BSプレミアムドラマ【 昨夜のカレー、明日のパン 】第5話「カードと十手」　感想

「わたしみずからのなかでもいい　わたしの外のせかいでもいい
　　どこにか『ほんとうに美しいもの』はないのか

　それが敵であってもかまわない　及びがたくてもよい　
　　ただ在るということが分りさえすれば

　　　　ああ　ひさしくも　これを追うにつかれたこころ」

八木さんに言ってあげたかったな。
あるかもよって。

 

昨夜のカレー、明日のパン　第5話　

　　　　　　　

 

「どこにか本当に美しいものはないのか」

と、嘆く詩を書いた八木重吉は29歳の若さで世を去った詩人。

「つかれたこころ」は美しいものを求めて止まない心。

まだ小学生なのに、この詩に呼応してしまうほど疲れていた少女の心は
岩井さんによって救われた。

すごいって思いました。
人間って、すごいです。

 

凄いのは「人間」というよりも岩井さんだと思った。

こんな人間なかなか居ない。
人生の中で、こんな人に出会えることがあるかしら。

少女は救われ、テツコさんは少女が飛びこもうとしていた暗い黒い川を見ながら
思ったのである。

 

そっか…私が欲しかったのはこれか。

うっかり自分の足元にある暗い淵をのぞき込んでも戻ってこれる。

私はそんなのが欲しかったのだ。

 

明るくカラッと生きているようでも、テツコさんは何度もうっかり暗い淵をのぞきこんで
生きてきたのだろう。

一樹を失った日から。

 

一度は信じてみようかと思った男が「下手人」と呼ばれているのを知って
お金を貸せなかった朝子さんは嘆く。

あ～！思いっきり誰かを信じたいーーー！

 

それ、テツコさんのせいなんだけどね。　
元々はギフのせいなんだけれどもね。　

 

お金の話のようだけれども、結果的には「信じる心」の話だった。

大金を貸せるか貸せないか。
ケチだとかそういう話ではなく、貸せるほど信用できる人間がいるかどうかという話。

岩井さんは「信じる人」なのだ。
それは魔法使いだよね。

損得勘定が先だつ人間という動物。

岩井さんはそういう人じゃない。
それが分るから、一樹はたぶん許すだろう。

一樹が許すだろう事が解っているから、テツコさんは一樹を「手放す」決心をする。

それは捨てるという事ではなく。

一緒に抱えて行ってもいいものなんだと思うのだ。

 

一樹の回想がないED。
寂しい。

こういう展開が前を向く事だとは初めから解っていた。

けれども、まったりしたテツコさんとギフと一樹がいる空間。
これが無くなってしまうのだろうかと思うと、とても寂しい。

 

ギフの家に岩井さんと3人で住めれば一番いいのだけれども…
それじゃ再出発にはならないんだろうな。

 

※簡単感想でスイマセン。
３、４話の感想も上がっていなくてすいません。

でも大好きなのは変わらないので。

 

岩井さん（溝端淳平）が結婚詐欺にあい、五百万円をだまし取られたという話を 聞き、
テツコ（仲里依紗）は怒りが収まらない。
お金をだまし取ったのが小学生の少女（ 蒔田彩珠）だということがわかり、テツコは
その少女と会うことにする。
一方、隣家の小田和正( 小倉一郎)から借金の相談を受けたギフ(鹿賀丈史)は、
家宝である金の十手を質屋に 入れて工面をしようとするが、それが金メッキだと
わかり大きなショックを受ける。

(上記あらすじは「Yahoo！TV」より引用)

よろしければ→【2014年10月期・秋クールドラマ】ラインナップ一覧とキャスト表

 

　　
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※キャスト

テツコ/寺山徹子 … 仲里依紗
ギフ/寺山連太郎 … 鹿賀丈史

岩井さん/岩井正春 … 溝端淳平
寺山一樹 … 星野源
ムムム/小田 宝 … ミムラ

小田和正 … 小倉一郎
小田みゆき … 筒井真理子
秋山朝子 … 片桐はいり
寺山夕子 … 美保純
ギダリエ/柳田理恵子 … 小野ゆり子
竹内虎尾 … 賀来賢人
山ガール/小川里子 … 吉田羊
サカイ君/坂井良一 … 福士誠治
深っちん/深津 … 趙たみ和

※スタッフ

制作統括 … 磯智明
脚本 … 木皿泉
演出 … 茂原雄二、阿部雅和、佐々木詳太
音楽 … 阿南亮子
料理監修 … 高山なおみ

原作 … 木皿泉『昨夜のカレー、明日のパン』

主題歌 … プリンセス プリンセス「M」

　　
公式サイト(終了)　http://www.nhk.or.jp

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