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大河ドラマ【べらぼう ~蔦重栄華乃夢噺~】感想 第16回

家基(奥智哉)の急逝した事件は確固たる証拠を得ぬまま幕引きとなる。意次(渡辺謙)は源内(安田顕)に、これ以上詮索を控えることを告げると、源内は激怒する。一方、蔦重(横浜流星)は源内の住む“不吉の家”と呼ばれる屋敷を訪ねる。そこで、正月に出す戯作の新作を依頼するも、時折、奇妙な言動を繰り返す様子が気になっていた。そんな矢先、蔦重や意次のもとに、“源内が人を斬った”という知らせが入る…

(『べらぼう ~蔦重栄華乃夢噺~』上記あらすじは「G guide番組表」より引用)
2025年大河ドラマ「べらぼう ~蔦重栄華乃夢噺~」感想
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大河ドラマ べらぼう ~蔦重栄華乃夢噺~ 第16話 『さらば源内、見立は蓬莱』 感想

ヤスケン劇場だった。ほんに素晴らしい。

狂っていく平賀源内をほぼ一人芝居で30分演じて見せた。

そうよ。悲しかったし悔しかったし、寂しいよ。

何も成し遂げてないと思って去って行った人生。

仕事が溜まっている状態で毎週感想を上げられず申し訳ないですが、毎週ガッッッツリ!!見ております。昼のBS4Kから夜のBS放送、土曜の再放送までガッッッツリ!!と……。時間のある時に(あるのか…?)まとめて感想上げたいです……

今週は日曜にオンタイムで見ることができず、翌日NHKプラス(有難山~~)で見たので、Twitter(X)実況は無く、通常感想でござんす。

手袋捜査は打ち切り

(さも先週のレビューも書けているように書き始めるけれど、)

お世継ぎ・家基の命を奪った(と推測される)鷹狩の手袋を回収できず、生母お知保の方の「毒を盛ったのは意次」という誤解も解けず、右近将監・白眉毛も不審死を遂げる。

まぁ……当然、白眉毛と茶室で会っていた意次に疑いがかかるように仕向けられている。

まあまあ、このドラマの治済も何考えてるか分からないよね……。

三浦たちはなおも手袋を回収しようと動く気でいたが、意次は回収計画の取りやめを考え始めていた。

手袋を回収した人間は黒幕に違いないし、その者が犯人は意次だと騒ぎもしないということは、下手人自身も手袋の存在を知られたくないということである。

こうして何となくぼんやりと「若様と白眉毛消したの意次じゃね??」という黒い噂を場内に残したまま自体は消えて行ってしまった。

さて、調べさせられたのに幕引かされて収まらないのは源内である。

これは本当に意次から源内への心からの忠告であったと思うのだけれど。

と渡した少しばかりの金の束に源内は異常な反応を示した。

もう、ずっと、「エレキテルは役立たずの詐欺商法」と言われ始めた頃からおかしかったので。

その狂気を表現し続けた安田顕の巧みさよ。

源内は目を血走らせて笑い、怒るのだった。

2人とも言っちゃいけないことを言いだしたよね。人間、喧嘩別れする時とはいつの時代でもこんな風に掛け違っていくもの。

源内は絶望の笑い声を響かせ、

と言って去っていく。

身分を超えた盟友だったはずなのに……。

モーツアルトの「レクイエム」

源内はそのころ、住んでいた長屋も追い出されかけていた。

エレキテルの失敗で金が払えない……というよりも、どこから見ても狂人の風体だったので……。

そんな源内を訪ねてきた久五郎という男がいる。

久五郎は大工であり、さるお旗本の屋敷を普請するので図面を引いて欲しいと依頼してきたのだった。そしてその場所も提供してくれた。

長屋を追い出されかけている源内にとっては渡りに船……すぎる話だった。

はてさて、主人公の蔦重はこの話を新版の打ち合わせ話の中で知る。

先週に引き続き、吉原と耕書堂のエビソードは作中の癒しシーンである。

というのは、あの鳥山検校ではなく、神山検校という人の話。

この神山検校という人も鳥山検校と同じく取り締まられて財を失っていた。この屋敷は子どもが井戸に落ちて亡くなっており、その後、検校も獄死したので亡霊が出ると言われていた、いわゆる「事故物件」。で、江戸の人々には恐れられていたわけ。(でも本当は神山検校は死んでいないし、嘘松し現代のSNSから始まったわけではなく、人の口は怖いという話……)

とがっくりする重三。

しかし、せっかく出来た縁は噂なんかじゃ切らない重三。

実際に神山屋敷に行ってみると、源内は変わった匂いのタバコをもうもうとふかしながら重三を歓迎してくれた。

と取り次いでくれた見知らぬ男について尋ねると、

ここに無料で住まわせているのも意次の計らいだと源内は思っているようだった。

それを取り次いでいる久五郎が、この変わった匂いの煙草もせっせと持って来るらしい。

うん……でも、源内先生、それ、きっとアヘンのようなもんだよね……。

いつものように屈託なく話す蔦重に、源内も機嫌よく応じた。

そして、そこで「死の手袋」の話を出してくる。

客受けしそうなミステリーに蔦重も満足した。

でもね……、ここでこの話をしなければ、こうならなかったかも知れないのに。

「さるお旗本」の家臣である丈右衛門という男が図面の進行具合を窺いに度々源内の元を訪ねてきていた。

飲めていたら酒になんか仕込まれていたんだろうな……。

エレキテルの話は源内のトラウマである。

いまでも弥七がいい加減なパチ物を作ったせいでエレキテルは効かないと言われてしまったと信じている。

トラウマを呼び起こされ、おかしな煙草を与えられて、源内の幻聴は酷くなってきた。

こども、おんな、おじさん、おばさん……あらゆる人の声が広い屋敷に響き、隠れて源内を揶揄してくきる。

「何一つ成し遂げちゃいない」とは……本当に辛いこと。

源内は屋敷中の襖を1つ1つ開け放って亡霊たちを探し回った。

そして、隠れていた弥七を見つけて詰め寄った。

狂気の源内に詰め寄られ、押し倒され、……「弥七」と呼ばれた久五郎は震え上がる。

久五郎が絞殺されそうな寸前で、源内は後ろからみね打ちされ、倒れた。

やったのは丈右衛門である。

丈右衛門はその後、久五郎を切り倒し、遺骸は源内の横に転がった。

モーツァルトにレクイエムを依頼してきた謎の男のような丈右衛門……。

依頼して狂わせて取り立てして、心をかき乱す。

その先はもう絶望の死しかない。

かくして気絶していた源内は久兵衛殺しの下手人となってしまった。

人間、陥れられる時はあっと言う間。

この忘八が!

意次はこの報に当然、非常に驚き、人目を忍んで牢まで源内に会いに行った。

しかし当然のことながら、意次は丈右衛門などという男も知らないし、旗本屋敷の普請の話も知らない。

朦朧と語る冷たい牢の中の源内を見て、意次の目から涙が溢れた。

意次は源内を助けようとしたが、裏にいる人物が誰だか予想もつかない。この話は全て繋がっていると、息子の意知は冷静に理解していた。

せっかく閉じた毒手袋の幕を開ければ、関係者はきっと次々と始末される。

これはもう田沼家だけの問題ではなかった。

大きな何かを守るために小さいものを切り捨てるのかと口で言うことは簡単だが、事態はそんなに簡単ではない。

卑劣なのは陰で何かを動かしている黒い人物であり、これ以上被害を拡散しないために意次は源内を見捨てることしかできなかった。

そんな意次に、会いたくない源内関係者が会いにやって来る。

蔦重を始めとする町民たちである。

そんなことは意次だって分かっている。

そして蔦重が証拠品として持ってきた「毒手袋」の草稿の一枚。これが蔦重の命を危うくするという事実を蔦重本人は知らない。

このことは、田沼失脚までに重三にしらされるのかされないのか……。

もしかしたら、重三はこの先ずっと意次を憎み続けるのかもね。

こんな話をしている間に源内は獄死してしまった。

意次に殴りかかりそうになって止められている重三に意次の言葉はとどめを刺す。

これはもうこの問題に近づけないための意次の配慮なのだけれど……。

何も知らない重三は意次に向って吐き捨てるのだった。

ひと騒動が終わった後、意次は蔦重が持ってきた源内最期の草稿を手にする。

それは親友に対する紛れもないメッセージだった。

欲しかったのは金なんかじゃない。

源内は窮地に陥れられそうな意次を助けたかった。

そういう結末を夢見ていたんだよ……。

本は人を生かし続ける

実在の平賀源内は「刃傷沙汰を起こし、破傷風により獄死」ということになっている。

真相は分からない。

大工と口論になり2人殺傷したと言われるが、その前から精神不安定になっていたという話もある。

性病だったとも言われるし、他の脳症があったのかも知れない。

いずれにせよ、当時の医学では分からなかったことだし、教科書に載っている人の割には業績も曖昧だ。

平賀源内=エレキテル という認識が大きいけれど、エレキテル自体は別に源内が発明したものではない。

実際には医学者であり、蘭学者であり、地学者であり、作家であり、……意次の相談に乗っていたというのも史実であるらしいので、多くの事にオールマイティに関わるプロデューサーのような人だったのだろう。

この人の描き方や死にまつわることを手袋事件と絡めた森下佳子脚本の手腕、恐ろしいくらいの巧妙な描き方。

全ての黒幕は森下佳子よね。(うつせみと新之助は無事なんでしょうね!)

この、「よく分らない上に殺しまで行った源内先生」を後世に遺してくれたのが「本」であるという落ちも素晴らしい。

須原屋さんは言うのだった。

本を作る。そして売る。

後世まで名を残してやる一番の道筋は所を絶やさないこと。

「耕書堂」その名をくれたのは源内先生である。

人は死んでも創作物と芸術は遺るからね。

げに尊きは本と芸術である。

改めてそう思う。

平賀源内記念館 2025年大河ドラマ「べらぼう ~蔦重栄華乃夢噺~」感想

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べらぼう ~蔦重栄華乃夢噺~ キャスト(相関図式)とスタッフ

べらぼう ~蔦重栄華乃夢噺~ キャスト (相関図式)

蔦屋重三郎 – 横浜流星(子役期:高木波瑠)【蔦重】

駿河屋と蔦屋

駿河屋市右衛門 – 高橋克実【養父】
ふじ – 飯島直子【養母】
次郎兵衛 – 中村蒼【義兄】
唐丸 – 渡邉斗翔【蔦重の育て子】
丁稚 – 石塚陸翔

吉原 茶屋・女郎

松葉屋

花の井 – 小芝風花(子役期:前田花)【五代目瀬川】
松葉屋半左衛門 – 正名僕蔵
いね – 水野美紀
うつせみ – 小野花梨
松の井 – 久保田紗友
とよしま – 珠城りょう
まさ – 山下容莉枝
さくら – 金子莉彩
あやめ – 吉田帆乃華
はなぞの – 平尾菜々花
はなさと – 齋藤さくら

大文字屋

大文字屋市兵衛 – 伊藤淳史

二文字屋

きく – かたせ梨乃
朝顔 – 愛希れいか
ちどり – 中島瑠菜
春風 – 青山美郷
音羽 – 大田路
歌浦 – 馬渡綾

大黒屋

りつ – 安達祐実

扇屋

扇屋宇右衛門 – 山路和弘

半次郎 – 六平直政

島英臣(丁子屋)
千葉清次郎(長崎屋)
キンタカオ(桐屋
会田泰弘(伊勢屋)
岡山和之(玉屋)
岡けんじ(万字屋)
車邦秀(泉屋)
佐藤政之(井筒屋)
真木仁(山口巴屋)
吉高寧々
藤かんな
与田りん

江戸 絵師・文人・学者など

朱楽菅江 – 浜中文一
礒田湖龍斎 – 鉄拳
鱗形屋長兵衛 – 三浦獠太
鱗形屋孫兵衛 – 片岡愛之助
大崎 – 映美くらら
大田南畝 / 四方赤良 – 桐谷健太
勝川春章 – 前野朋哉
かをり – 稲垣来泉
北尾重政 – 橋本淳
北尾政演/ 山東京伝 – 古川雄大
喜多川歌麿 – 染谷将太
倉橋格/ 恋川春町 – 岡山天音
小泉忠五郎 – 芹澤興人
しげ – 山村紅葉
志津山 – 東野絢香

杉田玄白 – 山中聡
須原屋市兵衛 – 里見浩太朗
誰袖 – 福原遥

鶴屋喜右衛門 – 風間俊介
てい – 橋本愛
藤八 – 徳井優
唐来三和 – 山口森広
富本午之助 – 寛一郎
留四郎 – 水沢林太郎
鳥山検校 – 市原隼人
鳥山石燕 – 片岡鶴太郎
西村屋与八 – 西村まさ彦
平沢常富/ 朋誠堂喜三二 – 尾美としのり
平秩東作 – 木村了
和泉屋三郎兵衛 – 田山涼成
八五郎 – 阿部亮平
吉原の客 – 山根和馬
小田新之助 – 井之脇海

平賀源内 – 安田顕

長谷川平蔵宣以 – 中村隼人
磯八 – 山口祥行
仙太 – 岩男海史

江戸幕府

徳川家治 – 眞島秀和【第十代将軍】
知保の方 – 高梨臨【家治の側室】
徳川家基 – 奥智哉【家治の子 聖母はお知保の方】
徳川家斉 – 【第十一代将軍】
徳川宗武 –  【八代将軍・吉宗の子】
宝蓮院 – 花總まり【徳川宗武の側室】

一橋治済 – 生田斗真【第十一代将軍家斉の実父 八代将軍・吉宗の孫】

田安賢丸(松平定信) – 寺田心【八代将軍・吉宗の孫】
清水重好(徳川重好) – 落合モトキ【家治の弟。八代将軍・吉宗の孫】

高岳 – 冨永愛【老女】

田沼意次 – 渡辺謙

田沼意知 – 宮沢氷魚【意次の嫡男】
田沼意致 – 宮尾俊太郎

松平武元 – 石坂浩二
松平康福 – 相島一之
松平輝高 – 松下哲

佐野政言 – 矢本悠馬

松本秀持 – 吉沢悠
三浦庄司 – 原田泰造


土山宗次郎 – 栁俊太郎


下女 – 景井ひな


語り:綾瀬はるか(九郎助稲荷)

べらぼう ~蔦重栄華乃夢噺~ スタッフ

  • 放送期間 : 2025年1月5日~12月 日(全 回)
  • 制作 : NHK
  • 平均視聴率 :  %
  • 制作統括 : 藤並英樹
  • プロデューサー : 石村将太,松田恭典
  • 演出 : 大原拓,深川貴志,小谷高義,新田真三
  • 脚本 : 森下佳子
  • 原作 :
  • 音楽 : ジョン・グラム
  • 衣装デザイン:伊藤佐智子
  • インティマシーコーディネーター:浅田智穂
  • 語り :綾瀬はるか

大河ドラマ館は2025年2月1日 ~ 2026年1月12日  台東区民会館9階ホール

『べらぼう ~蔦重栄華乃夢噺~』各回リンク

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