【幽かな彼女(かすかなかのじょ)】第4話 感想

いや。だって、教師の仕事なんて自己満足がなきゃやっていけないじゃないですか。
成績とかそういう解りやすい結果だけに意味があるわけじゃありませんし。
もしかしたら意味がないのかもってことでも教師が生徒に何をしてあげられるかが
大事なんじゃないんですか?

時間は一瞬、出会いは一生です。

子供たちが中学で過ごす3年間なんて人生の中で言うとほんの一瞬なんです。
でも、だからこそ価値のあることを与えられる出会いであるべきなんです。

生徒にとっても、教師にとっても。

幽か(かすか)な彼女 第4話

 

      かすかなかのじょ

 

ダンス部の顧問をしている林は、ちっとも上達しない3年生の藤田ともみを個人的に指導していた。

指導していると言っても林自身もダンスが上手くないので、一緒に練習している状態。
それでも、ともみは林を頼りにしていた。

ダンスがヘタだからと全員参加のはずの新歓オリエンテーションメンバーから
外されそうなともみを林は励ました。
毎日一緒に朝練と放課後の練習をしている2人の姿は他の生徒からも注目される。

 

ともみは暁のクラスの生徒。

クラスの中では一番おとなしい生徒ですからね。
運動も苦手みたいですし、彼女がダンス部ってのが意外な気もしますけど。

と、暁。

 

でも、藤田さん、部に入ったとき言ってたんです。
自分を変えたいって。

林はともみのそういう所に共感したらしい。

しかし、熱心に部活動をしていた林にとってはショックな出来事が起きる。

副校長からの提案で、1週間、部活の顧問を民間の専門コーチに依頼する事になったのだ。
これは教師の業務負担を少なくする目的で採用された話らしい。

 

これってどうなんでしょうね…。
実際にはなかなか難しい話な気がします。

部活動顧問は特に手当てが付くわけではないらしく、だからといって受けないわけに行かず、
事実上はかなり教師の負担になっているらしい。

生徒側にとってみても、指導できない顧問はあまり有りがたい話じゃない。
まぁ、我が家の子供らの例を挙げれば剣道ができない剣道部の顧問…みたいな物が
付いちゃうわけで…。

今回のストーリーではどんな具合に委託しているのか明確ではなかったけれども、通常、
顧問が指導できない時には生徒の父母やOBの経験者がボランティアで指導してくれたりする。
公立の場合は予算がないのでコーチを「雇う」というのは難しいんですよね。

ただボランティアのコーチは熱心だったり熱心じゃなかったりするので、やはり顧問が
指導できるのが一番望ましい。

ウチの子らが通っていた中学では、ある年に未経験の顧問がわざわざ道場に通って生徒と稽古
するほど熱心に部活に取り組んで下さり、結局その年が一番上の大会まで行けた年になりました。

顧問の熱心さは生徒に伝わります。
そういう年は生徒も父母もみんな上を目指す空気が出来上がるんですよね。

結局、部活動って心の問題だよなぁ…と、その時つくづく思ったのです。

 

…という個人的な話は置いといて……。

林も上に書いた我が子の学校の顧問みたいな熱心な先生だった。

自分はダンスの経験はないけれども、本を読んだり体を動かしたりして生徒との
触れ合いを一生懸命試みていた。

その取っ掛かりが、自分と同じくなかなか成長できないけれども成長しようとあがく
ともみだったわけ。

外部コーチが付いてからも林はともみに頼まれて一緒に練習をする。

その様子を暁は半ば無関心に、河合は苦々しく見ていた。

 

元々どこの部も受け持っていなかった暁はこの顧問交代劇に対してあまり何も感じず、
ただ自分のクラスの進路指導に勤しんでいた。

しかし、面談すると、どの生徒も「塾では」「塾で言われた」「塾の先生に」「塾が」「塾が」

 

暁は思う。

ほんと意味ないな。

 

ぎりぎりまで生徒に踏み込んでみてください。
あなたなら、私はそれができるような気がします。

副校長にそう言われてもその意味がよく解らなかった暁。

 

ステップがある程度出来るようになったともみは林から太鼓判を貰うが、体育のダンスの授業で
他のダンス部員から無理やり前で踊らされ、過呼吸で倒れてしまう。

林はイジメだと怒り、部員たちに注意しようとするが、河合は言うのだった。

 

でも、それ林先生のせいじゃないですか?

えっ?

あんなふうにえこひいきしてたら、他の子たちが面白くないって思うの当たり前でしょ。

河合先生。
ただ、僕は藤田さんが…。

林先生のやってることってただの自己満足ですよね。

見ててあんまりいい気持ちしないんで。

 

そして、この時からともみも

やっぱり変われないと思う。

と自分をあきらめてしまうのだった。

 

林自身も高学歴高学識高職家族の中でコンプレックスを抱えて生きてきたらしい。

暁の部屋で料理を作って出しながら、笑う林。

 

料理は昔から好きなんです。
…というか、親に褒められたことそれしかなくて。

だから藤田さんの言ってた「自分を変えたい」って気持ち、僕には他人事に思えなくて。
河合先生の言うとおりですよね。僕の自己満足だって。

 

上手く言葉をかけてやれない暁に変わって、アカネが喋りはじめる。
(もちろん、林先生には見えていないし聞こえません)

 

何に悩んでるんです? 林先生。

あん?

えっ?

ここの間が絶妙で笑える。

 

いや。だって、教師の仕事なんて自己満足がなきゃやっていけないじゃないですか。
成績とかそういう解りやすい結果だけに意味があるわけじゃありませんし。
もしかしたら意味がないのかもってことでも教師が生徒に何をしてあげられるかが
大事なんじゃないんですか?

時間は一瞬、出会いは一生です。

時間は一瞬、出会いは一生?

何ですか? それ。

…う~ん…。

子供たちが中学で過ごす3年間なんて人生の中で言うとほんの一瞬なんです。
でも、だからこそ価値のあることを与えられる出会いであるべきなんです。

生徒にとっても、教師にとっても。

 

黙り込んでしまった暁を不審がる林。

 

神山先生?

林先生は間違ってないですよ。

えっ?

それでいいんですよ。きっと。

 

もうダンスをあきらめながらも朝練の時間に学校へ来てしまったともみを暁は
教室で待ち伏せていた。

 

担任として、暁自身も踏み込む気になったから。

 

朝練ですよね?来ると思ってました。

いえ…。

林先生も待ってますよ。

変わるために一歩 踏み出してたんです。
そんな、あっさり下がれませんよね。

いや… 私は。

簡単には変われなくても、変わろうと思い続けることには価値がある。

変わりたいって思ってんだろ?
ちゃんと踏み出してんだから下がるなよ。

応援してるから。
俺も、林先生も。

 

林と朝練するために走り出していくともみ。

 

何か…簡単な話なんだけど感動した。

主人公の神山暁先生が、うるさくて大袈裟な熱血教師でも朝ドラヒロイン的でもなく、ただ淡々と
正しい状況の流れに乗ってくれる事に好感が持てる。

 

このドラマを見ている人の多くは綺麗ごとだと思っているかも知れないけれども、
見守って励ましてくれる大人の存在がどんなに子供にやる気と勇気をもたらすか。

先ほど上に書いたような我が子のとある1年間の部活事情で、私は目の当たりにそれを見たから。

 

良い教師に出会う事は、子どもにとって大切な宝物。

教師にとっても生徒との出会いは宝物であってほしい。

 

ともみは新歓オリエンテーションに勇気を出して踏みだし、きちんと踊った。

そして、神山先生も、塾任せの進路指導のやり直しを決める。

 

すいません。
前回は欠席した人もいましたし、次の面談ではまず僕が皆さんに対して何ができるのかを
確認したいので。協力お願いします。

それを知った副校長は言うのだった。

 

結構だと思います。

「時間は一瞬。出会いは一生。ですから」

 

以前もアカネの言葉を副校長が言っていたシーンがありました。

副校長はアカネの教え子なんだね…。
アカネの方は何にも覚えていないらしいけど。

そして、自分の死因さえも忘れてしまっているアカネは、今回初めて「服を着替える」
という行動のために自分のお腹を見て、傷跡がある事を知る。
(ウサギさんの服は可愛いけど似合わなすぎた)

 

アカネ…刺されて死んだということなのかな~…。

 

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。


生きていた頃の記憶をよみがえらせたいというアカネ(杏)に頼まれ、学校に連れて来た暁
(香取慎吾)。
だが、アカネは何も思い出せない。そんな中、アカネは偶然すれ違った和泉(真矢みき)に
何かを感じる。
同じ頃、林(北山宏光)が顧問を務めるダンス部に問題が持ち上がる。
部員たちが、新歓オリエンテーションで披露するダンスのメンバーから、踊りが一向に上達しない
藤田ともみ(上白石萌歌)を外すと言い出したのだ。
林は反対するが取り合ってもらえず、おとなしいともみも何も言い返すことができない。
そんな折、和泉の提案で、部活の顧問を試験的に民間のコーチに委託することが決まった。
顧問の負担を免れ喜ぶ教師たち。だが、部活に熱心に取り組んできた林はショックを受ける。
そんな林のもとにともみが現れた。
ダンスの自主練習に付き合って欲しいというのだ。
林と毎日特訓に励んだともみのダンスは徐々に上達。
だが、まだ自信がないと不安げなともみは、ダンスを始めたきっかけを林に打ち明ける。
勉強も運動も苦手で、昔から自分に自信が持てなかったともみは、成績が学年トップの葉山風
(柴田杏花)に話しかけられ、自慢できる友だちができたと喜んでいた。
ところが、つまらない人間だと風に疎まれ、「自分を変えたい」とダンス部に飛び込んだのだ。
「頑張れば、人は変われる」とともみをやさしく励ます林。
その姿を見かけた千穂(前田敦子)は、林に冷ややかな視線を送り

(あらすじは「Yahoo!TV」より引用)

よろしければ→【2013年4月期・春クールドラマ何見ます?】ラインナップ一覧とキャスト表

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【キャスト】

神山 暁 … 香取慎吾
アカネ … 杏
河合千穂 … 前田敦子
林 邦彦 … 北山宏光
大原操緒 … 濱田マリ
岩名清二 … 高嶋政宏
霧澤和泉 … 真矢みき

吉岡さん … 佐藤二朗

※3年2組 生徒役

森野小夜 … 森迫永依
重田 誠 … 田口司
中島智也 … 市川理矩
東川 奈々子 … 浅川梨奈
老谷美香 … 中村ゆかり
向井樹里 … 近藤玲奈
遠藤秀人 … 岡田隆之介
小久保 健太 … 澤畠流星
矢沢 舞 … 飯豊まりえ
葉山 風 … 柴田杏花
野本香織 … 荒川ちか
下川千夏 … 関紫優
倉田円花 … 平祐奈
大宮斗真 … 藤原薫
石田 航 … 松井健太
岡本香奈 … 未来穂香
佐藤優香 … 森川真衣
柚木明日香 … 広瀬すず
手嶋健太郎 … 岩橋玄樹
森岡大樹 … 渡辺貫裕
高橋 蓮 … 井上翔
藤江俊介 … 萩原利久
根津亮介 … 森本慎太郎
藤田ともみ … 上白石萌歌
水沢 真由美 … 加藤里保菜
皆川隆雄 … 岡山智樹
京塚りさ … 山本舞香
相田拓途 … 神宮寺勇太
西原 翼 … 佐奈宏紀
田嶋 萌 … 田辺桃子

 

【スタッフ】

プロデュース … 木村淳
演出 … 白木啓一郎、田中耕司、星野和成
脚本 … 古谷和尚

主題歌 … SMAP「Joy!!」

 

公式サイト http://www.ktv.jp/kasuka/index.html

 

 
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【幽かな彼女】第1話 第2話 第3話 第4話


コメント

  1. くう より:

    SECRET: 0
    PASS: d0970f9a670a457ba04fd47a84598fe5
    コメントありがとうございます。

    「35歳」を取り上げていないのは、私はあのドラマを丸っきり買っていないからです。
    書くと文句ばかりになりそうなので書いていません。
    先週の放送には怒りさえ感じたので、危うく書きそうになりました。そういうレベルです^^;
    スクールカーストというのは現代の問題に限ったことではなく、どんな場所でもどんな時代でも存在する空気のような物ですね。
    だからこそ、とっくに高校生じゃなくなった30代40代の人たちが
    昨年の映画「桐島、部活やめるってよ」に共感したわけで。
    先週のような描き方をしたら、むしろ本当にクラスの1軍だの2軍だのを
    分け始める学生が現れるのではないかと心配しています。
    問題提起どころか、先導しそうだと思える内容でした。
    もっともらしく描いていますが、私にとってはあれこそただの主役の方のコスプレドラマです。

    「幽かな」は奇想天外な設定の中に学ぶべきことがたくさん描かれていると思いますよ。

  2. たくみ より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    《35歳の高校生》を取り上げられてないのが大変残念です。
    今期《いじめ》が題材になったドラマが多すぎますが、その中でも《35歳…》は重い描写ながらも、問題定義や構成や演出が中々良いと感じ、欠かさず視聴しています。

    それに比べて、幽かな彼女は、やはりファンタジー色が強すぎるし、配役のセンスも手伝って、全てがおちゃらけにしか感じませんでした。
    本当に残念です。

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    後、千穂が演じる

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    JUGEMテーマ:エンターテイメント

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