【 花燃ゆ 】第15回 「塾を守れ!」感想


幕府要人の暗殺を計画したとして、吉田松陰(伊勢谷友介)は野山獄に投獄された。
松下村塾も閉鎖されることになり、塾生たちはやり場のない憤りを、小田村伊之助
(大沢たかお)にぶつける。
一方、松陰は獄中でもあきらめることなく塾生たちに手紙を書き続け、じょういの決行を
指示する。そして悩んだ塾生たちは…。

文(井上真央)は死をも恐れず、さらに若者たちを巻き込もうとする松陰に、もとの兄に戻って
ほしいと語りかけるが…
(あらすじ「Yahoo!TV」より引用)

    花燃ゆ大

 

花燃ゆ 第十五話「塾を守れ!」

 

簡単感想で。

 

あれ、今これ書いていて思った。
今日のサブタイは 「塾を守れ!」だったんだ。
そんな内容とはちょっと違った気がするけれども。 

 

さて…野山獄に再び戻させられた寅兄。
時節は安政六年の正月。

母上から差し入れられた美味しそうな御馳走には目もくれず机に向かう寅兄。

 

今日という日は今日かぎりで消えていきます。
貴重な一日を無駄に費やす事はできません。

僕は信じています。
真心を尽くせば必ず伝わる。
藩の方々にも稔麿君にも、伊之助にも。

稔麿君と江戸の久坂君にこの手紙を送って下さい。

 

御馳走も揃えられるし手紙も検閲無しで好きなように書ける。
相変わらず素敵な野山獄。

松陰が文さんにどういう文を託したかと言えば、もちろんテロのお誘い…。

「藩に邪魔立てされようと僕は老中・間部を討つつもりです。
江戸の君たちにも力を借りたい」

お誘いっていうか~~自分は獄の中で動けないわけだから、事実上、
自分自身では手を下さないで指令だけするって事やん…。

しかし、松下村塾のみんなは松陰せんせー大好き。
言われたからってはいはいとは動けないが松陰せんせーの気持ちは解るので
悩みまくるのだった。

 

「間部老中要撃策拝読致しました。先生のお覚悟感激に堪えません。
しかし今、義の旗を立てて決起する事は容易な事ではございませぬ。
今はどうか胸中の志をお抑え下さい。時をお待ち下さい。」

という久坂からのお返しのお手紙にガックリ絶望する寅兄。

一方、伊之助さまの元には、

動かん藩の諸悪の根源は小田村様なのではないかと。
村塾を潰したんもあんたなんじゃないんですか?

と、塾生たちが抗議に訪れていた。

 

寅次郎は投獄されて当然。村塾は潰されて当然。
そうは思わぬか?

野村靖。寺島忠三郎。品川弥二郎。
血気盛んは若者の特権じゃが、君らは一度でも老中暗殺の是非を自分の頭で
考えたか?猿でももちいと頭を使うぞ。

前原一誠。
君は目出村の出じゃったな。
君にとって守るべきは目出村でありその民ではなかったんか?
ならば幕府の老中を暗殺する事で目出村の民がどう 飢えから救われる?

亀太郎。
君は魚屋というより素晴らしい絵描きと聞く。
絵筆を刀に持ち替えて人を殺すだけの意味が君にはあるんか?

 

1人1人に対し、松陰の言動は本当に正しいのか。
みんなは自分の頭で考えて松陰と志は同じだと言っているのか。
その現実を突き付けていく伊之助さま。

 

君らが恐れるに足らんのはこの中の一人として己の本心から動こうとしとる者が
おらんからじゃ!
まことに何かをなそうとする者は世間を知り、人を知り、藩という組織の動かし方を
知ろうとするもんじゃ。

そういう人間が君らの中から現れた時、藩は君らを初めて恐れその声を聞くじゃろう。

 

伊之助さまの言う事が大人過ぎて尤も過ぎて、もう……。

ってか、こいつらがこんなに自分を持っていないとは思わなかった。
これじゃただ松陰に洗脳されているだけで志が同じとは言えないじゃないか。
幼すぎてビックリだよ。

もっとも、その師も師だよな。

自分の意思も無く何だかしらないけれどもたぶんカリスマ性に惹かれて
従ってきただけの若い衆に殺人指令を出し、断りの手紙がきたら…

「血判状をもらい憤慨に堪えません。君たちは命を懸け志を遂げるために江戸に行ったん
ではなかったんですか?
僕は君たち友と志を分かち合ってきたつもりじゃ。
もはや志を持たん君たちとは絶交するしかない!」

と来たもんだ…駄々をこねる子どもと同じ…。

もっとも、駄々でも何でも松陰にとっては良かったのである。
自分の意思もロクに持たない若者を洗脳した扇動したと後ろ指を指されようが、
家族を悲しませようが、こいつらの家族がどうなろうが……

それでも、寅兄にとっては井伊を倒し、外国との交渉なんて断ち切り、
国を守りたかったのである。

それが松陰にとっての家族を守る…と同じだったんだね。

しかし、自分は動けない。

だから、塾生を利用する。
それは国を守る正しい行いなのだから。義なのだから。

松陰は焦っていた。
硯と筆をついに取り上げられ、最後の指令として、

「江戸に向かわれる敬親公を京の伏見で待ち伏せし、そのまま天子様のおられる御所へ
お連れし攘夷決行のお許しを願い出る…」

これを塾生にやれという。

もちろん、そんな恐れ多い事、誰も引き受けない。
待ち伏せして訴えた時点で死罪です。

誰も動いてくれない事にジクジクしている時に、口のきけない弟・敏三郎が自分が行くと
獄に現れた。

これは、必死に止めるわけです。

塾生は焚きつけるのに弟は止める……。

自分がやろうとしている事に、本当に義はあると思っているのかな、寅兄は。

 

野村さんが脱藩して京へ向かいました。
寅兄が授けた策を実行するために。

 

野村君が?

 

藩から追っ手が出た。
野村はじきに捕らえられるじゃろう。
それを知って入江九一が自首してきた。
策の首謀者は自分じゃと。
兄弟ともども岩倉獄へつながれる事になろう。

 

泣きながら、ただ帰って生きてほしいと訴える文さん。

 

…酷な事を言うのう。
それは、僕の人生ではない。

文。兄は死にたいんじゃ。
こねな僕でも死んでみせれば心を動かして立ち上がる人間もおるじゃろう。
僕がそうしてみせなければどれだけ待ったところで志を持った者たちが決起する事は
永遠に来ん。
僕はもう…死ぬ事でしか生きられん。

 

お前の死に場所はこねぇなところじゃない。
顔を上げろ寅次郎!

 

いつになろうと 君は僕を止める事しかできん。
死ねん人間だからじゃ。君も久坂たちも。
「死ぬ覚悟はある。じゃが無駄死にはせん」。
そねな事は嘘じゃ。
「時が来る。今ではない」。そう言い続けて何をなす事もなく人生が終わるんじゃ。
声をあげん者に声が届かん者の気持ちは分からん。
事をなさん者に失敗した者の気持ちは分からん!

伊之助!
いつだってお前ははたで見物するだけじゃ。
お前など友ではない。
口先だけは立派な事を言うて何の行動もなせず…。
そういう人間を僕は最も憎む。

…僕も同じじゃ。
憎む!僕は僕を憎む!
何の役にも立たん!
世のため人のために…何も!

僕には真心が足りんのじゃ。
僕の至誠は伝わらん!
その証拠に僕はいっつも間違うた。
僕は何をなした!?
すべて失敗じゃ。
猛々しい事をすると口では言うといて何をなす事もできん。
何もなせずに生きる事が…恐ろしいんじゃ。

 

生きてほしいと願う妹に、生きられないと宣言し、友の言葉は耳に届かない。

文さんは優しい。
「私の夫を巻き込まないでください」
とは言わない。

子どもを諭すがごとくの説得である。

けれども、諭す事はもはやできないのだった。

みんな、松陰にとっても優しいの。

 

例えば現代でも変な集団が自説を立ち上げて国のためだ家族のためだと
大量殺人を始めたとして…

頭がおかしいテロ集団めとしか思わないワケじゃないですか。

けれども、その首謀者はニュータイプで、ターゲットを今殺しておかないと
遠い将来大戦争が起きたり人類が滅亡するんだと知っていたり…
するかも知れないわけですよ…。

 

吉田松陰は周りを巻き込んで国を救えと叫び続けた。

それは、この周りの家族たちにとっては本当に怖くて迷惑なことだったんだよね。

…というのはよく見える。

…でも、頭に来るんだけどね、どうしても。
テロリストめって思っちゃう描き方だよね。 

 

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※キャスト

杉文 … 井上真央(子役期:山田萌々香)
吉田松陰 … 伊勢谷友介(子役期:板垣李光人)
小田村伊之助 … 大沢たかお
久坂玄瑞 … 東出昌大

杉百合之助 … 長塚京三
杉滝 … 檀ふみ
玉木文之進 … 奥田瑛二
杉梅太郎 … 原田泰造
杉寿 … 優香(子役期:香音)
杉敏三郎 … 森永悠希(子役期:山田瑛瑠→大橋律)
杉亀 … 久保田磨希
玉木彦助 … 冨田佳輔

毛利敬親 … 北大路欣也
毛利都美子 … 松坂慶子
桂小五郎 … 東山紀之
周布政之助 … 石丸幹二
椋梨藤太 … 内藤剛志
椋梨美鶴 … 若村麻由美
松島剛蔵 … 津田寛治
宮部鼎蔵 … ビビる大木
長井雅楽 … 羽場裕一

高杉晋作 … 高良健吾(子役期:山崎竜太郎)
吉田稔麿 … 瀬戸康史
伊藤博文 … 劇団ひとり
入江九一 … 要潤
野村靖 … 大野拓朗
前原一誠 … 佐藤隆太
寺島忠三郎 … 鈴木伸之
品川弥二郎 … 音尾琢真
赤禰武人 … 阿部亮平
松浦松洞 … 内野謙太
梅田雲浜 … きたろう
小野為八 … 星田英利
山根文季 … 平田満
内藤一馬 … 田中仁

小田村志乃 … かたせ梨乃
金子ツル … 麻生祐未
高須久子 … 井川遥
福川犀之助 … 田中要次
富永有隣 … 本田博太郎
大深虎之丞 … 品川徹
吉村善作 … 日野陽仁
高須 糸 … 川島海荷
入江すみ … 宮崎香蓮
吉田ふさ … 小島藤子
金子重輔 … 泉澤祐希

井伊直弼 … 高橋英樹

語り … 池田秀一

※スタッフ

脚本 … 大島里美、宮村優子
音楽 … 川井憲次
題字 … 國重友美
制作統括 … 土屋勝裕
プロデューサー … 堀之内礼二郎
演出 … 渡邊良雄 、末永創

公式サイト http://www.nhk.or.jp/hanamoyu/

 

 

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コメント

  1. 「花燃ゆ」感想 第十五回「塾を守れ!」

    「人と違った考えを持つことは一向にかまわないさ。
    でも、その考えを無理やり他の人に押し付けてはいけないなあ。
    その人にはその人なりの考えがあるからね」
    (by「ムーミン」スナフキン)

    今週の松陰先生に送りたい言葉。

    松陰先生、自分の「大義」のために周りに気持ちを押し付けすぎです。
    あなた議論が好きなのに、同志が違う意見だからって激怒するのはどうなのよ。
    追い詰められてい…

  2. NHK大河ドラマ「花燃ゆ」第15回「塾を守れ!」

    タイトルにビックリマークで盛り上げようと言う意図でしょうけど、それ以上に放送時間が繰り上がってビックリですよ!いつもより45分も早い!選挙だからっ!特番だからっ!でも休めないんだからっ!とまあ、今宵は夕食時間をずらして何とかかんとか視聴です、はい~。

  3. 【花燃ゆ】第15回感想と視聴率10%以下「塾を守れ!」

    「塾を守れ!」 第15回の視聴率は、最低視聴率だった前回の11.2%より下がり、

  4. 死而後已の四字、言簡にして義広し・・・いっそ死んでくれたらとセイラさん(宮崎香蓮)

    テロリストのリーダーにしか見えないという意見もある吉田松陰だが・・・それはある意味正しい。 そもそも・・・テロリズムを愚かと感じる人にはテロリストの心情を正しく理解することは困難なのである。 しかし、それではそういう愚かな行為の指導者が何故、偉人の列に加わっているのかという問題が残る。 明治維新とい

  5. 花燃ゆ 第15回「塾を守れ!」

    大河ドラマ『花燃ゆ』のお時間です。
    第15回「塾を守れ!」  あらすじ・・・・・・

  6. 大河ドラマ「花燃ゆ」吉田松陰の妹15松陰を守るため文らは松陰を説得するも松陰は自らの死で志あるものが動くと言い返したのだった

    大河ドラマ「花燃ゆ」第15話は安政の大獄を実行に移した井伊直弼はその刃を松陰へ向けようとしており、その証拠を探し始めた。それを察知した桂小五郎、高杉晋作、久坂玄瑞らは …

  7. 昼寝の時間 より:

    花燃ゆ #15「塾を守れ!」

    公式サイト 幕府要人の暗殺を計画したとして、吉田松陰(伊勢谷友介)は野山獄に投獄

  8. 花燃ゆ 第十五回

    『塾を守れ!』
    「塾を守れ安政の大獄に挑む!」

    内容
    幕府大老・井伊直弼(高橋英樹)による、通商条約反対派への弾圧が始まった。
    そのことで危機を感じた松陰(伊勢谷友介)は、
    井伊の側近、老中・間部詮勝(堀部圭亮)暗殺を企てはじめる。
    計画を知った長州藩は、…

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