【 ゼロの真実～監察医・松本真央～ 】第2話　感想

監察医務は、人間が受ける最後の医療である。
監察医とは正しい死因の究明によって死者の尊厳を守り、一人の死を多くの
生に繋げる使命を負う者である。

都内２３区で発生した不自然死の全ての遺体は、まず監察医によって検案され
犯罪の疑いがある事案は大学の法医学教室に送られて司法解剖となるが
犯罪性のないその他の急性死、事故死、自殺などはこの監察医務院で
行政解剖となる。

その数は検案が年間１万４０００体。
解剖は年間２５００体にも及んでいる。

 

ゼロの真実～監察医・松本真央～　第2話

　　　　

 

先週、第1話の感想を上げたかったのに、あまりにも体調が悪くて無理だったのである。・泣
で、今日も別に絶好調じゃないので簡単感想で。

今流行っている変な夏風邪はものすごく長引くので、皆さまもお気をつけて。

…それはどーでもいいけど…。

 

大好きだった『お天気お姉さん』スタッフが武井咲ちゃんをまた変人に仕立てて
ドラマを作ると言うので開始前から期待値高かったんだけど…。

 

面白いわ～これ。

武井咲ちゃんは、変に叫んでいたりニコニコしているよりもクールな変人がよく似合う。
たぶん、それを一番上手く作り出すのが大石静さんなのだろうと確信する。

年は若いけれども元々の顔立ちが賢そうなので、医師の役でも決して見劣り
しないのだった。

『お天気お姉さん』では、めちゃめちゃに晴子を愛していた蔵さまは、ここでは真央の
才能は認めるものの熱愛モードではない。ちょっと寂しい。

また２ちゃんねるに真央の事を古めかしい言葉で賛辞書き込み続けて「じじい」と返される
蔵さまを見たいものです…。

 

狭川明という都内に住む元大学生・現引きこもりの28歳の青年が、遺体で発見された。
特に遺体に乱暴された跡などはなく、部屋は密室で、遺書のような書き物がノートに
残されていた事から自殺が疑われる。

現場に検視に行った印田の所見は「解剖してみないと解らない」。

 

これを松本真央が担当する事になる。

早く切り上げたい指導医の岩松は今日も真央に冷たい。

 

松本君。我々が出来る事にも限界があるんだよ。
解剖はここまでにしよう。

 

まだ 何もわかってません。

 

３年飛び級だかなんだか知らないけどね、自分を万能だと思い込むのは危険だなあ。

 

正しい死因の解明は監察医の使命です。

 

怒らせる。　

 

狭川は引きこもりでゴミを散らかし、ご近所の評判はすこぶる悪かったらしい。

1階の部屋のせんべい布団の上で普通に仰向けに寝た状態で見つかった遺体。

真央は彼の部屋を見に行く。
職務以上の調査にも繰り出すのはこの手のドラマのお約束。

 

明は私が殺したんです。

遺体の発見者だった母親はそう言う。

 

どのように殺したんですか？

 

この会話がもう噛みあっていない。

ここから母親は自分が引きこもりの息子に電話でつらく当たったから自殺したのだという
話をつらつらとするわけだが、たぶん真央の耳はスルーしている。

真央が聞きたいのはそんな精神論ではないのだ。
「聞かない派」なのね。　

 

人はがっかりしただけでは死にません。
遺体からまだ自殺の痕跡は見つかっていません。

と、クールに言う真央。

 

息子さんに持病はありませんでした？

 

なかったと思います。
…何を見てるんですか？
刑事さんでもないのに何でそんなに明の事を？
やめて！ 触らないで！勝手に触らないで！

 

知りたくないんですか？
なぜ息子さんが死んだのか。

 

息子に保険金が掛けられていた事から、屋敷は母親による殺人を疑い始める。

 

私が殺したようなものですけど。

と、真央に話したような事を語り始める母親。

 

それはどういう意味ですか？

 

あの子を追い詰めたのは私です。
前の晩も電話でひどい事を言ってしまって…。

 

ここでまた長々と同じ話が出るのかと思っちゃったよ。　

 

母親にちょっと言われたぐらいで、息子さん死なへんでしょ。

 

屋敷の反応が真央と同じ。　
聞きたい事はそんな事ではないんだよね。

 

結局、「遺体を発見する直前に20歳くらいの女の子が上の階から降りてきた」。

と言う話が決め手となったのだった。

 

真上の階の住人が、この元カノのストーカー状態になっていて、殺そうと睡眠薬を
飲ませてガスを出したのが、築40年のボロアパートの床の穴から下の階に下りて、
布団で寝ていた狭川を中毒死させてしまった…という…。

犯人すらも自分が殺したとは思ってもいなかった結末。

女の子は床の穴のせいで死を免れ、朝になってフラフラと帰る所を狭川の母と
すれ違ったのだった。

 

ＬＰガスは空気より重く上から下に流れます。
２０５号室の男は交際中の女性を殺害しようとし睡眠薬で眠らせたあと、自宅で用意
していたガスボンベに細工しガスを放出させたまま部屋を出ました。

ＬＰガスは２階の２０５号室の台所の床の穴から真下の１０５号室に流れ落ちていき、
１０５号室で布団を敷いて寝ていた狭川明さんが窒息死してしまったのです。

 

いやあ…でも、 たとえ夜中とはいえガスのにおいに 誰も気づかなかったんでしょうか？

 

あのアパートは築４０年で隙間も多く、また においも底にたまりやすいためガス共に臭いも
早めに抜けていったと思われます。
そして窒息死は解剖した際「虚血性心不全」や「致死性不整脈」とほぼ同じ所見になります。

 

そう所見していた岩松は複雑な表情。

 

ですから、血液検査をしなければ正確な事は判明出来なかったんです。
血液を分析した結果、狭川さんの血中にＬＰガスを構成している成分が溶け込んで
いました。
ＬＰガスには毒性はありません。
ただ、ガスの重さで睡眠中の狭川さんの周りにガスが充満し、酸素が欠乏した事により
引き起こされた窒息死だったのです。

 

自殺でも他殺でもなく巻き込まれた事故死だったのね…。

なんて事でしょう。

 

じゃあ、遺書めいたメモはどうなるんだよ？

 

わかりません。

 

ええ～！わかんないの～？

 

岩松先生。
事実さえ解れば心情的な事は監察医の仕事の範疇ではない。
松本君、続けなさい。

 

解剖の報告は以上です。

え？ あ…終わりなの？

 

報告が済むとクールに去っていく真央であった。　

私も思ったんだ。
床に穴があるほどのボロアパートで死んでしまうほどガスが充満するのかなぁ。
隙間から出ていくんじゃないのか、と。

でもＬＰガスは重いから二階から下りてきて下の床に沈殿してしまっていたんだね。
そこにたまたま狭川は寝ていたと……う～ん…１階、こわい。

 

そして、何だかやるせない結末。

この犯人は別に狭川を殺そうとしてやったわけではないから、罪状としてはたぶん、
彼女に対する殺人未遂、それと狭川に対しては過失致死？

大して重い罪にはきっとならないよね…。

本当に不運だったんだね。ただ不運。

 

ふくらはぎの筋肉が発達している。
足の裏のマメ 表皮剥脱出血あり。

なぜ 走っていたんですか？
狭川さん。

 

遺体に話しかける。

狭川は引きこもりから脱しようとしていたのだ。

 

息子さんの胃の内容物にプロテインがありました。
それと、ふくらはぎの筋肉が発達しており、足の裏にはマメもありました。
２週間くらい前から夜中に走っていたのではないかと思われます。

 

走っていた… あの子が…？

 

はい。

 

先生がおっしゃりたいのは、息子さんは現状を打破しようと頑張っていたと
いう事じゃないでしょうか？

言葉足らずで無愛想な真央に付け足す人の良い保坂さん。

 

慰めてくださってるんですか？

 

それは…お母様のお悲しみの深さはいかばかりかと存じますが…。

慰めているわけではありません。
事実をお伝えしているだけです。

 

そうですか。ありがとうございます。
でも、そんな小さな事実はどうでもいいんです。
あの子が何を考えていたにせよ命が奪われた事に変わりはありません。
私が親として不出来だった事も許されません。
何も取り返しがつかないんです。

 

母親はそう言って愛想なく遺体と共に去って行ったけれども…。

息子が走っていた真相は車の中で息子当てに掛かってきた電話で知らされる。
杉並タウンマラソンの主催者からの電話。

マラソン大会に出ようとしていたんだ…。

 

明は死にました。
…でも、ご連絡ありがとうございました。

ありがとうございました。

 

やっと泣く事が出来た母親。

 

ご遺体の話なのだから決して後味は良くないし、真実が解っても虚しさは残る。

けれども、真実が解ったおかげで狭川は人生に絶望していたわけではないと知らされた。
ゴミを乱雑に散らかしていたのも上の階の住人の仕業だったらしいし。

狭川の名誉は回復した。

 

寂しい話。だけど、ちょっとだけ救われる。

 

真央が前回も面会していた死刑囚と、死んだ真央の関わりというミステリーも
引っ張って……

なかなか見ごたえある作りなのだった。

 

変にお涙に走らないクールさも好き。

仕事に慣れちゃって上に媚びたり楽に終わらせることばかり考えている
局員たちも、ちょっとハラ立つけど滑稽で憎めない。

 

演出もカッコいいし、これはかなり好き。

木曜はこれと『信長のシェフ』でテレ朝三昧。
今期、細々と良いドラマが揃ってるかも。

 

都内のアパートで独り暮らしの若い男・狭川明(柄本時生)の遺体が発見された。
第一発見者は偶然訪ねてきた母親の典子(手塚理美)。
遺体は死因不詳のため行政解剖となる。
しかし母親の典子は「息子は自分が殺した…」と謎の言葉をつぶやく。
その頃、刑事の屋敷(佐々木蔵之介)は、息子に多額の保険金を掛けていた
母親の典子に疑惑の目を向けていた…。

(上記あらすじは「Yahoo！TV」より引用)

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※キャスト

松本真央 … 武井咲

泉澤郁夫 … 生瀬勝久
印田恭子 … 真矢みき
岩松正彦 … 六角精児
中山光則 … 尾美としのり
児玉 吉人 … 青柳翔
保坂 博 … でんでん

佃 健太郎 … 小松和重
秋山晴子 … 水沢エレナ
久米 みどり … 宮﨑香蓮

屋敷一郎 … 佐々木蔵之介
富田 肇 … 和田正人
小林 保 … モロ師岡

小杉貞夫 … 橋爪功

 

※ゲスト
第1話

長瀬 悟 … 小市慢太郎
三神珠江 … あめくみちこ
三神忠勝 … 斎藤歩
前野 … 水野直

 

第2話

狭川典子 … 手塚理美
狭川明 … 柄本時生

 

※スタッフ

脚本 … 大石静
演出 … 星野和成
プロデューサー … 内山聖子、中川慎子、浅井千瑞
音楽 … 井筒昭雄

主題歌 … 湘南乃風『パズル』
　　
公式サイト　http://www.tv-asahi.co.jp/zeroshin/

 

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