BS時代劇 薄桜記 第8回「殿中刃傷」
浅野内匠頭が起こした殿中刃傷沙汰で、切腹が決まったという話を聞いて、吉良は
気の毒じゃのう。
と言います。
あの時、内匠頭は錯乱していた。
錯乱していたのに切腹させ、お家断絶にさせるのは間違った御政道だから
助命嘆願するようにと申し付ける吉良。
あら、この吉良さまは、えらく良い人なんだ…
と思ったら、
内匠頭には吉良家に遺恨などあらず。
あったら、こっちにもお咎めが及ぶではないか!
なるほど…
「乱心だからと助命嘆願してやらないと、遺恨を受けるような事をしたという事になる」
という理屈ですね…。もっともだ。
しかし、そのような間もなく、内匠頭は即日切腹。
この事件は当然、世を騒がせます。
世論は、供応役となった内匠頭が指南係の吉良上野介にあれこれ虐められて
ついに我慢の限界となり刃傷に及んだ。
なのに吉良には咎めなく、内匠頭は切腹。
浅野家はこれに対する報復を行うに違いない、という物。
白竿屋でも、当然話題になっています。
わしは遺恨ではなく乱心だと思うておる。
もしも乱心だとすれば、即日切腹は罪が重すぎる。決めた方もご乱心だ。
もしも、遺恨であれば刀を真っ直ぐに突き立てるはず。
振り回していたというのなら乱心。
と言う典膳さん。なるほど深い読みです。
浅野家に対する幕府の仕打ちはこれだけでは済まず、浅野家はお取潰し。
赤穂城は召し上げと決定。
これを聞いた吉良は顔色を変えます。
いかんな!
例によって暢気な千春の父・長尾権兵衛は、こっちに咎めがないからいいのでは…
と言うような事を口にしますが、これがまた吉良の逆鱗に触れます。
何百人もの家臣が一度に浪人になるのだ。
わしが恨まれるではないか!
そしてやがては、吉良は呉服橋の屋敷から江戸の外れへと屋敷替えを命じられるのでした。
やられたのは自分の方なのに、なぜこんな仕打ちを受けねばならぬのかと怒り狂う吉良。
この時、千坂兵部は身体を悪くしていて座っているのがやっとの状態でした。
典膳さんは千坂兵部から、吉良家の警護役を頼まれていましたが、
断り続けてきました。
白竿屋長兵衛は、これを受けろとしつこく言ってきます。
世間では討ち入り団子や仇討饅頭が出回るほどの状態。
お前は浅野家の討ち入りがあると思うか?
と、長兵衛に訊ねる典膳さん。
そりゃあ、あった方が面白いでしょう。
と、にやりと笑う長兵衛。
これが世論ってもんですね。
現代の多角的に物を見ないで煽りのためにされる一方的なマスコミ報道や
ネット記事でも同じこと。
世の中は面白いことを面白いように炊きつけていくものです。
道場に、浅野家がお取潰しにならないように嘆願協力を頼みに行った安兵衛に
温かい言葉をかけてくれる高木どのの優しさに涙しました。
世論はみんな浅野家の味方。
吉良家が引っ越ししたのは江戸の外れ。
討ち入りがあっても周囲に被害が及びにくく、助けに行きづらい場所に
移らされたと言う話もあります。
そんな味方のいない吉良を何とか救うため、千坂兵部は典膳さんの腕を欲していたわけですが…。
いよいよ千坂の具合が悪いと千春から聞いて、典膳さんは屋敷へ見舞いに訪れます。
そこに現れたのは、千春の兄、長尾龍之進でした。
そして、典膳さんは龍之進から、千坂さまがみまかられたと聞かされるのです。
典膳さんへの言伝は、吉良さまに仕えてほしいという事。
龍之進も、
吉良さまのお屋敷に入り、吉良さまの身辺を守っていただきたい。
と、これに口添えするのです。
江戸の外れに転居させられ身が危ないが、吉良さまは花鳥風月を愛でるお人柄で、
身辺に物々しい数の警護を付けるのを嫌う。
典膳の腕をもってすれば、10人分の働きをする、ぜひ来てほしいと…。
仕の話はお断りするつもりであったが、千坂さまがご他界あそばし断るすべを失のうた。
と、しばらく考えたいと言う典膳・・・
ここで、やっと四年ぶりに龍之進がはじかれたように頭を下げるのです。
もとより許される事ではござらぬが、重々お詫び申しあげる!
長かった……。・泣
でもね、龍之進もずっと後悔していたんだよね。
何度も謝りたかったに違いない。
しかし、典膳に謝るという事は、長尾家の嫡男が事件を起こしたと認めることになり、
それは許される事ではなかった。
…千坂兵部の死によって、ある意味そういう重しが取れ、やっと謝る事が出来た。
そんな所でしょうね。
この嫡男は父さんほど天然ではないようです。
頭を下げる龍之進に典膳さんは言います。
松の廊下の刃傷沙汰は、内匠頭の乱心であったのか、それとも
吉良に対する遺恨であったのか、と。
おぬしはどうじゃ。
わしに斬りかかったのは遺恨か乱心か。
遺恨であればわだかまりは残る。
乱心であれば水に流す。どうじゃ。
これを聞いて、顔が歪む龍之進……
…乱心でござる!
あいわかった。
これで積年のわだかまりは消えた。
もう終いじゃ。
名シーンです……。・泣
龍之進に腕を切り落とされ、お家断絶の憂き目を見てから四年。
その苦しみを「さだめ」と言い、片腕失くしても剣の道を進んできた典膳さん。
何という心の広さなんだろう!
龍之進もきっと泣きたいほどのありがたさでいっぱいだったに違いない…。
この度量の大きさ……
とても、真似できません。
また、この問いかけは同時に吉良家に非があるのかどうかも龍之進に
問いかけているわけですよね。
しかし、真実はどうあれ、内匠頭は「乱心」ではなく「遺恨」という選択を勝手に
押し付けられ、ご政道と世論に炊きつけられて浅野家家臣は討ち入りへの道へ…。
世の中、正しく物を見る目が働かないと悲劇が起こります。
今回は出かけていて金曜に見れなかったので、これは関係ないです↓
※今回見逃した方、再放送は2012年9月2日(日)18時45分~19時30分 BSプレミアムで!
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
江戸城でのにん傷により、赤穂浅野家は取り潰しとなった。
吉良上野介(長塚京三)は、世間と浅野家家臣からの恨みをかわすため、高家筆頭の座の
辞去と隠居を申し出たが、幕府からは江戸の外れに屋敷替えという仕打ちを受ける。
丹下典膳(山本耕史)は、恩人の千坂兵部(草刈正雄)から頼まれた吉良家の警護の役を断るため、
千坂の屋敷に出向くが、千坂は、病のために亡くなっていた。
典膳は警護の役を断るすべを逸する。
(上記あらすじは「Yahoo!TV」より引用)
よろしければ→【2012年7月期・夏クールドラマ何見ます?】ラインナップ一覧とキャスト表と展望
【キャスト】
丹下典膳 – 山本耕史
長尾千春 – 柴本幸
堀部安兵衛 – 高橋和也
お三 – ともさかりえ
丹下ぬひ – 檀ふみ
白竿屋長兵衛 – 高嶋政伸
千坂兵部 – 草刈正雄
高木敬之進 – 葛山信吾
富樫頼母 – 石丸幹二
瀬川三之丞 – 石垣佑磨
長尾龍之進 – 忍成修吾
長尾権兵衛 – 辰巳琢郎
お菊 – かとうかず子
富子 – 萬田久子
浅野内匠頭 – 春日俊彰
紀伊国屋文左衛門 – 江守徹
堀部弥兵衛 – 津川雅彦
吉良上野介 – 長塚京三
新潮文庫 こ−4−5薄桜記/五味康祐 |
市川雷蔵/薄桜記 |
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
※FC2にトラックバックが飛ばないブログ&サイトさま記事リンク(お申し出下さい)
・
・
【関連記事】・陽だまりの樹- BS時代劇 – 第8回
コメント
薄桜記 第8回「両成敗」簡単感想
公式サイト松の廊下事件は瞬く間に江戸中に広まってしまいました。<続きは本家記事でご覧ください。>※本家の記事のURLhttp://miru-yomu-kiku.cocolog-nifty.com/blog/2012/09/8-1e37.htmlこの記事のト…
BS時代劇『薄桜記(はくおうき)』 第八回 両成敗
『両成敗』
内容
江戸城内で起こした刃傷沙汰により、浅野内匠頭は即日切腹を命じられ、
斬られた吉良上野介(長塚京三)は、お咎め無し。。。となる。
上野介は、乱心であって遺恨
SECRET: 0
PASS: d0970f9a670a457ba04fd47a84598fe5
>やはり誰もが討ち入りを見たいんでしょうね♪
世論って、そんなものだと思います。
今の時代も似ているかな?
似ていると思いますよ。
ネットニュースなど特に憶測やデマが回りやすいですよね。
そして人間っていつの時代も「人の不幸は蜜の味」的に他人の騒動を面白がっている気がする^^;
典膳さんの正しい目と揺るぎない正義感が仏のように感じられます。
SECRET: 0
PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
>これが世論ってもんですね。
やはり誰もが討ち入りを見たいんでしょうね♪
世論って、そんなものだと思います。
今の時代も似ているかな?
>とても、真似できません。
いやはや、あれを許すことの出来る典膳は
ホント心が広いですよね。
たしかに名シーンだったと思います。
BS時代劇「薄桜記」第8回
乱心です…
詳細レビューはφ(.. )
http://plaza.rakuten.co.jp/brook0316/diary/201208310003/
NHK-BS時代劇「 薄桜記 」オリジナル・サウンドトラック濱田貴司 ポニーキャニオン 2012-08-22…