけてするべきだ」でもなく、それが許されているという考え方。

それなら、かち合うことなく分かり合えます。

 

あの日、竹地が鈴木先生から貰った言葉です。

 

俺の言いたいことを、ほとんどみんなが代弁してくれた。

河辺の言うように、ああだこうだ計算せず、ただひたすら純粋に求めあう。
それこそが最高に美しく、道徳的なセックスだと俺も思う。

ただ、それには、それが叶う相手と環境と、そして自分自身の覚悟が伴わなければならない。

つけてするという行為は、それらが揃わない者にただ「許されているだけ」だ。

 

そして、ただ許されているだけの者が、自分の価値観だけを人に押し付けてはいけない、とも言います。

それは、あの「酢豚」のように、選択肢はいつも残っているべきなのだという考え方だと樺山が気づきます。

 

現代は多様性の時代と言われている。
だが、果たしてそうだろうか？

確かに、様々な価値観を自由に選択することが許されてはいる。

しかし、その結果、一人ひとりが自分に都合のいい意見に閉じこもり他人の異なった意見に耳を貸さない。

個々の胸の中は、結局、偏った考えに凝り固まって貧しくなっているんじゃないだろうか？

一人ひとりが、たくさんの価値観を胸に抱き、面倒で苦しくても向きあい 葛藤し、周りの価値観との共有を一生懸命探れば、僕らには別の道が開けてくるはずなんだ。

 

なるほどなぁ。。。

と、ここで思いました。

つまり、

これって長々とセッ○スと避妊の話をしてきたわけだけれども、実は、そうではないんだよね。

常に考えること

鈴木先生が言いたいことは、常に考えること。

押し付けられた論理や教育が果たして正しいのか。
自分だけの頭の中で決めるんじゃなくて、他の意見も幾通りも候補を出し、議論し、相手の意見もきちんと尊重して答えを出す。

 

「避妊をしない」というのも1つの考え方。

でも、そのためには、それが許される環境や条件が必要なんだよ。カーベエ。。。

それが許されるために、自分はどういう事を今後するのか、どんな大人になればいいのか。
許される環境とはどういう物なのか。

それだけは自分自身の頭の中で、しっかり考えていかないとね

 

だから、給食の話も、セッ○スの話も、全部同じ。
こういう教育をされた、このクラスの生徒たちは、必ず「考える」人間に育っていくと思うのです。
(カーベエもぜひ、そう育ってね)

 

この1つの考えに凝り固まった結果、生まれる暗黒の闇のような嫉妬に飲まれた
人たちが、壊れていったりしてしまうんですね。。。

 

バカ野郎！
バカ野郎！

鈴木のバカ野郎！！

 

校舎の窓から叫び続ける足子先生。

教育の現場に戻ってこられる日は。。。来るのかなぁ。。。

 

結局、期限無期限で生徒たちに考える時間を与えて閉廷した「鈴木裁判」。

 

先生を待ってたんです。
大事なこと、言い忘れてたから。

 

先生、ご結婚おめでとうございます！

 

みんなが向ける笑顔。

 

麻美さん…。
教師は大変だけどだけど、それでもやっぱり素晴らしいよ・・・

 

鈴木式教育法、3ヶ月たっぷり味あわせていただきました。

全部、ここに繋げて来たのが本当にお見事。

そして、先生方だけではなく、セリフ1つ1つを大切に一生懸命喋ってきた生徒さん役の方たちも素晴らしかった。

 

演出も音楽もみんな好きだった。
何よりも、あの神秘的かつ勢いのあるオープニングが大好き

 

ただ、毎回こんな風に充実して終わっていたから。。。
ちっとも最終回という気がしない。

だって、まだこれから2学期でしょう

何、違うドラマの予告やってんのって感じ。。。

 

もっと続けてほしいです。1年クールでいいじゃないか。。。

 

 

※キャスト

鈴木章 – 長谷川博己

秦麻美 – 臼田あさ美
山崎潔史 – 山口智充
桃井里香 – 田畑智子
足子瞳 – 富田靖子
川野達郎 – でんでん
江本源三 – 赤堀雅秋

山際大成 – 千葉一磨
遠野涼介 – 広田亮平
神田マリ – 工藤綾乃
平良美祝 – 刈谷友衣子

 

※2-Aの生徒

東 潤也 – 影山樹生弥
阿部悠貴 – 内田純
出水正 – 北村匠海
入江沙季 – 松本花奈
太田ルミ – 鈴木米香
小川蘇美 – 土屋太鳳
桂 チカ – 中西夢乃
樺山あきら – 三浦透子
河辺彩香 – 小野花梨
岸 茜 – 澤田優花
小菅小夜子 – 森野あすか
駒井駿司 – 三宅史
紺野徹平 – 齋藤隆成
竹地公彦 – 藤原薫
丹沢 栞 – 馬渕有咲
土田理沙 – 山口愛
椿 美久 – 安田彩奈
藤山高志 – 桑代貴明
徳永 雫 – 吉永アユリ
戸塚尚之 – 伊藤凌
中村加奈 – 未来穂香
梨本くるみ – 久本愛実
新見 葵 – 福地亜紗美
野呂光輝 – 小山耀
長谷部哲 – 中島和也
浜口航太 – 西本銀二郎
福田千夏 – 鈴木梨花
堀の内七海 – 松岡茉優
松野ユキ – 田中明
岬 勇気 – 西井幸人
本木聡馬 – 中澤耀介
森 大雅 – 米本来輝
山口克己 – 清水尚弥
横関康輔 – 岡駿斗
吉井丈志 – 下山葵